SS 紅き星の暴走 涼宮ハルヒの憂鬱×とある魔術の禁書目録   作:はるかさん

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お待たせしました!地上編投稿です。

神巨人から脱出してきた黒子たちの前に現れた雷神。
さてさてどうなることやら。

ではどうぞ!


15-α話 ~ドッペルゲンガー~ 地上編

~北高 校庭~

 

アクセラレータ「あの野郎は今あの星にいる......ここにいるのは俺たちだけだ」

 

削板「お!第1位様か!こりゃ俺も根性いれねぇとなー。にしてもあの星に行くとはやっぱ根性あるなあいつ」

 

過去に殿方と何か縁があり今こうしてこの方はここにいるのでしょう。

どの様な経緯があったのかは知りませんが、第7位ともなると私たちにとっても相当な戦力になる。

そして神巨人の生まれ変わりなのかは知りませんが、あの人形相手にするには人数と強力な協力者が必要だと、黒子の脳内信号がビンビン伝えて来ていますの。

 

削板「それにしても相変わらず相当なバケモンだなありゃ。じゃあ.....暴れるとしますか!」

 

アクセラレータ「足引ッ張ンじゃねぇぞ!!」

 

 

 

 

 

神巨人の心臓とも言える制御システム。それを護る迎撃システムと防衛システム。

制御システムに麦野さんの原子崩しが突き刺さるも反射させる光の壁を展開。仕方なしに2つのシステムを優先して破壊しようとするも、迎撃システムの透過レーザーが私たちを襲う。その威力は絶大なものであり、正面からの真っ向勝負ならば大能力者(レベル4)と言えど軽くいなしてしまうほど。しかし決定的な弱点が存在し、それは透過レーザーの威力は迎撃システム自らの活動エネルギーに依存するということ。ダメージを与えれば活動エネルギーは低下していく。つまりダメージを与えれば与える程、透過レーザーの威力は軽減していくもの。そして迎撃システムを難なく破壊出来た私たち。

 

防衛システムは制御システムの回復役、と言ったところ。回復されてしまうのなら先に潰す以外の選択肢はない。

シェリーさんのゴーレムにより、破壊させることに成功。

そして残るは制御システムのみで、全員で総攻撃をかけようとしたが、なんと制御システムが破壊したはずの迎撃システムと防衛システムを最大のエネルギーで再生させてしまった。

 

どこまで戦ってもキリが無く、その場凌ぎで戦っていた私たちにある作戦を思いつき、それを私に行って欲しいというより私にしか出来ない作戦を持ちかけて来た九曜さん。

その内容は、迎撃システムが透過レーザーを発射する直前に私が触れて、迎撃システムを制御システムの中に空間移動させるという作戦。

 

そして透過レーザーが発射される直前に私は空間移動させ、そのまま制御システムの中から透過レーザーが発射されて私たちは何とか神巨人の核となる心臓を破壊することに成功。

そして原動力を失った神巨人は、そのままグラグラ揺れ始め崩れようとしていた。

 

脱出経路もわからず、そのままアタフタしている私たちにどこからともなく現れ出口まで案内してくれた方が現れた。その方とは、先程私たちがSOS団部室へ向かい、そこでオーパーツなる物を下さった渡橋ヤスミさん。

そして何とか神巨人から脱出し、校庭に戻ることが出来た。

 

しかし、破壊出来たと思った神巨人は徐々に姿形を変えていく。

まるで鉄くずの塊と化した神巨人は、特攻隊の様に私たちに突っ込んでくる。

と、同時に私の後ろからその鉄くずに対して自身の能力で難なく破壊した人物が現れた。それは第7位である削板軍覇(そぎいたぐんは)さん。その方の能力で何とか退けることが出来たと思ったのも束の間。

 

その鉄くずが今度は神巨人内部で戦った人形の様にグニャグニャ動き始め、それが一点に集まり融合していく。

そしてそこに現れたのはどことなくお姉様に似ていて、それはまるで雷神と言う名が相応しい化け物。

 

帰還そうそうこの相手と戦わなければならないとは。

命がいくつあっても足りませんわね。

 

 

 

 

黒子「ヤスミさんは!?」

 

回りを見渡すが、ヤスミさんの姿が見られない。私たちを神巨人内部から脱出させて下さった。しかしここにいては危ない。何とか守りたいがその当の本人の姿が見えない。

 

