SS 紅き星の暴走 涼宮ハルヒの憂鬱×とある魔術の禁書目録   作:はるかさん

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遅くなりました。
今回は2話連続の投稿です。

地上編と宇宙編になります。この話は地上編になります。

ではどうぞ!


16-β話 ~覚醒!二重移動~ 地上編

~とある部室~

 

黒子(ここでしばらく様子見としますの。せっかく掴んだチャンスを棒に振る訳にはいきませんし......何か役に立つものでもあれば......)

 

その部室を見回すが、役に立ちそうなものはない。

あるのはギターやベースと言った軽音楽で必要そうな物だらけ。

 

黒子(となると......この部屋から液化人影(リキッドシャドウ)を監視して動きを読んで......警策の居場所に案内させる方法でもあれば......)

 

スタスタ部室の奥へと足を運ぶと、何やら得体の知れないものが設置されていた。

変な機械みたいなものにオーブの様な物が押し込められている物。

 

黒子「これは......一体.....?」

 

 

 

 

 

北高で警策と対峙した地上メンバー。そして警策を追跡する私白井黒子。

初春とのコンタクトで警策が向かっている場所が大よそ把握出来た。それは桜が丘高校。

そこは初春たちがパワードスーツの量産施設を破壊した場所。

そして更にはそこからミサイル情報を入手。遥か宇宙の彼方から北高へ目掛けて向かって来ているという地獄の通達。

そんな情報を入手した桜が丘に警策は向かっている。目的は定かではないが、もしかしたらミサイルに関わる何かの可能性も捨てきれない。

そして桜が丘に到着した私。そこで警策の能力である液化人影と戦闘が開始され、その中でなんとか警策の居場所を突き止めようにも、ヒントもなくただただ私の憶測で行動していくだけ。

 

しかし戦闘中に一閃の光景が蘇る。

それは過去1年前の大覇聖祭時の光景。その中で警策と戦闘を繰り広げる私。

それを見て、私は1年前に食蜂操祈の能力によって失われた記憶が蘇る。

その記憶の中から警策の弱点を見出し、液化人影のネックレスに矢を放つ。

そこに仕掛けられていたのは盗撮用のカメラ。それを破壊したにも関わらず、液化人影は真っ直ぐ私の元へ。

つまりは警策がどこからか私を眺めている、という判断をし、その場から一時離脱し校舎内へ。

 

空間移動した先は校舎内のどこか。歩いて階段を昇り、とある部屋へと入った先にはギターやベースが散らばる部屋、音楽室。

その部屋の奥には、オーブが組み込まれている装置を発見。

一体これは何なのか。今時点では何もわからない。唯一分かることと言えば、ホワイトボードの隅っこに"佐天涙子参上!"と書いてあり、紛れもなく佐天さんが書いたものだと理解出来た事だけだった。

 

 

 

 

 

黒子「なんですの?これ......」

 

ほのかに白く輝いている球体。まるで占い師さんが扱う水晶のよう。

見た目の感想は正直言って綺麗の一言。何に使うのか全く不明。

時折チカチカと光っているが、一体何に反応しているのか。考えても考えても解決することは何一つとしてない。

このままここに居ても仕方が無い。今は警策を倒すことが第一。さて、どこにいるのかやら。

 

黒子「警策......どこに潜んでいますの?」

 

私がこの部室に居ても襲い掛かって来ないところをみると、向こうも私がどこにいるのかはまだわからない様子。もしわかっているのであればとっくに襲い掛かって来ているはず。まぁ私が油断するまで我慢大会をしている可能性も否めませんが。

しかしいつまでもここにいるわけにはいかない。私は警策に見つかってはならないけど、私は警策を見つけなければならない。ずっとここに居ては警策を見つけることは出来ない。ならば少し仕掛けに出るしかない。

 

警策「みっつけた~!」

 

ドバン!と部室のドアを思いっきり破壊し豪快な登場をする液化人影。ドアは私に向かって飛んでくる。

頭の中で演算を行い飛んできているドアに触れた瞬間に空間移動させ液化人影の居る場所へと移動させる。

私の能力である空間移動(テレポート)は、移動先に物があった場合それを押し退けて移動させる。例えそれが岩だろうと柱だろうと人間だろうと捩じ込むことが出来る。

そうして移動させたドアは見事に液化人影の胴体へと捩じ込む事に成功。

しかし相手も人間ではなく、能力で作られた人形。つまりは命がない。すなわち無敵。それを倒したいのであれば発動者である警策を倒す他ない。

 

