艦これ! 妖提督と艦娘の日々   作:d.c.2隊長

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明けましておめでとうございます(遅っ

 ま た せ た な(蛇ボイス

いやはや本当に長らくお待たせしました。番外編ですがようやく更新出来ました。大変申し訳ありません。

今後もこのような不定期更新となりますが、どうか本作をよろしくお願いします(*゜∇゜)ノ


EX 宿毛湾泊地鎮守府小話

 「は~し~れ~、こ~そくの~、ふんふんふーふふふふふふーん♪」

 

 とある昼下がりの宿毛湾泊地鎮守府の廊下に、電のご機嫌な歌声が響き渡る。そんな様子を隣で見ていた響もまた、ご機嫌な妹に吊られて小さな笑みを浮かべていた。

 

 昼下がりと言ったように、彼女達は昼食を終えて自室に戻るところであった。予定としては、彼女達は自室で休憩をした後に他の姉妹艦2隻に川内、大鳳を加えて鎮守府近海を哨戒する。ふと響がその予定を頭の中で思い返している時だった。

 

 「う~な~れ~、衝撃の~♪」

 

 

 

 ― ファーストブリットォ! なのです!! ―

 

 ― なんっげふぁっ!? ―

 

 

 

 突然妹から横腹に、ぐるんぐるんと体ごと回転して遠心力を加え、更に先程まで装備していなかった艤装の砲台から背後に向かって砲撃することで加速も加わった右腕によるえぐり込むような打撃を受けた。昼食後ということもあり、とてつもないダメージである。更には駆逐艦とはいえ艦娘としての強大な腕力、人間ならばスプラッタなことになっているだろう。喰らいたくない。

 

 幸いにも響は電と同じ艦娘なのでスプラッタは回避したが、先も書いたように彼女は昼食後。詳しい描写は彼女の乙女的なイメージやらその他諸々を守る為にしないが、廊下は一部スプラッタなことになってしまった。

 

 「い……いな、ずま? お姉ちゃん、何か……したか、な?」

 

 「他人が電のことを“電”だのなんだの言わないで欲しいのです。それが見下しているって言ってるのです」

 

 「ぉぇ……いや、他人も何も……響と電は姉妹艦だし……電は見下しているなんて一言も」

 

 

 

 ― 撃滅のセカンドブリッどぶぉ!? ―

 

 ― 電ぁぁぁぁっ!? ―

 

 

 

 なぜか髪を逆立たせながら瀕死の響に理不尽な物言いをし、挙げ句には再び先と同じように殴ろうとした電に何かが直撃して小規模の爆発を起こした後に彼女の小さな体を吹き飛ばした。2発目は最終回を除いて成功しないもの。尚この廊下、電の砲撃に響のげふんげふん、今の爆発で半壊しており、吹き飛んでなくなった天井が遮っていた太陽の光が燦々(さんさん)と降り注いでいる。

 

 「危なかったわね、響」

 

 そう言って響に近付いてきたのは、砲口から煙を吹かせている川内であった。無論、砲口とあるように艤装を装備済みである。

 

 響はなんで工廠や海上じゃないのに艤装を付けているんだとか、助かったとはいえどうして電を撃ったんだとか言いたいことはあった。が、それを口には出来なかった。なぜなら、まだ地味に電の一撃のダメージが残っており、とてもではないがそこまで言葉を発することが出来なかったからである。しかしツッコミは出来るので問題はない。

 

 「ちっ、仕留め損ねた」

 

 「何を物騒なこと言ってんの!? じゃなくて電……は……」

 

 舌打ち1つを零した川内の台詞にツッコミを入れる響だったが、川内が見ている方向に視線を送ると唖然とした表情を浮かべた。その視線にあったのは、言わずもがな電の姿。しかし、その姿は先程とは大きく違った。

 

 別にアームドベースオーキスを装備したとか、勇気や友情の紋章を背負ってワープ進化したとかそういうワケではない。先程は右手にしかなかった12.7cmの主砲を両手に持ち、なにやら全身が金色に光っていた。尚、電はれっきとした駆逐艦の艦娘である。宇宙から来たワケではない。

 

 「……何あのスーパーモード。いつから響の妹は地球外生命体、もしくはリミットオーバーアクセルシンクロを会得したんだ」

 

 「そらそらそらそらぁぁぁぁ!!」

 

 「しまった、こっちは台詞的にゲルマン忍者だ」

 

