デート・ア・オルフェンズ   作:鉄血

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もうそろそろエピローグ!!

おい、バルバトス。あれはお前の獲物だろ。余計な鎖は外してやるから見せてみろよ。お前の力。

三日月・オーガス


第十八話

「最強の魔術師と聞いて、どれほどのものかと私も少々期待していたが・・・期待外れだったな」

 

マクギリスはそう言って倒れ伏すエレンを眺める。 

 

「はぁ・・・はぁ・・・」

 

荒い息を吐くエレンに対し、マクギリスは余裕を見せる動きで空を見上げる。

煙を上げる戦艦が空に浮かび、〈バンダースナッチ〉の残骸があちこちに転がっていた。

形勢はこちらが完全に有利。DEMはこの状況では撤退せざるを得ないだろう。

そんな状況でマクギリスは倒れ伏すエレンに口を開いた。

 

「引きたまえ。今の君では私どころか彼にも勝てんよ。私の友にも劣る」

 

かつて自分を殺した男を思い出すように、マクギリスはエレンに言った後、マクギリスはバエルのスラスターを使って飛翔する。

空へと飛翔するバエルは森の中に見える士道と耶俱矢、夕弦を見てから笑みを浮かべる。

 

「後は任せたぞ。三日月・オーガス。私にもう一度見せてくれたまえ。君の・・・君達の可能性を」

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

「────何よ、あれは」

 

「同意。空気を読んで欲しいです」

 

耶俱矢と夕弦は上空に現れた巨大な鉄の塊を見上げながら、不機嫌そうに声を発した。

せっかく最愛の半身と和解し合えたというのに、絶妙のタイミングでそれを邪魔されてしまったのである。

だが、それだけでは終わらなかった。

戦艦の下部に設えていたハッチのようなものが開いたかと思うと、そこからバラバラと、手足や背に様々な武器を積んだ人形が落ちてきたのである。

無機的で滑らかなフォルム。一応頭部と手足のある形をしていたのだが、人間というよりも、亜人を想起させた。

 

「またコイツらか」

 

士道はズキズキと痛む頭を無視しながら、〈バンダースナッチ〉を見る。

向かってくるその人形に耶俱矢と夕弦は不快そうに眉を歪めた。

 

「ふん・・・気味の悪い輩よ」

 

「同意。正直触りたくありません」

 

耶俱矢と夕弦は人形を吹き飛ばすと、再び人形が飛び交う上空を仰ぎ見た。

まだ、人形は残っていたらしい。またもバラバラと、人形が投下される。

二人はそれを見てうんざりと眉を歪めると、まったく同時に口を開いた。これではいくら倒してもきりがない。

 

「あのさ、夕弦」

 

「提案。耶俱矢」

 

声が綺麗に重なる。耶俱矢と夕弦はキョトンと目を丸くすると、顔を見合わせた。

そして、どちらからともなく、「ふふっ」と声が漏れる。

 

「やっちゃう?」

 

「肯定。やっちゃいます」

 

二人は小さくうなずき合うと、耶俱矢が左手を、夕弦が右手を差出し────ぴたり、と合わせた。

すると二人の霊装と天使が光り輝き────耶俱矢の右肩に生えていた羽と、夕弦の左肩に生えていた羽が合わさって、弓のような形状を形作った。

次いで、夕弦のペンデュラムが弦となって羽と羽の先端を結び───耶俱矢の槍が、矢となってそれに番えられる。

今度は、耶俱矢が右手で、夕弦が左手で。

霊装の鎧に包まれた手で以て、左右から同時にその弦を引いた。

そして、その様子を見ていた士道に二人は唇を開いた。

 

「士道!アンタの言葉のおかげで、私はこれからも夕弦と一緒にいれる!」

 

「感謝。この恩は決して忘れません」

 

「そっか。なら良かった」

 

そう言う士道に対して、二人は最大限まで引いた弓を、上空の戦艦に向ける。

そして。

 

「〈颶風騎士〉────【天を駆ける者】!!」

 

二人がそう叫んだ瞬間────

 

“ドクン“

 

「────────」

 

士道は耶俱矢と夕弦が持つその天使が放たれると同時に、視界の右側が赤く染まった。

 

ALAYA-VIJNANA SYSTEM SAFE MODE ACTIVATED

 

目の前に写し出される光景。

耶俱矢と夕弦の手に握られている“〈ラファエル〉“。

士道は─────三日月にはそれがかつて、“モビルアーマーだったナニカ“に見えた。

巨大な戦艦は〈颶風騎士〉の矢に貫かれ、そしてそれの纏った風圧により内部機関を破壊され─────巨大な爆発音と共に夜空を赤く染めた。

そして耶俱矢と夕弦がハイタッチをしながら、士道へ姿勢を向けると呆れたように耶俱矢が唇を開いた。

 

「ちょっと、なに呆けてんのさ?士道も、もうそれを使わなくても良いでしょ?」

 

「同意。辺りには敵は居ませんので安心してください」

 

そう言う二人の言葉と同時に背後から十香の声が上がる。

 

「シドー!!」

 

「・・・十香」

 

士道は十香の声に気付き、顔をそちらへと向ける。

 

「大丈夫か!?シドー!!先程凄まじい爆発があったから来て見たのだが─────」

 

「十香」

 

そう心配そうにする十香に士道が口を開く。

 

「・・・シドー?」

 

首を傾げる十香に士道は言った。

 

「ゴメン。ちょっと疲れたから寝る」

 

そう言って士道はバルバトスを消すと、“べチャリ“と生暖かい血が士道の鼻や右目から流れて落ち、地面へと倒れ伏した。

 

「シ・・・ドー・・・・?」

 

「ちょっと!?士道!!アンタ、血が!!」

 

「緊急。すぐに令音に報告を!」

 

慌てる三人に士道は赤くなった右目がちゃんと見えるのを確認し、全身が動くのを感覚で感じ安心して目を閉じる。

そして意識が失う寸前に、十香の声が聞こえた。

 

「シドー!!」と─────




バルバトス サーセン

三日月、目や鼻から出血するも、手足や目は取られず。
脳を限界ギリギリまで使った結果、三日月がぶっ倒れる事態に。
リミッター解除してないから今回は取られなかったけど、実はかなりヤバい所まではいってた三日月さん。
これで解除したら間違い無く二の舞になってます。
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