神裂「確かに居たはずです......でも一体どこへ!?」

 

あんな雷神みたいな化け物がいる戦場にいてはならない。

ヤスミさんも常人とかけ離れた存在。それが例え能力が使えるからとかではなく、あの方は何かしらのキーとなるポジションの方だと私の頭から訴えかけている。

しかし突然消えるとは。本当にどこへ行ってしまわれたのやら。

その時、私の脳内へと直接語り掛けるかの様に、ヤスミさんの声が聞こえてきた。

 

 

 

......白井さん、あたしが出来ることはここまでです......残念ですがここでお別れ......地球の皆さんたちを救ってください!!......

 

 

 

黒子(まっ、待ってくださいですの!貴女は今どちらに!?)

 

 

 

......お答えすることは出来ません......ですが、白井さんが心配してくれた様な場所にはあたしは居ません......ですから、思いっきりその雷神を倒してしまってください......またいつの日か会えることを楽しみにしています......では......

 

 

 

消えた。頭の中で聞こえていた声が。しかし今の声がヤスミさんご本人の声だとすると、ここには居ない。

ならば安心してあの雷神を倒すことに専念できる。

にしてもあの雷神。何故神巨人の破片からあの様なモノが。まさか始めからあの雷神を生み出すことが狙いだったのでは。

神巨人でSOS団部室を破壊出来たのならそれで良し、しかし敵も破壊出来るとは思わなかった。だから破壊された時のことを想定して雷神を生み出すような何か仕掛けをしていたとすれば。

しかしシステム関連を全て壊したのに動けるなんて。個人の意思で動いているのか、もしくはあの雷神を操ってる者がいるのか。

まぁ兎に角はあの化け物を何とかしないといけませんわね。

 

黒子「削板さん。先程"相変わらず相当なバケモノ"とおっしゃいましたわね。あの雷神の様な相手を知っていますの?」

 

軍覇「1年前、大覇聖祭の時に第3位が絶対能力者への実験台とされその時の姿があの雷神みたいな奴だ」

 

黒子「第3位ってことはお姉様が!?と言うことはあれは雷神ではなく、お姉様本人ですの!?」

 

?「それはチョチョっと違うんだよネェ~」

 

どこからともなく聞こえて来た声は、神巨人内部の人形との戦いの時に聞いた声と同じ。

名前は確か警策看取(こうざくみとり)。この者も確か1年前の大覇聖祭でどうのこうのと。

当事者の1人であることに変わりはない。

 

神裂「警策看取でしたね!?姿を現しなさい!!!」

 

どこから現れるのかわからない。

声だけ聞こえて当の本人がどこにいるかわからない。いきなり私たちの真後ろから現れて不意打ちしてくるかも知れない。勿論警戒心を解くことは出来ない。

同時にあの雷神から警戒心を解くことも出来ない。対峙しているだけでも力の差がわかる。

そして雷神のすぐ後ろの足元がボコっと、地面から何かしらの衝撃が伝わって来たのか、小さな穴が開いた。

そしてそこから突然勢いよく飛び出し、地面に着地してニヤニヤした顔でこちらを見ている気味の悪い人形。

 

その人形は神巨人内部で戦った人形とは全く別物。頭には髪型をイメージしているかの様な角みたいな物まで生えている。そしてその後、こちらを見たままその穴に人形が右腕をグーンと伸ばしていく。

そして何かを拾い上げるつもりなのか、その伸びた腕を今度は縮めていく。何を拾い上げたのか、その答えが目の前に現れた。

 

警策看取「よっと......ハロー。初めましての方は初めまして。それにしても液化人影(リキッドシャドウ)だけでなく、神巨人まで破壊しちゃうとは。いやぁ予想以上にスッゴイねぇ。オネーサンチビっちゃいそうだよ」

 

雷神のすぐ後ろに現れた婦警の様な格好をした黒髪ツインテールの女が現れた。

間違いない。この声。この者が警策看取。

学園都市の能力者で大能力者の1人。その能力はあの薄気味の悪い人形を操ること。

本人が戦わなくとも戦闘を出来る。しかしあの警策は何故あの少女の味方をしているのかわからない。

 

麦野「アンタが警策か......こいつは挨拶代りだ!受け取りなぁ!!」

 

