SS 紅き星の暴走 涼宮ハルヒの憂鬱×とある魔術の禁書目録   作:はるかさん

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お待たせしました。
前回で地上編のストーリーは終了しました。
ですが、今後も地上編のキャラは出てきますので。

それではどうぞ!


20話 ~最後の戦い~

ハルヒ「あんたたちは早くこの場から去りなさい。団長命令よ」

 

キョン「待て!ハルヒ!!佐々木!!」

 

何となく予感がしたんだ。嫌な予感が。

ハルヒと佐々木が空間移動してこの場から消えてしまうのではないかと言う予感が。

2人は元々この星で俺たちを待っていたんだ。つまり少なくとも俺たちよりかはこの星のマップを理解している。

どこに創造主がいるのかくらいわかっていたんだろう。

 

案の定、2人は俺たちの前から消え失せた。

しかし奇妙なことに、気が付けば俺たちが今いる場所が先程まで居た場所とは違う所に居ると気が付く。

 

つまり俺達がハルヒたちによって空間移動させられてハルヒたちはさっきの場所に居るのか、もしくはハルヒたちも空間移動し、今頃創造主とご対面しているのか、になる。

可能性はそのどちらかだろう。だが決定的に言えることは、俺たちはハルヒたちと離れてしまったと言うことだ。

急いで戻らなければ。幸い俺たちが今いる場所は、自動書記と戦った場所。つまり2つ前のフロアになる。

 

キョン「早くこの場から立ち去りなさい?バッカヤロウが!!」

 

俺は直ぐに走ってハルヒたちを追いかけた。

頭に血が登り過ぎてて長門や白井さんに頼んで空間移動させてもらうことすら考えずに。

 

上条「待て!キョン!!あぁもう!行くぞ!みんな!!!」

 

待ってろ。ハルヒ、佐々木。

 

待ってろ......創造主!

 

 

 

 

 

食蜂さんの能力によって再覚醒したハルヒ。そしてハルヒの身体を支配していたマイナデスがついにハルヒの底力によってマイナデスを追い出すことに成功。身体を失ったマイナデス。完全に勝機はこちら側に付いたと思った俺たちだが、追い込まれたマイナデスが、不気味な笑いと共に身体がメラメラと炎に包まれていき、次第に化け物染みた姿に変身していった。

 

ハルヒとマイナデス。死闘が繰り広げられた2人の戦い。

それは佐々木との戦い以上に壮絶なるもの。神対神。いやマイナデスは見かけがハルヒであって神ではないが。

いつまで経っても戦いの終止符が打たれず、攻めは引き、攻めは引くという戦いが繰り返されていた。

 

しかしある一時、マイナデスが突然の独り言から始まった。

誰と会話しているのかはわからないが、長門曰く、"彼ら"という存在。

誰なのかはわかっている様で実はよくつかめていない。

そんなことはどうでも良い。その後マイナデスが呼んだのか、マイナデスの足元から突如として現れたバカデカい触手が床に大穴を開け、そのままマイナデスを飲み込み床の下へと消えていった。

 

それを追う事を拒む長門。どうやらマイナデスを倒すのは俺たちではないらしい。

目標はあくまで創造主。それを断言した長門。

長門がそう言うのだ。少なくとも俺に拒否権は無い。

俺たちは創造主の元へと向かうその時だった。

 

ハルヒと佐々木が要約すると”2人で今回の件に関して片を付ける”と言い放った。

無論俺たちはそんなことなど飲むことは出来ず、否定をし、共に創造主と戦うことだと主張したが、ハルヒの力により、俺たちは前の階層にワープさせられてしまった。

 

これがハルヒと佐々木の願望なのだ。自分たちが起こした過ちは自分たちで解決したい。そんな思いが強すぎて無茶な強行手段を取った。

 

