SS 紅き星の暴走 涼宮ハルヒの憂鬱×とある魔術の禁書目録   作:はるかさん

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お待たせしました!
今回も宇宙編です。もう題名見れば誰のストーリーかわかりますねw

では、どうぞ!


15-β話 ~白井黒子VS警策看取~ 宇宙編

~地下渓谷 BF11階 中枢核~

 

警策看取「アリャリャ......こりゃ予想外......一旦退かせてもらおうかな。じゃ♪」

 

そう言うと警策看取(こうざくみとり)の足元がガバっと開き、ドロドロした人形みたいな物が一瞬姿を現し警策と共に下の階へと落ちていき姿を消した。そしてその穴も直ぐに閉じていき追う事が出来なくなってしまったかと思いきや、その隙を逃さず、私が空間移動(テレポート)で後を追う。

 

白井黒子「逃がしませんわ!」

 

警策が何をしでかすのかは定かではありませんが、何故だか嫌な予感しかしない。

あの者からは何か邪悪な気配が漂っていた。表情や態度からは幼い少女の様に振る舞っているような感じがし、それがどうにも本当の顔を隠しているとしか思えない。

一体何をする気なのか......。

 

 

 

 

 

~地下渓谷 BF16階 隠し通路~

 

着いた先は若干薄暗く広く長い通路。先程までいた部屋と比べると数倍近くの広さがある。

こんな所があるなんて、この星は一体どうなっているのか。

クローンとして生まれた私にはわかりませんが。

私が持っている記憶は常盤台中学でジャッジメント所属の白井黒子。同僚の初春とその友人である佐天さんとよく遊んでいる。初春はジャッジメントの、いやそうでなくともあの精神力とIT関連に関して右に出る者はいない。

回りの事や、友人のことを忘れたことなど一切ありえない。

御坂美琴さんは私のことを知っていた。

勿論同じ学校だから顔や名前を知っている可能性は大いにあり得る。

しかし彼女は私に対して、まるでもとから友人であったかのような接し方。一体どこで......そもそもこの感覚は......どこかで......。

 

警策看取「いらっ......しゃい!!!」

 

突如聞こえて来た声と共に金属の細い板の様な物が回転しながらこちらに向かって飛んでくる。

物理的に飛ばした物など空間移動で容易く回避出来るのは言うまでもない。

 

警策看取「さすがは白井さん。簡単に避けるとはね......」

 

どこにいるのかわからない。声だけがこの通路から響いて来る。

かと言ってあの液化人影(リキッドシャドウ)とか言うドロドロした人形がいるわけでもない。

しかしこの通路のどこかに隠れているのは間違いない。とは言えこの通路の床は大きくデコボコしていて、上はまるで天井が無いかの様に思わせる程の地下。

こんな所で戦うのはいささか不利。空間移動は出来たとしても、相手がどこにいるのか掴みようが無ければ相手の能力は人形をコントロール出来る。つまり警策自身が戦わなくて済むという話。

見つければ私が有利、見つからなければ永遠に不利。まるで命を懸けたかくれんぼ&鬼ごっこ大会のよう。

 

警策看取「ネェネェ、なんで裏切ったのカナ?白井さんだってクローンとしてこの星に産まれたんだよネ?そこだけが理解出来ないんだよネー」

 

白井黒子「言ったはずですの......貴女方の仲間になった覚えは無いと!」

 

警策看取「デモデモ、ある程度の記憶は保持していたとしても、白井さんがクローンとして造られた目的は植え付けられているハズ。それが消されているとしか思えないんだケド?」

 

そんなこと言われても私にわかる訳がない。確かに目的は分かっている。

涼宮ハルヒさんや佐々木さんの力を利用してこの星のエナジーを増幅させる。涼宮さんに関しては知りえないが、佐々木さんに関しては神人を操らせ侵入者を排除し、最終的には用済みとなった佐々木さんごと神人に取り込み、その神人をマイナスさんか創造主(クリエイター)さんとやらが星へ吸収させる。

涼宮さんの閉鎖空間に現れる神人をモチーフとして、この星で神人を生み出した。までは良いが、神の力の所有者でなければ神人を操ることは出来ないと知り、涼宮さんと佐々木さんに目を付けた。

何故2人も必要だったのかはわからないが。

 

