オレがサッカー部のマネジメントをしたら!?   作:ユーチャロー

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ソサイチ 後編

2回戦は女性社会人チームと対戦し8-0で大勝。チームの士気が上がる。翔平は冬華のプレーを見て彼女の才能を開花させるために特別メニューを命じた。冬華はストレッチと水分補給を入念にし次の試合に備えるが、基礎体力がなくだいぶ疲労が溜まっていた。それに気づいた歩美は冬華に話しかける。 

 

歩美 「冬華ちゃん。だいぶ疲れている様子だけど…次の試合…休む?」 

 

冬華 「いえ…。次の試合出ます…。」 

 

歩美 「そう……。きつくなったら言ってね。」 

 

冬華 「わかりました…。お気遣いありがとうございます…。」 

 

 

そして、翔平は次の試合の作戦を伝える。

 

 

翔平 「次の試合は少し変えて…2-3-1で後ろに綾香さんとエレナさん。2列目の左は善子さん。真ん中は冬華さん。右は歩美。ワントップは由希奈さんでいく。今回は中盤の人数を増やす。善子さんと歩美はアタッカーで前線にボールを繋ぐように。冬華さんはアンカーで。」

 

善子 「あの…。アンカーとは何ですか?」

 

翔平 「アンカーは簡単な例を言うが守備の最初の砦だと思えばわかりやすいだろ。後ろの綾香さんやエレナさんの守備を軽減させるため2列目で攻撃を阻止する選手のことなんだ。だから…アンカーはサッカーで1番忙しいポジションなんだ。これはあくまでも練習だからスタミナと守備力を鍛える。」 

 

善子 「なるほどね…。わかりました。」 

 

歩美 「私は守備するの!?」 

 

翔平 「お前の場合はディフェンスが少し下手だからこの試合で意識してほしい。でもアタッカーだから攻める時は攻めるんだ。」

 

歩美 「わかった!」 

 

冬華 「……。」 

 

由希奈 「私はずっと前線にいれば良いのでしょ?」

 

翔平 「そうだね。状況によっては守備にも協力してほしい。」 

 

由希奈 「わかったわ。」 

 

綾香 「私達は後ろで構えていれば良いのでしょ?」

 

翔平 「そうだけど…なるべく最終ラインを越されないように2人で工夫してほしい。それに…冬華さんのカバーに入らなくて良い。」

 

綾香 「どうゆうことよ。冬華は初心者よ。そもそもなんで難しいポジションを彼女にやらせるのよ?私でも良いんだけど。」 

 

翔平 「これは冬華を鍛えるために必要なことなんだ。今は試合に集中してほしい。」 

 

綾香 「……。わかったわ。」 

 

 

3試合目の相手は男性でソサイチ経験者の寄せ集めチームである。歩美は相手チームのキャプテンと握手をすると…。 

 

「キミは!歩美ちゃんだよね?」 

 

歩美 「あっ…はい。そうですが…。」 

 

「覚えているかな?ユースの時に男女混合で練習した時に一緒に基礎練した…中嶋光輝だよ!」 

 

歩美 「あっ…!思い出した!中嶋君ね!」

 

中嶋 「覚えてくれて良かった…。まさか…歩美ちゃんとこんな形でまた会えるなんて…想像していなかった!」 

 

歩美 「中嶋君は今…何をしてるの?」 

 

中嶋 「今…オレはスポーツ医療の専門学校に通ってる!歩美ちゃんは?」 

 

歩美 「私は学生です。私も同じスポーツ医療の勉強をしているんです!」 

 

中嶋 「そうなんだ!また後でゆっくり話そう!よろしくね!」 

 

 

ホイッスルが鳴り試合開始! 

 

 

まず歩美達は様子を見ることにする。相手チームがどのようなサッカーをしてくるのかエレナは分析する。冬華は試合開始と同時に相手選手のボールしか見ておらず…ひたすら追いかけて守備をする。冬華はスライディングをし相手選手からボールを奪う!

 

冬華 「奪います!」 

 

そして、冬華は左サイドにいる善子にパスをおくる。善子はボールをキープし次々と相手選手達を置き去りにする! 

 

「なんだ!このフェイントは!」 

 

善子は考えた。 

 

(この場合…由希奈さんにパスするべきか。このまま私が攻めるか。) 

 

由希奈 「こっち!」 

 

善子はマークを外しフリーになる。善子はグランダーのパスで由希奈に出すが…。

 

「させるか!」 

 

相手キーパーが飛び出しボールをキャッチ! 