またもや早々に原子崩し(メルトダウナー)で攻撃を仕掛ける。しかしその攻撃は警策の前に立ち塞がる雷神が自身の周囲に発していた電撃でそれをいとも簡単に撃ち落としてしまう。

 

麦野「ちっ!」

 

警策「第4位さん。そんな甘っちょろい攻撃じゃあこの雷神の相手は務まらないヨ?」

 

挑発なのか。余裕の笑みで麦野さんに語り掛ける。

その挑発を真に受けてしまったのか、麦野さんが更に周囲にエネルギーを集め、その塊が原子崩しを連発して打ち始めた。

とは言ってもその数は6本くらいの原子崩し。これまでの戦いを見る限りでは、麦野さんの能力は弾幕を張れるタイプの攻撃ではない。だからこそ、神巨人内部での人形戦の様に拡散支援半導体を使っている。

そんな6本の原子崩しは警策に向かって伸びて行く。しかしまたもやその攻撃は雷神によって消滅させられてしまう。

 

警策「ムダムダ。何度やっても結果は同じ。戦う意味なんて無いってことに気が付かないのカナ?」

 

黒子「貴女の狙いはなんですの!?」

 

警策「サァ?そんなこと言っても何も生み出されないっしょ?」

 

あきれ返った様な表情で返答をする。

この者が利用されているのかされていないのか。それを突き止めるにはそれ系統の質問をするしかない。

少し変化球な質問だったとはいえ、返答によっては答えが導き出せたはずだった。

 

黒子「ではあの雷神の様な者は!?」

 

続いて質問の内容の対象を警策から雷神へと切り替える。

あの化け物の正体が一向に掴めない。お姉様ではない。とすればあれは何かしらの能力で動いているか、あの少女絡みの者が造り上げたのか。そして警策は人の心を読み取る読心術者と言われてもおかしくは無いと思う返答を寄越した。

 

警策「さすがに気になるよねー。これは美琴ちゃん本人ではないから安心していーよ。そうだね......差し詰めドッペルゲンガーって感じかな」

 

ドッペルゲンガー。自分とそっくりの姿をした分身、という意味だったはず。

となればあれはお姉様本人ではない。まさか本当にお姉様以上の力を感じるあの様なものを造り上げたとでも言うのだろうか。

人間は思考の最中無防備になるとどこかで教わったことがある。無防備、というよりこの場合は油断とでも言うべきだろうか。雷神に気を取られ過ぎて、私は警策が逃げの一手を繰り出したのに対し、反応が1歩も2歩も遅れてしまった。

 

警策「マー私の能力の液化人影は遠隔操作出来るんだからここにいる意味なんてないし......退散させてもらおうかな!」

 

黒子「っ!逃がしませんの!」

 

警策は先程出て来た穴に人形と共に飛び込んだ。この場から逃げる為に。

遠隔操作するならこの場に留まる必要はない、つまりあの雷神を操っているのは警策本人。1年前のお姉様の実験体の姿とは言え、それを造り出すにはお姉様に同じことをしなければならない。しかしそれは出来なかった。

ならばどうするか。警策の人形に神巨人のエネルギーを変換し吸収させることも方法の1つ。

となると恐らくどこかの物陰に隠れて操作することが一番良い。本人に危害は一切ないから。

地下だって逃げ場の一つ。追いかけるしかありませんの。

そして警策の跡を付ける為に演算を開始した直後、激しい頭痛と共に私の脳内に一閃の光景が再生され始めた。

 

 

 

...

......

.........

 

 

 

警策看取「マーなんでも良いケドさ......どうしてそうまでして美琴ちゃんたちの味方をするのかな?」

 

 

 

あれは......警策看取?

この場所は一体......。

 

 

 

白井黒子「さぁ?私にもわかりませんの」

 

 

 

あれは!!紛れもなく私自身!!

何故......こんな......光景が......。

 

 

 

警策看取「ふぅーん。まぁ美琴ちゃんも白井さんのこと頼ってるみたいだったケドね。ナニナニ相思相愛ってやつ?」

 

 

 

お姉様......何のことなのかさっぱり......。

 

 

 

白井黒子「戯言は結構ですの!姿を見せなさいな!」

 

 

 

警策看取「そう?......じゃあ遠慮なしに!」

 

 

 

.........

......

...