恐らく食蜂操祈(しょくほうみさき)による能力干渉、と言ったところ。私にも何が起こって今私は警策と対峙しているのかは定かでは無いが、そう考えるのが妥当。

御坂美琴さんに関しては電磁バリアだか何だかで干渉出来ない、と言うのは記憶にあり、残る情報統合思念体3人に関しては能力が効かなかった、よって残る私に心理掌握(メンタルアウト)を掛けた。そんな流れが一番有り得ること。

 

警策看取「マーなんでも良いケドさ......どうしてそうまでして美琴ちゃんたちの味方をするのかな?」

 

白井黒子「さぁ?私にもわかりませんの」

 

警策看取「ふぅーん。まぁ美琴ちゃんも白井さんのこと頼ってるみたいだったケドね。ナニナニ相思相愛ってやつ?」

 

白井黒子(そんなこと知りませんの。彼女が私を頼ろうと何だろうと私の知ったことではありません。私は私の信じた正義とは何か、それを貫くまでであって、御坂美琴さんは一切関係ありませんの。ありませんが......ただ何故だか、彼女から頼られるのは悪い気がしませんの!)

 

白井黒子「戯言は結構ですの!姿を見せなさいな!」

 

警策看取「そう?......じゃあ遠慮なしに!」

 

そう言って向かって来たのはドロドロした人形で警策の能力である液化人影。

天から真っ直ぐ降って来て、手が刀の様に鋭く変化し、両手で手刀を構えて私に向かってくる。

それに対して私は太ももに装着された金属矢を手に握り、タイミングを伺う。

狙いは心臓一点。どんな能力を使ってくるのか全く持って不明。だからこそ心臓狙い。

何をしてくるかわからない敵ほど恐ろしい存在はいない。

 

警策看取「虎視眈々と狙ってるところ申し訳ないんだケド、液化人影に弱点なんかないんだから!」

 

白井黒子「くっ!」

 

急激に迫るスピードが増し、狙いが定まらなくなり仕方なしに私は空間移動し、体勢を整えることを余儀無くされ液化人影から距離を取った。

対象を失った液化人影はキョロキョロと辺りを見回す。いくら遠隔操作できる能力とはいえ、人を探す力まではない。

 

白井黒子(早いところ警策を発見しなければ......ただただ消耗戦になっていてはこちらが不利。なんとか出来れば......)

 

柱を背にして身を隠し、人形の様子を伺う。

私のことを探すことに飽きが来たのか、隠れることが出来そうな場所(例えば柱の裏や物陰)を次々と驚異の手刀で貫通させていく。

 

警策看取「アレ?どこ行っちゃったのカナ??おーーい!白井さーーん!!」

 

実にわざとらしい声掛け。余裕があるのか、それともバカにしているのか。

私がどこに隠れているかまではわかっていない様子。

しかし人形の足は一歩一歩、私の居る場所まで近づいてくる。

肝心の警策の姿は見えない。見つけなければこの勝負には勝つことが出来ない。

 

隠れることも1つの戦術。相手の様子を伺い、チャンスが訪れたら一気に攻め込む。

だが今に関して言えば隠れるということは相手の居場所をこちらから突き止めることが出来ないことと同義でもある。

どちらが良いかなんて明白な答えはない。

このまま隠れていても警策は見つからない。しかし仮に人形に見つかったとしてもいざとなったら空間移動で距離を取れば済む話。

攻め込めばリスクは伴うが、何らかのキッカケを掴める可能性もある。とは言え何も無しに自ら人形に発見されに行くことは自殺行為。

警策からしてみれば、自分自身の居場所は私に突き止められたくはない。だから自分からは決して姿を現さない。

しかし警策本人も戦っている相手の姿を見なければ戦おうにも戦えない。だからどこかで私のことを観察している。しかし私にはその居場所は突き止められない。

となると、あの液化人影の弱点を掴むことが先決。能力なのだから何かしらの弱点はあるはず。

しかしどう見つければ良いのか。

 

徐々に近づいて来る人形。その人形を柱の陰から覗き見る私。

そして一定の近さまで人形が近づいて来たことが理由で、私は身体全体を柱に隠す様に身体を動かした。

それが原因で、足元にあった柱の破片の石を引きずってしまい、かすかだがジャリっと音を立ててしまった。

これにはさすがに焦る。冷や汗を掻きながらも再びソロ~っと柱から顔を出し人形の行方を確認しようとした。

 