すると、キーパーのロングスローで一気に相手FW選手にボールが渡るが…冬華が必死に追いかけてボールカットする!この圧巻なプレーに翔平は狙い通りと確信する。 

 

(やはり…ボールを必死に追う姿は彼女にしか出来ない特権。守備力を鍛えればきっと彼女は…。) 

 

冬華は歩美にパスを送り歩美は前線まで上がりチャンスを作る。そして、歩美は逆サイドから走ってきた善子にクロスを上げるが…善子に届かずクリアされる。攻めても思うようにいかずオフェンス陣は焦り出す。

冬華はずっと走り続けているため息切れをする。冬華が止まろうとすると翔平は怒鳴る。

 

翔平 「冬華さん!脚を止めるな!ずっとボールを追い続けるんだ!」 

 

冬華 「あっ……。はい……。」 

 

 

隣で試合を観戦してた夏海が翔平にキレる。 

 

 

夏海 「あんた!正気!!」 

翔平 「僕はいつでも正気ですよ。」

 

夏海 「何故…ずっと走っているのよ!!あれじゃ…冬華が倒れるよ!」 

 

翔平 「その時はその時だ。」 

夏海 「あんたねー!」 

翔平 「これは練習だ。」 

夏海 「練習…?」 

翔平 「彼女に試練を与えている。」 

夏海 「試練?」 

翔平 「ああ。それは今は言えない。」

夏海 「貴方…意外と秘密主義なのね…。」

 

その後。冬華は走り続け守備に貢献する。

綾香やエレナの守備の連携が厚くシュートを打たせないように守り続けた。善子や歩美も守備をするが…チャンスがあれば前線に上がり攻め続けた。由希奈も4本のシュートを打つが相手キーパーがセーブをし得点がとれない。しかし、相手チームのペースでボール支配率も良い。歩美達は守備をしてカウンターする戦術に切り替えるが…なかなかうまくいかない。そうしているうちに前半が終了。冬華はすぐにボトルの水を飲んだ。翔平はチーム全員に後半の立ちまわりを伝える。 

 

翔平 「前半戦は皆さんの守備連携が良く無失点に抑えられた。しかし、これで満足してはいけない。相手も後半からはヒートアップしてくるだろう。それに…3試合してるから疲労も溜まってる。それは相手も同じ。だから…最後の1秒まで戦いきろう。後半は善子さんを下げて夏海さんを入れる。今までは守備に徹底したが…後半戦からは攻める。前に由希奈さんと夏海さんを中心にドンドン攻める姿勢を保とう。歩美と冬華さんはボランチ的存在で攻守動いてほしい。綾香さんとエレナさんは今まで通りに守備に集中してほしい。エレナさんに関してはスペースがあれば上がって良い。最後の25分間…戦うぞ!」

 

チーム全員 「おーーー!」 

 

チームに作戦を伝えると翔平は冬華を呼び出した。 

 

翔平 「冬華さん。走り方のフォームを変えた方が良い。余計な力を使っている。走るフォームをしっかりすれば余計な力を使わずにスムーズに走れる。あと…腕をよく振ると良い。」

 

冬華 「アドバイス…ありがとうございます…。」 

 

翔平 「前半は良く相手選手を追ってボールを奪ったシーンがあった。後半もその調子で頑張ってほしい。あと…立ち止まらないこと。」

 

冬華 「……。はい。」 

 

後半戦が始まる。

 

序盤から翔平の言われた通りに攻撃重視で攻め上がる。歩美がドリブルで攻め上がり夏海や由希奈にボールが集まるようにパスを出す。しかし、相手は男性でありフィジカルはもちろんだが…タックルの勢いや体力的な部分で勝り苦戦する。それでも、歩美達は攻める姿勢を止めなく何回もトライする。そして、ついに大チャンスがきた。左サイドで夏海がボールをキープしてる時に周りの選手達が集まり逆サイドがガラ空きになっていた。歩美はすぐにパスを要求し夏海からボールをもらう。すると…それに気づいたエレナが逆サイドからパスを要求した。 

 

エレナ 「こっちです!」 

 

歩美はエレナにスルーパスを出し歩美は由希奈と夏海に指示する。 

 

歩美 「夏海さんはゴール前に!由希奈さんは夏海さんのカバーに!私は相手の選手をマークする!」 

 

エレナはゴール前の夏海や由希奈にセンタリングを上げようとしたが…相手選手のマークが速くあっという間につかれてしまう。歩美も同様にマークをつかれていた。パスの出しようがなくエレナは考える。 

 

(どうすれば良いですか…。マークをつかれてパスが出せません!このまま私がシュートを打つか…それとも…。) 

 

すると、冬華が相手ゴールに向かって走る!エレナは迷ったが…一か八かでセンタリングをあげる! 

