艦これ! 妖提督と艦娘の日々   作:d.c.2隊長

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大鳳(せつめい)と書いてもいいレベルで説明ばかりしてると思います。説明やら理論やらは“こまけぇこたぁいいんだよ”精神でどうか一つ。

さぁて、新しい艦は誰かな?

今回、後書きにちょっとした試みをしています。


大鳳 6ー2

 白夢大将らしき提督が訪れた翌日のヒトフタサンマル……午後12時30分。宿毛湾泊地鎮守府の玄関前に、私達艦娘と提督はいた。提督を中心に右側に駆逐艦5人、左側に私を含めた残り5人が並び、門から歩いて来る小さな人影を迎える。

 

 やがて、その人影の姿をハッキリと捉えられる距離まできた。黒いセーラー服を身に纏った、私や暁型のみんなと大差ない小さな身長。電さんと雷さんに近い茶髪は、3人並べばよく知らない人が見れば姉妹だと間違えてしまいそう……あ、私と金剛さんも茶髪だっけ。

 

 「遠い所をご苦労様。僕は八意 氷狐。この鎮守府と……今日からは君の提督になる。白夢大将から君のことは聞いているけれど、君の口から君の名前を聞かせてもらってもいいかな?」

 

 「了解でーす!」

 

 そんなくだらないことを考えている内に、件の人影は私達の目の前にまでやってきていた。提督は人影……駆逐艦娘の子に手を差し出し、にっこりと微笑んだ。相手も嬉しそうににっこり笑って……山城に笑いかけてから、ピシッと敬礼を1つ。

 

 「わたし、睦月型駆逐艦の“文月(ふみづき)”って言うの。よろしくー、司令官♪」

 

 

 

 

 

 

 新しく配属された駆逐艦娘、文月さん。彼女がやってきたことで、お昼ご飯の時間は文月さんの歓迎会となった。文月さんはどうやら人付き合いが得意なようで、すぐに皆と仲良くなっている。特に駆逐艦娘の皆さんとは話が合うのか波長が合うのか、あっという間に輪に入っている。そんな駆逐艦サークル(?)の中に突っ込んで行く1人の艦娘……山城さん。

 

 「久しぶりね、文月」

 

 「あっ、もう1人……って、もう言わなくてもいいんだよね……ごめんなさい、山城さん」

 

 「いいのよ別に。もう気にしていないもの」

 

 “もう1人”……私は詳しくは知らないけれど、山城さんは白夢大将の鎮守府にいた時に何やら心に傷を負い、この鎮守府でその傷は癒えたらしい。文月さんの表情を見る限り、悪意があった訳ではなくつい出てしまったという様子だった。少し表情が暗くなった文月さんに対し、山城さんは気にしてないと手を振り、彼女の頭を優しく撫でた。撫でられた文月さんはキョトンとした後にパチパチと数回瞬(まばた)きした後、嬉しそうに笑った。

 

 「……文月。飲み物はいかがかしら?」

 

 「ふぇ? 飲み物は……あっ! うん、欲しい~!」

 

 不意に、山城さんが近くのテーブルから飲み物の入った紙コップを文月さんに差し出した。文月さんの手には、まだ中身のある紙コップがあったのだけれど……差し出された紙コップの中身を見た瞬間に嬉々として手に持っていた方を飲み干し、テーブルに置いて差し出された方を受け取った。

 

 そして……まるで宝物のように見詰めた後にゆっくりと飲み始めた。あの飲み物は多分、山城さんが作ったアップルジュースなんでしょう。電さんを筆頭に暁型の皆さんが羨ましげに文月さんを見ていますし……私も欲しい。

 

 そんなことを考えていると、いつの間にか文月さんが紙コップを口から離していて……いきなりポロポロと涙をこぼし……って。

 

 「文月さん!? え、ちょ、いきなりどうしたの!?」

 

 「はわわ!? し、司令官さーん!」

 

 「お、美味しくなかった? 文月」

 

 「ち、違うの……ぐすっ……やっと約束、果たせたって思って……」

 

