SS 紅き星の暴走 涼宮ハルヒの憂鬱×とある魔術の禁書目録   作:はるかさん

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すみません長らくお待たせしました。
どうやらネットで見た限りだと、小説でフレンダが死亡していたらしいですね。
1年後のこの小説ではフレンダ生きている設定になってますが......不覚。
IFストーリーとして楽しんで頂ければと思いますw

ではどうぞ!


16-α話 ~絶対能力戦闘~ 地上編

九曜「電撃を感知------バリアを展開する」

 

麦野「くっそ......こんなことって......」

 

神裂「例えこの身が朽ち果てようとも......貴女を止めないわけにはいかないのです!!!」

 

 

 

 

 

神巨人を破壊しようやく大物を退けられたと思うのも束の間。神巨人の破片が次々と集まっていき、そこには謎の物体が出現。真っ黒で何やら怪しげな何かが姿を現しその物体があたしたちに迫って来た。その窮地の状況で削板さんが突然姿を現しその物体を破壊。そしてその後、その物体が形状をグニャグニャと変えていき、そこに現れたのはドッペルゲンガーである御坂さんが超能力者へと進化を遂げた者。

そしてその場に現れた警策看取。明らかにドッペルゲンガーを操る言動を見せる。

警策はその場から消え、後を追う白井さん。

そして北高校庭に残ったあたしたちはドッペルゲンガーと対峙し、地上戦でラスボスとも言える存在感を醸し出している敵と未だかつてない死闘を繰り広げようとしていた。

 

 

 

 

 

恐らく地上戦での最後の戦いになるだろう。

前線に立っているのはアクセラレータさん、神裂さん、麦野さん、九曜さん、削板さんがドッペルゲンガーというか雷神と対峙している。

あたしは勿論のこと、初春や森さん、アニェーゼさんたちもこの戦いの中には参戦出来ないだろう。

だってレベルが違いすぎる。恐らく大能力者である白井さんや婚后さんですら足手まといになる。

目の前にいる化け物からは信じられない程のプレッシャーを感じる。これまで色んな出来事があり色んな敵と出会ってきたからあたしにもそう言う能力が身に付いたのかな。

 

初春「さ、佐天さん!早くここから離れないと!」

 

絹旗「私たちでは超足手まといです。早くここから退散することです」

 

そう。あたしたちに出来る事と言えばこの場からさっさと退散することだけ。

目の前で物凄いバチバチ言ってるし、ここに居たら巻き添えくっちゃうしね。

それにしても激しい戦いだ。

突っ込んで行く5人の能力者と魔術師と宇宙人。はっきり言って今戦っているのは地球人とは思えない人たち。

 

麦野「くっ!ここまでとはね......危ない!」

 

九曜「!」

 

雷神から放たれた一筋の電撃が九曜さんを襲う。ギリギリのところで光輝くバリアを前面に展開。

しかし相手の電撃の威力の方が勝っているのか、九曜さんのバリアが一瞬で剥がされ電撃を直撃で受けてしまった。

その電撃の輝かしい光と閃光は、見た限りでは御坂さん以上の力。

アクセラレータさんの反射も何とか機能するレベル。元々電極を付けているせいもあり、強力な電磁波が起こると能力を上手く制御出来ないみたい。

 

アクセラレータ「くそが......こんなことが......」

 

ドッペルゲンガー「......」

 

前線で戦っている5人もいつのまにかダメージを多く負っている。

電撃による焦げ付いた痕や、額に付いた傷。勿論アクセラレータさんも例外ではない。

反射が上手く使えてないだけでなく、お得意のベクトル変換までもが制御出来ていない。

必死で抗う前線部隊の人たち。それをただただ茫然と眺めていることしか出来ないあたしたち。白井さんも現状どうなっているのかわからない。

 

削板「へっへへ......化け物め......」

 

