SS 紅き星の暴走 涼宮ハルヒの憂鬱×とある魔術の禁書目録   作:はるかさん

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明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い致します。

遅くなりました!
宇宙編更新しました!

それではどうぞ!


【第9章】 ~最終決戦~
19話 ~心理掌握~ 宇宙編


マイナデス「お前たちもこれで終わりだ。涼宮ハルヒが再覚醒することはあり得ぬ!」

 

?「それはどうかしらぁ?私の能力を......持ってすれば......容易いのよねぇ......」

 

どこぞから聞こえて来た声。場所は奥の扉からだ。

そこには負傷し肩からは血を流していた1人の女子の姿があった。

 

マイナデス「貴様......!」

 

美琴「食蜂......食蜂操祈(しょくほうみさき)!!なんであんたがここに!?」

 

食蜂操祈「御坂さんたちのお仲間に助けてもらったんだゾ......うっ!」

 

まだ捕らわれていた女の子がいたのか。見た目はかなりのお嬢様っぽい子。

御坂さんと知り合いらしい。

それよりも気がかりなのが、仲間に助けてもらったということ。白井さんも同じ様なことを言っていた。付け加えて長門に”マイナスはどこに行ったんだ?”とさっき俺が聞いたら長門は”別の者と戦っている”と言った。まさか全て同じ人物なのか。

一体......誰なんだ。

 

 

 

 

 

マイナデスなるマイナスの20000体目に製造された者。そいつがハルヒの中に入り込み、ハルヒの身体を奪い取り利用していることを知った俺たち。なんとしてでもハルヒを取り戻すべく、インデックスの強制詠唱(スペルインターセプト)の手助けもあり、ハルヒへの問いかけを開始する。

そしてどうにかその声が届き、ハルヒはマイナデスに身体を乗っ取られながらも再覚醒を遂げる。必死にマイナデスを自分の身体から追い出そうとするハルヒ。また逆にハルヒの意思を内部に閉じ込めようと試みるマイナデス。

どちらの意思も一歩も引かない中、マイナデスが内部の力を一気に解放する。その結果、インデックスの魔術も払い除け更にはハルヒの意思をも身体の奥底へと封印する。

 

俺たちがマイナデスを干渉したことで、逆鱗に触れてしまい、マイナデスは俺たちを消すべく最後の時間停止を行った。

しかしその時間停止による俺たちへの襲撃は失敗に終わる。何故ならその能力に対策を取っていた3人の情報統合思念体がその時間停止に割り込みをかけたからだ。分かり易く言えば、長門たちもマイナデスの時間を共有出来る、つまりは停止している時間の中を動けるということだ。

 

マイナデスの最強の能力を封印したも同然の俺たちであったが、マイナデスの身体はハルヒの身体。

つまりはハルヒの身体からマイナデスを追い出さなければ、ハルヒは人質に取られている様なもの。それを知っていたマイナデスは時間停止に対策を取られようが関係ない。

 

希望という対策のすぐ後に絶望という現実を突きつけられた俺たち。

しかしそんな状況を覆すことが出来そうなセリフを吐いた者がいた。それは突然ドアの向こうから現れた1人の少女、食蜂祈操さん。

彼女がどんな能力の持ち主なのかは不明。しかし警策曰くマイナスたちの能力コピーの根源となっていた人物。

理屈はわからないが、この人の能力は恐らく物理的なものではなく、精神的なものだと推測出来る。

 

この人がハルヒを救い出せるキーとなると俺は信じているぜ。食蜂さんよ。

 

 

 

 

 

食蜂「貴女の思惑は......簡単には成し遂げる事は出来ないんだからぁ......」

 

突然現れた金髪少女の食蜂さん。彼女が何故ここにいるのかはわらかない。警策の言う通りマイナスたちの能力コピーを束ねていた人物が食蜂さんなのであればここにいる理由は単純明快。

その能力を行使する為に利用されていた、と言う結論に至る。

 

食蜂「これで......涼宮さんは解放される......」

 

マイナデス「それは......!」

 

食蜂さんが手にしていたのは見た感じテレビのリモコン。

あれが何に使われるのかは不明。しかし単なるリモコンと言うわけでもないだろう。

勝手な予想だが、あれは能力を使うために必要な物なのではないか。そうでなければ今ここでリモコンみたいな物を出す必要がない。

 

美琴「あれは食蜂の能力......心理掌握(メンタルアウト)!」

 

キョン「どんな能力なんだ!?」

 

