もうそろそろエピローグ!!
おい、バルバトス。あれはお前の獲物だろ。余計な鎖は外してやるから見せてみろよ。お前の力。
三日月・オーガス
「最強の魔術師と聞いて、どれほどのものかと私も少々期待していたが・・・期待外れだったな」
マクギリスはそう言って倒れ伏すエレンを眺める。
「はぁ・・・はぁ・・・」
荒い息を吐くエレンに対し、マクギリスは余裕を見せる動きで空を見上げる。
煙を上げる戦艦が空に浮かび、〈バンダースナッチ〉の残骸があちこちに転がっていた。
形勢はこちらが完全に有利。DEMはこの状況では撤退せざるを得ないだろう。
そんな状況でマクギリスは倒れ伏すエレンに口を開いた。
「引きたまえ。今の君では私どころか彼にも勝てんよ。私の友にも劣る」
かつて自分を殺した男を思い出すように、マクギリスはエレンに言った後、マクギリスはバエルのスラスターを使って飛翔する。
空へと飛翔するバエルは森の中に見える士道と耶俱矢、夕弦を見てから笑みを浮かべる。
「後は任せたぞ。三日月・オーガス。私にもう一度見せてくれたまえ。君の・・・君達の可能性を」
◇◇◇◇◇
「────何よ、あれは」
「同意。空気を読んで欲しいです」
耶俱矢と夕弦は上空に現れた巨大な鉄の塊を見上げながら、不機嫌そうに声を発した。
せっかく最愛の半身と和解し合えたというのに、絶妙のタイミングでそれを邪魔されてしまったのである。
だが、それだけでは終わらなかった。
戦艦の下部に設えていたハッチのようなものが開いたかと思うと、そこからバラバラと、手足や背に様々な武器を積んだ人形が落ちてきたのである。
無機的で滑らかなフォルム。一応頭部と手足のある形をしていたのだが、人間というよりも、亜人を想起させた。
「またコイツらか」
士道はズキズキと痛む頭を無視しながら、〈バンダースナッチ〉を見る。
向かってくるその人形に耶俱矢と夕弦は不快そうに眉を歪めた。
「ふん・・・気味の悪い輩よ」
「同意。正直触りたくありません」
耶俱矢と夕弦は人形を吹き飛ばすと、再び人形が飛び交う上空を仰ぎ見た。
まだ、人形は残っていたらしい。またもバラバラと、人形が投下される。
二人はそれを見てうんざりと眉を歪めると、まったく同時に口を開いた。これではいくら倒してもきりがない。
「あのさ、夕弦」
「提案。耶俱矢」
声が綺麗に重なる。耶俱矢と夕弦はキョトンと目を丸くすると、顔を見合わせた。
そして、どちらからともなく、「ふふっ」と声が漏れる。
「やっちゃう?」
「肯定。やっちゃいます」
二人は小さくうなずき合うと、耶俱矢が左手を、夕弦が右手を差出し────ぴたり、と合わせた。
すると二人の霊装と天使が光り輝き────耶俱矢の右肩に生えていた羽と、夕弦の左肩に生えていた羽が合わさって、弓のような形状を形作った。
次いで、夕弦のペンデュラムが弦となって羽と羽の先端を結び───耶俱矢の槍が、矢となってそれに番えられる。
今度は、耶俱矢が右手で、夕弦が左手で。
霊装の鎧に包まれた手で以て、左右から同時にその弦を引いた。
そして、その様子を見ていた士道に二人は唇を開いた。
「士道!アンタの言葉のおかげで、私はこれからも夕弦と一緒にいれる!」
「感謝。この恩は決して忘れません」
「そっか。なら良かった」
そう言う士道に対して、二人は最大限まで引いた弓を、上空の戦艦に向ける。
そして。
「〈颶風騎士〉────【天を駆ける者】!!」
二人がそう叫んだ瞬間────
“ドクン“
「────────」
士道は耶俱矢と夕弦が持つその天使が放たれると同時に、視界の右側が赤く染まった。
ALAYA-VIJNANA SYSTEM SAFE MODE ACTIVATED
目の前に写し出される光景。
耶俱矢と夕弦の手に握られている“〈ラファエル〉“。
士道は─────三日月にはそれがかつて、“モビルアーマーだったナニカ“に見えた。
巨大な戦艦は〈颶風騎士〉の矢に貫かれ、そしてそれの纏った風圧により内部機関を破壊され─────巨大な爆発音と共に夜空を赤く染めた。
そして耶俱矢と夕弦がハイタッチをしながら、士道へ姿勢を向けると呆れたように耶俱矢が唇を開いた。
「ちょっと、なに呆けてんのさ?士道も、もうそれを使わなくても良いでしょ?」
「同意。辺りには敵は居ませんので安心してください」
そう言う二人の言葉と同時に背後から十香の声が上がる。
「シドー!!」
「・・・十香」
士道は十香の声に気付き、顔をそちらへと向ける。
「大丈夫か!?シドー!!先程凄まじい爆発があったから来て見たのだが─────」
「十香」
そう心配そうにする十香に士道が口を開く。
「・・・シドー?」
首を傾げる十香に士道は言った。
「ゴメン。ちょっと疲れたから寝る」
そう言って士道はバルバトスを消すと、“べチャリ“と生暖かい血が士道の鼻や右目から流れて落ち、地面へと倒れ伏した。
「シ・・・ドー・・・・?」
「ちょっと!?士道!!アンタ、血が!!」
「緊急。すぐに令音に報告を!」
慌てる三人に士道は赤くなった右目がちゃんと見えるのを確認し、全身が動くのを感覚で感じ安心して目を閉じる。
そして意識が失う寸前に、十香の声が聞こえた。
「シドー!!」と─────
バルバトス サーセン
三日月、目や鼻から出血するも、手足や目は取られず。
脳を限界ギリギリまで使った結果、三日月がぶっ倒れる事態に。
リミッター解除してないから今回は取られなかったけど、実はかなりヤバい所まではいってた三日月さん。
これで解除したら間違い無く二の舞になってます。