取り残された俺たち。だが俺たちは“はいそーですか”と簡単に納得出来るような人間じゃない。俺たちがやるべきことはハルヒたちを追いかけ、創造主を倒すことだ。

 

待っていやがれ。

 

 

 

 

 

上条「おいキョン!ちょっと待てって!」

 

俺はハルヒと佐々木のことが心配で仕方がない。そりゃそうだろう。

恐らく創造主はマイナス、いやマイナデス以上の力の持ち主。いくらハルヒと佐々木といえど、そんな強敵にたかだか2人で乗り込ませるなんてあってはならない。

だから上条が言う“待て”と言われても待つはずがない。そんな余裕があるはずがない。

 

そんな雰囲気を感じ取ったのか、みんな黙って俺を追いかけてきている。

インデックスと戦った地下10階、佐々木と戦った地下11階、マイナデスと戦った地下12階。それらを一気に通過し俺たちは新たなる階層へと進む。

 

 

 

 

 

~地下渓谷 BF13階 量産施設Ⅰ~

 

白井黒子「なっ!?」

 

喜緑「これは......」

 

階段を下り、俺たちの目に飛び込んで来たのは培養器に入れられている大量の化け物少女ことマイナスたち。

言うまでもない。この階層はマイナスのクローン施設。水ともスライムとも言えない化学薬品であろう小麦色の着色された水分に全身を漬けられている状態。

それどころか更に奥の方には培養器から外に出ていてただただ棒立ちしているマイナスたちもうじゃうじゃいる。

 

マイナス「我はマイナス......」

 

マイナス「我らの目的は......」

 

マイナス「次なるターゲットは......」

 

まるで会話をしているように聞こえるが、全ては独り言。

更に彼女たちには俺たちの存在がまるで見えていないのか、立ち位置によっては一人のマイナスと目が合っているが、少し立ち位置を変えると目が合わなくなる。つまり前方にいるマイナスは目線で俺たちを追うことは一切していない。

頬に汗が流れる。未だかつてこれほど不気味で不可思議な現象を見たことがあるだろうか。

いや、ある。俺は世にも不思議なSOS団の団員その1である。これまで不可思議といって良いほどの現象は目の当たりにして来た。少なからず耐性は身についている。が、それでもこの光景は不気味。なんせ知り合いでも友達でもなく、俺たちに恐怖を与えた少女が目の前に大量にいるのだから。朝倉が可愛く思えてくる。

 

朝倉「ちょっと、聞こえてるわよ?」

 

キョン「......頼むから勝手に心を読むのは止めてくれ」

 

食蜂「気味が悪いわねぇ......」

 

キョン「とりあえず進もう」

 

美琴「そんなことしてもし不意打ちでも受けたら......」

 

確かにその通りだ。しかし俺には何となくだが“こいつは俺たちに対して攻撃は行わない”と思えてしまう。直感だが知識は植え付けられていたとしても、まだ視覚や聴覚と言った五感、更には攻撃手段を植え付けられていないんじゃあないか、と思えてしまう。

もし攻撃手段や五感を植え付けられているのだとしたら、部屋に入った瞬間に俺たちは攻撃を受け、大量のマイナスたちと死闘を繰り広げているだろう。しかし今その状況が無い。

情報統合思念体に今マイナスたちに干渉出来るほどの力は発揮できない。となると、マイナデスとハルヒを引き離した人物なら。

 

キョン「もしかして食蜂さんの能力でマイナスたちを?」

 

上条「そうか!マイナデスの精神を操れるくらいなら!」

 

食蜂「残念だけど違うんです。さっきのはマイナデスに能力を使用した訳ではなくて、マイナデスの中で閉じ込められた涼宮さんに対して使った能力なんです。再覚醒させるために」

 

なるほど。どうやら食蜂さんの能力をもってしてもマイナスに干渉することは出来ないらしい。

そりゃそうだろう。もし出来るのであれば今ここに食蜂さんがいることは無いだろうし、そもそも敵陣に乗り込むマイナスたちから見ても学園都市の超能力者の能力は把握しているはずだろう。

