SS 紅き星の暴走 涼宮ハルヒの憂鬱×とある魔術の禁書目録 作:はるかさん
とある魔術の禁書目録編は別ストーリーとなります。
とある編とリンクしている箇所もあり、最終的にはハルヒ×とあるシリーズ編となります。
2話はα話、β話の2種類がありますが、どちらを先に読んでいただいてもストーリー上の問題はありません。
※一応改善済※
2-α話 ~忘却編~
チュンチュン
小鳥の囀ずりと共に、時計のアラームが鳴る。
妹「キョンくぅ~ん、朝だよ、おっきって~♪」
妹の必殺技、ボディプレス兄妹編(命名俺)によって起こされ、仕方無しに起きる。
妹とは言え、こんな起こされ方したら俺の身がもたん。
今日もハルヒの我儘やら無茶ぶりやらが待っていると思うと憂鬱だ。
......ハルヒ?
はて?何か忘れているような気がする?
何かとてつもなく重大な事だったような気がするのだが。
ピリリリリリ!
突然携帯が音を立て始め、ハルヒかと思いディスプレイを見ると、どうやら相手は身分を明かしたくない奴らしい。
非通知で一体誰からの電話なのかさっぱりわからず出るべきなのかどうなのか困惑していた。
しかし電話に出なければいけない、何故かそんな気がした俺は携帯の通話ボタンを押した。
キョン「もしもし?」
?「キョンくん!貴方いまどこにいるの!?」
その声の主は朝倉涼子。
過去に2回も俺を殺そうとした人物であり俺からしてみればこの声は忘れもしない。
いきなりナイフで襲いかかってきて、死んで?とか言ったやつの声だ。
キョン「朝倉!?何故お前が現世にいる!?お前は九曜と戦い、そのあと再び消えたはずだろ!?」
朝倉「やっぱり覚えてないのね......キョンくん、落ち着いて聞いて?今のキョンくんには私の言うことは信用出来ないと思うけど、それでも聞いて欲しいの」
朝倉のいう通り俺はどう頑張っても信用出来そうには無いが、電話の声はどうも真剣と言うか苦悩していると言うか、そんな感情が読み取れる声質ではあった。
朝倉「今の貴方は昨日の記憶を失っていると思うの。ちなみに昨日の放課後のこと、思い出せる?」
キョン「......」
俺は朝倉に言われて思い出そうとした。
SOS団部室まで行ったことは覚えている。だが、そこから先の記憶が一切無い。気が付いたら今に至る、それが俺が思い出せる限界であった。
キョン「......思い出せない」
朝倉「でしょうね......今から会えない?」
会えないし会いたくない。
この話の流れは、実は俺を呼び出す為の口実で、実際は会った途端、いきなりナイフを突き付け俺を殺そうとする、十二分に考えられる話。朝倉涼子とはそういうやつだと俺は認識している。
だがこの時俺は、何故か朝倉に会わなければならない気がした。そして、次の朝倉が言った一言によって俺は会う決意をした。
朝倉「涼宮さんと佐々木さんが何者かによって狙われてるの!」
キョン「わかった、朝倉。今は家だ。どこに行けば良い?」
朝倉「今から駅前の喫茶店に来て欲しいの」
キョン「わかった。すぐ行く」
俺は電話を切り、急いで支度をし、いつもの駅前の喫茶店に向かった。その喫茶店は本来SOS団の課外活動でよく使われている場所であるがまさかそこでSOS団ではなく朝倉と会うことになるとは思ってもみなかった。
俺は喫茶店に向かっている途中、色々な事を考えた。
ハルヒと佐々木が狙われている理由。
何故朝倉が現世にいるか。
もし何か大事が起ころうとしているのならば何故情報統合思念体だけで対策を取らず俺を呼び出すのか。
いくら考えても当然俺1人では解答など出るはずもなく、気がついたらいつもの喫茶店に辿り着いていて、俺は店のドアを開け中に入っていった。
~駅前喫茶店~
店に入るとウェイターが対応してくれたが、俺は直ぐに青髪ロングヘアーを発見し、そいつは既に席に座って居て紅茶を啜っていた。
キョン「すまん、待たせたか?」
朝倉「大丈夫、私も今来たところだから」
前と変わらずの委員長スマイル。
朝倉が一般的普通の女子高生ならこんなハッピーなシチュエーションは大いに喜ぶべきなのだが。
キョン「いきなりで申し訳ないが、俺はお前に二度も殺されかけてる。はっきり言ってどこまで信用して良いのかわからん」
朝倉「うん、そうだと思っていたし、私の話を信用してもらうのは電話の時だけで良かったの。貴方と直接会うことが重要だったから」
直接会う事が重要。つまりやはりこいつは俺に危害を加える為に電話で俺を呼び出したのかと疑問を抱いてしまう。
しかし朝倉はそんな俺の考えとは全く違うことを言い出した。
朝倉「貴方の記憶を蘇らせる為に会うことにしたの」
キョン「どうやって思い出させるつもりだ?」
半信半疑。何が起きてるのかさっぱりわからん俺からしてみれば当然と言えば当然。
しかし朝倉は俺の問いに対して何やら超高速と言っても過言では無いほどの早口言葉を始めた。
その早さでは聞き手からしてみれば聞き取ることすら出来ない、つまり解答ではない。となると情報統合思念体の呪文であろう。