警策「ふ~ん。1年前の消去された記憶を呼び覚ましたことでポテンシャルを更に引き出して覚醒し始めてるってところカナ?デモデモ、液化人影を操る私には勝てないよ!」

 

警策の言う覚醒。確かに今までの私であればドアが飛んできたならば自身を空間移動し逃げていた。しかし逃げなかった。理由としては、ドアに触れた瞬間に空間移動させればそれで良いと率直に思ったから。

しかしそのドアは建造物としてのドアではなく、私に向かって飛んで来ていたいわば攻撃手段であったドア。何故それに対して何も臆することなくそんな対応を取ったのか今となっては私自身でも理解が出来ない。なんとなく"出来る"と思ったから。たったそれだけの理由。そんな直感が妄想ではなく現実化させた。

 

黒子「私からすれば覚醒なら覚醒で嬉しい限りですの。しかし今はそんなことよりも、貴女を拘束し、洗いざらい吐いてもらうことの方が重要ですの!」

 

警策「ムリムリ。私の居場所もわからない上にこの液化人影と戦いながら私を探さないといけないんだから......ハードル高いよっ!」

 

確かに警策の言う通り。

いくら空間移動が使えるとは言っても、警策がどこにいるのかわからない状況では。しかも液化人影と鬼ごっこをしながらとは。

それにしてもあのオーブの様な物は一体。

まさかミサイルと何か関係があるとか。第六感ですが、あれを放置するのは危険な気が......。

 

しかし人形がしつこく私を追ってくる。この部室で戦うにはいささか狭いか。無意味に部品を壊すのも気が引ける。ならば一度部室外に空間移動するまで。

 

 

 

~とある教室~

 

ここは何処かの教室。見た感じ校舎内は荒らされていない様子。かなり綺麗な状態で保たれている。

外に移動しても良かったが、隠れる場所が限られてしまう。警策を追わなければならないとはわかっているものの、液化人影が何処から奇襲を掛けてくるかわからない以上、迂闊に外に飛び出すことも容易ではない。ならば隠れることが安易な校舎内に居た方が安全と言えば安全。しかしこれでは警策の動きは掴めない。

 

黒子(全く。良いように掌の上で転がらされていますのね)

 

警策からしてみればこの状況は一番警策本人も安全。敵が追ってこず隠れているのだから。鬼ごっこで鬼が隠れるなんて。まぁ隠れていて来たところで虎の様にガバっと襲いかかるのも一つの作戦と言えば作戦。しかし時間は限られている。そんな作戦を本来取っている暇などない。しかしここから外に出るのはあまりにも危険。私からしてみれば警策の位置がわからない。しかも私は警策の液化人影とは違って生身で鬼ごっこをしている。そんな中で易々と存在を明かす様なことは出来ない。せめて居場所がある程度特定出来るのであれば別の話。そんな都合良くはいかない。

 

居場所のヒントが無いのであればもう一つの疑問を追うのも吉かと。それは先ほどの部室にあったオーブの様なもの。もしもあれがミサイルと何らかの繋がりがあるとなれば......。

しかし今すぐにあそこに戻るのは危険。まだ液化人影がいるかも知れない。

あと数分。あと数分したら今一度あそこの部室に向かってあのオーブを徹底的に調べればもしかしたら何かヒントが掴めるかも知れない。少しだけ休憩といきますか。

 

 

 

~とある部室~

 

さてさてまた戻ってきた音楽室。

ここにあるオーブを調べなくては。元々あったものとは考えにくい。明らかに音楽室とはそぐわない物。しかも地上の物とは考えにくい。オーブの材質もオーブを設置している機械みたいなものの材質も地上の物では無い。学園都市は外部より科学技術が発展している。恐らく地上で最先端技術。その学園都市に住んでいる私から見ても異質極まりない物。科学以外の技術が絡んでいる様な......そんな気配。

となれば魔術的な物かまたは魔法的な物。恐らくはあの紅き星で生み出された物質。言い換えれば宇宙的技術。

 

黒子(光っていますの。外部からは異常は見られない。ただの物質。触ってみたら何かが......)