美琴「食蜂は学園都市最強の精神系能力者。その能力は、その人の記憶や情報改竄、更には人間を操作することも可能です!」

 

なるほど。となると食蜂さんはマイナデスの脳内を能力で操作し、ハルヒを再覚醒させた上で願わくばハルヒの身体からマイナデスを引き離そうとしているんだろう。

そして食蜂さんはそのリモコンの一部分をピッと押した。

その瞬間にマイナデスに異変が起こる。突然苦しみだし頭を抱え始め跪き始めた。

 

マイナデス「が......ぐがが......」

 

キョン「ハルヒ!!」

 

俺は叫んだ。苦しんでいるのがマイナデスとは言え、あの身体は本来ハルヒの物。肉体的、精神的にダメージがないか心配になる。

ハルヒよ。全くお前はどんな時でも周りに心配を掛ける奴だ。だが安心しろ。間違いなく俺たちがお前の事を救ってやる。

お前にはまだ文句が山ほど残っている。勝手に消えるんじゃないぞ、この大馬鹿野郎。

 

食蜂「だから言ったじゃなぁい......容易いって......」

 

上条「大丈夫か!?」

 

食蜂「あ......ありがとぉ......上条サン......うっ......」

 

食蜂さんの怪我は酷いが少なくとも能力は扱えるようだなんて主って居たのは束の間。体力を使い果たしたのか、疲労で倒れてしまった。

だが側には上条も付いている。大丈夫だろう。

俺の隣にいる御坂さんがバチバチ鳴らしているのは気になるが。恐らくマイナデスが次に何を起こすか警戒しているんだろう。いやそう言うことにしておこう。なんせ少し顔が怖い。

 

マイナデス「う......ぐぐ......」

 

そして食蜂さんの能力が効き始めたのか。

目や肩や脚。部分部分ではあるが、マイナデスの身体が光り始める。その光りとは、その部分からは何やら暖かい気配が感じ取れる。この感覚はマイナデスの殺気や闇に満ちた力ではない。どこか純粋で安心感のある光。

なるほど。つまりはこう言うことだ。

マイナデスは食蜂さんの能力により、操作の力が自由に効かなくなり、ハルヒが自身の身体を無意識ながらも取り戻そうとしている、と。

 

そうして苦しんでいたマイナデスは突然として言葉を失い、頭を抱えていた両手を解除し、そのままの体勢でゆっくりと顔を上げ

始めた。

 

ハルヒ「ここ......は......?」

 

どうやら気がついたらしい。我らが団長様、神様、時間の歪み等々。呼び方は様々あるが俺の目の前にいるのは正真正銘、ハルヒに間違いない。これは俺がよく知っているハルヒだ。

ハルヒの意思がマイナデスを上回った。しかし全てを取り戻せたわけではない。何故ならまだハルヒの意思を持っている部分以外の身体からは邪悪な気配が残っている。

 

マイナデス「まさか......貴様っ!!!」

 

ハルヒの口が動く。あれはマイナデス。

身体のほとんどの支配が解け始めていく。身体のあらゆるところから眩い光がハルヒを包み込んでいく。

ハルヒはとんでもない力を秘めている。無意識に自分の身体からマイナデスを取り除こうとしている。

 

マイナデス「バ......バカな!いくら食蜂操祈の能力があったとは言え、貴様にもうそんな体力が残されているハズが......」

 

ハルヒ「......そうね。確かにあんたにはしてやられたわ。でもね......あんたは所詮独りなのよ。あたしにはSOS団がいる。仲間がいる。独りのあんたなんか......このあたしに勝てるわけないじゃない!!!」

 

身体から発していた光りが赤い光りへと変わっていく。

これがハルヒの能力なのか食蜂さんによる干渉のせいなのか、はたまた身体内でのマイナデスとの戦いによるイレギュラーなものなのかは知らん。

 

ハルヒ「あたしの身体から......」

 

そしてその赤い光りがハルヒの身体中を支配し

 

ハルヒ「出てけぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

 

叫び声と共に一気にハルヒの身体全体を強く覆い始めた。

それに伴いハルヒの身体から一瞬、黒い影がまるで分離する様に弾き飛ばされていった。

その目線の先にはもう一人のハルヒの姿があった。

 

美琴「涼宮さんが分裂した!?」

 

そう。まさにその通りの出来事が起きたのだ。

そこで赤い光りを纏い強い気持ちで睨みつけているのは紛れもなく我らが団長。

そしてそのハルヒが睨みつけている、吹き飛ばされて仰向けで倒れている者こそがマイナデス。

 