戦闘が始まって間もないのに既に満身創痍。ドッペルゲンガーから逃げ回る究極のデスゲーム、鬼ごっこ。

麦野さんは原子崩し(メルトダウナー)で電撃を弾こうとするが、相手の電撃の威力の方が高いせいか、手で受け止めることは出来てもバチン!と凄まじい音を放ち跳ね返したりすることは出来ない。それどころか、直撃はしないものの、その威力に弾かれ身体が後方に吹き飛ぶ。

 

神裂「さすがに参りましたね......このまま戦っていると......」

 

九曜「体力が持たない。私の能力にも限界がある------」

 

アクセラレータ「くそッッッッたれがあァァァァ!!!」

 

倒れていたアクセラレータさんが突っ込む。地を蹴り空中で停滞しているドッペルゲンガーに向かって飛んでいく。そして右手でドッペルゲンガーを殴りつける。ベクトル変換の効力が出ているのか、殴りつけた瞬間ドッペルゲンガーが吹き飛ぶ。

しかし吹っ飛んでいったドッペルゲンガーは電撃の力なのか、はたまた自身の身体能力なのか、吹っ飛ばされていたのに突然空中で身体を回転させ、アクセラレータさんのところにまで突っ込んで行く。

そして電撃を身体中に纏い、バチバチ言わせながらアクセラレータさんに向かい、そして身体から電撃が放たれる。それを何とかベクトル変換で弾き、その電撃がドッペルゲンガーに向かって飛んでいく。

 

初春「これほど凄いと......もう言葉が出ない......」

 

佐天「確かにね......白井さんも大丈夫かなぁ......」

 

鶴屋さん「わからないにょろ......でも今は信じるしかないっさ......」

 

白井さんの心配もあるけど、あのドッペルゲンガーの存在が味方全員の士気が大幅に下がっている。

前線部隊もいつまでもつかなんてわからない。恐らく長くは持たない気がする。とすればやっぱりあたしたち後方にいる部隊も迎撃に参加しないといけなくなる気がする......。

アクセラレータさんとドッペルゲンガーの戦いはどちらも全く退かない。五分五分と言ったところ。

電撃が走り、それを能力で弾く。そんな戦いが続いている。

今はまだ良いけど、アクセラレータさんのあの電極は確かバッテリーで動いてるとかって話を聞いたことがある。でもあのバッテリーっていつまで持つのか.....。

 

アクセラレータ「うがあァァァァ!!!」

 

神裂「私も援護いたします!」

 

麦野「行くぞ......雷神さんとやらよぉ!」

 

既に戦っていたアクセラレータさんを支援するべく、神裂さんと麦野さんが突っ込んで行く。

剣を手にして得意の唯閃が飛び、麦野さんは周囲にフワフワ浮いている緑色のエネルギーとも言える原子崩しがドッペルゲンガーに向かい攻撃する。

しかしそんな超能力者や聖人たちの攻撃をあっさり受け流し電撃でカウンターを仕掛けてくる。

その攻撃で神裂さんは直撃し、アクセラレータさんも全てを跳ね返すことが出来ず、余波によりダメージを負ってしまった。

 

アクセラレータ「ぐッ!」

 

神裂「ここまででしょうか......私たちは......」

 

空中で戦っていた2人が地面に落下し叩きつけられていた。

なんとかかろうじて生きてはいるものの、強く身体を叩きつけられてしまい、上手く立ち上がることが出来ない様子。

骨が折れているとかは無いみたいだけど......。

 

削板「さって......行くぞ!」

 

九曜「もう一度戦う------」

 

今度は削板さんと九曜さんが大ジャンプし、空中戦に参加する。

麦野さん1人が戦っている中へ援護しにいく。削板さんの能力と九曜さんの力で、肉弾戦でドッペルゲンガーを抑え込もうとする。が、周囲にバリアの様なものを張り巡らせ攻撃を次々と弾いて行く。