 

となるとこのマイナスたちはやはり俺の想像通りにまだ知識だけしかインプットされていない。油断は出来ないがこの階層を通過することは出来そうだ。

 

そして心臓が高鳴る中、俺たちはマイナスの中を通り、誤っても肩をぶつけたり攻撃を仕掛けたりすることはせず、ただただ沈黙の中俺たちは通過した。

 

 

 

 

 

~地下渓谷 BF14階 量産施設Ⅱ~

 

どうやら気味が悪い量産施設の階層はまだ続くらしい。

地下13階と同じくしてマイナスがカプセルに入れられている。

ただこの階層には培養器の外に出ているマイナスは見受けられない。この施設のルールはよくわからんが、外に出ているマイナスは少なからず肉体的成長は遂げたマイナスである、と理解するのが正解なのだろう。

従って外に出ていないのであれば、俺たちは先ほどよりも緊張することも警戒することもない。ただただ進めば良いだけだ。

とは思えってはいたが、立ち止まらずにはいられないモノを俺は発見してしまった。

 

キョン「待て」

 

白井黒子「どうかしたんですの?」

 

俺がみんなを止めた理由。それは今俺の目の前にある培養器の中について疑問を抱いたからだ。

どんな疑問かというと、培養器の中に入れられているのはマイナスなのだが、どうにもサイズが小さく見える。

まだ完成には程遠いのか。言うなればミニマイナスである。

しかし周りのマイナスは今まで俺たちが敵対して来たサイズと同じサイズ。身長もお世辞にも大きいとは言えないが、身長はインデックスと同じくらい。

しかしこのミニマイナスはそれらを大きく下回るほどの身長しかない。140cmあるないかだ。

何故このマイナスだけが小さいのか。

未完成なのか、何か問題があるのか。それとも......。

 

長門「......彼女たちのベース的存在」

 

なるほど。トラブルがあったわけでも成長過程でもなく、この子がマイナスのベース、いわばクローンたちの本体なわけだ。

本体であればそれ程成長はしていない方が良いだろう。クローン開発で恐らく急成長を遂げさせるプログラムを構築するくらいこの星の奴らなら容易いだろう。

しかし長い年月を考えればこのマイナスの本体であるこの子も歳をとる。なのであればベースは幼い方が良い、そういうことだ。

 

古泉「ベース......ですか」

 

ステイル「やれやれ。厄介なことになりそうだ」

 

建宮「なら今ここで倒してしまえば量産施設を止められるんじゃ?」

 

美琴「そうだけど、もしこの子が生身の人間でかつ何の罪も無い子で利用されているだけだとしたらそんな無慈悲なことは出来ない」

 

そりゃそうだ。

特に御坂さんは本人から聞いた妹達の件もあり、俺たちよりかは少なからずこの目の前の女の子を見てしまえばそんな強硬手段を取ることは出来ないだろう。

 

長門「しかしマイナスという存在は、私とインデックス(彼女)の細胞を摂取し作り上げられた存在。となればベースであるその少女が生身の人間であるとは考えにくい」

 

橘「じゃあどうするんです?このまま放置するわけにも“はいそーですか”と言って倒すわけにもいかないんじゃあ......」

 

あーでもないこーでもない。そんなやり取りを数分繰り返していたその時だった。

上条が御坂さんの発言に対し軽くおちょくった結果、御坂さんがビリビリし始め、それに驚いた上条が後ずさりをしたその足元に突起物の様な物があり、それに軽くつまずき壁に手を差し伸べたその先には、何やら得体の知れないスイッチ。

明らかに“絶対に押してはいけないボタン”の様な物。

しかし時すでに遅し。バランスを崩した上条の手により完全に押されているではないか。

その場にいる全員が何かを覚悟した顔つきにまっているが、決意というより“何が起こるのかはわからないけど、とにかくなんかヤバい” とか “あ、終わった”ということを感じ取った表情。