 

 

 

気を失っていたのか、夢を見ていたのかはわからないが、しっかりと目を開くと北高校庭に膝を付いて片手で頭を支えていた。

今のは一体。光景に映し出されていたのは間違いなく警策と私。

デジャヴにしてはこんな光景は見た事が無い。

いえ、今は警策を追いかけることが一番。しかし迂闊にあの穴に飛び込むのはリスクが高い。警策が何か仕掛けているかも知れない。

 

佐天「おーーーい!!白井さーーん!!!」

 

振り向くと正門からエカテリーナ号と希少金属(レアアース)に乗っている佐天さん、シャットアウラさんたちが帰還。

任務が成功したのかはわからないが、無事に戻って来れたことに安心する。

そしてそのまま私たちの近くまで突っ込んでくる。周りに人がいるのにも関わらずそんなにスピードを出すとは。

佐天さんが車の運転免許を取ったらどうなることやら。まぁそれだけ急ぎの用事があると、考えさせてもらいますわよ。

 

黒子「お帰りなさい。初春も」

 

初春「し、白井さん!大変です!量産基地の破壊は成功しましたが、宇宙の彼方からミサイルが発射されこの地球に向かって来ています!到達はおよそ1時間後です!!!」

 

なんと言う地獄の通達。私の耳が腐っていなければ今初春が言ったことは1年前、学究会会場でパワードスーツと奮闘した私たち。しかし締めはミサイルとどこでどう教わったのかはわからないが、お姉様と私でエカテリーナに搭乗し、婚后光子の能力の協力もあり、ミサイルが大気圏にする前に何とか破壊することに成功。

それが再び発射されて地球に目掛けて飛んできているとは。ここにお姉様はいない。どうすれば。

 

黒子「わかりましたの。ですがその前に!初春にやって欲しいことがあります!」

 

その言葉を聞いた初春はエカテリーナ号から降り、私の所にまで駆けつけて来る。

私が初春にお願いしたいことは警策の居場所、またはこの北高校庭から地下に繋がる道。

地下なら下水道とかが一番可能性としては高い。これは常識的に考えてのこと。しかし、今回の出来事は学園都市で暮らしている私たちからしても非日常の出来事。この地下に何が眠っているのかなんて想像も付かない。

となるとこの地下に何かしらの施設があってもおかしくは無い話。

 

そんなことを考えている最中、初春は小型電子機器で調べ始める。

この地下に何かがあるのか。それとも下水道の様な地下道が続いているだけなのか。

何かしらあるのは間違いない。でなければ警策がそこから現れそこに再び逃げていくなどするはずがない。

そして電子機器と睨めっこしていた初春が調べながら私に、先程初春たちが居た高校の話を振って来た。

 

初春「白井さん。先程居た高校の校庭にはとある地下室がありました。そこはパワードスーツを量産していた研究施設の様な所で......元々その校庭の地下にはその様な場所があったというデータはありませんでした。つまりここから言えることは......」

 

黒子「あの少女かもしくはその仲間が造り上げた......と、おっしゃりたいんですわね?」

 

初春「はい。ですからここの地下に何があってもおかしくはありません。それが例え......あの化け物少女が地下で待ち伏せしていたとしても」

 

その言葉で私は少し戸惑いを隠せなかった。昨日の日中、私と初春はとあるビルの最上階へと足を運び、最終的にそこに現れたのはあの少女。一時的に能力を失い、それでも初春だけでも逃がし応援を呼ぶため空間移動させた。

そしてその少女と私は相対することとなり、お姉様の電撃を駆使し私は何も出来ずに気を失ってしまった。

トラウマの様な出来事かも知れないが、今警策を逃がしては何も情報が掴めないままあの雷神と戦うことになってしまう。あの雷神は恐らくとてつもなく強い。麦野さんの能力をいとも容易く弾いて無効化させてしまったほど。

何とか警策の逃げ道を探せれば......。

 

佐天「見つけたぁ!!!」

 

いつの間にか初春の近くで警策探しを手伝っていた佐天さんが声を荒げた。

その手には小型の電子機器。初春の物かどうかはわからないが。

 

佐天「この人だよね!?その警策って人!?」

 

なんと佐天さんが持っている電子機器と初春の持っている電子機器の画面は街中に付けられた監視カメラをハッキングして、そこから映像を通して鬼を見つけるというチート行為。

 

初春「さすがです佐天さん!」

 