なかなか攻撃が通らない。唯一あたしが見たのはアクセラレータさんが殴りつけたとこだけ。

それ以外はまともな攻撃なんて一切決まってない。

今まで戦って来た敵も強敵だった。AMIバーストや能力者、大天使、堕天使、そしてあの謎の少女。

そんな敵たちを全てひっくるめてもあのドッペルゲンガーの足元にも及ばない。御坂さんが絶対能力者(レベル6)になったらあんなに強くなるのか、それともあれは人工的に高め挙げた力なのか。数々の超能力者(レベル5)や魔術師、宇宙人の力を遥かに凌駕するほど。

 

麦野さん、九曜さん、削板さんの3人がかりで攻撃を仕掛けてもかすりもしない。

避ける、避ける、避ける。回避不可と感じた場合は電撃で叩き落としている。この実力差ははっきり言って仮に神裂さん、アクセラレータさん、麦野さん、九曜さん、削板さんの5人が万全な状態で共闘したとしても勝てるかどうか。

 

麦野「くっっっそ野郎があぁぁぁ!!!」

 

原子崩しでバンバン能力を奮う。しかし気合はともかく一発も直撃していない。

ちょっと前に御坂さんから聞いたことがある。麦野さんの原子崩しは根っこの部分では御坂さんの電撃と同じ能力。能力を上手く使えば原子崩しを弾くことができる。それは麦野さんも同じことが言えるらしい。

1年前に御坂さんと麦野さんが戦ったことがあってその時に実感した、と言うより実践出来たみたい。だからあのドッペルゲンガーは麦野さんの能力を簡単に弾くことが出来る。それは麦野さんにとっても同じこと。だけど力量の差が物凄くかけ離れている。ドッペルゲンガーはいとも簡単に麦野さんの能力を弾けるけど、麦野さんからすれば簡単に弾くことは出来ない。

 

削板「凄いパーーーーンチ!!!」

 

九曜「------」

 

2人がドッペルゲンガーに対して攻撃を仕掛ける。削板さんは物理攻撃で、九曜さんは氷や炎を出して攻撃している。さすが宇宙人。様々な能力を使用して攻撃している。

しかしそんな攻撃もドッペルゲンガーには通用していないのか、相変わらずの電撃で全ての攻撃を弾き、カウンターで攻撃を仕掛けている。その攻撃をまともに受けてしまった2人はアクセラレータさん、神裂さんと同じくして空中から地上に戻されてくる。そしてそのまま地面に直撃。ついには空中戦でドッペルゲンガーと相対しているのは麦野さんただ1人となってしまった。

 

麦野「こんな力の差があるなんて......だけど諦める訳にはいかねぇんだよおぉー!!!」

 

周囲に原子崩しを発し、そのエネルギーからビームが次々と発射されていく。まるでフェンシングの試合を見ているかのよう。ドッペルゲンガーの顔に目掛けて発射しまくるが、それをただただ顔を上下左右に動かすだけで回避し続ける。もうあそこまでいくと1つの芸術だよ。

そしてその原子崩しが当たらないと判断すると徐々に間合いを詰めていく麦野さん。それに伴いドッペルゲンガーもその距離の分、徐々に後方に下がりながら回避し続ける。

 

麦野「なんで......なんで当たらねえぇんだよおぉぉぉぉ!!!」

 

そうか。麦野さんくらいの能力者になるとプライドがあって認めたくないんだ。それに冷静さが欠けているこの状況なら無理もない。認めたくない、諦めたくない、そもそも必死過ぎて目の前の現実が見えてない。そんなことが重なってあのセリフを吐いたんだ。傍観しているあたしたちなら力量の差は歴然。あのアクセラレータさんでさえ劣勢だったんだから。

 

フレンダ「麦野おぉぉーー!!勝って!絶対に勝ってえぇぇぇ!!!」

 

地上で見ていたフレンダさんが麦野さんを全力で応援し始める。

フレンダさんからすれば共に戦ってきた仲間だから尚更負けて欲しくないんだろうな。でもその気持ちはあたしたちにもその気持ちはある。この地上戦は防衛線。みんなが帰って来れる場所を維持するための戦いででもあり、地球そのものを守る戦いでもあるんだから。

 

麦野「......勝つよ!絶対!!!」

 