 涙をこぼしながら、文月さんは拭いもせずに山城さんに笑いかけた。山城さんはその泣き笑いの文月さんを見てホッとしたように表情を和らげ……取り出したハンカチで文月さんの涙を拭いた。

 

 「ええ……やっと約束を守ってあげられたわ」

 「また、作ってくれる……?」

 

 「ええ……これからは、いつでも」

 

 そう言ってお互いに抱き締めあう文月さんと山城さん。その姿は仲のいい姉妹のようにも、身長差から親子のようにも見えて微笑ましい……んだけど。私と電さん達はポカンとしている。いきなり泣き始めて、2人だけの世界に入られてしまったので私達は置いてけぼりなのだ。

 

 しかも電さんが提督を呼んでしまったので、提督と他の皆さんも来ててんやわんやなことに……この騒動の発端が、白夢大将の鎮守府に居た時に山城さんと文月さんの間で交わされたちょっとした約束だと分かるまで……後数分。

 

 

 

 

 

 

 

 

 提督と時雨さんを除いた私達は、文月さんの練度の確認と私達自身の訓練の為に射撃場にやってきていた。今回行うのは主砲を用いた的当てと、私と翔鶴さんの高速装填、高速発艦。どちらも非常に重要な訓練です。

 ここで、艦載機を持つ艦娘の艤装と主砲や副砲のみの艤装の違いについて改めて考えてみます。

 

 駆逐艦の皆さんや川内さん、青葉さん、山城さんと金剛さんが使う主砲副砲のついた艤装は、基本的に装着された時点で感覚が艤装とリンクし、自らの意志で動かせるようになります。更に艤装に付いている兵装の1つ1つに妖精さんが宿っており、射角や砲弾装填等のサポートをします。発射のトリガーを引けるのは艦娘だけですし。艦娘が主砲を放つ際や艤装の行動を逐一口頭で叫んでいるのは、妖精さんに行いたい行動を伝える為です。私は空母なので主砲等にはあまり縁がないので詳しくは知りませんが。

 

 私達空母等の艦載機を用いる艤装、兵装の場合は私達自身が弓に矢をつがえて構える、弾や矢を込めるという形を取ります。そして飛ばした弾や矢がその最中で艦載機に変わり、攻撃行動を行う訳ですが……この艦載機には妖精さんが宿っており、操縦と攻撃自体は妖精さんが行い、私達自身は標的の指定や出撃する機種を選択くらいです。

 

 纏めると……妖精さんはサポートに勤め、攻撃行動は自身が行うのは主砲副砲を持つ艤装の艦娘が駆逐、潜水、軽重巡洋、戦艦等で……自身は標的の指定や機種選択等の決定のみで、攻撃行動自体は妖精さん任せとなる艤装の艦娘が軽、正規空母、水上機母艦等になります。長くなりましたが、要は自分が攻撃するのか妖精さんが攻撃するのかの違いですね。

 

 さて……そろそろ皆さんのスコアと文月さんの練度を確認してみようかしら。

 

 「てーっ!!」

 

 「なのです!!」

 

 「Ураааааааа!!(ウラー!!)」

 

 「やあっ!!」

 

 暁型駆逐艦の皆さんが同時に設置された的目掛けて艤装から主砲を放ちます。1人につき5回撃ち的に当たった部分(致命的損傷を与える箇所に違い程高得点)の合計スコア(最大500点。私は時雨さんが満点以外取ったのを見たことがありません)を競うワケですが……結果は自動的に計算され、射撃場の的の後ろの壁の上の部分に設置されたモニターに表示されます。さて、得点は……。

 

 「うーん、調子悪いわね(344点)」

 

 「自己ベスト更新なのです!(351点)」

 

 「時雨さんには及ばないか……(478点」

 

 「きょ、今日はたまたま! たまたまなんだから!(312点」

 