長門「涼宮ハルヒは体内からマイナデスの排除に成功した」

 

白井黒子「となると......あそこで寝そべっている者こそが......」

 

古泉「マイナデスってわけですね......」

 

喜緑「しかしマイナデスの力はかなり落ちています。あの身体は涼宮さんのものではなく、マイナデスが咄嗟に作り上げた一時的なもの!」

 

その身体とはハルヒの色違い。髪色は金色で服装も黒系の物。

そして本人であるハルヒはツカツカとマイナデスの前に立ち対峙している。

 

ハルヒ「さぁ!あんたはもう終わりよ!あたしの身体を乗っ取った恨み、ここで晴らさせてもらうわ!」

 

そんな強気なハルヒの姿を見てゆっくりと立ち上がり始めるマイナデス。圧倒的劣勢にも関わらず、マイナデスの表情にはいっぺんの曇りすらない。まだ何か対策を残しているのかと疑ってしまう。

そんなマイナデスの表情を気にもせず、上条がハルヒの前に立ち、マイナデスと対峙し始める。

 

上条「お前を倒す。倒してお前の幻想ごと殺してやるよ!!!」

 

マイナデス「倒す?我を倒す?......アッハハハハハ!」

 

ゆっくりと立ち上がり、余裕の表情と構えで上条そしてハルヒの前で両腕を広げ始める。

その行動に上条もハルヒも流石に警戒心を高める。いや、その場に居る全員が。

 

美琴「な、何がおかしいのよ!」

 

インデックス「貴女の力じゃもう私たちを倒すことなんて出来ないんだよ!倒されるのは貴女のほう!」

 

マイナデス「ではやってみるが良い......できるものならな......」

 

その言葉に警戒心を生んだ上条は、ハルヒの腕を掴み走ってマイナデスから離れ俺たちの所へと戻る。

 

そして俺たちの元へとゆっくり歩を進めるマイナデス。

何も変化もなくただ見せかけに過ぎないハルヒの身体で。

 

しかしその数秒後に、マイナデスの両手から小さな火柱が立ち、続けて脚、腕、腹が突如ゆっくりと燃え始める。メラメラと衣服を燃やし素肌が顕になる。次第には胸や肩、髪の毛までもが燃え盛り始め衣服が次々と焼かれていく。

その衣服の下は信じられない光景。まるで人間の肌の色ではない。肌の色は灰色。しかも髪型までもが変化していき、俺達から見て左眼あたりは左側の髪の毛が鼻の高さまで覆い被さり、右腕と右手の甲にはニワトリのトサカをグロテスクにしたような物が生えている。しかも同じような物が左脚全体にも生えている。

数秒前まではハルヒの外見をしていたのだが、たかが数秒で一気に化け物となってしまったマイナデス。

 

マイナデス「涼宮ハルヒの身体よりかは能力が劣るが......それでも貴様たちを滅ぼす事は至極簡単なこと」

 

キョン「これは......どうなってやがるんだ!?長門!!」

 

長門「マイナデスは元々身体と言う媒体は持たない。正確には持つことが出来なかった。マイナスの身体ではマイナデスの強い生態エネルギーをカバーすることが出来なかったから」

 

朝倉「だけど涼宮さんと言う神なる身体を見つけ、更には支配したことでそれは賄えた。だけど本来は涼宮さんの身体。封じ込めたとは言え、マイナデスからすればいつ涼宮さんが再覚醒するかはわからない」

 

貴緑「よってマイナデスの本来の目的は、涼宮さんのコピーの身体を手に入れること。今マイナデスが涼宮さんの身体をコピー出来たのは食蜂さんによる能力で成立しています。が、計画が狂い食蜂さんが何者かの手によって解放された。しかしどのみちこの計画で涼宮さんの身体を手に入れることだったと推測出来ます」

 

ステイル「つまりは遅かれ早かれこうなっていた、と。やれやれ。厄介極まりないね、ほんと」

 

なんてこった。

結局俺たちは結果的にマイナデスの思惑通り事を進めちまったわけだ。

さっきとは全くの別人になってしまったマイナデス。モンスターと言う表現が正しいのだろうか。半分人間で半分化物。

 

佐々木「危ない!」

 

マイナデスが腕を縦に振るう。腕からはいつの間にか血が滲みでていて、腕を奮った事によりその血液が上条とハルヒへと襲いかかる。

佐々木の言葉を聞いて上条とハルヒは真横へ飛び回避する。

 