この場所は知っているところではないが、どこかの路地。しかし近くには色々目立つ建造物もある。

恐らくこの校庭の下から下水道でも通り近くのマンホールから外に出て逃げている。

しかし疑問が浮上。何故逃げるのか。

警策の言った通り、遠隔操作出来るから近くにいるのは本人にとってリスクでしかない。その理屈は正しい。

仮に私があの能力を使えたら同じ様な手段を取るだろう。しかし警策は液化人影ごと地下に姿を消し、電子機器の画面液化内で人影の姿が映し出されている。つまり警策の人形は警策の近くで護衛している様なもの。

ならば何を操ると言うのだろうか。

 

初春「白井さん!警策を追いかけてください!この街にはあまり監視カメラがありません!監視外に移動されてしまってはもう見つける手段がなくなってしまうかも知れません!」

 

とにかく今は初春の言う通り警策を追いかけるほかない。画面を見る限りでは警策は何か別の目的があってそれを遂行しようとしている様にも思えるが今はそんなときではない。少しでも早くあの場所へ向かわなければ。

 

黒子「初春、あとは任せましたの」

 

初春「はい!」

 

神裂「白井さん!お気をつけて!」

 

そうして白井さんは警策を追いかけるため、いつものBluetooth機器を耳に装着し、地下には入らず空間移動で警策の居場所まで追いかけて行った。ちなみにあたしは佐天涙子です。白井さんが居なくなっちゃったから、ここから先は話させてもらうね。

 

アクセラレータ「さァ~て......スクラップの時間だァ......化け物おォォォォ!!!」

 

首に付けているチョーカーの様な物に触れ、何かのスイッチが入ったのか。突然手に持っていた杖を投げ飛ばしアクセラレータさんはそのまま雷神に向かって突っ込んで行く。

でもあのチョーカーって何らかの機器みたな感じだよね。相手電気ビリビリ言ってるけど大丈夫なのかな。

 

そんなあたしの疑問は全く持ってお構いなしと言うくらい雷神に接近していき、雷神も何かを悟ったのか、片手を自身の目の前に出し、手のひらをアクセラレータさんに向け、その手のひらからは激しい稲妻がアクセラレータさんに向けて打ち出された。

 

そしてその稲妻を片手で弾き飛ばし、というより雷神に向かって跳ね返した。

これが第1位の能力。ベクトル変換。

雷神も、見かけもプレッシャーも御坂さんを遥かに凌駕する力の持ち主。けどその稲妻を片手だけで跳ね返すなんてあの人の能力はやっぱりチート。

あたしだって昨日今日で散々な目にあって来た。だから誰がどれだけ強いのかが何となくわかってしまう。場の雰囲気だったりその人から発せられるプレッシャーの様なものだったりと。

あれ?もしかしてあたしそう言う力を嗅ぎ付けられる能力者にでもなった?

 

削板「おぉーっし!いっちょやるか!!」

 

アクセラレータさんに続いてその場を走り出し雷神に向かって行く男の人がもう1人。

どちらも超能力者。

 

麦野「フレンダたちはここにいなさい!あんの化け物にはキッチリお仕置きしないとねぇ......」

 

更に麦野さん、そして......

 

神裂「ここは私たちにお任せ下さい!」

 

九曜「あれは止めなければならない」

 

聖人と呼ばれる神裂さんに、未だ得体の知れない力を持つ九曜さんが続いて戦場へと突っ込んで行った。

まさに無敵の布陣。今この校庭にいる中でも上から数えた方が遥かに早いんじゃないかというくらいの力を持った人たちが次々に雷神へと向かって行く。でも出来れば全員で向かった方が戦力になるんじゃないかな。これだけの人数がいるなら数でも押した方が確実な気はするんだけどな。

まぁどの道あたしや初春じゃあ戦力にはならないし、何より手に持っている電子機器から目が離せない。画面にはまだ監視カメラが警策を捉えられる位置に居てくれている。でも白井さんの姿が一向に見えない。

やっぱり場所が分かりにくいのかな。

雷神にも気を回してかつカメラにも気を回さないといけないなんて。

 

佐天「婚后さん!あの雷神にもう何人か向かった方が良いんじゃないんですか!?」

 

婚后「いいえ佐天さん。それは違いますわ」

 