しかし驚くことに先程までその場所に居たはずの人形の姿が消えていた。

物音もしない。どこに消えたのかわからない。

辺りを見回していたら

 

警策看取「見ぃ~つけたっ!!!」

 

と響き渡る声。

それは私の上空から聞こえて来た声で、顔を上げ目をやると恐らく元の場所から大ジャンプして急降下で周辺もろとも破壊しようとしたであろう人形の姿が確認でき、手刀を振りかざしながら急降下してくる。

 

白井黒子「ならば!」

 

空間移動。それも選択肢に入れたが、急降下してくる=下からの攻撃はその威力を利用できカウンターにも繋がる。太ももから金属矢を取り出し、人形の心臓に目掛けて飛ばす。

そして金属矢は空中で人形に見事に心臓に命中。

一瞬歓喜の声を心の中で上げたが、それも束の間。それでも人形のスピードは衰えずそのまま私に向かって突っ込んでくる。薄々感じてはいたがこの人形はあくまで能力。心臓を打ち抜いたところで結果は見えていた。

それよりも首に付けているあのドクロの形をしたネックレス。本人の趣味なのか、わざわざ人形に付けてしかもドクロとは悪趣味すぎる。

 

仕方無しに再び空間移動で人形から逃げる。

その位置は最初に落下した場所の近くにあった物陰。そこで一時身を隠し作戦を立てようとするが、何故だか人形の手刀が一直線に私の場所にまで伸びてくる。

空間移動したばかりなのに既に私の位置を把握している。となると警策の居る場所は私が見える範囲にいるということ。

 

警策看取「ここから先へは死んでも行かせないヨ!」

 

再び人形が私に対して迫ってくる。

しかし不可解なことが1つ。ここから先へと言われても、私はこの様な隠し通路は知らない。つまり私のことなど人形に相手をさせ、警策本人は無視して先に進めば良い。しかしその手は取らず、何が何でも私を倒そうとしている。

そうまでしてこの道を死守する理由は何かしらあるはず。

もしかしたらこの先に秘密の施設みたいな部屋があり、そこに木原幻生や食蜂操祈が居て、マイナスたちのデータやらがあるのではないかとも思われる。そしてもう1つは、それは恐らく警策の能力の弱点になり得ることかも知れない。それはあの人形を操作出来る距離。警策があの人形を遠隔操作する場合、遠すぎると操ることが出来ない。

 

これは整理すれば成り立つこと。

警策はこの先に何かがあると知っていてその場所へ向かおうとしていた。

そこへ私が追いかけて来てしまったことで戦闘している。

しかし私のことなど人形に任せて警策自身はその場所へと向かえば良いのにそれをしない。

その理由は遠隔操作の距離という弱点。そして更に付け加えるならば、この先に眠る場所は恐らく関係者以外には絶対に見られたく無いような場所。そうでなければ私が付いて行っても問題無いと判断するはず。

 

そんな推理タイムも時間にリミットが来てしまったのか、人形の手刀がついに射程距離に入った。

そして私は空間移動で人形の目の前に移動し、指で金属矢を挟み人形のネックレスに能力で金属矢を突き刺した。

もしかしたらあのネックレスにカメラ、盗聴出来る何かが仕掛けられていると思ったから。

その後、すぐさま空間移動して再び物陰に隠れながら、辺りを見回し警策の場所と人形の出方を確認していた。

 

白井黒子(警策は先程隠れていた私を簡単に発見した。その原因は石を引きずってしまったことによる音。もしかしたらあのネックレスには盗聴出来る何かが......うっ!!!)

 

思考錯誤の最中に、私の頭に一閃の光景がボンヤリと映し出された。

唐突と言えば唐突。そしてその光景は次第にハッキリ映し出され、それだけではなく声までもが私の脳で再生され始めた。

 

 

 

...

......

.........

 

 

 

初春(......白井さん!人形がもの凄いスピードでそっちに向かってます!......)

 

 

 

佐天(......もしかしてあたしたちは、前から御坂さんと知り合いだったんじゃないんですか?......)

 

 

 

初春と佐天さんの声。

でもなんで急に頭の中で......そんな走馬燈の様なことがあるはず......