そして2人が元居た場所の地面には血液が飛び散る。その瞬間に血液はいきなり激しく燃え上がる。

マイナデスの能力は血液を炎に変える能力、又はあらゆる物質を何らかの方法で炎に変えることが出来る能力である、と推測出来る。

 

上条「こんっっの!」

 

回避した上条がマイナデスの顔に向かって真横から殴り付ける。

しかしその物理攻撃には全く効いていないのか、殴り付けたは良いが全く微動だにしない。

普通殴られたら衝撃や反動で身体が動いたりするもの。しかし踏ん張っているのか、想像以上に防御が優れているのか、全く効いていない。

 

マイナデス「我の目的は涼宮ハルヒを殺すこと。それだけだ。貴様たちの攻撃は一切通用しない。だから貴様たちは大人しくしているが良い」

 

美琴「ナメてるんじゃないわよ!!!」

 

今度は御坂さんの激しい電撃がマイナデスを襲う。

マイナデスは動きもせず避けもしない。御坂さんからの電撃が直撃する。

激しい電撃と煙が辺りを覆う。

そして煙が徐々に晴れマイナデスの姿がゆっくりと映し出される。

かすり傷どころか全くの無傷。

 

美琴「う、うそ......私の渾身の一撃が......」

 

インデックス「どうなってるの!?ダメージが全くないなんて......」

 

長門「......解析完了。マイナデスは涼宮ハルヒ以外の攻撃は受け付けない」

 

つまりは、ハルヒとマイナデスのタイマンによりケリがつく、との情報。

ハルヒは神なる力を持っているとは言え、本人は自覚していない。つまり戦闘を行なったとしても一般人と戦闘レベルは何ら変わりない。

言うまでもなく能力を自覚している上条や御坂さんとは違う。

ハルヒはハルヒ自身、自分の能力に気が付いていない。いやそれどころか使えることすら知らない。

 

対してマイナデスは自分が能力を扱えることは重々承知している。

こんな無謀とも言える戦闘を許可することは出来ない。出来ないがどうする。ハルヒ以外の攻撃は一切受け付けないのだとすれば、俺たちは無意味に等しい。

ハルヒを援護しようにも、攻撃したところで結果は見えている。マイナデスは俺たちの事など目もくれないだろう。全くの無意味なのだ。

 

ハルヒ「......上等じゃない」

 

キョン「待てハルヒ!いくらなんでも危険過ぎるぞ!」

 

ハルヒ「止めないでキョン!こいつはあたしが倒さなきゃいけないの!」

 

なに?お前はマイナデスを倒せると思っているのか?

大した相手では無いと誤解しているのか、それとも自分の能力に気が付いて......。

 

ハルヒ「はぁ!!!」

 

気合いを入れると同時にハルヒの身体に再び赤い光が纏う。

間違いない。こいつは自身の能力を自覚している。

神懸かり的な能力を自覚しているのか、もしくはマイナデスが利用していたハルヒの身体に能力が残っている事を知っているのか。

 

マイナデス「神は2人も要らぬ......ここで貴様を消し去るのみだ!!!」

 

同じくしてマイナデスも気合いを入れる。ハルヒの赤い光に対してマイナデスは黒い光が身体を纏う。

ハルヒは古泉曰く神。マイナデスはコピーとは言えハルヒの身体を手に入れた者。どうなる。この戦いは。

 

マイナデス「吹き飛べ!!!」

 

突如左手をハルヒに素早く向ける。

そこから衝撃波が起こりハルヒに向かって襲いかかる。その動きを見てハルヒはその場から突然消え去った。どこに行ったのか。たまたまマイナデスの方に目を向けた俺の視界にはハルヒが空間移動をし、マイナデスの後ろに回り背中に向かって回し蹴りを振るう姿がしっかりと目視出来た。

 

つまりハルヒは自分が能力を扱えることを知っていると言うことになる。ハルヒ自身空間移動のやり方を知っているのか、願っただけで空間移動を行っているのか。それはわからない。

だが今のハルヒには間違いなくハルヒが完全に無自覚で発動させているわけではない。

鬼に金棒なのであれば良い。もしハルヒが制御出来なくなり能力が暴走でもしたらマズいことになる。

 

ハルヒ「強気な割には大したことないわね!」

 

ふっ飛ばされていくマイナデス。しかしそのマイナデスがボッと炎を全身に纏いその直後に突如としてマイナデスも炎も消えた。どこに消えたのか謎である。周りを見渡しても存在しない。

