SS 紅き星の暴走 涼宮ハルヒの憂鬱×とある魔術の禁書目録 作:はるかさん
更新しました。
地上編いよいよラストスパートです。
予定では次の地上編が、地上編の最終話となります。
それではどうぞ!
黒子「ただいま戻りましたの!」
初春「良かった!無事だったんですね!」
みくる「白井さん!お帰りなさい!」
なんともリアルタイム。先程まで会っていた朝比奈さんとは違って、本当は小柄な女性だと言うことに気がついてしまう。
この朝比奈さんには未来から来た朝比奈さんの事は言わない方が良い。無闇に存在を暴露して変に歴史が変わってしまってもマズい。
黒子「......未だ健在ですのね」
佐天「はい......アクセラレータさんや神裂さんたちが前線を張ってはいますが......」
どうやら長くは持ちそうにない。早く援護に行かなければならない。私、警策、朝倉さんの3人しかいないが少しばかり戦力にはなるはず。特に朝倉さんは。
佐天「あの......そちらの方は?」
みくる「朝倉さん!?なんでここにいるんですか!?」
朝倉「詳しい話はあと。一先ずよろしくね♪さて、援護に行きましょうか。白井さん、警策さん」
警策「そうだネ......朝倉さんのおかげで怪我も治ったし......戦わないと」
その相手は言うまでもなくドッペルゲンガー。
北高の方たちはこの戦争が終わっても未来から過去に来なければならないとは。
ならば私たちは規定事項とやらを壊すわけにはいかない。この時代でのやるべきこと、私のやるべきこと、それはこの地上を何としてでも守ること。
北高ではドッペルゲンガーとの激闘が繰り広げられていた。
その間、私は桜が丘高校へ向かい、警策と朝比奈さん(大)と共にマイナスと対峙。バリアを張ったマイナスには私たちの攻撃は一切届かない。向こうがやろうとしていたことは時空改変。私、警策、朝比奈さんをその時空から消し去るということ。
そんなマイナスを止められず、終いには身体を麻痺させられてしまう。ただただ時空改変を見届けるしか術がなくなってしまった私たちの前に救世主が現れた。
その方たちのおかげで何とかマイナスの時空改変を阻止し消滅。
会話の流れから、未来からこの時空に飛んできたと推測できた。そのうちの1人が情報統合思念体の朝倉涼子さん。この時空に残り守ると告げた人物。
その後、私は朝比奈さんからの伝えで
“このあと貴女は北高に戻り、困惑する出来事が起こるかも知れません。もしそうなった場合、貴女は自分の気持ちを信じて”
とのこと。
現状では何に対して言っているのかはわからない。何かのキーワードなのかも知れない。
そして北高へ戻り、ドッペルゲンガーとの最終決戦に挑む。
幸いにも死者はいない。だが北高校庭で倒れている人たちが多数。倒れていなくても戦える状態ではない人も。
元気に戦っているのは上位能力者だけ。
援護に向かい、この化け物を何としてでも倒さなくては。
皆が分かりきっている現状の出来事。ドッペルゲンガーが最後の敵なのでは、と予測。
しかしあの強さは今までの敵をも凌駕する、別格の存在。電気の力を最大限にまで引き出し、攻撃、防御、移動と3点揃えたまさに攻防一体の能力。しかもオリジナルであるお姉さま以上の力の持ち主。倒すのは容易ではない。
アクセラレータさんや麦野さん、神裂さんたちの体力や能力にも限界がある。しかもドッペルゲンガーに対してのダメージも薄い。アクセラレータさんのあの翼を更に強い力で制御出来れば別の話になるのかも知れないが。
そして極めつけが情報統合思念体である朝倉さんの存在。九曜さんの天蓋領域と何が違うのかはよくわからないが、とてつもない能力を秘めていることは確か。
超能力者や魔術師、天蓋領域に加えて情報統合思念体まで揃ったここ北高の校庭。朝倉さんがどれほどの力の持ち主なのかは不明。しかしマイナスを消滅させた実力を持つことは事実。
朝倉さんがドッペルゲンガーを抑えることの出来る力を発揮すればアクセラレータさんとコンビを組めば倒せるかも知れない。
朝倉「さて、今度は私と遊びましょうか?ドッペルゲンガーさん?」
いつの間にかドッペルゲンガーに話しかけていた。空間移動なのか高速移動なのか。私の隣にいたはずが今は敵の前に。あの度胸は生身の人間ではなかなか行えない。