その応援で更に気合が入ったのか、さっきよりも原子崩しの本数が増えてる。

なんとかドッペルゲンガーを仕留めようと物凄い勢いで能力を放っている。それだけでは飽き足らずと言う言葉が正しいのかどうかはわからないけど、今度は手に原子崩しのエネルギーを溜めてまるで剣のように扱い攻撃を仕掛けまくる。身体の周囲からはビームが、手からは原子崩しで形成した剣を奮い連続攻撃を。

だけどその数々の攻撃もあっさりかわしていくドッペルゲンガー。

そして最終的にはドッペルゲンガーが放った1枚のコインが麦野さんを襲う。間違いない。あの技は御坂さんの十八番中の十八番。超電磁砲(レールガン)。まさかあのドッペルゲンガーがあの技までコピーするとは。

そのコインに対して原子崩しで応戦。しかし数秒も持たず、1枚のコインは原子崩しを押し切り突き進んでいき、麦野さんの身体に直撃。そのまま落下しアクセラレータさんたちのところにまで落下していく。

 

麦野「くそ......こんなところで......」

 

神裂「もう身体が......」

 

アクセラレータ「あ......があァ......」

 

そして前線で勇み良く戦っていた5人は今では見る影も無くなってしまった。

身体中はボロボロで所々血が出ている。もうこれ以上あの化け物に対して打つ術は無い。なんせここにいるメンバーの中でも5本指に入る強者がボロボロ。もう勝つための方策など無い。このままこの地上はあのドッペルゲンガーによって灰にされてしまう。などと考えていたその時だった。その5人ん姿を見て突き動かされたのか、後方で見ていたとある5人が前線で仁王立ちしていた。

 

婚后「私たちでは太刀打ち出来ないとは言え......」

 

アニェーゼ「この光景を見て、黙ってなんていられねーってんですよ」

 

森「次は私たちの番ね......」

 

絹旗「超強そうですけど超引き下がるわけには......」

 

シャットアウラ「引き下がるわけにはいかない!!!」

 

アクセラレータさん一同を薙ぎ倒したドッペルゲンガーがいつの間にか地上に降りて来ていた。

恐らく残りの地上メンバーを一掃するため。しかしそれを好機と思ったのか、5人がドッペルゲンガーの元へと走って突っ込んで行く。婚后さんは風力操作(エアロハンド)で、アニェーゼさんは自前の杖で、森さんと絹旗さんは物理攻撃で、シャットアウラさんは機械兵器に搭乗してそれぞれの得意攻撃で。

そんな5人の勢いも一瞬で無かったことにするような勢いで電撃が迸る。まるでゴミを扱うように全力を出し切らずにただただ片手ですっ飛ばした感じに見える。そしてアクセラレータさんたちの戦いに心動かされたのは今の5人だけではなかった。

 

サーシャ「私たちも戦う」

 

シェリー「くそが......あんな化け物がいるなんてよ......」

 

鶴屋さん「森さんたちが倒れたとは言え、それを見過ごすなんて出来ないっさ!」

 

湾内「婚后さん......私たちも......」

 

泡浮「体を張って......少しでも時間稼ぎをします!」

 

次々と地上戦に参加していた仲間が立ち上がりあのドッペルゲンガーと戦おうとしている。

なんでだろう。どう考えても勝てるはずがないのに。超能力者たちがやられてしまったのに、少なくとも上位レベルが大能力者じゃ勝てるはずがないのに。

 

結標「今日が命日かしらね」

 

土御門「そう言うなっと言いたいが......さすがにこれは......」

 

みくる「だけどここで諦めたらキョンくんたちが帰れなくなります!」

 

フレンダ「結局戦う以外の選択なんて無いってわけよ」

 

黒妻「良いねぇ姉ちゃんたち......気合い入れねーと殺されちまうぞ!!!」

 