 電の突然の暴力からここまでおよそ4分。その僅かな時間で、響はこれ以上ない程に心身ともに疲れていた。その疲労感は先程まで感じていた横腹や中身の痛みを麻痺させ、ツッコミの声を無気力感溢れるものに変えてしまうほどである。

 

 そんな響のことなどつゆ知らず、川内は声を上げながら主砲を連射していた。機構や理論などガン無視の、どこかの重腕も真っ青な弾幕である。主砲は一門一つしかないにも関わらず。たまに魚雷が苦無(くない)のように投げられているのは忍者を意識しているのかもしれない。

 

 しかし、電には1発たりとも当たっていない。否、当たってはいるが効いていない。まるで見えない壁があるかのように、電には1発も届いていなかった。そのまましばらく弾幕に晒されていた電が、唐突に走り出す。響は電の向かう先が自分ではなく川内であることに気付くとそそくさと川内から距離を取り、とうの昔にぶっ壊れた壁から外に出た後に俗に言う体育座りをして死んだ魚のような目で憎たらしい程に青く澄んだ空を見上げた。完全な現実逃避である。

 

 「くっ、弾がもう!」

 

 「川内さん……これが電の自慢の!!」

 

 「かくなる上は、この魚雷苦無で道連れに!」

 

 (嗚呼、電はさっきみたいに殴りかかるんだろうか……ていうか川内さん……魚雷苦無って何? あなたまだ改でしょう……まあ響に悪影響がないなら、ツッコミも疲れたからもうどうにでも……)

 

 

 

 ― 拳……あ、足が滑っ ―

 

 ― ぐぼぁっ!? ―

 

 ― そういえば史実では味方艦とごっつんこしてその艦沈めてましたねーっ!? ―

 

 

 

 現実逃避すら満足にさせてくれない展開が背後で繰り広げられ、思わず後ろを振り返りながらツッコミを入れてしまう響。今のこの世界は彼女に優しくはなかった。

 

 響は見た。超加速した上で足を滑らせたであろう電の頭部が思いっきり川内の腹部にめり込み、川内の体が“く”の字のごとく折れ曲がっている姿を。バキベキと何やら不快な音も連続して聞こえてきたが、右耳から左耳へ聞き流す。問題は、彼女が手にしていたであろう魚雷が……響の足元に転がってきていたことだった。

 

 「は? え、ちょ、ま」

 

 

 

 

 

 

 その日、宿毛湾泊地鎮守府で忌まわしきキノコ雲が上がった。忌まわしいハズのそれを見た人は皆、どこか達観したような目をしていたという……。

 

 

 

 

 

 

 「っはぁ!! はぁっ……はぁっ……?」

 

 荒く息を吐きながら、響は上半身を起こした。しばらくそのまま息をしていたが次第に荒かった息も収まっていき、辺りを見回す余裕も出てきたので響は確認してみることにした。

 

 時間帯は深夜。部屋の窓から入る月明かりが僅かに室内を明るくし、今いる部屋が響達暁型駆逐艦姉妹が使っているモノであることに気付く。他の姉妹達は完全に寝入っており、電もスヤスヤと寝息を立てていた。

 

 響は自分の体に何の痛みもないことを確認し、こっそりと静かに廊下に出て鎮守府の建物に破壊の後が1つもないことも確認し、ゆっくりと自分の布団に入り込み、眠る準備を整える。

 

 「……夢、か」

 

 そう、全ては夢。おかしかった電も夢。どこからともなく現れた川内も夢。破壊された鎮守府も夢。なにもかも夢。

 

 

 

 ― ……良かったぁぁぁぁっ!! ―

 

 

 

 その日、響は全身全霊全力全開で神という存在に感謝した。

 

 そんなお話のタイトルは……。

 

 

 ~ とある不死鳥の見た悪夢的な何か ~

 

 

 

 

 

 

 ~ドキドキ? 青葉の実験室!~

 

 

 

 さぁ始まりました、ドキドキ? 青葉の実験室! なんて内心で考えながら提督の執務室の天井に潜んでいるのはワレアオバでお馴染みの重巡洋艦、青葉ですー。執務室の天井の人が横になることでなんとか入り込める僅かなスペース……直下に提督の机が見えるように計算して開けた覗き穴……艦娘としての能力を駆使すれば、この状態に持って行くのに1日もいりません。因みに執務室の真上は倉庫になっていまして、その床板の一部を取り外すことで忍び込んでいます。

 