 

私は光っているオーブに手を添える。叩いてみる。撫でてみる。色々なことを試しはしたが反応は無い。

持ち上げてみようにも意外と重くてそれは困難。外に空間移動させてそのまま地面に叩きつけることも思い付いたが、万が一取り返しのつかない事になってしまっては意味がない。しかも大きい音を立てると警策に感づかれてしまう。

 

もしこれが本当にミサイルと関連していれば警策がここに来る可能性もあるのでは?

警策がこの桜が丘高校に来た本来の目的。まず私を倒すことではない。それならば警策自身わざわざここにまで行く必要がない。となればここに来なければ成し遂げることが出来ない内容。もしそれがこのオーブに用事があってミサイルと関連していれば......筋は通る。成り立つ。

となればこの部室の何処かに身を潜めていれば警策自身がこの部室に来る可能性が......。

辺りを見回すとオーブの横に物置部屋であろう場所を発見。そこへ身を潜めて警策が来るという賭博を、私の中でスタートさせた。

警策が来る確証なんてない。ただの可能性にしか過ぎない。しかし現段階で警策と鬼ごっこしても私が液化人影から追われるだけ。校舎内教室の中、掃除用具入れ、トイレ、職員室保健室体育館。はたまた桜が丘高校ではなく外にいる可能性。

それら全てを調べていれば私はいずれ液化人影に見つかってしまう。ならば今は可能性を信じるのみ。

私は静かに身を潜め始めた。そして数分後。これが奇跡を呼ぶ行動となった。

 

ガチャ......

 

部室のドアの開く音が静かな部室に響く。

遂に来たか。私は1本の金属矢を人差し指と中指で挟み奇襲の準備を終える。

あとは本人確認。99%警策で間違いない。が、本人で無ければ意味を成さない。

恐る恐る壁から顔を出して確認する。そこに居たのは間違いなく警策本人。

ここから金属矢を空間移動させて仕留める。

 

警策「ミサイルねぇ......これで本当にSOS団部室とやらを破壊出来るのカナ?マイナスちゃん?」

 

独り言?それとも誰かと会話している?マイナスとは一体誰のことを......。

疑問を浮かべながら黙視していると警策の隣に突然と姿を現した人物が居た。それは......。

 

謎の少女「問題ない。ミサイルが到達すればSOS団部室はおろか、北高やこの桜が丘でさえその範囲内。そのミサイルを制御出来るのはこのオーブのみ」

 

警策「となると早めに制御しないとね。白井さんだって黙っちゃいないだろうし。さっきまでここに居たからこのオーブに対して疑問を抱いていてもおかしく無いと思うよ」

 

謎の少女「白井黒子ごとき、例えこの存在を知ったところでどうすることも出来ない。このオーブを破壊してもミサイルは止まらぬ。白井黒子本人からすればこの話を黙って聞いているしか方法はない。そうだろう?白井黒子?」

 

永遠繰り返される電波話かと思いきや、このマイナスと言う少女はしっかりと私がここに身を潜めていることも知っている。明らかに私を挑発し私に対しての問いかけ。ここまで来ればこれ以上私がここに隠れているのも無意味。しかし昨日、初春と共に戦ったビルの中での出来事を忘れてはいけない。何の能力なのかは定かではないが空間移動出来なくなった事実はある。

その能力が既に展開されているのであれば時既に遅し。恐らくこのまま黙ってここにいても殺られるだけ。

 

黒子「......貴女とは鬼ごっこやかくれんぼはしたくありませんの。マイナスさん?」

 

姿を表す。マイナスさんは知っていた様子。しかし警策は知らなかったと言う表情。

 

マイナス「如何にお前がミサイルを止めようにもこのオーブを制御する力などない。あったとしてもどう扱えばその力を発揮させることなど出来ない」

 

警策「意外だったよ白井さん。ここに居るなんて。デモデモ、私を倒せばもうミサイルを制御させることなんて出来ないヨ?権利は私にある」

 

でしょうね。そうでなければマイナスさんがわざわざ私を誘き出す様なセリフは吐かないはず。

つまり最初から警策と戦っても私には勝てない。まるで地球そのものを人質に取られている様な気分。

 