何故この状況でそんなことが言えるのだろうか。確かにあの5人の様にはいかないかも知れないけど、それでも数で圧倒すれば有利になるはずなのに。

 

アニェーゼ「確かにこれだけの数がいるんですから、全員で向かって戦っちまった方が有利に見えるかも知れませんが、あれ程の力を持った相手とやるとなると話は別です」

 

森「そういうことです。いくら私たちが常人と比べて力があるとは言え、あの化け物相手には私たちの力は無力なんです。仮に援軍に行っても役に立てるどころか死者を増やしかねない。いえそれだけではありません」

 

みくる「攻撃を受けただけでも今あそこで戦ってる5人の気を惹いてしまって、結果的にあの人たちの足を引っ張ることしか出来ないんです......」

 

みんながみんな。自分たちの力の無さがもう既に分かりきっていた。

あたしからすれば、異能な力を持つ人たちには歯が立たない。だから無能力者(レベル0)のあたしからすれば、なんでみんな援軍に行かないのか不思議でしょうがない。だけど、そんな能力を持ってる人たちからしてみても、あの雷神相手では無能力者であるのと何ら変わらない。つまり普段あたしが能力者戦で無能力者なんだから仕方ないと思っていることを、今周りにいる皆さんが思っていることなんだ。

不用意に近づけば死ぬ。死ななくても攻撃を受けてしまうだけで足を引っ張ってしまう。つまり仁王立ちすることも、壁となることも、特攻隊になることも、つまり何も出来ないんだあたしたちは。

 

ここで見守っているしかない。あの5人を。

でもあたしと初春は白井さんを警策の元まで導かなければならない。どの道あたしと初春は戦うことなんて出来ない。ならせめて白井さんを送り届けなくちゃ。

 

アクセラレータ「ちィ!」

 

神裂「この力......5人がかりでも5分だと言うのですか!?」

 

あの雷神の強さは半端じゃない。ただ立ち尽くしているだけなのに周りに発せられた電撃を操る行為だけで戦ってる。電撃が攻撃の役割を果たしたり、バリアの様な役割を果たしたり、場合によっては雷神自身の移動手段として地面に磁場を作ってまるで磁石同士が反発し合ってる時の様に地面と雷神が引き離されて、それを移動手段として扱ってる。

いくら扱える能力は電撃1種だとしても、攻撃と防御と移動を1度に行えるなんて。

ここまでくればもう確信。あの雷神は御坂さんよりも力が上。それも圧倒的に。

 

初春「白井さん!警策の最終的な居場所を転送します!」

 

突然白井さんと電話で会話をし始めた初春。画面を見ても未だ警策は、人形の肩に乗っかりどこかへ向かっているだけ。警策の位置はわかったとしても、最終的な場所までわからないはず。

一体初春はどこだと思ってるんだろう。

 

佐天「ってあれ!?この場所って......」

 

初春「そうです!この道は先程私たちが向かった......桜が丘高校への道です!」

 

そうか。警策は単独ではなく、恐らくいや十中八九あの少女と繋がっている。となればさっき行ったあの高校の地下施設、又はミサイル関連であの高校に向かう可能性は大。確信は無いけど、あの少女の仲間がそっちの方角に向かうとしたらもうそこしかない。

 

初春「白井さん!恐らく警策はそこに向かっているはずです!そこで何をしようとしているのかはわかりません!ですが、一刻も早く警策の行動を止めて下さい!」

 

黒子『了解ですの!その桜が丘高校とやらに監視カメラはありまして!?』

 

初春「校内なら数カ所はあると思います!特に地下施設には!ですので再び私たちで監視しますので安心して追ってください!」

 

なるほど。ジャッジメントで白井さんのパートナーが初春なのも納得がいく。

前線で戦う白井さん、後衛で監視し指示を出せる初春。この2人が居れば警策は何とかなると思うんだけど。

問題はあの雷神だよね。どう考えても強そうだし、何より自らの身体はまだほとんど動かしてないんだから。

でもなんで動かないんだろう。電気の力だけで倒せると思ったのかな。それとも別の理由があって。

......もしかしたらその何らかの理由があの雷神の弱点なのかも知れない。

 

九曜「電撃を感知------バリアを展開する」

 

麦野「くっそ......こんなことって......」

 

神裂「例えこの身が朽ち果てようとも......貴女を止めないわけにはいかないのです!!!」

 

to be continued......

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