オレがサッカー部のマネジメントをしたら!? 作:ユーチャロー
あれから翔平と広大夜遅くまで会社に残りいろんな味を開発していった。金曜日の11時に検証用のスポーツドリンクを完成した。
「翔平…。この4つに絞るぞ…。」
「ああ。あとで歩美達に検証してもらうだけだ。」
「オレら……。疲れたよ……。あれから3日間ずっと……会社に残って残業したからな……。」
「ああ…。これなら来週に間に合うな…。とりま…お疲れ様。モン○ターとレッド○ルーを飲むぞ。」
「ああ。翔平。頼むわ。」
2人はエナジードリンクを飲んでほんの少しだけ疲労を回復した。
翌日。
翔平と広大は開発したスポドリを持ってフットサル場に行く。
そこで歩美達と合流することになっていたためフットサル場を貸してもらった。
「あっ…!お兄ちゃん!」
「歩美。待たせたな。あれっ…いつの間に増えたな。部員。」
「うんっ!」
「ちなみにコイツはオレの同僚の鎌田広大だ。今日は歩美達にスポドリの味を4種類用意した。試作品だから是非協力してほしい。」
「いいよー!どれも美味しそうだなー!早く飲みたい!」
広大は小声で翔平に話しかける。
「お前の妹可愛いじゃん…。オレっ…ゾッコンよ。」
「相変わらずスケベだな…。お前…。」
翔平は広大の女好きな所に呆れる。すると由希奈と真美が来た。
「歩美。お待たせ。」
「歩美〜!」
「来た!今日は…お兄ちゃんが開発したスポドリを4種類用意してるから飲んでみて!」
由希奈はスポドリを見て早速1本空けて飲んだ。
「ぶは〜!これっ…塩レモン味?いけなくはないけど…ちょっとしょっぱいねー。これはハーフタイムに飲むのが1番ね!」
翔平は由希奈の感想を聞いて参考にした。
「貴重な意見をありがとうございます。あと3種類あるので是非飲んでください。」
「あれっ…。この人!!和製ファン・ダ○クの人じゃない!真美!」
「……。やっぱりそうでしたか。U-15やU-18、U-20日本代表のCBで日本やヨーロッパのクラブから注目を集めた人。歩美のお兄さんがまさか相澤翔平とは意外だわ。この人が指導者につけるのは良いわね。よろしくお願いします。相澤翔平さん。」
「こちらこそよろしくお願いします。」
広大は女子に話しかけられていて翔平に嫉妬した。
(こいつ…そんなに有名人なの!!)
次に左文字と右田が来た。左文字もすぐ気づいた。
「あら。あなたは相澤翔平選手ね。私はあなたのプレーを観て学ばせて頂いたわ!私も同じCBなので…。」
「ありがとうございます。妹とユースの時から仲が良いみたいなので妹にいつもお世話になっております。もし良ければ…試作品ですが…スポーツドリンクがあるので飲んでみてください。」
「では…早速いたただきますね。」
綾香はエナジードリンク風スポーツドリンクを飲んだ。
「うん。これは炭酸が入ってるのかな?今まで飲んだことないスポドリで斬新なアイデアね。日常生活で飲む分には良いかもしれないけど…練習中や試合中には飲めないわね。」
「貴重な意見をありがとうございます!」
右田はスポドリに興味を示さずひたすらボールを抱っこしながら歩いていった。
そして、翔平はメンバーが集まったところで監督兼コーチとして初仕事を始める。
「皆さん。はじめまして。僕は歩美の兄の相澤翔平です。妹にいつもお世話になっております。僕のことをご存知な方がいるので自己紹介は省略しますが…そこにいる女の子は何故ずっとリフティングをしているんですかね?」
右田のことだった。彼女は相澤翔平に興味を示さずひたすら1人でリフティングをしてる。相澤はすぐ彼女のもとに駆けつける。
「キミ。リフティング上手いね。」
「邪魔しないで…。私…ボールに触れるのが好きだから…。」