 さて、こんなことまでして青葉が何をしたかったのか……それはズバリ、“提督でとある実験”をする為です。時雨さん辺りに聞かれれば撃沈させられそうですが、今回は抜かりありません。

 

 誰にも言ってませんし、誰にも見られないように細心の注意も払いました。今の青葉を見つけることは誰にも出来ません。そんな自信を持ちながら、最初の実験です。

 

 さぁ、執務室にやってきた提督が仕事をする為に席につきました。その瞬間提督が目にしたのは……私が用意した、既に剥いてあるウサギさんりんごです(雷ちゃん作。器用ですね)。提督が無類のりんご好きなのはこの鎮守府では周知の事実。仕事中とは言え、多少食べたり飲んだりするのは問題なし。これだけなら実験などと称する必要はないでしょう。目の前のりんごを食べて終わりになります。

 

 ここで、実験内容を説明しましょう。内容は、誰が置いたかも分からないりんごを不用心に食べてしまうのかという危機感の確認です。実はりんごには睡眠薬を“塗って”あります。もしも食べてしまえば、提督は1日仕事が出来ずにぐっすり……という訳です(尚、睡眠薬は山城さんから(勝手に)拝借しました……他に媚薬だの麻痺薬だの沢山あったのは見なかったことに……というか入手経路が凄まじく気になります)。

 

 さぁ提督、自分の好物を前にして疑問を持ち、尚且つ危機を回避出来ますか? まぁ食べて寝てしまったら、青葉が素早く下へ降りて膝枕なり添い寝なりしてあげて提督からの好感度アップを……。

 

 「司令官、入っていい?」

 

 「雷? どうぞ」

 

 そんなことを考えていると、いつの間にか雷ちゃんがいました……そういえば、今週は雷ちゃんが秘書艦で……ってマズいマズいマズい、非常にマズい! 雷ちゃんはあのりんごを剥いた御本人! となれば……。

 

 

 「どうしたんだい? 雷……あ、りんご剥いてくれたんだ」

 

 「うん! さっき青葉さんに剥いてあげたから……ってあれ? その机にあるの、青葉さんに剥いた奴……」

 

 「あ、そうなんだ。じゃあ僕が食べるワケにはいかないね……ところで雷。器用だね、うさぎりんごなんて」

 

 「これくらい、慣れれば誰にでも出来るわよ……ん~♪」

 

 ああ~……開始早々……いや、始まってもいませんが。実験は失敗ですね……全く雷ちゃんも来るタイミングが悪い。まるで狙いすましたかのように部屋に入って来るなんて……ああ、提督に頭を撫でられているからとそんなに顔を緩ませて……撮りたい、その笑顔。流石に角度が悪いので撮りませんが……と思ったところにシャッターチャーンス! ナイスです提督! 喉をくすぐるなんて動物にするような行動には少々ツッコミたいところですが、今は雷の緩んだ顔を撮るのが先です。

 

 覗き穴が小さいのですが、この青葉特性カメラならばズーム機能などデフォ! さて、パシャリと……。

 

 

 

 ― ……ニヤリ ―

 

 「そこまでですよ、青葉ちゃん」

 

 

 

 雷ちゃんがこちらを見ながらしてやったりと言わんばかりの笑みを浮かべたことと、私の後ろからなぜか寒気を感じさせる声がしたのは同時でした。

 

 

 

 「ちょっと上が騒がしいね」

 

 「翔鶴さんが倉庫の整理してるから」

 

 「整理? それは前にしたと思うんだけど……」

 

 「まあ整理というか……」

 

 

 

 ― 良からぬことを企んだ人へのお仕置き部屋に丁度いいかなって……ね ―

 

 

 

 

 

 

 ~最初の5人の艦娘、その実力~

 

 

 

 この宿毛湾泊地鎮守府に所属している駆逐艦娘の時雨は“5人の最初の艦娘”と呼ばれる最古参の艦娘の1人である。数いる艦娘の中で長い期間戦い、生き抜いた彼女の経験と実力は、この鎮守府の他の艦娘と比べると……否、世界の艦娘達に比べても抜きん出ている。先の出撃でも被弾率0%を達成していることを見ても、その実力の高さが伺える。

 

 そんな時雨が、演習として他の所属艦娘達と模擬戦を行えば、どうなるか。

 

 

 

 「川内さん被弾、大破。艦隊の全滅を確認……時雨さんの勝利です」

 

 

 