しかしその瞬間、ハルヒの後方に再び同じ様な炎が発生する。

そして次の瞬間にはその炎が消えてマイナデスがいきなり姿を表した。

 

マイナデス「後ろだ」

 

ハルヒ「!?」

 

ガスッ!と言う音をたてて勢いよくハルヒを蹴り飛ばすマイナデス。そして不意討ちの形で受けてしまったハルヒは俺たちの方へと飛ばされて来る。

明らかに受け身が取れる体勢ではない。あのままでは壁に勢いよく叩きつけられてしまう。

それを読み取った長門が超スピードでハルヒの飛ばされていく進行方向へ先回りし、受け止めようとしたその瞬間にハルヒがその場から消える。

そしてハルヒは空間移動でマイナデスの正面、約5m程先と言った所か、その場所へと空間移動する。

 

ハルヒ「いったいわね」

 

どうやらほとんどダメージを受けていないようだ。

ふっ飛ばされたにも関わらず瞬時に移動し、立ちながら普通に話せている。

 

マイナデス「流石は神と言ったところか。あの蹴りを喰らってダメージを負っていないとはな......」

 

ハルヒ「それはお互い様でしょ。あんただってあたしの蹴りのダメージなんて殆ど無いじゃない」

 

お互いダメージなんぞ殆ど無い。なんつー戦いなんだ。

体力、防御、攻撃、速度。どれを取っても超能力者を超えてる。

そんなことを考えていると一瞬、この場の空間を何とも奇妙な雰囲気、力に包まれる様な気配を感じ取った。

どうやらこの気配に気が付いたのは俺だけではないようだ。

情報統合思念体に御坂さん、佐々木も感じ取っている様だ。表情が明らかにおかしい。

 

?「......」

 

マイナデス「この声は......」

 

突然の独り言と同時に長門の方を見るマイナデス。わかる。全く聞き取ることは出来なかったが、誰かの声が聞こえた。

何が起こっている。少なくともマイナデスに取って何か誤算が生じたとは言えそうだ。

 

マイナデス「何故だ、何故貴様たちがそこに......」

 

どうやら少なくともマイナデス自身は聞こえている様だ。

他の奴らはどうなんだ。長門には聞こえているのか?

 

?「......」

 

マイナデス「異時空......そうか、そう言うことか」

 

?「......」

 

マイナデス「ならば待っていろ。我が貴様たちを消滅させる」

 

明らかに誰かと会話している。テレパシーなのか。

誰なのかはわからない。木原幻生なのか、それとも創造主、生き残りのマイナスなのか。

 

マイナデス「残念だが我の敵は貴様たちではない。本当のキーとなる敵。それはこの星の地下に居る」

 

突然マイナデスの足元の床から大きな棒の様な物が姿を表した。

それは天井まで伸びていきマイナデスの真上で停止した。

違う、あれは棒ではない。大きな蛇と言うか触手と言うか。

その触手の先端がまるで大きな口を開いたかの様にマイナデスに向かって、喰らう様に上空から突っ込んでくる。

 

マイナデス「この星の真の敵は......この星は......破壊させぬ」

 

そんな言葉を残しマイナデスは触手に喰われた。

そしてその触手はやってきた床へ逆戻りする様に下の階、下の階へと姿を消していってしまった。

 

美琴「逃げた!?」

 

白井黒子「させませんわ!」

 

長門「待って」

 

触手の後を追おうとした御坂さんと白井さんを静止させた長門。

真意は知らん。だが長門が理由もなく止めるとは思えん。

 

長門「私たちは先へと進み創造主を止めるべき。それが私たちが行うべきこと」

 

建宮「だがあいつが下で何をするのかがわからん以上は追ってトドメを刺すってのも」

 

長門「違う。それを行うのは私たちではない。それは彼らが行うべきこと。私たちは一刻も早く創造主を倒さなければならない」

 

私たちではない。さっきから長門は俺たち以外の者たちがこの星に居て、俺たちと同じ理由でこの星に来ている、と理解出来てしまう発言を多々している。

誰なのかは知らん。だが長門がそう言うんだ。恐らくそいつらがマイナデスを叩きのめしてくれるんだろう。

誰もが長門の言葉を承諾し、本来の目的である創造主の野望を食い止める為、俺たちはマイナデスを追うことはしなかった。

 

美琴「ちょっとアンタ!しっかりしなさいよ!」

 

