オレがサッカー部のマネジメントをしたら!? 作:ユーチャロー
1回戦は女子高生の寄せ集めのチームで実力も強豪校レベルで苦戦し2-0で勝利した。しかし、ボール支配率は少なく守備する機会が多く体力を消耗が激しかった。
2回戦の相手は社会人女性達の寄せ集めで実力はそこまで高くないが、ソサイチに遊びに来た雰囲気を感じるチーム。しかし、翔平は油断出来なかった。歩美達の試合も見ていたが周りのチームの様子も観察していた。格下でもスポーツ経験者みたいな動きをして運動神経は悪くなかった。体力が削られ思うように動けるかが焦点になる。そこで翔平は彼女達に次の試合の指示を伝える。
翔平 「次の対戦相手は実力はそこまでないが…彼女達は疲れている様子がない。オレの主観だが全員スポーツ経験者みたいだ。なるべく体力を温存するコンパクトな戦い方をする。次の試合はフォーメーションや作戦は自由にやると良い。」
(時には彼女達が考えてゲームをさせるのも悪くない。キャプテンの歩美と司令塔のエレナさんに試練を与える。この2人がどういうゲームを組み立てるか。見所だ。)
夏海 「自由なら!私…試合に出たい!」
善子 「私も…出たい。」
冬華 「わ…わたしも…出たいです!」
初心者3人組はやる気マンマンな様子だった。
歩美 「わかった!なら…私は控えにいるよ!」
他の7人はキャプテンが出ないことに驚く。真美がすぐ反論する。
真美 「キャプテンが試合に出ないのはおかしいでしょ!それに…貴女が1番体力があって動けるのに!」
由希奈 「真美と同意見!まさか…楽しようとしてるんじゃないの〜?」
綾香 「歩美!どーしたの?いつもの貴女なら試合に出たがるのに!」
エレナ 「どうしてですか?」
歩美は自分の想いを全員に話す。
歩美 「皆んなのプレーを外から見てみたい!ピッチ外で新たな発見があるかもしれないし…キャプテンだからこそチームを見守ることも大事だと思う!」
歩美の熱い想いに誰もが反論しなかった。
翔平 「オレも歩美の意見に賛成だ。」
真美 「わかったわ。ならば…代わりにエレナさん。キャプテンマークつけてもらって良いですか?」
エレナ 「わかりました!」
歩美はエレナの二の腕にキャプテンマークをつけて2試合目に挑む。エレナは作戦を伝える。
エレナ 「どんな相手であれ私達は本気で行きます!DFは綾香さんと私が守ります!2列目と前線に関しては自由にやって良いです!しかし、由希奈さんが主体で攻撃組を指示してもらって良いですか?」
由希奈 「わかったわ!夏海!冬華!善子!点をとるわよ!」
夏海 「もちろんよ!」
冬華 「はい!」
善子 「うん…。」
ホイッスルが鳴り2回戦が始まる。
歩美と翔平は彼女達の試合の流れを見ていく。
翔平 「歩美。よく言ったな。」
歩美 「えっ…。」
翔平 「キャプテンだからこそチームの見えない部分をピッチ外から見る。それは…これからお前達が強くなる為に必要なことだ。この試合を見て感じたことを今後の練習に活かすことが出来る。ちゃんと見るんだぞ。」
歩美 「うん!」
(お兄ちゃんに…久しぶりに褒められた!)
試合開始早々。由希奈がマイボールで攻め上がる。左に善子。右に夏海が一緒にゴールに目指して走る。由希奈は相手選手をかわし1人で上がる。
(確かに監督の言うとおりに…対したことないわね。なら…ここは夏海にシュートを打たせよう。)
由希奈は夏海にパスをおくり夏海がボールを受けとりシュートを打つ!しかし、相手ゴールキーパーがキャッチする。
「危なかった…。投げるよー。」
キーパースローするが、綾香がクリアをしエレナにボールが渡り由希奈にパスをおくる。
「善子!」
善子にパスをし得意なドリブルスキルで2人の選手を軽々とかわしキーパーと1対1になる。シザーズでキーパーもかわしそのままゴールイン。善子の個人プレーで点を決める。
善子 「やった…。3人抜き…。」
由希奈は善子にハイタッチする。
由希奈 「やったわね!さすが善子!」
善子 「うん…。」
夏海は不安そうな表情をした。
(なんで私にパスをよこさないのよ!)