そして俺の頭の中でパンクするほどの記憶がいきなり再生され始め、俺は徐々に記憶を取り戻しつつ、朝倉が早口言葉を止めた時には全てを思い出していた。
朝倉「どう?思い出せた?」
キョン「はぁ......はぁ......あ、あぁ、おかげて全て思い出せた」
俺は昨日部室に行き、そこでは長門の様子がおかしく変な少女が現れ朝倉まで現れ、終いには橘までもが現れたあと、空が輝きだし、紅い星が光った途端に意識を失った。
キョン「......長門は!?」
朝倉「私が意識を取り戻したのは気絶してから数分後で、私が起きた時には貴方も橘さんも居なかったわ......そして長門さんは消息が掴めないの」
キョン「そうか......情報統合思念体なら橘の居場所くらいわかりそうだが?」
朝倉「何故か今の私は力が弱まっていて、思うように発揮出来ないの。これは恐らく、あの紅い星に特別な力があり、光続けている限り力を発揮出来ない、もしくは少女が私に何かしたのか。という可能性が言えるけど......恐らく前者ね」
キョン「何故だ?」
朝倉「あの星にどんな力があるかはわからないけど、前者だと思う理由が2つあるの。それは......」
朝倉は俺に朝倉が思う原因の理由を話し始めた。
後者である可能性が極めて低いから、前者という判断基準であった。
朝倉の理由は
1.情報統合思念体の機能が停止したこと。
これは少女が思念体の存在は無視出来ないと判断したから。実際に俺が部室に入ったときには既に長門は機能停止していた。
2.俺と朝倉が部室で少女と対峙したときに、少女が
''何故動けている''
と朝倉に問いかけたから。
もし星の影響ならこの時はまだ星自体の観測が出来なかったらしく、少女がその時点でその発言をするのは時間的にズレているから。
つまり俺らが少女と会う前に、少女はなんらかの方法で情報統合思念体を活動停止させた。
しかし、情報統合思念体を停止させれる力があるならあの場で朝倉に何もしなかったのはおかしいし、脅威と思っているのならその場で何かしらの手段が取れたはず。
少女が朝倉の能力を中途半端に下げるくらいなら朝倉自身の活動を停止させてから帰還する、それをしなかったのはおかしい。だとすると、朝倉の力が弱まっているのはあの化け物少女の能力ではなく、紅き星の影響によって弱まっていると考えるのが妥当。
だそうだ。
理解は出来たがなんとも雲を掴むような話でついていけん。最初に長門から電波話をされた時のような気分だ。
キョン「話はわかった。これからどうする?とりあえずハルヒたちや橘たちを探し、情報共有するのが一番良いと思うのだが」
朝倉「そうね。今の私ではあの子に太刀打ち出来ないから、とりあえず他の人たちを探す他無いわね......」
キョン「よし。探しに行こう。朝倉が俺にしたみたいに、あいつらに電話して居場所の確認を取るしかない」
朝倉「わかったわ。その間、私は動けている思念体がいないか連絡を取ってみるわ」
俺は電話を掛けまくる予定だったのだが、アドレス帳にはSOS団メンバーの番号どころか名前自体が登録されていなかった。
キョン(これは......そう言えば紅い星が現れたとき、朝倉が妙なこと言ってたな)
俺が朝倉の発言で気になったのは
''神は力を失う''
ではなく
''一時的な歴史が繰り返される''
だった。
確かあの時も俺は、ハルヒに電話を掛けようとしたら、アドレス帳に名前自体が登録されていなかった。そしてその世界では朝倉が居た。今の状況と似ている。
証拠は無く確信は得られないが、俺は実感していた。歴史が繰り返されている、と。
朝倉「ダメね......どの思念体もやられてるみたい」
キョン「朝倉。俺にはこの状況と似た経験をしたことがある」
朝倉「12月ね.......」
俺はこの朝倉がそれを知っていることに初めは驚いたが、あの時の朝倉が情報統合思念体で無ければあの時、俺を殺そうとするはずがない、と思い納得した。
つまり改変世界での朝倉は普通の女子高生だったとしても、俺たちが長門に短針銃を撃ちに時間移動し、過去に戻ったときに現れた朝倉は情報統合思念体、そして今の朝倉も情報統合思念体であるからして、その時の記憶は保持したままだからその事を知っている、そしてその後に再び長門によって朝倉は封印され、昨日の時点で長門が危機を察し、バックアップである朝倉を封印から解いた、という自分なりの結論に至った。
キョン「そうだ、ハルヒや古泉の居場所は見当がつく、恐らく光陽園学院」
朝倉「そして長門さんはSOS団部室。けど、長門さんはあの少女に連れ去られたから長門さんに限ってはその保証が無いけど......」
キョン「しかし、確認はしておきたい。とりあえず北高に向かおう。長門と朝比奈さんが見つかるかも知れん」
朝倉「わかった。でもまだ10時よ?授業中でしょ?」
キョン「頼む、朝倉」
朝倉「うん。私も心配だしね......」
俺たちは直ぐ様北高に向かった。
しかし、繰り返されているんだとしたら、昨日の記憶どころか、またあの時の様に俺のことは殆ど知らないんじゃないか?