 

 

 

?(......黒子なら......)

 

 

 

 

この声は......

 

 

 

 

 

美琴(......黒子なら、きっとママを助けてくれるって信じてたからさ......)

 

 

 

 

 

これは......前に......大覇......聖......祭.....?

 

 

 

 

 

大覇聖祭のことと何かが関係しているのか、それはわからないが今度は全く記憶の欠片も残っていない光景が再生され始めた。

 

 

 

 

 

黒子(そこですの!)

 

 

 

これは......間違いなく私の姿......しかしこんな光景......

 

 

 

警策(アハハ!やるねぇ白井さん!)

 

 

 

戦っているのは警策看取......この場所は......?

 

 

 

黒子(あの時の様にはいきませんの!!)

 

 

 

警策(どうやら1年前の大覇聖祭の時の、操祈ちゃんによって抹消された記憶が蘇ったようダネ......何があったのかお姉さんにも教えて欲しいっ......カナ!!!)

 

 

 

.........

......

...

 

 

 

白井黒子(今のは......思い出せない......でも何かを......思い出そうとしている......)

 

過去の記憶なのか、それとも製造されるときに植え付けられた記憶なのか、もしくは警策が言っていた食蜂のことが関係しているのか。

そして後半の光景は私は一切知らないもの。いた人物は私と警策。会話の内容を汲み取ろうにもあれだけでは汲み取ることは出来ない。ただ1つ言えるのは光景に映っていた私の記憶が戻っている、ということだけ。

そんな光景に気を取られていてしまったことが原因となった。

 

白井黒子(なっ!?)

 

液化人影の手刀が伸びて来ていて、それに気が付かなかった私は左腕の二の腕辺りを直撃させられてしまい、そのままその手刀は私の二の腕を貫通していった。

 

白井黒子「くっ!!」

 

痛みを精神力でカバーし、その場から何とか空間移動して逃げる。

 

警策看取「盗聴器の存在に気が付いたか。さすが白井さんダネ。デモデモ、音が聞き取りにくくなった程度じゃアタシの攻撃は止まらないヨ!!」

 

そして人形は腕を伸ばし辺りの岩や柱に対して無差別に攻撃、破壊していく。

脅威と言えば脅威だが、あの行動は私の居場所が突き止められていないことを意味する。

そうでなければあんな攻撃を繰り返す必要はなく、先程の様に私の元まで手刀を伸ばして来るか人形が突っ込んで来れば済む話。

 

でも私の方もいつまでも後手に回っては居られない。

人形から逃げつつ警策の居場所を探さなくてはならない。

警策は言った。"音が聞き取りにくくなった程度では攻撃は止められない"と。

確かに今も人形は辺りに攻撃を散らしている。しかしそれは私の居場所がわからないから闇雲にただただ攻撃しているだけ。

となると警策が私の場所を知るためには本人が目視するか人形を通じて目視するか。

つまり今私の居る場所は警策からは見えない場所。しかし私からも警策の居場所は見えない場所。

 

しかし本人が直接目視しなければ見ることは出来ないならまだしも、人形を介して見ることが出来るならばそれは話は別。まずは多少の危険を冒してでもその確認は取らなければならない。

まずは近くにあった石を拾いそれを空間移動で人形の目の前に移動させた。しかし人形はその石に全く気が付かない。そして石はそのまま重力に従い落下して音を立てた。その音でようやく人形が石の存在に気が付く。

 

つまり人形からでは警策は目視することは出来ない。ただ音だけは聞くことが出来る。

その音は警策が直接聞き取ったのか、あのネックレスから多少なりとも警策に聞こえたのかはわからないが重要なことはそこではない。

重要なのは"人形を介してでは目視することは出来ない"と言うこと。

 

ならば私が取る行動は決まってくる。空間移動を繰り返して闇雲ではあるが警策が隠れていそうな所を突き止めるしかない。どこにいるのかは定かではないがヒントはある。まず警策からは今いる私の場所は確認出来ない。つまり私の視界にある物陰にいる可能性は低い。となるとここからでは見る事の出来ない場所に隠れているということになる。

 

そうして私は行動に移った。

人形のことなど無視して幾度と空間移動を繰り返し念入りに警策の存在を探す。

恐らく今、警策がいる場所からは人形の位置が見えているはず。聞こえにくくなったのならあとは目に頼るしかない。

となると柱があり岩の様な割と大きな物が密集している場所。

私の考えは正しかったのか、柱がありその近くには岩が密集している場所を発見した。

 

そしてそこで黒髪ツインテールの1人の少女を発見した。

それは言うまでも無く警策看取。その場所の近くまで空間移動し私は物陰に隠れた。

 

白井黒子(ついに見つけましたのよ警策看取!)