結果、噂の培養器のドアが突然開き、中にいた少女がゆっくりと目を開け、周りをキョロキョロ見渡し、俺たち一人一人の顔を見ているではないか。突然の出来事に絶句。誰一人として声を発しない。かと言って戦闘態勢を取っているわけでもない。所謂棒立ちである。

そんな中、その少女が培養器の中でフワフワ浮きながら静かに培養器から出て地に足を付けた。

何をすべきなのかがわからない。声を掛けるべきなのか戦うべきなのか逃げるべきなのか。

しかしそんな疑問を砕く発言をした奴がいた。そいつとは。

 

マイナス?「指示を......」

 

まさかの展開。一番初めに言葉を発したのは俺たちの誰かではなく、疑問視されている目の前の少女だった。

こいつは俺たちが何者なのかがわかっていないみたいだ。それどころか指示をくれと言っている。生物の授業だか理科の授業だか忘れたが、鴨やヒヨコが生まれて間もないころに目の前にいる生物を親だと認識すると言われている“刷り込み”というのがある。

 

上条「あ、いや......」

 

インデックス「どうするの?」

 

マイナス?「?......指示を」

 

首を傾げながら再び聞いてくる。恐ろしいキャラから今度は可愛い系にシフトしようと言うのだろうか。

口調などはマイナスに似ているというよりどちらかと言えば長門に似ている。

元々長門とインデックスの細胞で生み出された存在なんだ。似ててもおかしくはない。

今のところインデックス要素はないが。

インデックスの場合は魔術知識を狙われた、というのが本当のところだろう。

 

美琴「そ、そうね。ここで大人しく待ってられる?」

 

マイナス?「理解した」

 

そしてミニマイナスは俺たちに手を出してくることもなく、泣き出すこともなく、ただ立って静かに遠くを見つめている。

御坂さんの指示によりその場で静かに待っているだろう。

俺たちはその場から走りだし、奥にある階段に目掛けて走り出す。

 

上条「良いのか?あのまま放置して」

 

喜緑「変に刺激したり知識を与えたりしては弊害となる可能性もあります。このまま待たせておいた方が安心でしょう」

 

とこんな感じにこの場は丸く収まり俺たちは次なる階層へと進んでいった。

 

 

 

 

 

〜地下渓谷 最深部〜

 

15階から19階の話は簡略化して説明しよう。

量産施設はミニマイナスが居た階層で終了し、15階からは辺りが一変し、機械や設備だらけの部屋。恐らくは量産施設の為の物だろう。

変に壊す訳にもいかない。それが理由で敵が現れましたなんてのは死んでも避けたい。

だから俺たちは何もする事はなく、そのまま次の階段を目指してとことん走って来た。

そうして行き着いた階層で数えて地下20階。目の前にはやたら長い下りの階段。横に並べば人が2人は並べるであろうエスカレーターの幅くらいで、およそ100mくらいの長さで更に俺たちを地下へと誘う階段が目の前にあった。

 

キョン「長いな」

 

朝倉「......ここが最後かもね」

 

美琴「行くわよ」

 

俺たちはこの長い階段を降り始めた。1歩1歩足を運ぶごとに心臓が高鳴る。なんせ今まではこんな作りの階段は一切無かった。

となればこの先に創造主がいる、と思うことを誰が否定しようものか。

 

そうして降りきった先は真っ直ぐの通路。その更に先の方は広い部屋になっていてそこには人影が見える。俺達から見て後ろ向きの女性2人と得体の知れない者が対峙している。

間違いなくあれはハルヒと佐々木。その得体の知れない者が恐らく創造主。

 

キョン「あれだ!みんな行くぞ!」

 

