SS 紅き星の暴走 涼宮ハルヒの憂鬱×とある魔術の禁書目録 作:はるかさん
とある魔術の禁書目録編は別ストーリーとなります。
とある編とリンクしている箇所もあり、最終的にはハルヒ×とあるシリーズ編となります。
2話はα話、β話の2種類がありますが、どちらを先に読んでいただいてもストーリー上の問題はありません。
※一応改善済※
ここは......どこだろう?
あたしは......一体......。
どこかの......塔?
紅く光って......学生たちが入っていく?
あれは......踏切?
藤原さんと九曜さんがいる......あの女の人は誰なんだろう?なんか刃物持ってるけど......。
星......?
紅い星......
............ぁ、あ、あぁ、いやあぁぁぁぁ!!
橘「はっ!?」
悪夢の様な夢に安眠を阻害されて、ガバっと起き上がった。おかげで目が覚めてしまいなんだか損な気分になってしまったあたしを誰が咎められよう。
でも変にリアルな夢だった。
1つ目の風景は、あたしはどこか知らない土地にいて、目の前には輝いている塔が建っていた。そしてそこへ制服を着た学生たちが入って行くのが確認出来た。
2つ目の風景は、どこかの踏切で九曜さんが誰だかわからない女の人と踏切を挟んで対峙していた。藤原さんは動けなかったのか、または気絶しているのか、その女の人の横で跪いていた。
3つ目の風景は、ただただ紅い星が映し出されていた。
必死に夢を思い出している最中、一気に昨日の出来事があたしの中で蘇る。
そう。昨日あたしの能力が消失したことを相談するために佐々木さんたちと喫茶店に行き、そこで一人の少女が現れ閉鎖空間へと誘われた。
そしてその場所に九曜さんだけが取り残されてしまい、佐々木さんと藤原さんは気が付いたら姿を消してしまっていた。
そしてあたしだけがまともに脱出でき、助けを求めて北校のSOS団部室に行き、キョンさんと朝倉さんが居てそのあと星が輝いて気絶した。
改めて整理してみると、本当に非日常的な出来事だとしか思えない。
しかし思い出してしまった以上は皆の安否確認をする他ない。
橘「とりあえず連絡取る他ないよね......」
3人に電話をしてみたけど、繋がらない。
コールすら鳴らない。直ぐに留守番サービスセンターに繋がってしまう。
連絡が取れない以上は確認を取ることは出来ない。直接会うにもどこに行けば皆と会えるかなんて知らないし、そんな取り決めをしていたわけでもない。
何気に時計を見たら午前10時であり、北校に行き再び助けを求めるのは必然だと思ったがまだ放課後ではない。放課後まで待つしかない、それまでは家で待機していようと思っていたが、あることを思い出した。
橘「そうだ......さっきの夢......あそこの踏切って光陽園学院の近くのだよね......」
そこの踏切は確かその場所。
行ってみよう。このままあたし一人で抱え込んでても進まないし、何より佐々木さんたちを探し出さないといけない。
急いで支度をし、夢で見た踏切へと向かって行った。今のあたしに取っては可能性があるものは何でも信じ、実行しなければ他の道が切り開けないと考えていた。
喫茶店に向かう途中の風景。それはいつもの風景と何ら変わりない。
道路、マンション、草木や川のせせらぎの音。そして道行く人々に交通量の多い大きな国道。
昨日の出来事がまるで嘘のような日常風景。
しかしこの風景は、いずれ日常で無くなる。そうでなければあの少女が突如現れ九曜さんと異空間バトルを繰り広げる出来事が起こり得るはずがない。
そんな考えをしていたせいか、間違いなく踏切に向かっていたのに何故か昨日の駅前の喫茶店の目の前であたしは立ち止まっていた。
ちなみに何故喫茶店に向かったのかとあたしに聞かれても答えられない。何故ならあたしは踏切に向かって行く意思はあったから。にも関わらず、結果喫茶店に着いているということは、当事者のあたしでも理解が出来ない。
そしてこの喫茶店は少女が現れ異空間バトルの会場でもある。無論周辺の警戒は怠らないし、何か特別な結界や能力をこの喫茶店に植え付けているかも知れない。
念入りにその周辺を見回し様々な確認を行ったが特に異常はない。
しかし念入りにチェックしたところで、あたしの目的地はここではない。だから無理に確認をする必要はない。そして入る意味も無い。そう、意味は無いはず。
なのに、何故だかこの喫茶店に入らなければならないと、頭でも無く気持ちでもなく、ただの直感でそう思い込んでしまい、あたしの足は喫茶店に歩き始め、ついには入口の扉の取っ手に手をかけ、そのまま押していた。
~駅前喫茶店~
入るなり、いらっしゃいませ、とウエイターが対応してくれた。
ありがたいけど特に用は無い。涼みたくてとか、喉が渇いてとか、そう言った明確な理由があって訪れたわけではない。ただただ入らなければならない、という直感だけでここに来たから、対応してくれたところで席に座るつもりはなく、あたしの気のせいだとわかれば今すぐにでもここから出て行くつもり。
