デート・ア・オルフェンズ   作:鉄血

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羽休め的な、投稿!

もし、ゲームオリジナルキャラクターの凜祢がいたら?という話です。
ちなみに、ちょっとだけ凜祢に三日月の知り合いのキャラが混じってます。ほんのちょっとだけですが。

「一緒に頑張りましょう!クーデリアさん!」

ハーレム上等アトラさん


番外編
凜祢バスタイム 前編


『───きゃぁっ!』

 

ある日の夜。士道がシャワーを浴びていると、リビングの方からそんな悲鳴が聞こえてきた。

 

「ん・・・なんだ?」

 

不審に思い、シャワーを切って身体についた水滴を払う。今の声はおそらく四糸乃のものだろう。四糸乃があんな大きな声を上げるだなんて、一体何かあったのだろうか。

そして扉を開けると────。

 

「・・・・っ、寒いな」

 

士道は思わず顔をしかめてそう呟いた。

その寒さに、士道は頭の中にはある可能性が過ぎった。

 

「これは、もしかして・・・」

 

士道はそう呟き、風呂場から出た。

 

 

「・・・で、十香が食べてたアイスがよしのんに落ちて、驚いた訳か」

 

士道は、コミカルな意匠のウサギのパペット『よしのん』の頭を濡れた布巾で拭いながら、ため息を吐く。

 

「・・・すみません・・・士道さん」

 

言って、そのパペットを左手に装着した子柄な少女────四糸乃が、申し訳無さそうに顔を俯かせた。その目は、うっすらと涙が滲んでいる。

 

「別に四糸乃が悪気でやったわけじゃないんでしょ?なら、別にいいよ」

 

士道がそう言ってデーツを口に含む。

その隣に神妙な面持ちで正座をした十香が、四糸乃と『よしのん』に頭を下げる。

十香の顔にはしゅんとした表情に彩られていた。

 

「いえ、そんな・・・・」

 

『そうよー、気にしないで十香ちゃん。悪気があったわけじゃないんだしー。四糸乃もちょっと驚いちゃっただけなのよー』

 

四糸乃が手を振り、『よしのん』がわははと笑う。しかし十香は「む、むぅ・・・」と申し訳なさそうに肩をすぼめた。

 

「しかし、私のせいでシドーにまで迷惑をかけてしまった」

 

「別に気にしてないよ。これぐらい───クシュ!・・・んん」

 

「し、シドー!」

 

「別に、大丈夫」

 

思いの外、身体が冷えていたのだろうか。士道は鼻を擦りながら十香達にそう言った。

 

「四糸乃に続いて十香まで不安がらせてどうするのよ。まったく」

 

「ごめん」

 

琴里の言葉に士道はそう言ったちょうどそのとき、ピンポーン、と玄関のチャイムが鳴った。

 

「ん・・・・?」

 

来客だろうか。士道は視線を琴里から外の方へと向ける。

すると、まるでそんな士道の仕草を察するかのように、ガチャリと玄関が開けられる音と、トントンと廊下を歩く音が聞こえてくる。どうやら士道の返事を待たず勝手に入ってきたらしい。

普通の客がそんなことをするはずがない。やたらアグレッシブな泥棒か、気の早い酔っぱらいでなければ、その足音の主は恐らく────

 

「士道、いるー?」

 

そんな声とともにリビングの扉が開かれる。

ゆるいウェーブのかかったセミロングの髪を揺らしながら顔を出したのは、士道の予想通りの人物だった。

一言で言うなら、柔らかそうな少女である。 

それには物理的な意味も含まれているのだが、とにかくその表情や物腰、声に至るまでが、対面しているだけで思わず緊張感を解いてしまうような柔和さに溢れているのだ。

士道からしてみれば、まるで“アトラ“によく似ていた。

園神凜祢。五河家での隣に住む少女にして、士道のクラスメート。そして────士道の『幼なじみ』である。

 

「あれ?凜祢、どうしたの?」

 

「うん、実は・・・って、士道こそどうしたの?この状況」

 

凜祢が首を傾げ・・・はっと何か気づいたように肩を揺らす。

 

「もしかして士道、十香ちゃんと四糸乃ちゃんに何かしたの?」

 

「・・・は?何いってんの?」

 

士道はそう言いながら周りを見渡す。

今リビングには、正座した十香と四糸乃に、十香達の前仁王立ちする士道、という光景が展開されていたのだ。

ついでに十香と四糸乃は目にうっすらと涙を浮かべている。凜祢が戸惑うのも無理はなかった。

 

「だめだよ士道。女の子を思いっきり叱っちゃ!一体何したの?正直に言ってみて。私も一緒に謝ってあげるから・・・」

 

「何か・・・勘違いしてない?俺、怒ってないし。ただの誤解だよ」

 

士道は、そう言うと、凜祢にことのあらましを説明する。無論、四糸乃の霊力や精霊云々は上手く誤魔化して。

 

「なーんだ、そうだったんだ。・・・あ、私は士道を信じてたよ?」

 

「真っ先に俺を疑ってた奴のいう言葉じゃないよね。それ」

 

士道のその言葉に、凜祢はごめんねと頬に汗を浮かばせながら頭をかく。相変わらず調子のいい奴である。凜祢は昔からこうだ。

そう、それこそ士道たちが小学校に入る前か、ら────

 

「・・・ん?」

 

士道は小さく首を捻る。おかしい。自分の記憶はオルガ達と一緒にいた時のことと、この生を過ごしているときの分の筈だ。

その中で、『凜祢』という“幼なじみは居たのだろうか”?

 

「?どうしたの?」

 

「・・・何でもない。それで、何か用だったんじゃないの?」

 

まあ、何年も前の話だ。最近のことさえ、あんまり覚えていないのだ。よっぽどのことかない限りは当然だろう。士道はそう結論を出し、凜祢に向き直る。

 

「ああ、そうそう。実は・・・」

 

言って、凜祢が手にしたものを示してくる。シャンプーや石鹸などが入れられた洗面器に、着替えが入っていると思しき布袋である。

 

「お風呂を溜めようとしたんだけど、なぜかお湯が出なくなっちゃってね・・・ちょっとお風呂貸してくれないかなって」

 

「・・・あー、ごめん。俺のところも今水がでないんだ」

 

「ええっ、そうなの?困ったな・・・」

 

凜祢があごに指を当て、眉を八の字に歪める。

実際、困っているのは士道たちも同じだ。

別に、士道は風呂に入らなくてもいいが、それをすると凜祢がアトラと同じくらいにうるさい。それに他の三人はまだ風呂に入ってもいない。

シャワーも出ないままの状態では、汗を流すことも出来ないだろう。

と、士道は考えていると、凜祢が何かを思い出したかのように「あ」と声を出す。

 

「ねえ、みんなはもうお風呂に入ったの?」

 

「ぬ・・・?いや、まだだが」

 

十香は首を振る。それに合わせるように琴里と四糸乃もまた凜祢に目を向けた。

 

「そっか。みんなまだならこんなのはどうかな?」

 

「ん?」

 

凜祢は、指を一本ピンと立てた。




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