 

由希奈 「なんで上げたのよ!これでは…カウンターをくらう!」 

夏海 「邪魔なのよ!あんた達!」 

歩美 「エレナちゃん!ダメだよ!」

 

エレナが上げたボールはキーパーの正面。 

このままボールが彼に渡ればキャッチされ守備が手薄になった歩美チームがカウンターによりピンチになる。

 

 

(私は……変わりたい……。弱気で内気で…消極的な私だけど……でも……こんな私でも……必要としてくれる人がいる…。だから……私は!!絶対にあきらめない!)

 

 

冬華は必死に走りキーパーより先に頭でボールに触れダイビングヘッドで押し込む!思わず相手キーパーも一瞬の出来事で理解ができなかった。キーパーより先にボールを触れると思っていなかったからである。冬華の意地の走りと諦めない気持ちが得点が繋がった。冬華はゴールネット内で倒れ込む。だいぶ疲労が溜まっておりすぐ起き上がることが出来なかった。

 

冬華 「はっはっはっ……。」 

 

この気迫溢れるプレーにチームメイト達は鳥肌が立つ。妹の夏海に関してはこんなことを考えていた。

 

(あの冬華が…こんなことが出来るとは思っていなかった…。) 

 

歩美 「凄い……。あれが冬華ちゃんのプレーなの……。」 

 

夏海はすぐ冬華の身体を起こすと…冬華は気絶気味になってた。そこで夏海と歩美は冬華の肩を持ってベンチで寝かせることにした。翔平はすぐ善子にロックアイスとポカリ買うように命じた。その間に翔平は冬華の看病をする。 

 

(まさか…ここまで出来るとは予想していなかった…。気力だけで走り続けていたかもしれない。冬華さん。貴女は凄いです…。) 

 

歩美達は気を取り直して試合に集中する。しかし、冬華の退場により1人欠けた状態でチーム内の疲労が影響し、守備が手薄になり2失点する。歩美達は最後まで諦めずにゴールを目指したが、相手選手の堅い守備に阻まれ追加点をとることが出来なかった。時間が過ぎていき試合終了。結果は2-1で敗北。歩美達は自分達の限界まで走りきり給水をとるとすぐ座り込んだ。 

 

歩美 「負けたけど…やりきった…。」

綾香 「悔しいけど…悔いはないかな…。」

夏海 「疲れたわ…。」 

真美 「皆んな…よく戦ったよ。」 

 

エレナ 「お疲れ様です…。皆さん…良かったです!今までで1番良い試合でした!」

 

由希奈 「もう〜動けないよ〜。」 

 

翔平は善子が買ってきてくれたロックアイスを冬華の首元に置き無理矢理でもポカリを飲ませた。そのおかげでだいぶ回復してきた。

夏海は冬華が心配で仕方がなかった。

 

夏海 「で…。冬華はどうなったのよ…。」

 

翔平 「今はだいぶ回復してきた。大丈夫だよ。善子さん。看病してくれてありがとうございます。」 

 

善子 「いえ…。監督が言われたとおりに実行しただけですよ…。」 

 

夏海 「なら…良かったわ…。」 

 

翔平 「皆んな。良く戦った。相手は男子で体格や体力的な差はあったかもしれないが…それでも諦めずにがむしゃらに走りきった。負けたけど…でも…君たちは後悔してないだろ?」 

 

由希奈 「そうね。久々にサッカーをしたっていう感覚だわ。」 

真美 「皆んな頑張ってた。」 

エレナ「私も後悔してません!」 

綾香 「楽しかったね。」 

歩美 「私も!」 

 

彼女達の表情を見て翔平は笑顔になる。

戦いきった汗を流していると。

 

翔平 「2勝1敗で2位で終わったが…今日のソサイチで得るものは沢山あった。充実した1日だったね。」

 

 

その後。彼女達が着替えている間に翔平はある人物に電話をかける。 

 

翔平 「もしもし。久しぶりだな。」 

 

? 「ええ。久しぶりね。翔平。」 

 

 

翔平 「ああ。絵梨華。」 

 

 

次回話に続く…。

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