オレがサッカー部のマネジメントをしたら!?   作:ユーチャロー

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歩美と綾香の葛藤

 

翌日。

翔平はスポーツ用品メーカーであるプ○マに就職することになった。本社に着くと絵梨華の父親が出迎えてくれた。社長室に入るとお互いソファーに座り社長挨拶を行う。

 

「久しぶりだな。翔平君。おじさんのことを覚えているかい?」 

 

「もちろん覚えていますよ。大輔さん。」 

 

プ○マの社長で絵梨華の父である中森大輔。

翔平が小学生の頃からお世話になっていた人物だ。プ○マの試作品のスパイクやウェアをよく提供してくれた人であり時々翔平のサポートをしてくれたこともあり、翔平はその恩を忘れていなかった。 

 

「あの時はいろいろありがとうございました。」 

 

「こちらこそ…我々の商品開発の為に協力してくれてありがとう。おかげ様でウチの会社も近年右肩上がりしてるよ。絵梨華から聞いたが…翔平君はサッカーを引退したって聞いたんだが…本当かね?」

 

「はい。ケガが原因で引退してしまいました。」 

 

「そうか…。それは残念だね…。翔平君がU-18やU-20で活躍してる姿を拝見したよ。」

 

「ありがとうございます。」 

 

「ところで翔平君は…スポーツマネジメント部に配属することになっているが…早速キミは部長に任命したいと思う。」

 

「えっ…。どうゆうことですか?」 

 

 

「実はスポーツマネジメント部は今日から立ち上げるんだよ。」 

 

 

「はいっ?」 

 

 

翔平に理解出来なかった。元々スポーツマネジメント部があるものだと思いそこの平社員として所属すると思っていたからである。その時、翔平は副社長の絵梨華の成り行きで決めたことだと感じた。

 

「翔平君。キミがこのスポーツマネジメント部の第1号だ。キミが1からスポーツマネジメント部を作り…盛り上げてほしい。あとは…キミの自由だ。」 

 

「ちょっと待ってください!急にスポーツマネジメント部の部長と言われてもピンと来ないですよ!」

 

「ははは。そうだよね。絵梨華のわがままもあると思うが…私個人としては1度人生の挫折を味わった人間はより成長出来ると思う。だからこそ…キミにしか出来ないことがあるはずだ。それにキミはこれから新たなプロジェクトを始めようとしてる。だから…キミに手でプロジェクトを成功してほしいんだ。」 

 

「そうですか…。」 

 

(いきなり部長か…。戸惑いはあるが…だが…大輔さんの顔つきや目は真剣だ。オレに期待しているなら…やるしかない。) 

 

 

「わかりました。これからスポーツマネジメント部の部長として会社やチームに貢献出来るよう努めてまいります!改めましてよろしくお願いします!」 

 

「よく言ってくれた。翔平君。こちらこそよろしく。何か困っていることがあれば相談してほしい。なるべく君達のサポートに私も努めよう。」 

 

「ありがとうございます!」 

 

翔平は社長室を出ると早速翔平は歩美に電話をかけチームメイトを集めるよう伝える。次に絵梨華に電話する。 

 

「絵梨華か。時間あるか?」 

 

「これからお客様の接待があるからそれが終わったら時間はあるわ。どうして?」

 

「歩美達のチームに話さないといけないことがある。それにお前がチームに加わるから来てほしい。」 

 

「わかったわ。貴方の為なら私はどこでもついていくつもりだわ。あと…お父様と会ったかしら?」 

 

「ああ。大輔さんは相変わらず熱い方だな。」

 

「そうよ。お父様は何でも全力ですから。当然でしょ。」

 

「そうか…。また後でな…。」 

 

翔平は電話を切ると歩美達が通っている大学に向かうのである。

 

 

14時15分。

大学に到着すると中庭で歩美と綾香、真美、由希奈の4人で練習をしてた。

 

歩美 「由希奈ちゃん!シュート!」 

由希奈 「食らえ!真美!」

 

由希奈が放ったシュートは真美が止める。 

 

真美 「甘いわね。由希奈。」 

由希奈 「ちぇっ…。」 

綾香 「ドンマイドンマイ〜!」 

 

 

翔平 「練習熱心だな。4人とも。」 

 

 

歩美 「お兄ちゃん!そろそろ皆んなが来る頃だと思うよ!私達は3限は授業入ってなかったから練習してるの!」 

 

翔平 「そうか。急に集まってもらってすまんな。君たちに3つ大事な話があるから伝えたい。」 

 

歩美 「そうなんだ…。」 

 

歩美達は練習を中断し他のメンバーが来るのを待つと…。 

 