相澤は彼女が蹴ってるボールを奪う。
「なにをするんですか…。253回リフティングしてたのに…。」
「キミは本当にサッカーがしたいのかな?リフティングがしたいならリフティングの技術を競う大会がある。サッカーはチームスポーツだ。1人だけミーティング中にリフティングするのは協調性に欠ける。」
「……。私は…サッカーがしたいというより…ボールに触れたいんです…。だから…邪魔しないで…。」
「……。まっ。いいだろ。ボールは返す。しかし…キミ専用の練習内容はこのコートを今日借りている時間は3時間だ。だから…3時間ずっとキミはリフティングをして良い。それで良いかな?」
「…。良いですよ…。私…リフティング最高記憶が1024回なので…自己更新したいので邪魔しないでください。お願いしますよ…。」
「わかった。なら…キミはリフティングして良い。」
すると、右田の友人である綾香は翔平に文句を言う。
「善子ちゃんは本当は私達とサッカーしたいんだよ!!何故…リフティングだけしろって言うんですか!?」
「彼女がそう望んでいるなら邪魔はしない。それだけです。」
「でも…。善子ちゃんは自ら私達のチームに入ったのよ!!」
「左文字綾香さん。あなたは本当に彼女の友達なんですか?友達ならやりたくないことを無理矢理勧めたりしない。彼女はリフティングが好きなんだ。それに…自己更新したいと言ってる。そんな彼女の気持ちを踏みいじるのか?」
「……。それは……。」
「なら…彼女を見守るんだ。では…今日の練習内容は自由だ。」
歩美と由希奈、真美、綾香は驚いた。真美がすぐ反論する。
「何故。練習内容がないんですか。監督やコーチなら練習内容を言いますよね?」
「まず…僕は君達の実力を知らない。だから…君達の自由に今日は練習すると良い。あと…喉が渇いたらスポドリを飲んでください。僕らは今日仕事で来てるので。」
「……!わかりました。由希奈、歩美、綾香。やるわよ。」
「わかった…。」
「……。」
「お兄ちゃん…。」
歩美は翔平に話しかける。
「なんで…あんなことを言ったの?善子ちゃんのことも…。」
「歩美。監督やコーチというのはまず選手を知らないといけない。初回だから彼女達の実力もわからないし…どういう選手なのか知らない。だから…今日は自由にさせる。そこでオレは次回からメニューを考える。それが監督やコーチという仕事だ。」
「でも!善子ちゃんは何故リフティングだけしろって言ったの!」
「歩美。オレは彼女のリフティングを見て感じた…。近い将来…あの子はこのチームの切り札になる。オレはそれに賭けようと思う。」
「!!!」
「歩美。良いメンバーを見つけたな。さぁ…練習に戻りなさい。」
「わかった…。」
歩美達が練習してる時に翔平は彼女達を見守りながら見つめていた。隣で黙々と見てた広大は翔平に話しかける。
「なぁ…。お前…何もんなんだよ?何故…彼女達はお前のことを知ってるんだ。U-15やU-18、U-20の日本代表とか言ってたけど…お前は…本当ならプロに行ってもおかしくなかったんだろ?なんで…飲料メーカーの平社員として働いているんだよ…。」
「広大。本当はお前にこのことを話したくなかったが…仕方ない。これからもしかわりにビジネスパートナーでやるとしたらオレの過去を話さないといけないからな。だから…聞いてくれるか?」
「……。わかったよ。」
翔平は広大に全て語る。広大は真剣に翔平の話を聞いてた。
一通り話が終わると広大は決意する。
「翔平…。オレをスカウトした理由がよくわかったよ!そういうことならオレも全力で協力する。妹さんの夢を叶えるんだろ。だったら…オレも本気出すよ!」
「そっか…ありがとうな。」
「それに〜歩美ちゃんのことが気になるから〜。」