駆け寄り寝ているところ、肩を抱き寄せ起こす。

怪我をしている食蜂さんにとっては少しキツい対応かも知れんがここで一人寝ているよりかはマシだろう。

 

食蜂「み......さかさん......ゴホッゴホッ!」

 

重症だ。何があったのかはわからないが、ここに来る前、食蜂さんは何者かによってダメージを受けている。

しかし今はその理由を聞いていても仕方がない。

 

キョン「長門」

 

コクンと頷く。トコトコと食蜂さんの所にまで近づき右手で食蜂さんの身体に触れる。

お得意の早口言葉。長門が小さく光りだし、みるみるうちに食蜂さんの傷口が塞がっていく。

 

食蜂「えっ?」

 

キョン「食蜂さんとやら、もう大丈夫だ」

 

物凄く不思議そうな顔をしながら長門を見つめる。そしてスクっと立ち上がり長門に礼を述べる。そんな謝罪の言葉とは裏腹に食蜂さんは手に持っていたリモコンをさり気なく押した。

恐らく長門が何者なのか、頭の中を探ろうと言うのだろう。

長門は完璧な奴だ。間違ってもその程度で記憶を失ったりはしないとわかってはいても、食蜂さんの行ったことに対して言及しようとした。だが。

 

長門「無駄。貴女の能力では私の中を覗くことは出来ない」

 

食蜂「!?」

 

長門「安心して。私たちは貴女の味方。信じて」

 

そんな一連のやり取りがあり、食蜂さんは言葉上では同意した。

本心なのかどうかはわからんが。

 

さて、そんなことよりも残るは創造主のみだ。

マイナデスは長門曰く片付けてくれる連中がいるらしいからな。

長かった。ここまで来るのが。しかしそれももう過去の話。

全員覚悟を決めている目をしている。これからが最後の戦いになるであろうと。

 

キョン「よし!行くぞ!」

 

先陣を切って部屋の奥にあるドアに向かって走り始めようとした。その時。

 

ハルヒ「待ちなさいキョン」

 

突然ハルヒに止められ行くに行けない。

何かマズい事でもあるのか、又は良くない事でも起きてしまったのか。

 

ハルヒ「あたしが作り上げてしまった失敗は......あたし自身の手でケリをつけるわ」

 

絶句とは正にこのことか。

ハルヒの言いたいことは、あたし一人で創造主を片付ける、と言う事だろう。

いくらなんでも無茶苦茶だ。

そんな危険な事は勿論同意するハズもない。俺たち全員で向かう。それが規定事項だ。

 

佐々木「......全くもって同感です。涼宮さん、行きましょう」

 

美琴「ちょ、ちょっと!何言ってんのよ!」

 

おいおい。お前もか佐々木。

確かにお前たちには罪悪感や責任感が俺たちよりあるだろう。

だからと言ってお前たち2人だけで闘う必要がどこにある。

絶対にダメだ。2人だけで行かせられるわけがない。

 

ハルヒ「あんたたちは早くこの場から去りなさい。団長命令よ」

 

キョン「待て!ハルヒ!!佐々木!!」

 

何となく予感がしたんだ。嫌な予感が。

ハルヒと佐々木が空間移動してこの場から消えてしまうのではないかと言う予感が。

2人は元々この星で俺たちを待っていたんだ。つまり少なくとも俺たちよりかはこの星のマップを理解している。

どこに創造主がいるのかくらいわかっていたんだろう。

 

案の定、2人は俺たちの前から消え失せた。

しかし奇妙なことに、気が付けば俺たちが今いる場所が先程まで居た場所とは違う所に居ると気が付く。

 

つまり俺達がハルヒたちによって空間移動させられてハルヒたちはさっきの場所に居るのか、もしくはハルヒたちも空間移動し、今頃創造主とご対面しているのか、になる。

可能性はそのどちらかだろう。だが決定的に言えることは、俺たちはハルヒたちと離れてしまったと言うことだ。

急いで戻らなければ。幸い俺たちが今いる場所は、自動書記と戦った場所。つまり2つ前のフロアになる。

 

キョン「早くこの場から立ち去りなさい?バッカヤロウが!!」

 

俺は直ぐに走ってハルヒたちを追いかけた。

頭に血が登り過ぎてて長門や白井さんに頼んで空間移動させてもらうことすら考えずに。

 

上条「待て!キョン!!あぁもう!行くぞ!みんな!!!」

 

待ってろ。ハルヒ、佐々木。

 

待ってろ......創造主!

 

to be continued......

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