見渡した限りだと、どうやらあたしの思い過ごしみたい。店内の雰囲気は明るく、他のお客さんの話し声や笑い声が聞こえてきて、まさに平和そのものの場所。
"すみません結構です"と頭を下げながらウエイターに声を掛けた。しかし顔を上げると目の前のウエイターは笑顔のまま表情が固定されていることに気が付く。
橘「あの......もしもし??」
声を掛け、ウエイターの顔の目の前で手を振るが依然表情は変わらない。
それどころか、さっきまで賑やかだった店内は何があったのか、一瞬で静まり返っていた。会話中に身振り手振りで話していたのか、両手が斜め上や下の位置で止まっていたり、あくびをしたまま止まっている男性、目と目を合わせながらカップルドリンクを飲んでいる男女。全員が全員、まるで時間を止められたかの様な、凍らされたかの様に固まってしまっていた。
橘「なに......どうなってるの?」
自分で言うのもなんだけど、疑問に思うのも無理はないと思う。
こんな光景見た事がない。
考えれば考える程、次第にこの場に留まることが怖くなり、あたしは後ろの扉を開け外に出ようとしたが、無音の店内で足音があたしの耳に響き渡って来た。
無音の店内に足音。それはつまり、あたし以外にもう1人だけこの状況で動いている者がいるということ。
可能性として考えられるのは、店内の時間を止めた黒幕。振り返りたいが、この足音の正体があの少女だった場合、最悪の展開になり兼ねない。しかし同時に振り返って顔を確認したい、との思いもあった。
自分の中で、天使と悪魔が戦っているなか、足音が止み、その人物はあたしに声を掛けて来た。
?「待っていた」
ここまで来たらもう振り向くしかない。
あたしは勇気を振り絞ってバッと振り返り、その人物の顔を拝むことに成功。
その人物とは......
橘「九曜さん!良かった!無事だったのね!」
昨日この喫茶店、と言うより閉鎖空間で謎の少女と戦っていた九曜さんだった。
見た限り外傷は一切ない。あの少女との戦いに勝てたのか、それとも少女は逃げたのか、人外生命体である九曜さんの強さを改めて実感する。
九曜「私は大丈夫------彼女は消滅した」
やはり九曜さんが撃退した。消滅したってことは言葉は悪いけど、殺せたのか倒したのか。どっちにしても九曜さんの勝ち、つまりはあたしたちの勝ちであると言うことだ。
その点は安心出来たけど、残る2人の生存はまだ確認できていない。そしてもう1つ確認しておきたいことがある。
橘「この状況は......九曜さんが?」
それはこの無音の店内を造り出したのは九曜さんなのかどうか。
九曜「話の邪魔はされたくない、聞かれたくもない」
つまり時間を止めているのか凍らせているのかはわからないけど、この状況を造り出したのは九曜さんということになる。
そして次に確認したいことを九曜さんに質問する。
橘「佐々木さんと藤原さんは!?」
九曜「わからない------」
橘「そっか......でも九曜さんだけでも無事で本当に良かった......」
九曜「あり------がとう------」
あたしは心から安堵していた。
一人のままなのではないか、自分は助かったのに他の3人は助からなかったのではないか。罪悪感で押し潰されそうになっていたが、九曜さんが無事だったことにより、そのプレッシャーから解放される。
橘「九曜さんはあのあとどうしてたの?」
九曜「私は------」
九曜さんはあの後、一人閉鎖空間に残り少女と戦っていた。
少女は九曜さんが何者なのか全く掴めないらしく、何度も身分を聞いていたみたい。
警察じゃないんだから。
九曜さんも少女が何者なのかはわからなかったみたい。九曜さんは少女は恐らくクローンと言っている。
橘「って、クローン!?」
クローン。つまり最悪のケースだと、あの少女は量産されている可能性がある、ということになる。
昨日のお昼頃に、あたしたちはあの少女と出会った。そして閉鎖空間に誘われ、九曜さんだけが少女と戦闘を行い消滅させることに成功した。
だけど、その後あたしはSOS団部室に行き、キョンさんと朝倉さんとコンタクトを取り、その会話の中ではキョンさんたちもあの少女とSOS団部室で出会っていた、と聞いた。
でもその時間は、こっちではあの少女は九曜さんと戦闘を続けていた、または既に九曜さんが消滅させていた、となるはず。
つまりキョンさんたちとあたしたちが出会った少女は別の存在である、ということになる。つまり現段階では、あの少女は2人以上いたことになる。
そして九曜さんは少女を撃退後、閉鎖空間が自動的に無くなり、脱出したらそこは駅前公園だったらしい。
その近くにも閉鎖空間があったみたいだけど、九曜さん一人では入ることが出来ず、断念したとのこと。
そして閉鎖空間から出て、私の後を追って北校に向かっている途中で紅い星が現れ、気絶してしまった、っとこう言う話を聞かせてくれた。