冬華は夏海の不機嫌な表情を見た。
(夏海…。)
その後。前半は一方的な攻めでいつの間にかスコアも5-0で善子が2得点で由希奈が3得点を決めハットトリックを達成。格下の相手で簡単に点がとれる。
ハーフタイムに入ると由希奈と善子は満足そうな表情をしていたが、堂安姉妹は満足していなかった。綾香とエレナ、真美の守備陣は前半のプレーを振り返り会話してた。このチームの雰囲気を見た歩美は話しかける。
歩美 「皆んな!お疲れ!皆んなに1つ話したいことがあるんだけど!」
エレナ 「なんでしょうか?」
歩美 「ハッキリ言うわ!守備陣の連携が良く無失点で抑えられたけど…攻撃陣の連携は良くないよ!」
由希奈 「えっ?なんで?私と善子が点とってるし…5得点もとれてるから良いじゃない!」
歩美 「違うよ…。由希奈ちゃんはずっと善子ちゃんにしかパスしてないし…善子ちゃんに関しては個人プレーが目立つ!夏海ちゃんや冬華ちゃんに全然パスをしないよね!」
由希奈 「だって…善子がボールを持てば自然と前に行くじゃない?自由にやれって言われてるから自由にやってるんだけど?」
歩美 「お兄ちゃんは自由にやれと言ったけど…でも…サッカーは全員の力を合わせないとダメだよ!確かに善子ちゃんがボールを持てば安心かもしれないけど…でも…夏海ちゃんや冬華ちゃんもチームメイトなんだから…パスを出してよ!」
由希奈 「言ってることが矛盾してるよ。歩美。夏海や冬華にパスをしても勝てる保証はあるの?実際善子と私か5得点とって結果を残している!歩美。あんたは試合に出てないから偉そうなことを言ってるかもしれないけど…貴女も試合に出れば良いじゃない。」
歩美 「由希奈ちゃん…。」
真美は由希奈の暴走を抑えた。
真美 「由希奈。確かにお前が悪い。夏海や冬華も一生懸命パスを要求してるのにパスを出さない。それは…お前が信頼すべきチームメイトにしかパスを送らない。そこを歩美が指摘してる。」
エレナ 「私も…なるべく夏海さんや冬華さんにパスを出しました。確かにボールをとられるシーンが多かったかもしれませんが…頑張ってボールを追っていましたし…やる気に溢れていましたよ。由希奈さん。貴女の言いたい気持ちはわかりますが…私達はこれからサッカー部として活動するのです。だから…チームメイトと仲良くやりましょう。」
綾香 「私達は経験者だから…初心者の夏海や冬華に頼れないのもわかるかもしれないけど…でも…同じチームメイトだから少しは信じてみたら〜。」
あまりにバッシングされている由希奈は頭が上がらなくなる。
翔平 「由希奈さん。僕が自由にやれというのも君達を試したかった。オレが指示しなくてもどこまでやれるかを見てみたかった。だが…オレの予想は超えて歩美がこの試合を見たいと志願した。キャプテンの責務をこなすにはチーム全体を見ないといけない。たがらこそ歩美は控えにいる。それでキミ達の前半のプレーを見て歩美はアドバイスをしているんだ。」
由希奈 「歩美…。ごめん。私がバカだったね…。それに夏海と冬華。ごめんね。」
夏海 「もう…。私達が初心者だから頼りないかもしれないけど…私は真剣だから!」
冬華 「うん…。大丈夫だよ…。」
由希奈 「2人ともありがとう。後半も暴れるわよ!!」
選手達 「おおお!!!」
キャプテンらしい仕事が出来たと歩美は安心した。翔平は歩美の頭を撫でる。
翔平 「良くやったな。歩美の一言でチームの雰囲気が変わった。それでこそキャプテンだ。だから…自信持って責務をこなすんだ。」
歩美 「うん!」
後半が始まるとチームの雰囲気が変わり生き生きとしたサッカーでリズムを作る。その後。由希奈が2得点。夏海が1得点決める。
冬華は攻めるより守る方が多かった。そこで翔平は冬華のプレーを見て感じた。
(なんだろ?この献身的な守りにあの危機対応能力…それに守備反応も悪くない…。もしかして…彼女は…。)
そのまま試合が進み8-0の大勝利で2回戦が終わる。選手達は笑顔でベンチに戻る。
由希奈 「5得点決めたわ!やっぱり…女は攻めないとね!!」
真美 「また…すぐ調子こくんだから。」
エレナ 「良いじゃないですか。活躍したので…。」
綾香 「やったわ!大勝利〜!」
善子 「今度は何人抜き出来るかな…。」
夏海 「今回も決めたわ!次も必ず得点を決めてみせるわ!」
冬華 「はっはっはっ…。久々にこんなに走ったよ…。疲れた……。」
歩美 「みんな良かったよ!次も勝とうね!」
すると翔平は冬華を呼んだ。
冬華 「監督さん…。何ですか…。」
翔平 「キミの才能を活かしたいと思う。ここだけの話だが…明日からキミに特別メニューを与える。もしかしたら…キミはアンカーに向いているかもしれない。だが…現在のキミの体力ではアンカーを任せることが出来ない。特別にキミに体力増強プランを実行する。それで…キミはこのトレーニングをしたい?これは僕が高校時代にやらされたトレーニングでかなりハードな特訓だ。それについていくメンタルがないとついていけない。どうする?」
冬華は考える。
(夏海があんなに活躍して…私は…何も出来ていない…。サッカー部に入部したのも自分を変えたいから…。だからわたしは…。)
冬華 「やります!」
翔平は再度聞く。この特訓は並大抵のトレーニングでないことを経験してるからだ。
翔平 「本当にやるのね?」
冬華 「はい!監督が私のことを期待しているなら…やります!」
(彼女にとってターニングポイントになるかもしれない。なら…責任を持って彼女を育成する!)
翔平 「わかった。では…早速キミに最初の試練を与える。次の試合…走り続けろ。歩くのも給水も禁止だ。良いかな?」
冬華はハードな試練に涙が出そうになるが…やると決めたならやるしかないと感じ返事する。
歩美 「わかりました!」
翔平 「よし。今は休憩するんだ。」
次の試合に向けて彼女達は休むのであった。
次回話に続く…。