更に5人が戦線に立ちはだかる。

それぞれの能力を行使してもあのドッペルゲンガーには全く持って無意味。

攻撃を回避し、隙が生まれたところでカウンターによる反撃。

なんで?勝ち目がないって誰もが分かり切ってることなのに。あんな化け物と戦おうとする気力が意味不明。

初春だって立ちすくんでいる。無理もないよ。あたしや初春は無能力者。実質初春は能力を使えるけど、戦闘タイプではないし、そもそも異能力者(レベル2)だろうが強能力者(レベル3)だろうが大能力者(レベル4)だろうが、あのドッペルゲンガーの前では無能力者と同義。そんなことも分析出来ない人たちではないはず。なのになんで......。

朝比奈さんは言った。"帰れる場所が無くなる"と。

そんなことは百も承知。あたしにだってわかる。負けて欲しくない、防衛しなければならない気持ちもわかる。

だけど実力差は歴然としている。勝てるはずがない戦い。気持ちだけで挑んだところで負けると分かっている戦い。そんな地獄の様な死闘に挑むなんて.....理解出来ない。

 

ルチア「アンジェレネ。覚悟を決めなさい。今の5人はもう持ちません」

 

アンジェレネ「シ、シスタールチア。ですがあの敵は......強敵過ぎますよぅ......」

 

五和「誰も勝とうとは思っていません。少しでもプリエステス様たちの回復の時間稼ぎになればそれで......」

 

10032号「誰だってあんな強敵とは戦いたくありません。ですがこのままでは地球が滅びてしまう、と御坂10032号は絶対に勝てない戦いにライフルを構えて戦闘体勢に入ります」

 

19090号「同じく御坂も戦闘体勢に入ります、と御坂19090号もグーしか出せないのにどーやってパーに勝てって言うんだコノヤローと言うくらいの戦いに挑みます」

 

なんでみんな戦うんだろう。あたしが言うのもなんだけど、ここにいるそれなりの能力を持った人たちがドッペルゲンガーに挑む。不思議でしょうがない。勝てないんだよ?殺されに行くようなものなんだよ?なのになんで?

上条さんや御坂さんのように、実力を持った人たちが挑むんならわかる。なのになんで......。

......そうか。あたしはなんだかんだ言ってこの人たちを信用していないんだ。御坂さんの実力は何回も見てきているからわかる。上条さんは御坂さんから聞いたこと、そして今回の件であの大天使に対して全く臆することなく突き進んでいった勇気。

あたしはまだこの人たちのことを全く知らないんだ。だから信用していないんだ。

でも、だからと言ってあのドッペルゲンガーは、アクセラレータさんたちを薙ぎ倒す程の力の持ち主。そんな化け物に戦いを挑むなんて。

 

攻撃こそは仕掛けるが、今度はドッペルゲンガーが避けることもせず、ただただ棒立ちして攻撃を受け続けている。恐らく回避するまでもないと思われているんだろう。見下されている、馬鹿にされている。

そんな相手ではやっぱりあたしたちではどうしようもない。

御坂妹さんも銃や電撃で攻撃を仕掛けるが、そんな攻撃はまるで意味がないと言わんばかり。

こんな光景を見せられてると思うとあたしや初春だって奮闘したくなる。

この地上を守ること、それが今この場にいるあたしたちがここにいる理由。こうなったらあたしたちも戦うしか......。

 

佐天「初春」

 

初春「な、なんですか佐天さん?」

 

緊張しっぱなしの顔であたしに疑問を問いかける。まるで思考が働いていない。表情を見ればわかる。

緊張だけでなく恐怖や不安。いや、どちらかと言えば恐怖に気持ちが多いんだろうな。

だけどそんなことも言ってられない。負けるとわかっていても挑む。今まであのドッペルゲンガーに突っ込んで行った人たちの気持ちがわかる。あたし達がやるべきことはこの場を守ること。

それぞれの能力者にはそれぞれの役割がある。あたしと初春にしか出来ないことだってある。エカテリーナを操ることが出来るのはあたしと初春だけ。なら......。

 

佐天「初春!行くよ!エカテリーナで!!!」

 

初春「え......あれを相手にですか?」

 