マイナス「終わりだ。いい加減に自覚したらどうだ?お前たち凡人には初めから解決出来ない問題だと言うことを」

 

黒子「そうですわね......冥土の土産に一つ聞きたいですの。警策がここに来た理由はミサイルを正しく制御するため、と言うことですの?」

 

マイナス「そうだ」

 

私の問い掛けに否定もせず肯定するだけ。頷く。

余裕があるのだろう。例え私が空間移動してこの場から逃げたしたとしても何の焦りも無いだろう。この情報を持って帰ったところでどうしようもない。

ですがみすみす殺られるくらいなら。

 

黒子「ではその情報を元に調べさせて頂きますの!」

 

 

 

~桜が丘高校 校庭~

 

外へと空間移動。あそこに居ては警策はまだしも、あの少女と戦っては勝てる見込みはない。仮に攻撃を全て避けきったとしても倒せるとは到底思えない。

人間とは思えない程の強さを秘めているのは間違いない。九曜さんとどこか似た力を秘めている感じがある。

 

さて、これからどうしたものか。

北高に戻ったところで進展はない。となれば警策を拘束して制御方法を吐かせるしかない。しかしあの少女が近くに居ては私も手出しが出来ない。

 

黒子「!」

 

突然感じた殺気。そして10m程の空間移動。

その距離で十分。相手の攻撃を避けきることくらいなら。

 

警策「アリャリャ。液化人影の攻撃、外しちゃったね。完全に音と気配は消したつもりだったんだケド?」

 

黒子「残念ながら殺気も消さないといけませんわね。あの少女は一緒ではなくて?」

 

警策「気になるカナ?大丈夫。安心していーよ。彼女はまだやるべきことがあるみたいだからね。どこかへワープしちゃったよ」

 

恐らくどこへ移動したのかは知っているのだろう。

しかしそれを私にベラベラと喋る意味はない。情報を与えるだけ。

少女が居ない今ならば、警策を拘束して吐かせるのみ。

 

黒子「そうですの。では、私は貴女を拘束してあのオーブについてなにがなんでも吐いてもらうつもりですが......それを知ってて私の前に姿を表したんですの?」

 

警策「......知ってるヨ。こっちだって白井さんを殺さないとダメみたいだからネ。液化人影だけでは今の白井さんを倒すのは難しいケド......2人がかりなら倒せるかもってね。かと言って校庭の様に広い場所では空間移動が出来る白井さんを捉えることは難しい。なら方法は一つ」

 

突然警策の居た地面に穴が空き、警策が姿を消した。

と言うより穴の中へと落ちていった。恐らく液化人影が空けた穴。いつの間に地面に潜らせていたのやら。

その穴は警策が入っていってから直ぐに塞がれてしまった。本当にこう言う戦術が得意ですのね。

 

さて一体どこへ。

まさかどこかに隠れて狙っている......それとも逃げたのか。

考えたところで鏡の法則にしかならない。

鏡の法則とは心理学的な言葉。心理戦で相手がどう行動を起こすか、どう人を騙すか。相対する者は、相手の心中やリスクリターンを考慮してどう立ち回って来るかを考える。だが結局のところそんなものは"自分であればどうするか?"と言う枠の考えでしかない。

相手は相手の価値観や考え方で行動を起こしてくる。ここで私が考え相手の出方を憶測したところで所詮は私個人の価値観に考えをプラスしただけの何の根拠もない結論に至ってしまう。つまり"自分自身が相手の立場であればどうするか、相手が自分であればどうするか?"と言う鏡を相手にした答えしか出ない。だから鏡の法則。

 

となると記憶を辿るしかない。

たしか1年前、最終的に警策を発見した場所は下水道。そこで対に警策を追い込み私は警策を打ち負かした。となれば可能性が高いのは下水道!