ドッペルゲンガー「情報統合思念体の朝倉涼子。貴様の力を持ってしても我を倒すこと等出来ぬ」
朝倉「それはどうかしらね?戦ってみなければわからないわ?」
そして開始される戦闘。
ドッペルゲンガーお得意の電撃で突っ込む朝倉さんに対して迎撃を行う。
それを突っ込みながら片手で簡単にバシ!っと弾く朝倉さん。
表情からは余裕の笑みが溢れている。流石は宇宙人といったところ。
そして突然スピードを上げグンとドッペルゲンガーへと近づく。動きはかなり速い。
朝倉「どうするのかしら?その程度では私には勝てないわ」
ドッペルゲンガーの目の前にたどり着いた朝倉さん。挑発するかの様に余裕の笑みを浮かべている。そして両手をかざし、両腕が金属で出来た棒の様な物に変化し、そのまま右腕ごとドッペルゲンガーに殴り付ける。
クリーンヒットしたドッペルゲンガーは空中から叩き落され落下し始める。が、途中で減速し始め数秒後には再び元の位置へとフワフワ浮きながら戻っていく。
情報統合思念体。学園都市にはいない超人無敵の存在。あらゆる事象を情報と捉え、改竄、構築、収集とありとあらゆる事柄を一瞬で成し遂げてしまう存在。
星の影響下にあり、力がいつもの通りではないらしいものの、その能力と力は遥かに超能力者を凌駕するもの。
ドッペルゲンガー「まさかこれが本気だと思っているのか?笑わせる」
朝倉「!?」
突然ドッペルゲンガーの周囲から巻き起こる突風。朝倉さんがそれに危機感を覚えたのか、その場からすぐさま後方へ回避する。
あの風は能力なのか、それとも偶然にも自然の風が突然吹き始めたのか。答えはわからない。
しかしドッペルゲンガーの体の周囲には変化があった。それは先ほどまでお姉様と同じ電撃が流れていたのに対し、今では電撃どころか音すら聞こえない。一体何をしたのか。何をするつもりなのか。ただただ見届けるしかない私達には到底解けない問題であった。
朝倉「この風.......まさか!?」
ドッペルゲンガー「その通りだ。誰が電撃しか操ることが出来ないなどと言った?」
神裂「な!?」
麦野「電撃以外の能力も扱える......だと!?」
まさかこれほどまでとは。お姉様のクローンであるならば、電撃使いであるという答えは導き出せる。しかし更に他の能力までもが扱えるなんて誰が想像出来るのか。
そしてその風はまるで刃物が付いているかの様に、周囲にある物体を切り刻んで行く。校舎、地面、該当、電柱と。
あの能力はただの風ではなく、風圧により風自体がまるで鋭利の刃物の様な存在。
そんな驚異的存在の風は朝倉さんの身体を切り刻んで行く。
朝倉「!」
辛うじて後退しその場から離れるが、衣服の所々が切り裂かれ、その隙間からは血が滴り落ちている。
大量出血という程では無いが、顔や肩、腕、脚と斬られ見た目は満身創痍な状態。
朝倉「ちょっと。仮にも私は女の子なのよ?衣服を切るなんて感心しないなー」
ドッペルゲンガー「端末ごときが笑わせることを言う」
あれだけ斬られたのにも関わらず、朝倉さんへのダメージは一切見受けられない。
あれが情報統合思念体。宇宙人であり、多種多様な能力を使えるどころか体力も常人離れしたスペックを持つ。
朝倉さんへのダメージはない。それが無尽蔵の体力なのか、無限の命なのかはわからない。しかし朝倉さんを倒すことは出来ないのではないか、という疑問が浮上する。
だがそれは見ている私たちですら辿り着くことが出来る回答。それを戦っているドッペルゲンガーが気がつかないはずがない。
ならば何故ドッペルゲンガーはあの様な余裕な構えでいるのか。
諦めているのか、ドッペルゲンガーも無尽蔵の体力なのか、それとも朝倉さんを倒す方法を知っているのか。
様々な疑問が浮かぶ中でドッペルゲンガーは動き出す。
ドッペルゲンガー「朝倉涼子。貴様の能力の秘密は既に解析済みだ」
朝倉「どういうこと?」
ドッペルゲンガー「情報統合思念体を統括するためのネットワークが存在する。お前から発信されている回線とお前に受信されている回線を断ち切ればどうなるか」
朝倉「そ、そんなこと!出来るわけが!」
そしてドッペルゲンガーの周囲に風と共にバチバチと鳴り始める電撃。