キョン「なぁ朝倉、記憶を蘇らせる力はこの世界の住人に対しても有効なのか?」
朝倉「ごめんなさい。私の力は弱まっているから、このままの状態だと記憶を蘇らせることは今の私の力では出来ないの。完全蘇生はさっき貴方にしたので限界。でもほんの一部分くらいなら思い出させることは可能かも」
それを聞いて俺は愕然とした。
記憶がない上に、俺のことを知らない奴らからどうやって記憶を蘇らせれば良いのか、そんな方法があるのか俺には思い付かなかった。
~北高 正門~
朝倉「着いたわね」
いつの間にか北高に着いていた。
が、人の気配が殆ど感じられない。
朝倉「とりあえず部室に行ってみましょうか」
俺たちは部室に向かった。校舎内にも人は見かけられない。せめて最低でも谷口や国木田くらい居て欲しかった。
俺たちは部室前に着き、俺が最初に確認したのは部室のプレートだった。俺はそれを見て確証を得た。
プレートには
''文芸部''
と書かれてあった。
長門はいるのか。
そんな不安感を抱きつつも、ドアをノックした。
コンコン......
すると中から聞こえて来たのは”どうぞ”っと言う声だった。
俺は正直驚いたし、朝倉も安堵を得たような顔をしていた。
俺は1月に、俺と長門と朝比奈さんで改変世界へタイムスリップし、長門が長門に対して短針銃を撃ち込み改変世界の長門は情報統合思念体に戻ったのを確認した。だから、今部室にいる長門は情報統合思念体である可能性がある。
だが、ここの世界はあくまでも長門によって改変された世界ではなく、あの紅い星、もしくはあの少女によって創り出された世界の可能性が高い。
朝倉「考えてても仕方ないわ。キョンくん、入るわよ?」
キョン「あぁ」
朝倉も同じような事を考えていたんだと思う。
ドアノブを回し部室に入ると、そこに居たのは間違いなく長門だった。ただその長門は眼鏡を掛けていた。
~文芸部部室~
長門、前回と同じセリフをくれてやる。
キョン「教えてくれ、お前は俺を知っているか?」
長門「......知っている」
やはり。何故知っているのかと問いかけたところ、時折見掛けたから、だそうだ。
同じだ。あの時と。恐らく図書カードを作った事も知っているだろう。
この長門の記憶をどうやって蘇らせれば良いのか俺には全くと言って良い程、わからなかった。
俺は気になった事があり机の上を見たが、唯一あの時と違っていたのは、この部室にはパソコンが置いていないと言うことだ。
あれが脱出することが出来た唯一の救いだったのだがそれが無いとなると。
朝倉「長門さん、貴女は昨日の放課後は何していたか覚えてる?」
長門「昨日は学校が終わったあと、部室に来て家に帰り、朝倉さんが差し入れてくれた夕飯を一緒に食べた」
朝倉「そう......なの......」
キョン「もう違う記憶を持っているのか」
朝倉「そうみたいね......とりあえずここを出ましょ。これ以上居ても今は無意味だわ」
キョン「そうだな......」
部屋を出ようとしたときだった。
長門「待って......!良かったら......持っていって......」
そう言われて見たのは入部希望届け。
悪戯書きだろうか、何やら模様見たいなものが端に描かれている。
入部届けを受け取り、朝倉と共に部室を出ていった。
to be continued......