デート・ア・オルフェンズ   作:鉄血

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お前はどうだ!バルバトス!

大気圏突入の三日月


第十六話

或美島北街区と南部地域を隔てる森林を、暴力的な烈風が薙ぎ払っていく。

夏季の訪れと共に青々と繁った枝葉が滅茶苦茶に千切り飛ばされ、まるでミキサーの中にでも放り込まれたようにぐるぐると渦を巻いて上空に放り出される。細い木々など根から掘り起こされ、弾丸のように周囲に放り投げられていた。

 

「───前ッから思ってたのよ!あんたは自分一人で抱え込んで処理しようとして!」

 

叫びながら耶俱矢が巨大な槍を突きだすと、槍の先端部がドリルのように高速回転し、猛烈な竜巻を生み出した。

その竜巻で撫で斬りするように夕弦に向かって槍を薙ぐ。

 

「反論。その言葉、熨斗とリボンで過剰包装して耶俱矢に突き返します・・・!」

 

しかし夕弦は、破壊的な暴風の塊が迫っているというのに、至極冷静な様子で返し、左手を複雑に動かした。

すると夕弦が握っていたペンデュラムが、まるで意志を持ったかのように蠢き、夕弦の前に方陣のようなものを組む。

それは耶俱矢の巻き起こした竜巻の一撃をナンなく防ぐと、再び元の紐状に戻って夕弦の身体の周囲に螺旋状に渦巻いた。

 

「あんたは優し過ぎんのよ!!せっかく私が主人格の座を譲ってあげようってんだから、大人しく受け取っとけばいいの!」

 

「拒否。夕弦は初めから、主人格になる気はありませんでした」

 

「・・・・ッ、アンタねぇ!!」

 

口喧嘩のような、そうでないような言葉を交わしながら、高速回転する耶俱矢の槍と、剣のように複雑に編まれた夕弦の紐が打ち合わせる。

威力はまったくの互角。インパクトの瞬間、周囲に風が荒れ狂い、士道と十香にも襲いかかる。

 

「チッ」

 

士道は十香を抱えてその風を回避した。

 

「シドー!?」

 

「大丈夫」

 

十香の叫びに士道はそう短く返すと同時に、士道はすぐにこの状況を見て、今のままだと二人に追いつけないと理解した。

速さという所でみれば、二人は自分よりも速い。そしてこの暴風の中、突き進むとなると尚更だ。

そんな中で、十香を一人にしておくのも危険過ぎる。

あの二人を気を引ける武装もなければ、彼女達に追いつける要素もない。となると───

 

「・・・使うか?」

 

バルバトスのリミッター解除。その爆発力で一気に突破するしかないと士道は考えていた所で───

 

「シドー」

 

十香の声が士道の耳に入る。

 

「・・・ん?」

 

十香の声に士道は振り向くと、十香が真剣な顔で士道に言った。

 

「私は大丈夫だ。だからシドーは耶俱矢と夕弦を止めて欲しい」

 

十香はそう言いながら話を続ける。

 

「二人はお互いに幸せになって欲しいと思うのだ。なら二人とも幸せにならねば、たとえ片方の願いが叶っても、もう片方が悲しいままだ」

 

十香はそう言いながら士道の目を見る。

 

「だからシドー。行ってくれ。それで、二人を助けてあげて欲しい。でないと、あの二人はきっと報われない」

 

十香のその言葉に士道は頷いた。

 

「ああ。任された」

 

士道は十香にそう言って、バルバトスにも言った。

 

「行くぞ・・・バルバトス。あの二人に俺も言いたい事があるから、さっさとお前の力を寄越せ」

 

そう言う士道にバルバトスのツインアイが強く発光する。

 

「え?」

 

士道は自身が今、握られている“ソレ“を見て、表情を驚きの顔へと変える。

それは、十香も同様であった。

 

「シ、ドー・・・な、なぜ〈鏖殺光〉をシドーが・・・」

 

巨大メイスの代わりに光り輝く大剣が、バルバトスの手に握られていたのだから。




バルバトス これで勘弁して

耶俱矢の槍を見て  キマリスヴィダール !?

因みに、三日月が十香達精霊の天使を使うとえらいデメリットが返ってきます。
どんなデメリットかって?
バルバトスがその天使にモビルアーマーと誤認反応してリミッター解除一歩手前の状態になります。
もちろん普通に天使は使えますし、三日月が自発的に解除しなければいいだけですが。
自分で自分の首を締めにいっているバルバトスに敬礼!
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