その回線とやらが何なのかはわからない。しかしネットワークとやらを断ち切るには電撃ならば可能だと言うことは何となく理解が出来る。
ドッペルゲンガー「証明して見せよう......この電撃で!!」
朝倉「くっ!!」
一瞬にして朝倉さんへと伸びていく電撃と、一瞬にして身体全体を覆うバリアを張る朝倉さん。その電撃はバリアに直撃し、その中で必死に耐えるも、徐々にそのバリアに亀裂が走り始め、抵抗するも気が付けば一瞬にしてそのバリアは破壊されてしまう。
そしてその電撃が朝倉さんを襲う。
朝倉「うそ!?バリアが!!!」
ドッペルゲンガー「これで貴様はただの能力者レベルに成り下がった劣等種」
朝倉「きゃあぁぁぁぁぁ!!!」
強力な電撃を浴びせられてしまい、タフな体力では無くなってしまった。つまり情報統合思念体に必須なネットワークが断ち切られてしまった。
強力な味方である朝倉さんの能力が、学園都市で通用する能力者に成り下がってしまったとなると、ドッペルゲンガーとは到底太刀打ち出来ない。
黒子「朝倉さん!」
それを助けるべく、私自身が動く。あの場から少しでも早く朝倉さんを遠ざけるために。
空間移動で近づくも邪魔をするなと言わんばかりに朝倉さんの周囲に突風を巻き起こす。
黒子「これでは......近づけませんの!」
見る見るうちに朝倉さんはボロボロになっていく。
そんな中でとある黒い物体が私の真横を横切る。そして、その謎の物体が朝倉さんを弾き飛ばす。電撃と共に。
朝倉「うっ......」
黒子「朝倉さん!」
空から無防備のまま降ってくる朝倉さんを救出するべく空間移動で朝倉さんを空中で抱きかかえ、そのまま着地する。
一先ず安全な場所へ移動し、朝倉さんを介抱する。
黒子「朝倉さん!大丈夫ですの!?朝倉さん!!」
朝倉「しら......いさん......」
少なくとも話せる気力は残っている。
とは言っても満身創痍。あれだけの攻撃を受けても死なないのはさすがと言ったところ。
頼みの綱の1人である朝倉さんまでもがダメージを負ってしまい、尚且つ能力が今まで以下となってしまった。
ドッペルゲンガー「白井黒子共々......消え去るが良い!」
電撃を放とうとした瞬間、黒く輝く物体がドッペルゲンガーの後方から襲う。
何が起こったのか理解が追いつかない。
佐天「アクセラレータさん!」
その声と共にアクセラレータさんのいる場所を見つめる。
そこにはフラフラとしながら翼を制御しているアクセラレータさんの姿がある。
どうやら制御自体は上手くいっていないらしい。
しかしある程度は制御出来ていると言ったところか。その翼で攻撃を仕掛けたアクセラレータさんは、見事にドッペルゲンガーを校庭の端まで吹き飛ばした。
先程で身体の周囲に溜めていた電撃はいつの間にか消え失せている。
本当にアクセラレータさんの一撃が効いたのか。それともただ単に能力を解除したのか。
どのみち今ならば反撃は来ない。来たとしても神経を研ぎ澄ませていれば避けれる。
そう解釈した私はこれぞ好機と、一気にドッペルゲンガーに詰め寄る。
トドメを刺すために。
そして金属矢を持てる限り手に握りしめ体内に空間移動させようとしたその瞬間、目の前にいるドッペルゲンガーから予想だにしなかった言葉が飛び出て来た。
美琴?「黒子!私よ!御坂美琴よ!!」
黒子「お姉さま!?」
その声を聞き急ブレーキを掛けて立ち止まる。
初春「御坂さん!!」
突然のお姉さまの声。いきなりの出来事に困惑。
見た目はドッペルゲンガーだが、この声は間違いなくお姉さまの声。私が言うのだから間違いない。
しかしこれは一体どうしたことか。突然ドッペルゲンガーが必死になって私に訴えかけて来ている。
美琴「私......宇宙での戦闘で負けちゃったの......そしたら地上にいるドッペルゲンガーと融合させれば絶大な力を得ることが出来るって言われて......断ったら地上にいる、いや地球にいる全員を殺すって脅迫されて......」
お姉さまが戦闘で負けた。それはお姉さまだけがやられてしまったのか、星にいる全員がやられてしまったのかはわからないが、今このドッペルゲンガーにはお姉さまの意思が内在しているということになる。
佐天「ど、どういうこと!?」
初春「わかりません!何故御坂さんが......」
10032号「......」