ひたすらダッシュ。もはや気が付かれないように近づくなんて選択肢は無い。足音も気にせず俺たちはハルヒたちの元へと走っていく。

そしてたどり着いたハルヒたちの後方。何が起こっていたのかはわからない。

しかし事によっては一触即発かも知れない。

俺たちはすぐにハルヒたちを援護すべく目の前に立ちはだかろうとしたその時だった。

 

創造主「この身体が滅びても......精神は......ふめ......つ......」

 

と遺言らしきセリフを残して創造主は前のめりになってバタンと倒れた。

つまりはハルヒと佐々木が難なく倒した、ということになる。

さすがは2人の神。自身の能力を自覚していればもしかしたら能力を更に高めることが可能なのかも知れない。

 

ハルヒ「哀れね......こんなくだらないことに能力を使うなんて」

 

佐々木「本当に惜しいですね。真っ当に能力を使っていれば大きな成果を挙げられたのかも知れないのに......」

 

倒れた創造主に対して最後の言葉を掛けるハルヒと佐々木。

 

上条「おっしゃあぁぁ!!!」

 

その光景を見た上条が歓喜の余り叫び出す。その声に反応し、ハルヒと佐々木が驚いた顔で俺たちの方へ顔を向ける。

 

ハルヒ「あ、あんたたち!逃げなさいって言ったじゃない!」

 

建宮「まぁまぁ。もう終わったことだし気にしなくて良いのよなぁ!」

 

2人からすれば予想外なのだろう。俺たちは安全な場所へと非難させたはずだからだ。

しかも敵の本拠地に乗り込んできているんだからな。

 

ハルヒ「キョン......」

 

キョン「ったく」

 

ハルヒ「な、なによ!?べ、別にアンタに迷惑かけちゃったとか微塵も思ってないんだからね!団員が団長の事を助けるのは当たり前なんだから!!!」

 

こいつは相変わらず意味不明なことを述べやがる。

迷惑を掛けたというより心配を掛けたんだがな。

しかしまぁこのくらい元気な方がこっちは反って安心するというものだ。しおらしいハルヒなんてハルヒじゃない。

 

キョン「そうかい。まぁ助かって何よりだ。さて、用件は済んだ。ここから脱出するか」

 

ハルヒ「あら?アンタ......その胸ポケットにしまってある物は何?光ってるけど......ちょっと見せなさい!」

 

俺も気が付かなかった胸ポケットにしまってあったオーパーツ。それが光っている。

創造主を倒したからか。ただ単に通信機器として光っているのか。

 

キョン「あ、おい!」

 

ハルヒ「ふーん。綺麗だけどなんか変ね」

 

そんなに面白いものでもない。地上のメンバーと連絡を取れる電話の様な物だ。

しかしそのアイテムのお陰で俺たちはここまで来ることが出来、地上のメンバーとやり取りすることが出来たんだ。

そんなオーパーツをハルヒが俺に返そうとしたその時。俺の目の前で寝転がっている創造主の腕や脚がピクピクと動き始めているではないか。

 

?「肉体など所詮は飾り......」

 

そこには先ほどまで寝転がっていた創造主の死体が黒い光がまるで竜巻の様に創造主を覆い、それに包まれながら実体化されていないまるで幽霊の様に、身体が薄く透き通る存在が俺たちの前にいた。

 

?「我が名は創造神(クリエイター・ディアティ)。全てを造り替える者......」

 

戦闘態勢をまるで取っていなかったハルヒ・佐々木以外の全員は、奴の放った波動の様な力を真正面から受けてしまいその場で倒れこむ。

ハルヒと佐々木は先ほどまで戦っていたのが理由になるのかは知らんが、体内に残され高まっていたエネルギーが防壁となり何とか立っている。

 

ハルヒ「......まだそんなこと言ってんのねアンタ」

 

佐々木「創造主......いや、創造神!今度こそ私の手で消し去る!」

 