 この鎮守府の駆逐艦娘5人の内、時雨さんを除いた4人の暁型の皆さんのスコアは、響さんがトップ。電さんが自己ベストスコアを更新してそれに続き、その次にスコアが1歩及ばずに雷さんが着き、調子が悪いのか暁さんが姉妹艦の中でビリ……でも暁さん、平均スコアが320前後くらいだったような……。

 

 「バッド……まさか響に負けるなんて……(463点」

 

 「文月に今の私を魅せられたかしら? (455点」

 

 「山城さん凄い凄い!」

 

 「うがー!! 最後ズレたぁぁぁぁ!! (490点」

 

 「火力がちょっとだけ足りない……いや、火力関係ないですケド(410点」

 

 続いて軽重巡、戦艦の4人のスコア。事あるごとに(主に提督関係)響さんと張り合う金剛さんは響さんに1歩及ばず……あ、普段あまり表情を変えない響さんが胸を張って金剛さんにドヤ顔してる。山城さんは文月さんと仲良くしていて、見ていてほのぼのとしますね……何気にスコアも高いですし。

 

 トップは川内さん。彼女も自己ベストは満点の500点なのですが、今回は最後の1発の着弾点が僅かにズレたようで満点を逃したようです……いや、普通に凄いんですケド。個人的にビックリなのが青葉さんです。正直、この鎮守府のコメディ担当みたいに見てたので、スコアが400点越えたのが予想外……いえ、実力があるのは知ってましたケドね。

 

 「大鳳ちゃん。次は私達ですよ」

 

 「はい」

 

 翔鶴さんに呼ばれ、一緒に測定を始める。翔鶴さんは矢筒から矢を取り出し、弓につがえて引き絞る……この一連の工程をより素早く行う。雑にやってしまうと矢……つまり艦載機の発艦がうまく行かず、最悪の場合そのまま着水したりしてしまう為、素早いながらも正確に、集中して一連の工程を終える必要がある。全鎮守府での平均タイムは3秒で、最速は山田総司令の第一艦隊の正規空母の加賀さんの0.2秒だとか……速すぎでしょう。

 

 私の場合は弓ではなくボウガン(またはクロスボウ)の為、マガジンから矢を取り出してボウガンにセットし、弦を引き絞るという手順が必要。この弦を引き絞るというのが艦娘である私でもそれなりに力を使うので、翔鶴さんに比べるとどうしても遅くなってしまうのは否めないことだった。

 

 さて……いざ!

 

 「……ぐぅ(7秒台」

 

 「あらあら(1.4秒」

 

 遅い……あまりにも遅い。翔鶴さんは平均タイムを越えているのに私は……クロスボウの装填時間としては速いのですが、艦娘の戦闘を考えれば致命的なまでに遅い。私が1機飛ばそうとしている内に、翔鶴さんは5機飛ばせるのだから……私も改になれば、今よりも練度が上がれば、この致命的な部分を改善出来るだろうか。

 

 「文月、いっくよ~!」

 

 少しネガティブなことを考えていると、文月さんが既に発射態勢に……いや、今発射した。ドン! ドン! と発砲音が続き、規定の5発目を撃ち終えた時点で点数の計算が始まり、すぐに算出される。その得点は……。

 

 「えへんっ! わたしだって、結構強いんだから♪(437点」

 

 「駆逐艦に負けた……」

 

 「あ、暁が最下位……」

 

 「凄いじゃない文月!」

 

 「練度がかなり高いみたいだね。改になって長いって言ってたし」

 

 「文月さんスゴいのです! 電達も負けていられないのです!」

 

 「本当にね。司令官にもっと頼りにしてもらうなら、もーっと頑張らないと!」

 

 青葉さん以上山城さん以下の点数を叩き出した文月さん。白夢大将の元にいた艦娘は伊達ではなかったようね……本人曰わく、たまに遠征行ったり演習したりしてただけだそうですが、練度はかなり高いと見て間違いない……少なくとも私よりは遥かに高いでしょう。

 