 

相当間近な場所。腕は痛み出血は続いているが、演算が出来ない程の痛みではない。

つまりこれなら確実に警策を仕留めることが出来る。金属矢もまだ数本残っている。

しかも警策は音に集中しているのか、目を瞑り下を向いている無防備な状態。全てが好都合。

 

白井黒子(このかくれんぼ&鬼ごっこ大会は......私の勝利ですの!!!)

 

一撃で仕留めるため金属矢を取り出し空間移動させる為に演算に集中する。

その最中、ドスっと言う鈍い音と視界が揺れる出来事が起きた。一体何なのかさっぱりわからない現象。

付け加えて視界の下の方に何やらキラっと光った何かが私の視界に入り込んで来た。

そしてそれに注目すると、そこにあったのは銀色で尖った棒の様な何か。その棒は空中に浮いていて目線をその棒になぞっていくと、それは私の腹部から突き出ている物だった。

そして更に振り向くとその棒は長く続いていて、その先にはあの人形の所まで伸びていた。

 

つまり後方にいた人形の手刀が私の腹部を貫いていたのだった。

痛みが全身を襲い、そして出血でそのまま前にもつれ込む様に、演算も出来ずに倒れてしまった。

 

白井黒子「何故......居場所が......」

 

警策看取「ざ~んねん♪絆創膏でも持っていれば腕の出血は抑えられたのにネ♪」

 

不覚。なんと言う不覚。腕から垂れ流れていた出血の跡を追い、私の居場所まで静かにやって来ていたとは。

しかし目視は出来ないはず。なのに何故血の跡を追う事が出来たのか。

 

警策看取「白井さん、人形からでは目視出来ないって思ってたっしょ?」

 

白井黒子「どうして......それを......」

 

警策看取「ネックレスを壊されてから液化人影の動きがおかしくなったからネ。もし私が液化人影と戦っていたら同じことを考えたと思ったから。だからこれ」

 

これ、と言うのは人形の首に新しく付けられていた天使の形をしたネックレスだった。

いつの間にそんな物を取り付けたのかはわからない。

 

警策看取「白井さんは後半、石を使って私が見えているかのテストしてたっしょ?あれは明らかに変な行動だったからネ。そして人形のことなどアウト・オブ・眼中になり私の居場所だけに集中した。液化人影に新しいネックレスを付けたとも知らずにネ」

 

白井黒子「そんなことが......」

 

警策看取「盗聴用のネックレスが破壊されちゃったから今度は盗撮用のネックレスってワケ♪」

 

大失敗。人形からは目視できないと勝手に決めつけ、警策が盗撮用のネックレスを持っているかも知れない、という可能性を考慮することすらしなかった。

貫かれた腹部からは出血が止まらず、私の視界はぼんやりとし始めた。

さすがに不覚。あの人形にまさかここまで痛手を負わされるとは。

私のすぐそばに警策と人形がいる。とどめを指すためにそこに立っているのだろうか。

考えることがこんなにも疲れることだったとは......。

 

警策看取「アハハ、終わりだね白井さん♪」

 

ツカツカ私のもとまで歩いてきてようやく全身の姿を現した警策。そして近くで止まり倒れている私を見下しながら笑顔で告げる。私は警策に負けてしまった。この者が何をしようとしているのか、この通路の奥に何があるのか、何も情報を持ち帰ることが出来ないまま。

 

警策看取「それじゃああの世で......裏切ったことを詫びろっ!!!」

 

人形の腕が鋭くなり私を襲う。

ほんの一瞬の時間のはずなのにとても長く感じる。

わざと遅くしているのか、それとも遅く見えるのか。

そんな私から見える人形の腕が電撃を纏い始め、更に降り下ろしてくる速度が遅く見える。

......いや、これは遅く見えるのではなくて、まさか止まっている?