初春や佐天さんにも理解が追い付かない状況。
その通り。何故突然にしてお姉様の声が聞こえてくるのかが謎。
美琴「助けて......黒子......助けてよ......」
騙されているのか。それとも本当にお姉様なのか。
私的には本物のお姉様だとは信じ難い。
確かにアクセラレータさんの翼による攻撃力は凄まじいもの。
しかしあのドッペルゲンガーが一撃で気を失い、中に潜在していたお姉様の意思が出てくるとも考え難い。
だけどもし本当にそうなっているのだとすれば......。
"このあと貴女は北高に戻り、困惑する出来事が起こるかも知れません。もしそうなった場合、貴女は自分の気持ちを信じて"
黒子「!?」
今になって突然思い出し気になる朝比奈さんからの助言。
その言葉をもらった時は意味不明だった。
しかし今ならばわかる。今ならば理解出来る。
本当の私の気持ち。それはお姉様が負けるはずがない絶対なる信頼。朝比奈さんの言葉を信じるのであればあれは偽物。
確信などはない。しかしそうでなければ未来から来た朝比奈さんが嘘を吐いたことになる。
そんなことは意味を成さない。ならば、私がやるべきことは。
黒子「......そんなセリフで騙せると思ったら大間違いですの!!」
朝比奈さんが言っていた”自分の気持ちを信じろ”との助言。
私の自分の気持ち、それはお姉さまがいとも簡単にやられるはずはないということ。例えそうだとして脅迫されたとしてもお姉さまがこんな弱音を吐くはずがない。責任感が極端に強いお姉さまであればそんな不安を仰ぐ様な発言は一切しない。
従ってあれはお姉さま本人ではない。断じてない。
美琴「な、何するのよ!?黒子!私よ!」
金属矢をお姉様のフリをしているドッペルゲンガーへと高速移動させる。
黒子「いい加減にしてくださいな。お姉さまは......貴女が思っているほど弱い女ではありませんの!!!」
10032号「......間違いありません。あれはお姉さまではなくドッペルゲンガーが発している声・セリフであると、御坂10032号はリークした情報を展開します」
妹さんからの言葉により、私の中で確実的な確信に変わる。
この場にいる全員がお姉様の姿をしたドッペルゲンガーに鋭い視線を向ける。
そして徐々にエネルギーを溜め始めたドッペルゲンガー。
姿も元に戻っていく。
美琴「......そう。なら仕方ないわね...............貴様たちも最愛の超能力者の手によって消されるのならば本望だろう!死ね!!」
そして再び電撃と風を周囲に溜め始め、両手からその溜まったエネルギーを一気に放出しようとしたその時、後方からいきなりの叫び声がこの校庭に響き渡る。
アクセラレータ「があァァァァァァァ!!!!」
ドッペルゲンガー「!?」
ついにアクセラレータさんが自身の能力を制御可能な状態になった。暴れていた漆黒の翼が今では物凄く静かに、穏やかな状態を維持している。
しかしあの力はアクセラレータさんがGOサインを出せば一気に爆発するであろう力。外見から見れる静かな翼。しかしその翼の内部では今でも爆発しそうなパワーを感じ取れる。
何故わかるのか。わかってしまうのだから仕方がない。
ついに始まる。最後の死闘が。
それを全員が感じ取ったのか。アクセラレータさんとドッペルゲンガーの間には誰一人としていない。つまり全員がその場から避難し、全てをアクセラレータさんに託す決心が固まった。
ドッペルゲンガー「アクセラレータ......その程度でこの私の力に勝てると思っているのか?愚劣な!」
アクセラレータ「やッてみなきゃあわかンねぇだろうがあァァァァァァァー!!!」
突如アクセラレータさんの背中から漆黒の翼が真正面からドッペルゲンガーに襲いかかる。
これをわかっていたかのように、アクセラレータさんが能力を解放したのとほぼ同時に、身体全身から放つ強力な電撃がアクセラレータさんに向かって伸びていく。
つまりこの先はどうなるのか。そう。漆黒の翼と雷光の一騎打ちが始まる。
固法「危ない!」
鶴屋「みんな伏せて!!!」
そんな掛け声と共に条件反射で伏せる一同。
その伏せた瞬間に、凄まじい轟音と凄まじい光の輝きと凄まじい影の様な闇が北高校庭を襲った。
