オレがサッカー部のマネジメントをしたら!? 作:ユーチャロー
兄妹喧嘩
歩美は家に帰ると上機嫌だった。
新たに上条由希奈と下北真美と友達になれたことや、サッカー経験者てあり攻撃の要であるFWに、ゴールを守る守護神のGKが加わった。歩美はGKを探すのが1番苦労すると感じていたが意外にすんなり見つかってしまった。歩美自身大きな収穫であった。
「お兄ちゃん!今日ね!新たにFWとGK経験者の友達が出来てスカウトしたらOKを貰えた!!これで一歩前進したよ!」
「お前…。まだそんなことをやってたのかよ…。オレは監督はやらない。お前らの遊びに付き合っている程ヒマじゃない。新社会人で仕事を覚えることや先輩についていくのが大変だというのに…少しはオレの気持ちもわかってくれないか?」
「確かにお兄ちゃんは仕事で忙しいのはわかってるけど…。」
「ならもういいだろ。スポーツ医療学部にいるなら誰かしらサッカー経験者がある教授がいるだろ?その人をコーチ兼監督で就かせればいいじゃん。」
「それではダメ!!お兄ちゃんと一緒に夢を叶えたい!!だから…お兄ちゃんじゃないとダメなの!」
「そんなことを言っても無理なことは無理だ!」
「お兄ちゃんこそ私の気持ちを理解してよ!」
「はぁー?それはお前も一緒だ!!」
すると、母がキッチンからやってきて怒鳴る!
「アンタ達!口喧嘩はやめなさい!」
「もういいよ!お兄ちゃんなんか知らない!」
そういうと歩美は部屋に戻っていった。母はため息をついた。
「翔平…。歩美と何があったの?」
「母さんには関係ないよ。アイツが一方的に言ってくるから。」
「母さんに関係なくても言いなさい!何か…仕事先で嫌なことでもあったんじゃないの?」
「いやっ…。そうじゃない。会社は先輩と付きっきりで仕事教えてくれるし、良い人ばかりだよ。」
「それか…歩美がなんか翔平に不愉快なことを言ったの?」
「……。」
「あんた…すぐ顔に出るからわかりやすいのよ。歩美に何か問題があるなら言ってみなさい。」
「母さんには構わないな…。わかったよ…。言うよ。」
「……。そんなことがあったのね。歩美は翔平が怪我した時に医者から一生サッカーが出来ないと言われた時が1番悔しいと言ってたわ。歩美はずっと翔平の背中を見てサッカーを始めて努力したのよ。それに…歩美はスポーツ医療学部を志望した理由は…翔平のヘルニアの後遺症を治したいからよ。こんなことも言ってたわね。私がお兄ちゃんが叶えることが出来なかった夢を私が背負うってね。だから…歩美は真剣なのよ。」
翔平はその時…歩美の想いを感じた。
(オレはバカだな…。歩美がそこまでしてオレの夢を背負っていたのだな…。歩美が真剣にサッカーに対する気持ちを忘れたくなかったから…オレに……。)
「母さん。ありがとう。オレ。歩美に謝るよ。」
「私の可愛い妹を泣かせるようなら…あんたは男として失格よ!だから!ちゃんとケジメをつけなさい!」
「わかったよ…。」
(やっぱり母さんには構わないな…。)
翔平はすぐ歩美の部屋に行く。
「歩美。母さんから全て聞いた。歩美の本当の想いを。だから…オレはお前の想いを無駄にしたくない。だから…そのかわり…オレがお前を必ずなでしこジャパンで活躍出来るような選手に育成してやる!!」
すると歩美は翔平の顔を見た。
「それは本当?お兄ちゃん?」
「ああ!やるといったらやる!逆にお前はなでしこジャパンで活躍したくないのか!?同期達が次々と出世をしていって!」
「悔しい!悔しいよ!私は……スピードやスタミナがあっても…サイドポジションに必要なクロス精度やパス精度…足元の技術がないと言われ…悔しかった!!だから…私は強くなりたい!!」
「歩美……。」
(歩美にも苦労はあった…。確かに歩美はスピードやスタミナは長所であるが…しかし…サイドポジションに必要なクロスやパス精度…ドリブルの技術が劣っている部分は確かだ。だから……オレは妹が真剣にプロを目指すのであれば……オレは協力する!)
「わかったよ。歩美。オレは平日は働いているから面倒は見れない。しかし、土日なら練習を見ることができる!だから…オレはまずお前らのコーチから始める!それで良いな?」
「うん!それで良いよ!私の夢は絶対諦めたくないから!」
翔平は歩美の真剣な表情を見て確信した。
オレが妹を育てると同時にチームを育成すると。翔平の心の底にある闘志が再び燃えたのである。
(兄ちゃんはバカだな…。たかが…ケガをしただけで夢を諦めてしまうのは…。)
「歩美。オレはお前らをサポートする。それで良いな?」
「うん!お兄ちゃん!」
2人は和解してお互いの夢を叶える約束を交わすのであった。
次回話に続く…。