 で、心にダメージを負っているのが青葉さんと暁さんの2人……ああ、そんなガックリとしながら四つん這いにならなくても……そんな2人に見向きもせずに文月さんの結果に喜ぶ山城さんと電さんに照れている文月さん、決意を新たにする雷さん……私ももっと頑張らないと……いえ、別に提督に頼られたいというワケじゃないですケドね。

 

 「凄いね文月。白夢から聞いていたけれど、予想よりも練度が高いみたいだ」

 

 「氷狐、公の場じゃないとはいえ、流石に大将を呼び捨てにするのはマズいよ」

 

 「あはは、ごめんね時雨」

 

 いつの間にか、提督と時雨さんがいた。他の皆さんも私と同様に気付いていなかったのか、一様に驚いた表情をしている……翔鶴さんを除いて。

 

 「さて……文月」

 

 「はい司令官。なんですかなんですか~?」

 

 「来てもらったばかりで悪いけれど、君には早速出撃してもらうよ」

 

 2度目の驚愕。勿論翔鶴さんはニコニコとしてる……じゃなくて。

 

 「出撃ですか?」

 

 「うん。編成は……旗艦に時雨、電、暁、響、雷。そこに文月を加えた6隻。出撃先は……キス島だよ」

 

 「しかし、文月さんは今日来たばかりです。それに、駆逐艦のみでの編成にはどういった意図が?」

 

 質問したのは私。あまりに突然過ぎる出撃に、更には今日来たばかりの文月さんを編成に組み込むという提督の言葉には、流石に反感を覚える。それに、編成も駆逐艦ばかりなのも気になった。

 

 現状の鎮守府では、金剛さんと翔鶴さんと山城さん……若輩者ではあるけれど私、万全を期すなら時雨さんと川内さんを加えて第一艦隊として編成すべきだ。にもかかわらず駆逐艦のみの編成……しかも文月さんを組み込む。連携も取れるか分からないのに……提督はどういうつもりだろうか。

 

 「今、キス島は多数の深海凄艦によって包囲され、侵略を受けていると本部から通信があった。今回僕達が行うのは、島に取り残された守備隊の収容。その為、駆逐艦のみの高速艦隊でキス島に突入し、守備隊を収容してすぐに離脱する」

 

 「深海凄艦から追撃が来るのでは?」

 

 「残った君達……金剛を旗艦に青葉、翔鶴、山城……そして大鳳の5隻で第二艦隊を編成。第一艦隊の行き帰りを援護してもらうよ。川内は念の為、鎮守府でお留守番だね」

 

 「え~私だけ~?」

 

 「そうむくれないでよ。作戦に必要な火力と鎮守府の防衛、君達の練度を考えると川内が適役なんだから……頼りにしてるよ」

 

 「……まあ仕方ないか。了解だよ」

 

 作戦の説明をしてくれたのは時雨さんで、その後の説明をしてくれたのは提督。なるほど、出撃の目的が制圧や殲滅ではなく迅速な救出を求められるなら、駆逐艦のみの編成も理解出来る。しかし、収容となればその為の船が必要になる。その船はどうするのでしょうか。

 

 「司令官さん。収容する為の船はどうするのですか?」

 

 「本部から新兵収容艦が同行するそうだよ。だから君達がやることはキス島への突入と道中の安全確保、収容中と行き帰りの収容艦の防衛と沢山ある。でも援護射撃には霧雨少将の艦隊も加わるから、敵援軍の心配はしなくていいよ」

 

 霧雨少将の艦隊と言えば、長門型に金剛型といった戦艦ばかりで編成された超火力の艦隊で有名だし、私達もたまに演習として交流を行っているのでその実力はよく知っている。確かにあの艦隊が作戦に同行するなら安心なのだけれど……。

 

 「でも司令官。それだけの戦力があるのに私達駆逐艦のみで突入するのはなぜだい? 作戦に不満があるワケじゃないケド、全戦力で収容艦を護衛しながら突入した方が安全だと思うケド……」

 

 「話は単純。駆逐艦“しか”突入出来ないからさ」

 

 【……?】

 

 駆逐艦しか突入出来ない。そう聞いた私達はその意味が分からずにキョトンとして首を傾げてしまう。これが子供しか入れないくらい小さな穴でしか突入出来ない……というなら分かる。しかし今回突入するのは島。突入速度に違いはあるかも知れないケド、それ自体は誰でも出来るハズ。

 

 ……いえ、よく考えてみればキス島はこの鎮守府からはそれなりに離れているし、もっと近い鎮守府だってあるハズ。ならその鎮守府に指令を送るのが普通だし……駆逐艦しか突入出来ないなんて情報はどこから?