明る過ぎると感じる場合もあれば、暗過ぎると感じる場合もある。これは電撃と翼が混じり合って競り合っている状態であると直ぐに気づく。
黒子「あ、危なかったですの......アクセラレータさんは!?」
伏せたまま振り返るとそこには信じられない光景が。
アクセラレータさんとドッペルゲンガーの距離はほぼ校庭の端から端。300mと言ったところ。
その真ん中の位置で翼と電撃のぶつかり合いで生じたエネルギーの塊がそこには姿を現していた。
最早能力と呼べる代物ではない。明らかにあれは能力を超越したもの。
見ている限りでは互角の戦い。お互い一向に引けを取らず譲るつもりもない。
しかし表情を見るとアクセラレータさんは必死の表情。それに比べてドッペルゲンガーは余裕の笑みを浮かべながら攻撃を続けている。
誰が見ても明白。このままではアクセラレータさんは負ける。均衡は崩れる。
麦野「行くよ......援護に」
削板「そうだなぁ......最後くらい根性みせねぇとなぁ......あいつに顔向けできねーな」
なんと無謀な。とは言えない。
誰もがそう思っている。本人たちでさえも。
少しの力にでもなれば良い。少しでもアクセラレータさんを助けれればそれで良い。そんな考えを持つのは不思議でも無謀でもない。当然の思い。
私もその内の1人。
朝倉「これが最後の......戦いよ......行きましょ......白井さん」
笑顔を私に向ける。
どこからそんな体力と気力が出てくるのか。
そしてそんな行動に賛同したのか。結局は麦野さん、神裂さん、九曜さん、削板さん、朝倉さん、私の6人でアクセラレータさんを支援しに向かう。
そして近くに居て先にその場所までたどり着いた麦野さんと神裂さんが、距離はあるもののドッペルゲンガーの真横へと立ちアクセラレータさんへの支援を開始した。
麦野「化け物め......喰らいな!」
神裂「はぁ!!!」
2人の能力がドッペルゲンガーを襲う。
麦野さんは原子崩しを出し続け、神裂さんも自身の能力で遠距離から波動の様な能力でドッペルゲンガーを切り刻み続ける。
砂埃を上げながらドッペルゲンガーを襲う能力。しかし予想通りドッペルゲンガーへのダメージはない。
アクセラレータ「あのバカたちがァ......死にてェのかァァ!!」
ラストオーダー(アクセラレータ!今はまだ耐えて!お願いって、御坂は御坂は頼み込んでみたり!)
ドッペルゲンガー「そんなに死に急ぎたいか劣等種共。ならば望みどおりにしてくれる!」
そして背中から2人に向かって電撃が伸びていく。
その電撃が2人が出している能力にぶつかり、鍔迫り合い状態。
必死に電撃を迎撃しようとはするが、あまりの力の差にその努力も虚しく電撃がそれぞれの能力を弾き飛ばし本人たちに直撃し吹き飛んでいく。
神裂「も......申し訳ありません......」
麦野「なんて奴......なの......」
体力を一気に消耗してしまった2人。倒れ込んでしまいそのまま起き上がる気配がない。
その意志を引き継ぐべく、今度はとある2人がアクセラレータさんへの援護を開始する。
削板「今は寝てな。お2人さん......」
九曜「今度は私達が------支援する------」
次にその役目を買って出た超能力者と宇宙人。
削板さんはなんとかパンチでドッペルゲンガーに。九曜さんは両手から放出したビームでドッペルゲンガーへと攻撃を開始する。
ドッペルゲンガー「次から次へと......小賢しい奴らだ!」
そんな支援も虚しくドッペルゲンガーへのダメージは一切ない。勿論それは支援している人たちでも分かりきっていること。
誰も自分たちの能力で消し去れるとは思っていない。アクセラレータさんの力になれればそれで良い考え。
必死に能力を使いドッペルゲンガーに攻撃するも同じくダメージはほぼ無い。
アクセラレータ「ぐ......ぐ......うががァァァァァァァ!!!」
ラストオーダー(アクセラレータ......みんなが貴方の事を援護してくれてる。昔の貴方なら誰も援護してくれなかったのかも知れない。だけど、今の貴方には仲間がいる。御坂だってそのうちの1人だよ!だから......みんなの力と......みんなの思いを感じ取ってって、御坂は御坂は貴方の力の後押しになればって思ってみたり!)