恐らくそこから監視カメラか何かで監視している。

たしかマンホールは昇降口の近くにあったはず......ならばそこから潜り込めば。

 

黒子「不思議なものですわね......」

 

つい数分前までは過去の記憶など存在せず、いくら思い出そうにも思い出せなかった。しかし今はそれを突如思い出したかのように、頭の中へスイスイとその記憶が呼び覚まされていく。

その記憶を辿り、1年前に警策と戦った時の記憶を情報に警策の動きを掴んでいく。どうやらその答えは下水道に隠れている可能性がある。普通に考えたら下水道に隠れるなんて考えもつかないこと。

とまぁそんなことを考えていても仕方ない。動くのみ。

 

 

 

~下水道~

 

空間移動するなり悪臭漂う空間。嫁入り前だと言うのにこんな場所へ来なければならないとは。

中は暗い。かといって真っ暗と言う訳でもない。

目を凝らせば100m先くらいなら見える。所々にマンホールがあり、外からの光が少しだけ射していることが幸いしている。そのお陰でもあり50m先の所には1人の姿が。

 

黒子「......見つけましたのよ」

 

警策「ふ~ん......やっぱりこういう運命にあるみたいだね」

 

遂に追い詰めた。いや、警策もこの状況を望んでいた。で無ければさっさと逃げているはず。

 

警策「ここで一騎討ちだよ白井さん!」

 

黒子「望むところですの!」

 

液化人影が姿を表し私の元へと一直線に突っ込んでくる。ここは下水道。お世辞でも広いとは言えない。

空間移動する距離を出来るだけ短くされている。これは警策にとっての利点。しかし今まで姿を見せなかった警策が目の前にいるのは私の利点。一見五分五分の様には見えますがハッキリ言って不利。

狭さから言って私の能力に制限を掛けられているのと同じ。かと言って能力を使わない訳にもいかない。

 

私は液化人影の攻撃を空間移動で後方へと回避。

それを読んでいたかの様に警策がどこからともなく持ち出したナイフが突き進んでくる。

 

警策「終わったね......白井さん!」

 

そのナイフはグサリっと私の胸に突き刺さる。

 

警策「あは......あはははは!」

 

様に見えたのでしょう。警策には。

 

黒子「誰が、終わりましたの?」

 

警策「なっ!?」

 

残念ながらまだ生きている。空間移動した先はもう片方の通路。下水道とは、下水が流れる道が真ん中にあり、それを挟むように両側に歩くための通路がある。

作業者が作業しやすいための処置なのでしょうが。

 

警策「な、なんで!?確かにナイフは刺さったハズなのに......」

 

黒子「一言で言えば......残像ですの」

 

警策「残......像!?」

 

今までの私には無かった力。空間移動した直後は再演算することは難しい。出来なくはないが。例えば空へと向かうのであれば広さや高さを気にせずにビュンビュンと空間移動するだけなのでそこまで難しくはない。しかしこの様な場所であれば、演算が狂えば地面や壁に身体がめり込んでしまう。

今までの私の演算は今いる場所から次なる場所の座標確保。しかし私が今行ったのは、今いる場所から一度中間地点を経由して最終的の座標に移動するというもの。

あまり効果が無いように思えるこの能力。しかし中間地点で姿が表れるから相手への目眩ましにはなる。これは防御側の利点。

そして攻撃側の利点としては......。

 

黒子「さしずめ二重移動(デュアルワープ)、とでも言いましょうか。もうお遊びは結構ですの。これで終わらせて差し上げますの!」

 

金属矢を取りだし空間移動させる。

その移動させた先は液化人影の目の前から突き進む座標。

当然警策だって見えているはず。

 

警策「金属矢!しかしそんな物で!」

 

向かってくる金属矢を液化人影が払い落とす。

が、その金属矢が液化人影に触れる前に再び姿を消した。

 

警策「消えた!?どこへ!?......ぐはっ!!!」

 

その場所は警策の真後ろ。そこから再度金属矢が姿を表し警策を襲った。勿論致命的な場所には放っていない。本当に殺してしまってはあのオーブの秘密を解き明かせない。

とは言えこの能力、正直目眩ましくらいしか方法がない。さっさと警策の後方から刺せば済む話であって私からすれば二度手間でしかない。

覚醒なんて言葉を聞いたからどれだけ大層な力が身に付いたかと思えば......個人的には少々ガッカリですの。まぁ殺気を感じたりと五感は鋭くなりましたけど。

 

それよりも気になることが。

この警策。オリジナルなんでしょうが、どうにも腑に落ちない点が。

こんな事をして何のメリットがあると?