創造神に対して神人での攻撃、自身の身体全体からオーラを発してそのエネルギーで攻撃、手から波動を放出して攻撃など、短い時間で様々な攻撃を繰り広げたが、創造神に対してのダメージは一切ない。

身体は透けているのだが、当たってはいる模様。どんな原理で物理的に接触しているのかはよくわからんが。

 

佐々木「ダメです!創造神には私たちの攻撃が通用しません!涼宮さん!オーパーツを!」

 

ハルヒ「っ!」

 

言われた通り、ハルヒは俺から奪ったオーパーツを握りしめ、高々と掲げた。

オーパーツはより一層の光を増して輝きが部屋全体を覆うが、創造神に対しては何の効果もない。見間違いなんかじゃない。あのクリエイターには攻撃が通用していない。

 

創造神「......利用されていたお前たちが、オーパーツを使いこなすことなど出来まい。ただ空しく滅びるだけだ......」

 

周囲に集まるエネルギー。それに気が付いたハルヒと佐々木は創造神に攻撃を仕掛けるも案の定全く受け付けず、怯むこともなく、その攻撃は綺麗に消滅してしまった。

 

創造神「死ねっ!」

 

放った波動によりハルヒたちはおろか、俺たちまでその波動の余波である突風の巻き添えとなってしまった。

防壁を張ろうにも間に合わず、一人一人能力や肉体的力を行使して踏ん張ったり防御したりするも、その余りの力に全員吹き飛ばされ壁や地面に叩きつけられてしまう始末。

前方で戦っていたハルヒが俺の隣に吹き飛ばされ、その顔は傷つき流血している。

しかし俺の視界も徐々に赤く染まっていく。恐らく頭が切れているのだろう。唯一見えるのはハルヒが握りしめている拳が光っていることだけだった。

恐らくはオーパーツ。それが俺たちに何かを語りかけているのかも知れない。などと思っていたがダメージが酷く徐々に意識が遠のいていくのを実感する。

 

キョン「く......そ......」

 

上条「うそ......だろ......」

 

美琴「そ......そんな......」

 

インデックス「力の差が......」

 

長門「ここまで......」

 

創造神「悔やむが良い......苦しむが良い......そして滅びるが良い......全ては新世界のために......」

 

こいつの力はマイナデス以上。

愚かだった。仮にも宇宙の一つの星のトップである者にケンカを売ろうなんて。

浅はかだった。力の差はマイナスやマイナデスとの戦闘で、創造主いや創造神の力は予想しておくべきだった。

 

全員が全員、誰一人として立ち上がることも出来ず、これ以上言葉を発することも出来ず、ただただ創造神の描くストーリーに沿って俺たちは排除されていってしまう。命も体力も徐々に尽きてきている。

 

やはり甘かったんだ。俺ら十数人が集まったところでこんな神がかり的な存在の奴に勝とうなんて。

俺は既に諦めかけていた。

神と呼ばれるハルヒと佐々木も吹っ飛ばされ、超能力者である御坂さんや食蜂さんも瀕死の状態。それどころか俺の頼みの綱である情報統合思念体ですら地べたに寝っ転がっている。もはや手はない。誰一人として起き上がれる奴なんていない。

と、思っていたその時だった。俺の目の前でやたら輝いているハルヒの拳に握りこまれているオーパーツを通じて言葉が聞こえて来た。

しかも耳に聞こえてきているのではなく、俺の、いや俺たちの心の中に聞こえてきている。

 

 

 

 

 

フェブリ(生きて......)

 

ジャーニー(帰って来て......)

 

滝壺(この大地に......)

 

小萌(皆さんで待ってるですぅ~!)

 

谷口(そんな奴に負けるお前たちじゃねーだろ!)

 

湾内・泡浮(私たちも戦います)

 

みくる(また部室で会いたいですぅ~!!!)

 

アクセラレータ(くそッたれが......戻ッて来やがれ三下......)

 

黄泉川(諦めちゃダメじゃん!)