アクセラレータ「ラストオーダー......俺はお前に出会えて良かッたと思ッてる......だがすまねェ......お前を守ッてやる事が出来なくてなァ......」
ラストオーダー(弱気にならないでアクセラレータ!そんなの貴方らしくないよ!貴方は今まで御坂のことを何回も救ってくれた!その時みたいに思いを武器にすれば絶対ドッペルゲンガーに勝てる!みんなだってそうだよ!アクセラレータが仲間だから必死に援護してるんだよ!だから......1人ぼっちのお姉様擬きは敵じゃ無いよ!って、御坂は御坂は思いを伝えてみたり!)
ドッペルゲンガー「何を独り言を言っているのか......そんなことではこの私を倒すことなぞ出来ぬ!!!」
2人の攻撃を受けつつも更に電撃の力を上げ始め、アクセラレータさんとの能力勝負を優位に持っていくドッペルゲンガー。
今まで電撃と翼のぶつかり合いの均衡場所は丁度ど真ん中だった。しかし今ではその場所がアクセラレータさん直撃の位置にまで近づいて来ている。
削板「くっそ......!」
九曜「生半可な攻撃では通用しない------どうすれば------」
ドッペルゲンガー「どうにも出来まい......貴様たちでは......引っ込んでいろ!!!」
そして今度は足元から突風を巻き起こし始め、その風が2人を襲う。
何とか飛ばされない様に踏ん張りつつ能力を行使するものの、あの風は風圧が強く身が切り引き裂かれていく能力だという事は、先ほどの朝倉さんとの対峙の時に立証済み。
案の定、2人の身体は刻まれ始める。その痛み、ダメージについに耐え切れなくなったのか、2人は吹き飛ばされてしまう。
削板「うおおおおぉぉぉぉぉ!!!」
九曜「そ------そんな------」
4人の能力者たちが弾かれてしまった。残るアシスト役は私と朝倉さんの2人。
当然アクセラレータさんの支援を行う。
先ほどまでいた削板さんと九曜さんの場所へとたどり着いた私たち。私は金属矢を。朝倉さんは九曜さんと同じ構えを取り、同時に攻撃を仕掛ける。
黒子・朝倉「はぁ!」
ドッペルゲンガー「......不思議な奴らだ。勝てないとわかっていながらそんな真似を......そんなに死にたいか!!!」
そして再びドッペルゲンガーの周囲から電撃が迸る。対象は言うまでもなく私と朝倉さん。
電撃が直撃する瞬間に私は空間移動で離脱。朝倉さんは自身の能力で向かってくる電撃を阻止しようとするが、圧倒的パワーを前に、いとも簡単に朝倉さんの能力であるビームの様なものが弾かれてしまう。
それを見た私が瞬時に朝倉さんを助けようと空間移動するも、それを読んでいたドッペルゲンガーが突然電撃のスピードを早め、私が朝倉さんの元へと辿り着いた瞬間にその電撃を浴びせられてしまい、難なく吹き飛ばされてしまう。
黒子「こんな......こんなことが......」
朝倉「これ程の力が......」
ついに支援隊が全員地べたにひれ伏されてしまった。
残るはアクセラレータさんのみ。
なんて考えていたことが如何に間違いであったか。麦野さん、神裂さん、削板さんが立ち上がりまたもや攻撃態勢に入る。
それを見た私も触発されてしまい立ち上がることに。私自身は立ち上がるつもりどころか、立ち上がれないハズ。ダメージが大き過ぎるから。
しかし無意識に立ち上がっていた。これが何の気持ちなのかはわからない。だけど身体が勝手にそうしていた。
恐らく3人も。あれだけのダメージを追って立ち上がれるはずがない。
麦野「あんたら2人は最後の頼みだ......」
神裂「だから......何とか私たちで隙を作ります......」
そう。これは朝倉さんと九曜さんに向けれられている言葉。
2人は人間離れした能力の持ち主。しかしドッペルゲンガーを消せるほどの力はない。となれば、最後に究極の支援をするのはこの2人だとこの3人にはわかりきっていること。だからあの様なセリフが出てくる。
となれば私の行うことはただ1つ。
削板「お前も......行くんだろ?」