絵梨華 「あらっ。お久しぶりね。歩美ちゃん。」 

 

歩美 「絵梨華さん!何故…ここにいるんですか!?」 

 

翔平 「早速ネタバレかよ…。皆んな…まだ来ていないが…大事な話の1つ目は中森絵梨華が選手として加入する。」 

 

歩美 「え…えりかさんが!!」 

 

絵梨華 「ええ。そうよ。よろしくね。歩美ちゃん達。」 

 

真美 「貴女…サッカー経験はあるかしら?」 

 

絵梨華 「私?あるわよ。もちろん。だって…私は社会人リーグで優勝した事がありますから。」 

 

真美 「社会人リーグ?」 

 

絵梨華 「知らないのかしら?一般企業にもサッカー部が存在しており…私達プ○マは3年連続優勝よ。ちなみに私は男性の中に混じりながらプレーをしているわ。」 

 

綾香 「凄いじゃないですか!しかも…プ○マよ!!一流企業じゃん」

 

由希奈 「え〜!紅一点プレイヤーよ!これは凄いじゃない!」 

 

真美 「どれぐらいの実力があるか見せてもらおうかしら?」 

 

絵梨華 「良いわ。ちょうど…スパイクとウェアを持っているから出来るわ。しかし…その前に貴女達に重大な話がある。貴女達はプ○マがスポンサーの女子サッカーチームに所属してもらうわ。練習場やトレーニングルームやスパイクやドリンク、ウェア等の用具管理など…貴女達に練習しやすい環境を整えていくつもり。それに…翔平監督は弊社のスポーツマネジメント部の部長として貴女達を全力でサポートする契約をとってる。私も選手兼広報や経理の担当をやらせていただくわ。何か質問がある方はいるかしら?」 

 

翔平は自分が話すべき内容をサラッと言ってしまい驚きを隠せなかった。 

 

(絵梨華ー!!オレが全部話そうと思っていたのに…先に言ってしまった!彼女達のこの話をするのめっちゃ緊張していたのに…。) 

 

この場にいた4人は全員黙る。しかし、歩美はチームのキャプテンとして絵梨華に問いかける。

 

歩美 「絵梨華さん。そこまで…私達のサポートをしてくれるのは嬉しいです!でも…メンバーを集めるのは私達でやりたい!」 

 

絵梨華 「私達はあくまでもバックアップでサポートするだけで…貴女達が目指すチーム像を崩すつもりはない。貴女達が自由にやっていいわ。翔平も…私も貴女達の意見を尊重するつもりだし…翔平に関しては貴女達を必ず優勝させると宣言しました。」

 

翔平 「おい!絵梨華!」

 

真美 「私は悪くないわ。どんな形であろうがチームを始動することに変わりはない。」

 

由希奈 「監督が決めたことなら私は反対しないわ!それに…私達を優勝させるんでしょ!だったら…私も点を決めて決めまくってチームの優勝に貢献するわ!」 

 

歩美 「本来は…この大学から女子サッカー部を作りたかったけど…でも…私は…お兄ちゃんが…サッカーに集中出来る環境なら…私は…反対しないわ。」 

 

綾香 「……。」 

 

翔平は歩美と綾香の反応を見て感じた。歩美にとって本来は、大学の女子サッカーチームでチャレンジリーグに挑戦したい気持ちはあったかもしれない。しかし、企業がスポンサーについたことによりプ○マの管轄のチームになる。一方…綾香はユースチームの契約もあり、他のチームに契約するとなると元々所属しているチームを退団しないといけなくなる。翔平は、両者の気持ちを踏みいじってしまった後悔が芽生えた。 

 

(彼女達と話し合う時間をとればよかった…。オレの判断で決めてしまった…。)

 

絵梨華は2人の反応を見て率直に感じたことを伝える。 

 

絵梨華 「歩美ちゃん。貴女の気持ちはわかるわ。こういう形になってしまったことは私の責任かもしれない。しかし、貴女が目指すチャレンジリーグはスポンサーがついていないと加入することが出来ない。それに…仮にメンバーが集まったところで大学側も部活として公認してくれるかわからない。そう思うと私達がチームを作った方が手っ取り早く…貴女達が練習できる場所を確保することが出来る。このままいったとしても上手くいく確証はないわ。」 

 

歩美 「確かにそうですよね…。大学でサッカー部を設立するより…プ○マの女子サッカーチームとして設立した方が良いと思います…。」 

 

絵梨華 「貴女達全員に言うが…何かを始める時は犠牲にしないといけないことがある。何ごとも理想だけを求めていても現実にしていく努力や苦労がなければ成功しない。これはお父様が良く言っていたわ。だから…私もそれを実行している。」