 

姫神(お願い。立ち上がって)

 

五和(皆さん......)

 

ジェーン(師匠......皆さん......私たちもついてます!)

 

オルソラ(神よ......我らの祈り......受け取りたまえ......)

 

 

 

 

 

今のは紛れもなく地上にいる仲間。その仲間がどんな手段かはわからんが俺たちがピンチなのを知っていてそれで暖かい言葉を掛けてくれた。

そうだ。俺たちは何もここにいるメンバーだけで創造神と戦っているんじゃない。そもそも間違っていた。

創造神ではなく、今回のこの件に関して仲間全員で戦っているのだ、と訂正する必要がある。その為のオーパーツ。

 

キョン「みんな......ありがとよ......」

 

俺はヨロヨロと立ち上がり、みんなの期待に応えるべく立ち上がる。

正直言ってもう体力なんてものは残されちゃあいない。ただこのまま寝て負けを認めるという訳にもいかない。

 

キョン「ハ、ハルヒ......」

 

隣で流血しながら寝そべっているハルヒに声を掛ける。

生きているのか死んでいるのか、それすらも不明だったからだ。

 

ハルヒ「キョン......これを......アンタが......使いな......さ......い......」

 

しかしハルヒは何とか一命をとりとめていた。だがそれも限界に近いのか、オーパーツを受け取ったが、ハルヒは拳を柔らかくパーにするだけで、渡すという行為はしていない。“手を広げてあげるからアンタが取りなさい”ってこった。

このオーパーツからは人類の期待や思想が込められている。どう武器にして使えば良いのか、果たしてそもそも武器なのか、それすらも理解できない。

が、このオーパーツからはみんなの祈りが聞こえる。今の俺にとってこれほど心強い物はない。

 

キョン「創造神さんとやら......負けるわけには......いかない......!!!」

 

戦う覚悟を決めた俺はオーパーツを握りしめ、幽霊的な存在である創造神にガンを飛ばす。

もがいてやるさ。最後の最後まで。ほんの一瞬でも良い。灯が弱くユラユラしている灯でも、全力で、死ぬ気で戦えば一瞬でもその灯は強くなるかも知れない。

 

閃光の様に。

 

そんな思いでオーパーツを強く握りしめる。そして再び地上のメンバーの声が俺たちの心へと届く。

 

 

 

佐天(皆さん!!!立ち上がってください!!!)

 

初春(私たち、待ってますから!!!)

 

鶴屋さん(こんなとこでへばってちゃダメっさ!あたしたちの力を送るよ!だから立ち上がって......戦うんさ!!!)

 

 

 

3人の祈りが生きる望みを与えた。

 

 

 

上条「そう......だよな......ここでオネンネしてる場合じゃねーよなぁ!」

 

インデックス「まだ.....なんだよ......まだ終わってないんだよ!」

 

ステイル「やれやれだね......倒すために立ち上がらなければならないとは」

 

 

 

神裂(皆さん!勇気を出してください!)

 

アニェーゼ(こっちは防衛が終わったんです!お願いですからそっちも終わらせちまって下さい!)

 

麦野(まだ貴方たちは負けてないわ。だから......自分を信じて!!!)

 

 

 

3人の祈りが耐える力を与えた。

 

 

 

橘「ここまで来たんだから......諦めきれないです!!」

 

古泉「ええ......もう少しですから!」

 

建宮「行くぞ......天草式十字凄教の誇り、今こそ見せてやるのよなぁ!!」

 

 

 

アクセラレータ(立ちやがれッ!てめェたちはまだ......戦えるッ!)

 

九曜(そう------あなた達はまだ------)

 

ラストオーダー(お願い......みんな生きて帰って来てって、御坂は御坂は願望を伝えてみたり!)

 

 

 

3人の祈りが立ち向かう勇気を与えた。

 

 

 

長門「まだ......戦える......」

 

朝倉「今までやられたお礼......」

 

喜緑「......返して差し上げます!」

 

 

 

黒子(ここが正念場ですの......皆さん!私たちの祈りを力に!)