 オペレーター役の大鳳からのアナウンスを受け、時雨が構えていた主砲を下ろしてふぅ……と息を吐く。ここで、たった今終わった演習内容について簡単に説明しよう。

 

 内容は、時雨1隻VS電、暁、響、雷、金剛、川内、青葉の7隻のハンデキャップマッチ。実弾の代わりにペイント砲弾とペイント魚雷を使用する以外はルール無用の実戦形式。なぜこんな形式になったのかと言えば……。

 

 

 

 「時雨さんって、実際どれくらい強いんです? 青葉、気になります!」

 

 「うーん……僕以外の皆を同時に相手しても勝てる自信があるくらい、かな」

 

 「あはは、いくら何でもそれは言い過ぎでしょう……え、マジですか? 嘘ですよね? いや、あの、腕引っ張らないでくだ……って力強っ!? 重巡の私が力負けとかあぁぁぁぁ……」

 

 

 

 こんな感じで始まり、あれやこれやと秘書艦の翔鶴を除いた鎮守府内の全艦娘が集まり、なんやかんやで演習した。かくして結果は時雨の圧勝。時雨自身は被弾無しの無傷で残弾も7割強残っており、無駄撃ちもほとんどない。

 

 対する駆逐重軽巡戦艦連合は全艦大破。皆致命的損傷の判定を受ける頭部や胸部、戦闘続行不能判定を受ける艤装等に緑色のペイント砲弾を受けていた。尚、青葉だけなぜか全身余すことなく緑色である。

 

 「まさか、ここまで手も足も出ないなんて……」

 

 「強すぎるのです……」

 

 「ああもう悔しい!」

 

 「これが“5人の最初の艦娘”……」

 

 駆逐艦娘の4人からそういった声が漏れる。この中で最初に大破判定を受けたのは暁、最後に受けたのはやはりというべきか響である。

 

 「くっ、まだ当てられないなんて……っ!」

 

 「相変わらずバトルで時雨にウィンできナイデスネ。バストとかは」

 

 「それ以上言ったら口に直接撃ち込むよ」

 

 「ソーリー……」

 

 露骨に悔しがる川内、不用意な言葉で青葉の後を追いかけそうになる金剛。元先生役の彼女達は、たびたび氷狐に関することで演習を含めた様々な勝負方法で争っていた。その中でも、身体能力を使う勝負では時雨は負けたことがないという。恐るべし時雨。

 

 「皆さん、司令官から伝言です。“演習が終わったらすぐに帰ってくるように。おやつの時間だよ”だそうです。私は先に行きますので」

 

 「ちょ、大鳳ズルい! 雷達は先に着替えと入渠しないといけないのに!」

 

 「艤装も工廠に置かないとダメなのです……」

 

 「言ってる間にタイムは過ぎてイキマス。レッツゴーネ!」

 

 「僕は艤装置くだけでいいからね。お先に!」

 

 【はやっ!?】

 

 演習が終われば、艦娘と言えどもおやつが好きな女の子。時雨を筆頭に提督手作り(ここ超重要)を求めて我先にと鎮守府へと全速力で戻っていく……1隻を除いて。

 

 

 

 「……私、時雨さんに何かしましたかね……?」

 

 

 

 青葉が妖精さん達によって回収され、提督にペイントを洗い流されるという出来事が起き、羞恥から顔を赤く染めるまで……後10分。

 

 

 

 

 

 

 ~ちょっと先取り!~

 

 

 

 これは、ほんの少しだけ未来の話だ。

 

 「私、○○っていうの。よろしく~♪」

 

 それは、とある艦娘がよく知る艦娘。

 

 「○○型○艦○○、着任します!」

 

 それは、とある艦娘の姉妹艦。

 

 そして、もう1隻……。

 

 「あなたには、宿毛湾泊地鎮守府に異動してもらいます。そろそろ、あなたのような艦娘が必要な頃でしょうから……いいですね? ○○○」

 

 

 

 新たに出会う仲間……その出会いは、もうすぐ。




という感じの短編集でした。いかがでしたか?

今回は馴れないギャグを試験的にぶち込んで見ました。笑って頂けたら幸いです。

次回からは○○編がスタートします。最後に出てきた艦娘も参戦しますよv(*^^*)艦娘が少ないと以前から言われてましたし、増やしていかないといけませんしねぇ。

それでは、あなたからの感想、評価、批評、ポイント、作品に対する質問から関係ない話題までお待ちしております(*゜∇゜)ノ
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