「おい。さっきの感動を返せ。」
すると歩美達は1対1の練習を始める。綾香がディフェンダーで歩美がオフェンスで始める。
「歩美!来なさい!」
「綾香!行くわよ!」
歩美はシザーズフェイントを使い綾香を抜けようとしたが…綾香はすぐ得意なフィジカルを活かしたショルダータックルをし歩美からボールを奪う。
「どんなもんよ。歩美!」
「やっぱり…綾香はフィジカル強いな…。」
すると翔平が綾香にアドバイスを送る。
「これがペナルティーエリアだったら敵にPKを与えるぞ。腕なんか使わなくもボールをとれるはずだ。」
「!!。」
「左文字さんはフィジカルがあるからタックルに頼る癖があるかもな。真のセンターバックならポジショニングを意識するべきだ。身体を当てることも大事かもしれないが…何より敵のオフェンスの動きを読み…効率よくボールを奪った方が良い。」
「お兄ちゃん…?」
綾香は真剣に彼の話を真剣に聞いてた。同じポジションの経験者であるため説得力があったからだ。歩美は彼が綾香に指導してる場面を見て感じた。
(お兄ちゃんについていけば…間違えない!)
「ありがとうございます!参考になりました!」
「左文字さんはセンターバックとして才能はある。だから…ポジショニングを意識すればもっと良くなる。」
再び1対1をやると、綾香のプレーが変わった。歩美が持ってるボールの位置と歩美の動きを伺っていたからだ。歩美は右側から抜こうとすると綾香は左足で歩美からボールを奪った。歩美は驚いた。兄のアドバイスですぐ改善されたから。綾香は嬉しそうな表情をしてた。
翔平は右田が隅でリフティングしてる様子を見た。
「621回…。622回…。」
(彼女のあの集中力。素晴らしいね。)
真美と由希奈はシュート練習をしてた。翔平は2人の様子を見た。
「もう一本!」
「真美!少し休憩しない?」
「そうだな。給水するか。」
真美と由希奈は翔平達が持ってきたスポドリを飲んだ。
すると翔平は由希奈にアドバイスする。
「上条由希奈さん。あなたにとっておきなアドバイスを送る。」
「!!?」
「どんな長身なキーパーでも弱点がある。」
「えっ…。」
「手足が長い分守備範囲が広い。しかし…1つ手や足が届かない場所がある。」
「……。まさか!!」
「そう。気づいたようなら答えは言わない。実際やればわかるはずだ!」
「…。わかったわ。あと…ピーチ味のスポドリは不味いから販売しないほうが良いわねー。」
「ああ…。貴重な意見ありがとう…。」
由希奈は翔平に言われた通りに真美の弱点に狙いシュートする。
真美は瞬時に感じた。
(真ん中のグランダーシュート!どーゆうことかしら!なら…防げるわね!)
真美は止めようとしたが遅かった。由希奈のグランダーシュートの速さや威力に手足が間に合わなかった。
(ウソ!なんで!ど真ん中のグランダーシュートなのに!)
「やったー!!本当に狙ったら入ったよ!」
由希奈は翔平にピースサインを送った。翔平は狙い通りだと感じた。
「やっぱりな。手足が長いキーパーは股下のグランダーシュートに弱い傾向がある。予想通りだな。」
こうしてあっという間に3時間の練習が終わる。
スポドリも全部なくなった。検証した結果…塩レモン味が人気だった。
右田はまだリフティングをしてた。
「1534回…。1535回…。」
綾香は右田にリフティングをやめされた。
「もう帰るわよ!何回出来たの?」
「1536回…。自己更新記憶!!やったね!ボールちゃん!」
「良かったね!」
翔平が総括を始める。
「今日はお疲れ様。そして、僕達に協力してくれてありがとう。今日は解散。あと、右田善子さんだっけ。キミに少し話があるから残って。」
「……。わかりました。」
次回話に続く…。