 

 「駆逐艦しか突入出来ないのはなぜですか?」

 

 「僕の鎮守府に指令が来る前にキス島に突入した鎮守府の艦娘の情報では、島にある程度近付いた瞬間に“何かによって弾き飛ばされた”らしい。その際弾かれなかったのが……」

 

 「暁達と同じ駆逐艦娘ってことね。その“何か”についての情報は?」

 

 「恐らく、一部の深海凄艦が使う“障壁”のようなモノだと思う」

 

 【障壁……?】

 

 そこから提督が説明してくれたのは、障壁とは一部……鬼や姫といった上位の深海凄艦が使う、SFやファンタジー等で言うところのバリアのようなモノだとか。戦艦の砲撃すらも易々と耐える桁違いの防御力を誇り、重巡以下の砲撃では突破は不可能でないにしろかなりの数当てなければいけない。更に鬼や姫の深海凄艦自体がかなりの装甲を持ち、戦艦並みかそれ以上の火力を持っているという。

 

 今回はどういった原理かは不明ではあるものの、その障壁が通れる艦と弾かれる艦を選別する、いわば“結界”のようなモノになっているのではないか……というのが提督と時雨さん、そして本部の見解だった。

 

 「司令官司令官~」

 

 「なに? 文月」

 

 「収容艦はその障壁を通れるの?」

 

 「正直言って分からないかな。でも最初に突入した艦隊で救難艇を引っ張っていた駆逐艦娘は問題なく救難邸ごと通れたらしい。多分、艦娘だけに反応するんだと思う。障壁を破壊しようとしても、砲弾も魚雷も爆撃も素通りしたそうだよ。ヘリ等による救出は今の世界では不可能。よって、本作戦に決定した訳だ。他には?」

 

 「なんで響達に? そこまで分かってるんだ、わざわざキス島から離れたこの鎮守府じゃなくても……」

 

 「それは僕がいるからだよ」

 

 「時雨さんが……?」

 

 私達が更に話を聞くと、最初に駆逐艦しか突入出来ないと分かった鎮守府の提督が本作戦と同じ駆逐艦のみの高速艦隊を編成し、救難艇を引っ張って再突入したらしい。しかし、それは失敗に終わり……6隻の内、大破1、中破3、小破2という結果。何でも途中で駆逐ハ級、重巡リ級、戦艦ル級のエリートクラスと遭遇し、夜戦に入ることも出来ない内に追い込まれて命からがら撤退したのだとか……こちらに火力艦を使わせず、敵側は使う……実に上手い、いやらしい手だった。突入した高速艦隊の練度は決して低くはなかったそうだけれど、性能による戦力の差はどうしようもない。更に救難艇という重りまであったのだから、轟沈しなかったのが奇跡と言えるほど。

 

 ……なるほど。それで、全駆逐艦娘の中でも随一の戦闘力を誇る“5人の最初の艦娘”である時雨さんがいるこの鎮守府が抜擢されたということですか。

 

 「どうやら分かったみたいだね。ただ、他の皆が時雨のオマケというワケじゃない。今回は救難艇よりも大きな収容艦を護衛しないといけないから、いくら時雨でも守り切れるか分からない。だから君達の力も必ず必要なんだ……頼んだよ」

 

 【はいっ!!】

 

 「では今から1時間後に出撃。各自準備は怠らないように」

 

 【了解!!】

 

 「あ、金剛、川内、山城、大鳳の4人は残って」

 