無理もない。あんな実力を見せられたら誰だって怖気づく。だけどどうせ戦わなくてもこの防衛線は負けてしまうだろう。最初の実力者である5人がいとも簡単にやられたんだから。だけどどうせこのままだとやられてしまう。

ならば行くしかない。少しの奇跡がある限り。

 

佐天「うん。あたしだって勝てるとは思わない。だけど防衛のためにも負ける訳にもいかない。だから......少しでも勝つ可能性があるなら......!」

 

初春「......わかりました。では行きましょう!佐天さん!」

 

佐天「さっすが初春!行こう!」

 

そうしてあたしたちはエカテリーナに搭乗。あたしが前で初春が後ろ。

いつもの席。さっきまでと、1年前と変わらない席。勝てるとは到底思えない。

どうせ勝てない。戦う前から投げ出すのがどうかと思うけど、勝てる勝てないじゃあない。戦う以外の選択肢はない。だから今エカテリーナにあたしと初春は乗っている。

.....さて、行きますか!

 

ラストオーダー「御坂も行くよって、御坂は御坂はあの人をあんなボロボロにしたあの雷神を許せずにいたり」

 

佐天「まぁ色々かっこいいこと考えたけど、結局あたしたちもエカテリーナで突撃ってわけか......頑張ろ、初春」

 

初春「はい......もう覚悟は出来てます」

 

ジェーン「師匠たちの為にも」

 

メアリエ「少しの奇跡を信じて」

 

マリーベート「勝つ!ただそれだけ!」

 

フレンダ「麦野の仇.....絶対に取らせてもらうわよ!!!」

 

アニェーゼ隊「行きましょう。実力が足りないのであれば物量で押し切る以外の方法はありません」

 

黄泉川「行くぞ!続けアンチスキル!!!」

 

蛇谷「こっちも行くぞ!スキルアウト!!!」

 

全員ではないけど残されたメンバーが次々とドッペルゲンガーに突っ走っていく。

これが地上での最後の戦い。それは間違いない。紅き星では御坂さん達が死闘を繰り広げているだろう。もしかしたらあのドッペルゲンガー以上の力を持つ者と。

 

佐天「初春!」

 

初春「了解です!ワイヤー使います!!!」

 

エカテリーナの右手からワイヤーがドッペルゲンガーに向かって伸びて行く。

掴んで動きを奪って願わくばそのまま引き寄せて動きを封じて集中攻撃を仕掛ける。

だけどそんな安易な作戦が通用するはずもなかった。ワイヤーが伸びた瞬間に電撃で焼き払われてしまう。

 

黄泉川「撃てえぇぇぇー!!!」

 

今度はアンチスキルによる銃撃戦。ライフルやマシンガン、手榴弾がドッペルゲンガーに対して向かって行く。

だけどそんな銃で倒せれば苦労はしない。案の定、直撃してもまるで蚊が刺した程度の反応でしかない。

攻撃をするってことは相手からすればターゲットを集めることでしかない。カウンターで電撃がアンチスキルを含めてスキルアウトまで巻き込まれ早くも戦線離脱。早すぎる、なんてことはない。あのレベルの相手ならそうなっても仕方が無い、と言うよりそうなってしまう。

 

麦野「やめろ......それ以上は......」

 

婚后「申し訳ございません......お役に立てなくて......」

 

鶴屋さん「もう......ここまでにょろ.....」

 

五和「逃げてください......残された人たちだけでも......」

 

こんな状況になろうとは......。あの神巨人でさえ白井さんたち5人で破壊出来たのに、このドッペルゲンガーの力はまるで絶対能力者以上の力。上条さんがいたら状況は違ったのかも知れないけど。

全く。上条さんの力は凄いなほんとに。1年前にあんな化け物から御坂さんを救ったなんて.....。

あたしたちは持てる力を出し切って戦っている。だけど次々と倒されていく。

それはエカテリーナも例外ではない。話しているうちに電撃を浴びて機能停止してしまった。その電撃はエカテリーナを貫通してあたしたちにも届く。

 