 

警策看取「電撃!?......まさか!!」

 

?「黒子おぉぉぉぉ!!!」

 

聞こえて来たのはどこかで聞いたことのあるような声。

出血のせいか、ダメージのせいか、聴覚まで正常時より機能が低下していて聞き取れても声質が少し変に聞こえて来てしまい誰だか特定出来ない。

しかし......この声は......確か......。

 

警策看取「な、なんでここに!?中枢核にいるはずじゃ!?」

 

?「......覚悟しなさいよアンタぁぁ!!!」

 

私に駆け寄ったその女性はバチバチと光を発し轟音が鳴り響いた。その光のお陰と言うか、薄焦げ茶色っぽいセーターにスカート、ルーズソックスと着ている服の判別は出来たが、肝心の顔が警策の方を見ていてわからない。

 

警策看取「ぐああぁぁぁぁぁああああ!!!」

 

聞こえて来たのはバチバチと激しい音と、警策の断末魔的な声。そしてバタっと地面に体が落ちる音が聞こえ、これは駆け付けて下さったヒーローさんが攻撃をしたと推測。

そして更に私の近くまでトコトコと歩いて来た影が見えた。

 

?「すまねぇな。訳あって助けることは出来なかったんだ」

 

次に聞こえて来たのはその影の声で男性。

こちらも同様、顔を確認することも見上げることも出来ない。

そんな力はもう私には残されていない。

 

?「だが気にするな。後のことは俺たちが何とかする。これを持ってみんなのいるところに戻れ」

 

そう言われ私の手に握られたのは割りと固い何か。渡されたときにその殿方の手が輝いていた。何の光かはわからない。ただでも暖かい。

その渡された物を確認しようと目を凝らすが焦点が合わず把握出来ない。そして戻れと言われてもこの怪我では空間移動するための演算にも集中出来ない。

 

?「こっちのルー......俺た......。ワープは厳し......。仕方......。頼むぞ......がと」

 

徐々に聞き取ることが難しくなって来たのか、目の前の殿方が何を話しているのかさえ分からなくなってきてしまった。

 

?「了解......白井黒......ほう結合により......再生......移動させ......」

 

今度は女性の声が聞こえる。しかし私に何をしているのか、何を言っているのか、警策看取はどうなったのか、そもそも今何が起きているのか全くわからない状況の中、私は突然として意識が朦朧とし始めた。

 

その中で経験したことが有るような無いような、そんな感覚に襲われた。この感覚は空間移動の感覚と似ているがどこかが違う。付け加えて私は自分の力で空間移動はしていない。となるとこの場に居た誰かの手によって空間移動させられている可能性が......。

 

 

 

 

 

~地下渓谷 BF11階 中枢核~

 

美琴「黒子!!!」

 

倒れかけた私に肩を貸した人物がいた。

ぼやける視界の中でうっすらとその人物が見えてくる。

それは常盤台中学で私の1つ上の歳の超電磁砲こと御坂美琴さんだった。

 

白井黒子「皆様......そう......でしたの......私を助けて下さったのは......貴女方が......」

 

私が持っていても仕方がない。渡されても使い道が不明で何より何を渡されたのかまで認識することが出来ない。

そんな考えのもと、私は受け取ったものを返すつもりで手渡した。

 

白井黒子「こ......これを......」

 

震える手で何とか渡した謎の物体。

先程どこぞの殿方から受け取った物。

これを持って戻れと言われたが、徐々に私の意識は遠ざかっていく。そんな私が持っていても意味は無い。

ならばこの方たちに渡すのみ、という理由が一応ある。

 

ついに意識が極限に遠ざかり始め私はそのまま目を閉じ初めていき、最後に一言だけ目の前の方に告げたいことがあり気力を振り絞ってこう告げた。

 

白井黒子「おねぇ......さま......」

 

そして私はそのままお姉様の腕の中でスゥ~っと、ゆっくりと眠りに墜ちて行った。

 

美琴「黒子......?ちょっと!ねぇ!」

 

身体には揺すられている感覚がほんの少しだけ伝わってくるがそれも次第に途切れ始め、私はお姉様の腕の中で完全に意識を失ってしまった。

 

白井黒子「............」

 

美琴「く、黒子おぉぉぉぉぉぉおおお!!!!!!」

 

to be continued......

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