黒子「勿論ですの......ダメージは負っていても......この地上を守り抜くという使命を......お姉様や上条さんとお約束しましたの......」
4人顔を合わせうなづく。つまりそれはGOサインであるということ。
それで4人の決心が固まり、再びドッペルゲンガーの周囲に集まり、四方から能力を行使し攻撃を開始する。
麦野「うらあぁぁぁぁ!!!」
神裂「はあぁぁぁぁぁ!!!」
4人攻撃が一斉にドッペルゲンガーに直撃する。
しかしこれも想定の範囲。ダメージはない。ただただドッペルゲンガーの怒りを買う作業となっている。
アクセラレータ「ぐががァァァァァァーー!!!」
アクセラレータさんとドッペルゲンガーの力がぶつかり合う中、4人がそれぞれの能力でドッペルゲンガーの四方八方からアクセラレータさんを援護する。
それらはドッペルゲンガーにクリーンヒットするが、ドッペルゲンガーにとっては蠅が止まった程度にしか思っていない。
背中には傷1つ付かず、表情も曇り1つない。
ここまでの力の差があるとは最初は想定もしていなかった。
ドッペルゲンガーの電撃でほとんどが弾かれてしまい攻撃が通らない。更に私たちはほとんどのエネルギーを使い切ってしまう。
ドッペルゲンガー「もういい......お前達は良くやった......だからこれで......静まれ!劣等種共!!!」
そして吹き荒れる突風。なんとしてでも吹き飛ばされない様に踏ん張り続け能力を使い支援を続けるも、これまでの疲労やダメージがここに来て一気に放出され始める。
押される。どんどん押されて行く。それでも諦める人たちはいない。諦めたくはない。諦められない。
そんな強い思いを持っている4人。だが、そんな気持ちも虚しくドッペルゲンガーの能力で1人1人吹き飛ばされていく。
黒子「きゃあぁぁぁぁ!!!」
削板「ぐあぁぁぁ!!!!」
これで体力は全て使いきってしまった。少なくとも私は。
神裂「も......申し訳ありません......」
麦野「クソが......もう......体力が......」
削板「へへへ......参っちまうようなぁあんなつえぇんじゃ......」
とは言いつつも必死に立ち上がろうとする3人。しかしダメージが大き過ぎるためか、立ち上がる事は出来たがすぐさま尻餅をついてしまいその場へと倒れこむ。
九曜「あの人たちが託してくれた------」
朝倉「行くしかないわね......力も蓄えられたし......」
さすがは超能力者級の持ち主の2人。九曜さんと朝倉さんは、ダメージもあり、あれだけの攻防戦を繰り広げたにも関わらず他の方々以上の疲労は見せない。本当に謎な方たち。学園都市で能力開発のカリキュラムを受ければあっさり超能力者に認定されるのではないかと考えてしまう。
ドッペルゲンガー「これで最期だアクセラレータ。跡形もなく吹き飛ばしてくれる!!!」
バチバチと轟音を鳴らしながら電撃という力を周囲に蓄え始め、ドッペルゲンガーの力をより強大なものであると再認識させられる。
アクセラレータさんもこの勝負を受け入れるつもりなのか、漆黒の翼が今まで以上に存在感をアピールしている。背中の翼は斜め上に向かってより長く伸びていく。まるで竜巻の様にグルグルと回り轟音と暴風を周りにまき散らしながら。
ドッペルゲンガー「終わりだ。終わりにしてくれる!」
ついにドッペルゲンガーの電撃がアクセラレータさんの目の前にまで押し寄せて来た。
アクセラレータさんも必死になって上回ろうとしているが、そんな簡単に行く相手ではない。
ラストオーダー(耐えて......耐えてアクセラレータ!まだ貴方は地球へのダメージをどこかで考えてるよ。それは後で戻せる方法がきっとあるって、ミサカはミサカは根拠のない願望をもってみたり!)
アクセラレータ「これが......全力なンだよクソガキがあァァァァァァ!!!」
ラストオーダー(でも今は……爆発させて!力を!って、ミサカはミサカは貴方に負けてほしくないって切に願てみたり!)