橘「九曜さん。あたしの情報も貴女に伝えておくね」
九曜「わかった------」
あたしは九曜さんに説明をし、情報を共有した。
先程考えたクローン説からのあたしが持っているSOS団部室での情報。
しかしさすがの九曜さんでも、情報を提供しても確信は得られない様子。
当たり前と言えば当たり前。情報が少なすぎる上に証拠なんて何もない。
九曜「現段階では考えていてもわからない」
橘「とりあえず進むしかなさそうだね......」
九曜「そう。今はそうするしかない」
橘「じゃあ九曜さん、私に付いてきて欲しいんだけど良い?」
九曜「了解------した」
あたしは夢で見た踏切の場所へ行こうと思う。
あのときは九曜さんは居たから連れていかないと夢の通りにはならない。
はっきり言って現実を夢に合わせるだなんて馬鹿馬鹿しい。
あたし自身、そして九曜さんにもこれから起こる、というよりこれから巻き込まれる出来事自体が今まで味わった事がないくらいの体験をすることになるとは思ってもいなかった。
~踏切~
ようやく踏切までたどり着いたあたしと九曜さん。
その踏切には一人の女性と藤原さんが居た。その女性とは、髪は緑色で制服は北高の物。となるとこの人は北高の生徒であの少女と何かしらの関係性があるとしか思えない。
?「......」
藤原「......」
夢で見た光景そのもの。藤原さんは気を失ってるらしく、微動だにしない。
橘「藤原さん!!」
九曜「今すぐその人間を解放して------貴女は危険性が高い」
?「断る」
九曜「貴女は確か以前ここでの戦闘の時に介入し、中断させた人」
?「なんの話か?未来人であるこの人間は私の獲物」
九曜(これは------前にも------)
突然相手の人が九曜さんに対して攻撃を仕掛けた。宇宙人対宇宙人だかなんだかわからないけど、九曜さんも凄いし、相手の人も強い。
あたしも九曜さんを援護してあげたいけど、能力を失ってる今のあたしではただの人間に過ぎない。つまりは100%足手まといな存在。
?「周防九曜......お前はこの人間をどうしたい?殺したいか、生かしたいか?」
九曜「質問の意味が不明。人間とはなにか------生かす、殺すとは何か------答えよ」
?「断る......これで終わりだ」
両手にエネルギーなのか能力なのか、若干輝いている両手を九曜さんに向けて、そこからレーザーみたいなものを撃ち出した。
そしてそのレーザーは九曜さんに直撃し、貫通していき後ろの道路に当たり爆発を起こした。
しかし肝心の九曜さんは倒れることもなく、痛みや血を流すことも無く、そのままスーっと消えていった。
九曜「いいえ、終わるのはそっち」
?「!」
そして相手の真上から九曜さんがそのまま両足蹴りで相手の頭上に落下。
何が起きたかと言うと、相手が攻撃した九曜さんは残像であり、本物の九曜さんが相手に攻撃をした、ということ。
そしてその蹴りを受け、倒れるのと同時にその人物は消えていってしまった。
橘「九曜さん!大丈夫!?」
九曜「平気------それより彼」
橘「藤原さん!藤原さん!!」
藤原「ん......」
橘「良かった!気がつきました!」
藤原「ここは......僕は何でここに......?」
橘「藤原さん、昨日あのあとどうされたんですか?」
藤原「あのあと......気がついたら僕は道路で倒れていた。目覚めたときはもう真っ暗で、一旦家に帰って、起きたらここにいた」
おそらく藤原さんをここに連れてきたのは先程の女性であることは間違いなさそうね。
でもなんでわざわざ人質なんかを取ったのかがわからない。人質を使うようなことなかったのに。
とにかく今はお互いが持っている情報を交換した方が良さそう。何か掴めるかも知れないしね。
九曜「私は今の戦いで思ったことがある」
藤原「なんだ?」
九曜「歴史が繰り返されている可能性がある」
橘「どういう......こと?」
九曜「あの少女によって生み出された世界------情報統合思念体が再びここで私の前に敵として現れた------そしてこの状況------」
藤原「可能性は高いってことか…」
歴史が繰り返される。
あたしは九曜さんが何を言っているのかさっぱりわからなかった。
今戦ったことが昔にも同じようなことがあったと言うことになる。
藤原「とにかくこれからどうするかが問題だな」
橘「......北高に行きましょう」
何が起こっているのかは定かではないけど、1つでも多く仲間を集める為、そして情報を増やすため、今はもう一度キョンさんたちと会い合流することが第一。
九曜「彼等と------会う」
橘「今から行けば下校時刻には着くから急ぎましょう!」
これから先、私たちに何が待ち受けているか、佐々木さんやSOS団の人たちは無事なのか、そして私の能力はどうなってしまうのか。
不安と恐怖に頭を支配されそうになったが、仲間を救うため、自分の力を取り戻すため、あたしたちは北高に向かった。
to be continued......