佐天「うわあぁぁぁぁ!!!」

 

初春「きゃあぁぁぁぁ!!!」

 

このエカテリーナには電撃耐性があるのか。直撃しても何とかあたしと初春は生きている。

かなりビリビリしたけどね。けどエカテリーナは全く動かなくなってしまった。

そりゃまぁあれ程の電撃が直撃したらそうなるだろうけど。

ってことはもう戦える人がいない。万事休す。もうこれ以上はどうしようもない。

あたしと初春はエカテリーナから降り、戦況を確認。

全員が全員。地べたに寝っ転がっている。まるで夜遅くまで枕投げをしていた修学旅行の早朝みたい。

 

そしてドッペルゲンガーが唯一畏怖しているのか、アクセラレータさんへの止めの一撃と言わんばかりの電撃の塊を形成し、それを空中から寝っ転がっているアクセラレータさんに向かって投げ飛ばす。

あれでは電極も意味をなさない。仮に電極のスイッチを入れたとしても機能停止してしまうだろう。

もう誰もアクセラレータさんを助け出すことも、守ることも、かばうことも出来ない。

もう本当にお終いなの?

 

そんなことは考えていたとき、ただ一人そのアクセラレータさんの元へと走って行った人物がいた。

つまり向かってくる電撃の塊から助け出そうとしているということ。だけどあのままでは2人とも巻き添えになってしまう。タイミングが合っていない。

あたしの考えでは、その1人がなんとかアクセラレータさんを抱えてその場から離脱するものだと思っていた。

しかし真相は違った。結論から言うと、その攻撃に対して自分自身が仁王立ちしてアクセラレータさんを守るという行動だった。その行動ならばアクセラレータさんを守れる公算は高い。だけど本人が......。

 

佐天「逃げて......逃げてラストオーダー!!!」

 

その人物とはラストオーダー。御坂さんクローンの20001体目に製造されたクローン。

いつもアクセラレータさんと行動を共にし、いつもアクセラレータさんと一緒にいるらしい御坂さんの子供時代のクローン。そんなラストオーダーが.....。

 

アクセラレータ「や.....めろ......ラストオーダー......」

 

ラストオーダー「......今までありがとうアクセラレータ。ごめんねって、御坂は御坂はもうあなたと一緒にいれるのはこれが最期だったりと思うことに悲観し」

 

会話の途中でまともに電撃の塊を受けてしまったラストオーダー。

消滅はしていないものの、身体は焦げ付き、ピクリとも動かない。ついに死者が出てしまったのか。

みんなで笑顔に、そして幸せにするという上条さんの願いも叶わなくなってしまった。

そんな本人からすれば目の前で起きた光景が信じられないのか、ただただ茫然としているアクセラレータさん。

しかしそんな状況も束の間。なんとか必死に立ち上がり、ついにアクセラレータさんが立ち上がった。

そしてかばってくれたラストオーダーを抱き抱え突然叫び始めた。

 

アクセラレータ「ラスト......オーダー......ラストオーダアアァ!!!」

 

悲しいのか、悔しいのか。そんな感情を剥き出しにしている。

怒り、憎しみ、恨み。そんな負の感情が表に出尽くしている。そして.....。

 

アクセラレータ「ウ......ガガガギギグギギグゴケガギガァァァァァ!!!」

 

突然何語なのか全くわからない言葉で叫び出したアクセラレータさん。あたしは見ただけで目が点になってしまった。

何かと言うとアクセラレータさんの背中から黒い翼の様な物が出現。あれはアクセラレータさんの能力なのか、それとも全く別の力なのかはわからない。

身体はボロボロで立つことも全く出来なかったのに今は立ち上がるどころか、その黒い羽を操りその羽で攻撃しようとしている。

 

一体......あの黒い翼は.....。

 

to be continued......




早くけいおん!編を書きたいですというかアップしたいですw
だけど1話がこっちと少しだけ繋がっていて......やはりこっちを全部書き終えてからの方が安定かなと;;
よろしくお願いします!
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