警策自身、地球そのものを本当に破壊したい、SOS団が脅かされる存在と思っているとは少々考えにくい。となると......まさか既にあの少女によって......。

 

警策「白井......さん?なんでここに......?」

 

黒子「今は喋らなくて結構ですの。とにかく休める場所へ......」

 

今の一撃で正気に戻ったのか。

私が刺した場所は首裏。マッサージをするときに首裏に電気ショックを流すための装置を付けてそこに微弱な電気を流す療法がある。あれは意識を覚醒させたり身体に癒しを与えたりする効力があるそうですの。

まさかとは思ってはいたが、本当に洗脳を解除出来るとは......医学とは凄まじいものですのね。

 

警策「私は......そっか......昨日あの少女と出会って......そこでやられちゃったんだっけ......」

 

黒子「一先ずここから出ますのよ。校庭に空間移動しますの。ここでは休まりませんしね」

 

私と警策は校庭に空間移動をした。

 

 

 

~桜が丘高校 校庭~

 

黒子「あ、貴女は!!」

 

まるで到着を待っていたかの様に、10m程先にあの少女が既にそこに居た。

 

マイナス「警策看取まで取り戻したか」

 

警策「もう......貴女の思い通りには......させない」

 

やはり。ミサイルにしろ神巨人にしろ、警策の意思では無かった。黒幕は目の前にいるマイナスというなの少女。

 

マイナス「劣等種が笑わせる。しかしこれで涼宮ハルヒと食蜂操祈以外の人間は全て貴様たちの元へと戻った。これも事実。そこだけは評価してやろう。ドッペルゲンガーが負けるとは到底思えないが......懸念事項は一つでも多く解消すべきである」

 

となるとまさかここでこの少女と......。

警策は私が与えてしまったダメージがあるお陰で戦闘を行える状態ではない。しかもミサイルが発射され、先程部室から私が外に移動した際に既にあのオーブに何らかの制限を行ったのであれば、この少女からしてみれば警策はもう......。

 

マイナス「警策看取。貴様は既に様済みだ。神巨人から生まれたドッペルゲンガー。貴様の能力が無ければ生まれては来なかったが今となっては過去の話」

 

なんてこと。つまり警策はあのドッペルゲンガーを生み出させる為だけの存在だった。警策の能力は液化人影と言う名の人形を操る能力。ならばあのドッペルゲンガーが人形だとすれば......神巨人からエネルギーを吸収し、具現化することに成功しているのであれば警策はもう......。

 

警策「デモデモ......私はあのドッペルゲンガーを操れるんだよ?今ここに呼び寄せて貴女を殺すことだって!」

 

マイナス「ならばやってみるが良い。それが如何に無駄な事か身をもって知ることになるだろう」

 

となれば既にあのドッペルゲンガーは警策の能力下にはない。それを解除出来るのは目の前にいるこの少女。警策もそれに気がついたのか、悔しそうな表情を浮かべて能力を扱っている様には思えない。

ここまで来て......警策を取り戻しこれからオーブの秘密を解き明かそうと言う寸前で......。

せめてあと1人。あと1人いればこの少女と対等に戦えそうなのに......。

 

マイナス「ここが......お前たちの墓場だ!!!」

 

地面を蹴り、一気に突き進んでくる少女。

何としても警策と共に一度この場から離れなくてはならない。手を握り空間移動を試み、その場所とは校庭の裏側にある体育館の中。

ここであれば少しは時間が稼げる、と思っていた事がどれだけ浅はかな考えだったか。

 

マイナス「言ったはずだ。ここがお前たちの墓場だと」

 

追い掛けて来た!?空間移動の中を!?

いや、だとしても一瞬のはず。目で追うことなど出来ない。まさかどこに誰がいるのかを、空間自体を何らかの方法で見分けているとでも!?

 

マイナス「終わりだ。消えろ」

 

私たちに対して掌を向けてそこから発せられた能力は電撃。間違いなくお姉様の能力。

あまりに突然の攻撃で演算が間に合わない。

誰か......誰でも良い。援軍を!!!

 

?「みくるビーム!」

 

マイナス「!」

 

バチバチと轟音を立てる電撃と何かの衝突。

体育館内に響き渡った技名。

 

黒子「この技名は......」

 

朝比奈(大)「白井さん!まだ諦めてはいけません!北高ではまだ皆さんが戦っています!貴女はここから凱旋し、皆さんの力にならなくてはなりません!」

 

to be continued......

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