 

綾香 「!!」 

 

絵梨華 「そこの貴女。心当たりがあるなら…言いなさい。」 

 

綾香 「私…実はユースチームに所属しています…。最初は歩美達の助っ人として参加すれば良いと思っていました…。」 

 

絵梨華 「貴女…中途半端ね。だから成功しないんだわ。ユースチームをとるか…私達のチームをとるか…どちらかにしなさい。今…決めて。」 

 

翔平は心の中でこう感じてた。

 

(またこのパターンかよ…。絵梨華は少し言い過ぎだぞ…。)

 

綾香は黙り込んでしまう。 

 

翔平 「絵梨華!お前…いい加減にしろ!」

 

絵梨華 「翔平。貴方にはわからないわね。こうしないと…彼女自身成長しないから。」 

 

翔平 「だからといって…この場ですぐ決めなくても良いんじゃないか!?」 

 

絵梨華 「後で決めるというのは逃げよ。私なら…どんなこともその場で決めるわ。その方が先に進めるからね。」 

 

翔平 「…っ。綾香さん。ゆっくり考えるべきだ。貴女の未来もあることだし…。」 

 

 

綾香 「私は…このチームの一員で活躍したいです!」 

 

 

絵梨華 「わかったわ。なら…貴女は今日から私達のチームの正式な一員として加入してもらうわ。これから貴女のユースチームに退団手続きを私がするから。」

 

翔平 「そんなにすぐに出来るのかよ?」 

 

絵梨華 「私なら出来るわ。だって…お父様はいろんな企業と繋がりがあるから。」 

 

翔平 「大輔さん…。そんなに人脈があるのかよ…。」 

 

絵梨華 「ええ。だって…お父様だもん。」

 

 

(出たよ…。親父自慢…。)

 

 

絵梨華 「貴女のデータは全部把握してるから…今すぐ電話する。一応…最終確認するが…貴女…本当にこのチームに入るかしら?」 

 

綾香 「……。うん。私は……このチームに入ります!!」 

 

絵梨華 「わかったわ。」 

 

絵梨華はすぐに綾香が所属してるユースチームに退団手続きを行う。しばらくすると絵梨華は退団交渉が成立した事を伝える。 

 

絵梨華 「これで晴れて貴女は私達のチームとして迎えることが出来るわ。」 

 

綾香 「そうですか…。ありがとうございます…。」 

 

翔平 「……。」 

 

(複雑な気持ちだな…。でも…絵梨華は綾香さんの為にとった行動だと思う。だからこそ…オレは綾香さんの夢を奪ってはいけない。いや…オレが必ず優勝させる!) 

 

エレナ 「あの…。そろそろよろしいでしょうか?」 

 

エレナ達は絵梨華と綾香のやり取りがあり場に入れない様子だった。 

 

翔平 「エレナさん。夏海さん。冬華さん。善子さん。お疲れ様です。すみません…待ちましたか?」

 

エレナ 「いえっ。私達も話を聞いていたので…。」 

 

翔平 「そうですか…。」 

 

絵梨華 「貴女達もチームの一員なのね。話を聞いていたなら質問はあるかしら?」

 

誰も質問しなかった。 

 

絵梨華 「質問がないなら…貴女達は正式に私達のチームに加入することになるね。私はこれから契約書の準備をしてくるからこれにて失礼するわ。」

 

真美 「絵梨華さん。もし…よろしければ私達と少し練習しませんか?」 

 

絵梨華 「私は貴女達と違って仕事で忙しいから。」 

 

真美 「あの。貴女は先程…中途半端じゃいけないとおっしゃいましたね?私達のチームメイトになるなら…仕事を優先しませんよね?」 

 

絵梨華 「先程言ったでしょ。選手兼広報や経理の仕事をすると。」 

 

真美 「貴女は副社長。ということは…私達のチーム以外に本業の仕事があるということですよね?」 

 

絵梨華 「私はしばらく…副社長を降板するわ。私の代わりは養子についてもらう。」 

 

真美 「チームを優先するなら…私達の練習に参加しますよね?」 

 

絵梨華 「……。わかったわ。貴女達とサッカーをするうえに貴女達の実力を知るのも仕事だからね。ならば…貴女達の実力を確かめてもらうわ。」 

 

真美 「わかりました。皆んな。練習を始めるよ。」 

 

翔平は絵梨華が社会人サッカーチームの一員にいたことを確かめてみたかった。 

 

(絵梨華の実力を確かめる良い機会だ。) 

 

彼女達は練習着に着替えて練習を始めるのであった。

 

次回話に続く…。

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