 

削板(お前ら!根性出せ!根性が全てだ!!!)

 

警策(マァ頑張るしかないっしょ!力を送るから倒すこと、ダヨ!)

 

 

 

3人の祈りが踏ん張る根性を与えた

 

 

 

美琴「言われなくたって......わかってるわよ!!」

 

白井黒子「私だって......お姉さまと共に......あるのですから!」

 

食蜂「根性根性って......相変わらず......バカなのかしらぁ......」

 

 

 

佐々木(立ち上がるんだ!キョン!!!)

 

ハルヒ(キョン......アンタの想い......あいつにぶつけなさい!)

 

ヤスミ(こんな時こそオーパーツを使うのです!先輩!)

 

 

 

3人の祈りが奇跡を起こす力を与えた。

 

 

 

キョン「くっ......ったく......いつになったら平穏な生活が戻るのやら」

 

全員それぞれのエールを受け取りながらフラフラと立ち上がる。

体力は回復していない。しかしそのエールのお陰で気力は回復した。

体力が無ければ立ち上がることすら出来ないと思っていたが、そうでもない。気力さえあれば体力を底上げすることが可能だと言うことが俺は理解できた。今まさに体験していることだからだ。

 

キョン(ありがとよ。みんな。)

 

俺はハルヒから譲り受けたオーパーツを再度握りしめた。

地上に居る人たち、北高にいる仲間、そして今ここにいる仲間の希望を全て託して。

これまでの戦い、傷ついた仲間、倒した敵、地上の生物や植物も含めて俺は頭の中に描いていく。このオーパーツに俺の全てを込めて。

 

そしてオーパーツからより一層、激しい光へと俺の拳の中で成長していく。

目も開けていられない程の輝きだが、何故か俺にとっては眩しくはない。周りを見れば俺だけではなかった。

これほどの輝きなのに誰一人として目を閉じたりはしていない。全員が創造神を睨みつけている。

唯一この光が眩しいと思っているのはただ一人だけだった。

言うまでもない。創造神だ。奴にとってこの光は弊害でしかないということだ。

 

この光は俺たちと俺たちの仲間の想いが作り上げたもの。これが武器。これが力。

それが理解出来ない創造神からすれば明らかに邪魔な物だろうこのオーパーツは。

 

握りしめていた光が閃光の様に俺の拳から、創造神に目掛けて放たれていく。

そしてそれが着弾し、創造神自体も全身が光に包まれていく。

 

創造神「ギ......ギ......ゲ......ゴ......」

 

光を浴びて苦しむ創造神。しかしそれはその幽霊体形を維持することが難しいだけであって、ダメージを与えているわけではなさそうだ。何故そんなことがわかるのかというと、その光を浴びたことにより幽霊的存在だった創造神が徐々に姿を現し始めているからだ。

 

美琴「なに......あれ......」

 

その姿に恐怖を覚えるのもムリはない。

背中からは大量の触手の様な物が生え顔が無い。

無い、と言うより目や鼻、口と言った必要最低限のパーツが創造神には無いと言う言い方の方が伝わるか。

しかし身体はある。細く華奢でどちらかと言うと美しい。こんな状況でこんな感想で馬鹿馬鹿しいがそう思ってしまう。大量の触手の中に下半身が埋め込められていて、上半身は触手の外へと出ている。触手の数は無数。

どんな化け物なのかは見た目でしか判断できないが、簡単に倒せる相手じゃあない。

そんな実体化した創造神に今からケンカを挑もうと言うのだ。こんちくしょう。

 

創造神「覚悟せよ......愚かな人間共よ!!!」

 

to be continued......




予定ではあと3~4話でこの小説は完結となります。
あと少しですが、是非最後までお付き合いください!

宜しくお願い致します。
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