ドッペルゲンガー「さらばだ......下等な劣等種よ!!!」
そしてドッペルゲンガーが更にパワーを上げようとしたその時、上空から巨大で強大な炎と氷が混ざりあった何とも形容出来ないエネルギーの塊が地上にいるドッペルゲンガーの背中に直撃する。
凄まじい爆発音と振動と砂埃。
しかしそれでもドッペルゲンガーを倒せていない。何故ならアクセラレータさんに向かっている電撃が消えていないから。
そのエネルギーの塊が降ってきた上空を見つめると2人の姿が。
ドッペルゲンガー「貴様らは......朝倉涼子!周防九曜!」
朝倉「はぁはぁ......私たちの力を......甘く見たのが敗因よ......」
その瞬間、アクセラレータさんの目の前にあった電撃が少しづつドッペルゲンガーの方へと押し込まれて行くのが目に見えた。
ラストオーダー(今だよアクセラレータ!!!)
アクセラレータ「ガアア......ぐががああァァァァァーー!!!!」
ぶつかり合い均衡し続けていた互いの能力。
しかしそれもここまで。力と言う力とを身体中のありとあらゆる所から一気に放出した力で、アクセラレータさんの漆黒の翼がドッペルゲンガーの電撃に覆いかぶさるように全てを丸のみしながら突き進んでいく。
ドッペルゲンガー「な!?バカな!!」
そしてその翼はついにドッペルゲンガーまでもを飲み込む結果に。電撃で反撃するものの、翼はドッペルゲンガーの身体を徐々に消し去っていく。
ドッペルゲンガー「う......が......が......が......がぁ.........」
電撃を放っている両手、つまり姿勢はそのままでドッペルゲンガーの肩、腕、脚、その他部位が目に見えてわかる様に削り取られていく。
ついにドッペルゲンガーが電撃での反撃を行える状態ではなくなり、打ち合いでは無く一方的にアクセラレータさんの漆黒の翼がドッペルゲンガーを喰い尽くしていく。
ドッペルゲンガー「そ......そんな............グゥワァォォォォォ.........!!!」
断末魔と共にドッペルゲンガーの身体が千切れていく。両肩から両腕、両脚、首、胴体と徐々に引き裂かれ始め見事に身体がバラバラになっていく。
そしてついに身体が塵と化していき、残片が全て翼の力により消滅していく。
その後、その翼はアクセラレータさんの制御により空中へと向けられ翼による地上へのダメージは皆無に終わる結果となった。
大空へと向かう翼の中にキラキラと光る物があった。それは恐らくドッペルゲンガーの最期の肉体が完全に消滅したことを示しているのだと私は理解した。
アクセラレータ「ハァ......ハァ......ハァ......」
麦野「き、消えた......」
神裂「ドッペルゲンガーの......気配が......」
ついに、ついに倒した。ドッペルゲンガーを。
地上での最後の死闘はアクセラレータさんだけではなく、私達の力によって消え去った。
その場に倒れ込むアクセラレータさんを見つめながら安堵する。
願いは叶った。この地上を守り抜くと言う使命。
しかし私は次なる敵を一瞬にして思い出す、いや思い出してしまった。
そう。ミサイルと言う科学兵器がこの地球に宇宙から押し寄せて来ていることに。
初春「皆さん!安心するのはまだ早いです!」
佐天「ミサイルが......あと10分足らずでこの北高に落とされます!!!」
死闘が繰り広げられていたにも関わらず、情報を得ていてくれた2人。
黒子「そう......ですわね......」
身体を起こそうと必死になる。しかし言うことを効かない。
これでは地上にミサイルが落とされてしまう。
この地球を誰が守れるのか。誰が救ってくれるのか。
そんな問は簡単に解を出せる。
私達しかいない。
婚后「皆さんが戦っている中......準備しておきましたわ......」
初春「婚后さんがエカテリーナの発射口を増設してくださいました!」
1年前と同じ。婚后光子の能力による発射口増設。
それで上手く空へと飛び、大気圏の狭間でミサイルを迎え撃ち迎撃する。
しかしその役目は一体誰が。
神裂「私が......行きます......」
鶴屋さん「神裂さん!ダメにょろ!その傷で......」
土御門「......ねーちんは聖人だ。並大抵の体力じゃない。行くぞ、ねーちん!」
神裂「まさか空へと旅立つ相方が貴方とは.......行きましょう土御門!!」
ドッペルゲンガーを倒し、ついに最後の敵を倒した私達。
そしてこれより地上での戦いは残るパワードスーツの残隊と天からくるミサイルの迎撃となった。
黒子(お姉様......地上の防衛はもう間もなく終わります。どうかご無事でお戻り下さい......)
to be continued......