 提督に敬礼し、駆逐艦の皆さんが足早に射撃場から出て行く。そして残った私達が動こうとした瞬間、提督から待ったがかかった。

 

 そして……こんなことを言ったのです。

 

 

 

 「君達は、準備より先に工廠に行って妖精さんの指示に従ってもらうよ」

 

 

 

 

 

 

 「あぅ~……」

 

 「まだ顔が赤いね、文月」

 

 「文月さんは初めて見たでしょうから……仕方ないのです」

 

 火が噴きそうなほど熱い顔に手を当てながら、私こと文月は艦隊の最後尾を進む。前にいる電ちゃんと響ちゃんは苦笑混じりに言ってくるケド……あ、あんなこと……出撃前に司令官と時雨さんがちゅ~するなんて……しかも時雨さん、司令官の首の後ろに手を回してたし、し……舌とか……ぴちゃぴちゃって……。

 

 「……はふぅ……」

 

 「ああっ! 文月さんが爆発したのです!」

 

 「比喩表現だとしてもシャレにならないから……文月もシャンとしなさい!」

 

 ボフンっという音と顔が爆発して煙が出たような錯覚をしたケド、雷さんに叱咤されて慌てて体勢を立て直す。危ない危ない……しっかりしないと。ちゅ~なんて白夢大将のところにいた時に何度も見てるんだから……大井さんと北上さんのだけど(大井さんが一方的にしてた気がする)。

 

 もう少し進めば、キス島が見えてくる。そこには戦艦の深海凄艦とかもいて、私達は後ろの収容艦を守りながら島に辿り着かないといけない。決して楽じゃないし、ヘタをすれば撃沈だって充分有り得る。念の為にと司令官は私達にダメコンを持たせてくれたから、多少は安心出来るケド……油断は絶対に出来ない。絶対に沈む訳にはいかない。

 

 だって、司令官の鎮守府に転属希望を出した理由は……。

 

 「キス島、及び敵艦隊発見! 突破するよ!」

 

 「「「「了解!!」」」」

 

 「りょ、了解!!」

 

 時雨さんの声が響き、各武装を起動する。前を向いて敵艦隊の姿を視認する。数は6……戦艦の姿は見えないケド、重巡の姿は見える。大丈夫、この程度なら容易に突破出来る。

 

 「だって私は……結構強いんだからっ!!」

 

 だって私は、白夢大将の元にいた艦娘なんだからっ!!

 

 

 

 だって私が転属希望を出した理由は……もう1度“蒼”に会うためなんだから。

 

 

 

 

 

 

 「皆サーン、早く時雨達に追い付かないといけないんデスカラ、スピードアップネー! ハリーハリーハリー!!」

 

 「高速戦艦に追い付ける訳ないでしょうが! 島風じゃあるまいし……」

 

 「元気ですね金剛さん……」

 

 「山城さん、頑張ってください!」

 

 「大鳳さんは丸投げ……翔鶴さん、どうにかしてくれませんか?」

 

 「私にはどうにも……」




 ~その頃の川内さん~

川内「他の皆は出撃したし、私だけがお留守番……ということは……」チラッ

氷狐「……」ヌケガラ

川内「氷狐のカラダをどうにかし放題……」ゴクリ

 さぁ、どうする川内?

 多分続かない。






 新しい艦は文月ちゃんですた。ちらほら出てたあの子ですよ。文月ちゃん大好きだろう?(ゲス顔

 新しい試みは出番が少ない艦、もしくはメインじゃない艦はその頃どうしているか? を後書きに書くことです。SS風にしてみました。

 さて、ここからは皆様にちとお知らせをば。

 現在、別の艦これ作品を出す為にプロローグ含め2話ほど執筆中であります。この妖提督と同時進行兼、こちらで書かないような戦闘モノ兼息抜きを予定しております。2話目が書き上がり次第作品として出しますので、興味がある方はその際に是非。

それでは、あなたからの感想、評価、批評、ptをお待ちしておりますv(*^^*)/
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