デート・ア・オルフェンズ   作:鉄血

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そして次がエピローグ!

最短で行く。どうせ止まれねえならなりふり構っちゃいられねぇ

オルガ・イツカ


第十九話

「令音!!」

 

「・・・ん?どうかしたのかね?」

 

「シドーが!シドーが!!」

 

「・・・!すぐに確認する」

 

目と鼻から血を流し、気を失っている士道を耶俱矢が抱えているのを見て、目を見開く。

 

「おい!?士道は大丈夫なのかよ!?」

 

殿町も運ばれてきた士道に気付き、冷や汗を流す。

 

「士道!」

 

折紙は士道へと駆けつけようとすると、令音に阻まれる。

 

「シンの安全が先だ。下がりたまえ」

 

「外傷は?」

 

「応答。ありません」

 

「目と鼻からの出血だけよ!」  

 

「シドー!シドー!」

 

焦る耶俱矢と冷静ながらも心配そうな顔をする夕弦、そして涙を浮かべる十香に対し、令音は言う。

 

「安心したまえ。必ずなんとかする」 

 

令音はそう言って、気を失っている士道を見つめた。

 

 

◇◇◇◇◇

 

「─────」

 

赤茶色の荒野が目の前に広がる。

その荒野の丘に三日月は一人、立っていた。丘の頂上には鉄華団の霊魂碑がある。

その霊魂碑の前に三日月の良く知る人物が立っていた。

その男に三日月は口を開く。

 

「オルガ」

 

三日月の言葉にオルガは振り向くと三日月を見て言った。

 

「おう、ミカ。お前が此処に来るなんて珍しいな?」

 

「そう?たまにアトラ達と一緒に来るよ」

 

三日月はそう言ってオルガの隣に立つ。

三日月の目に見える先の風景は、荒れ果てた荒野。そこには巨大な穴と、ボロボロになった自分達の家が見えた。

三日月は墓に視線を向けると、刻まれた名前の中に自身の名前がない事にため息を吐くと、そのまま立ち上がった。

 

「また、無茶したんだろ?お前が此処に来る理由なんてそれしかねえからな」

 

「まあね。今回はバルバトスを使いすぎた。バルバトスにも色々文句言われたし」

 

「そうか」

 

三日月の言葉にオルガはそう言って口を閉じる。

そして、隣に立つ三日月にオルガは言った。

 

「なあ、三日月」

 

「なに?」

 

「あんまり無茶すんなよ。ミカに生きて欲しいって言う奴はいるからな」

 

「分かってる」

 

三日月はそう言って身を翻す。

 

「じゃあねオルガ。もうそろそろ帰らないといけないし」

 

「おう、行ってこい。ユージンにもよろしくな」

 

「うん」

 

三日月はそう言って歩き出す。と、三日月はオルガの言葉に疑問が出て振り向いた。

 

「ねぇ、オルガ」

 

「ん?どうした?ミカ」

 

「なんでユージンが居る事知ってんの?」

 

三日月の疑問にオルガは、笑って答えた。

 

「そりゃお前─────」

 

風と共にオルガの言葉が三日月の耳に届く。

それを聞いて三日月は軽く笑みを作った。

 

「そっか。それならオルガも知ってて当たり前か」

 

「そんだけか?」

 

「うん」

 

三日月はオルガにそう言って、元の道へと歩いていった。

 

◇◇◇◇◇

 

「─────」

 

士道は目を開けると、視界に目に涙を浮かべた十香の姿が真っ先に入った。

 

「シドー!!」

 

「・・・・いじょうぶ」

 

「じゃないわよ!皆から心配されてたのよ!」

 

士道は声が聞こえた方へ顔を向けると、そこには耶俱矢が今にも怒ってますと言わんばかりに士道に言った。

 

「補足。耶俱矢はこう言っていますが、ここに着いた時ものすごくオロオロしていました」

 

「ちょ!?余計なことを言うな!?」

 

夕弦の言葉に耶俱矢は顔を赤くしてそう叫ぶ。

そんな中で、十香はベッドに横になる士道に言った。

 

「シドー・・・大丈夫なのか?」

 

そう言う十香に士道は言う。

 

「大丈夫。なんともないよ」

 

「本当に、本当か?」

 

「うん」 

 

「・・・・・ん」

 

十香は大丈夫と言う士道の肩に頭を乗せると、そのまま自重を士道に寄せる。

そして十香はそのまま瞼を閉じるとすぅすぅと寝息をたてながら眠ってしまった。

おそらくずっと自分の看病をしてくれていたんだろう。十香に悪いことしたなの思いつつ、士道は耶俱矢と夕弦を見ると、ジトーとした目で二人は士道を見ていた。

 

「・・・・なに?」

 

「夕弦、これよこれ。目の前でこうもされると流石に私も腹立つわ」

 

「私刑。ぼこぼこです」

 

「俺、なんかした?」

 

「うっさいバーカ」

 

「追記。とーへんぼく」

 

「・・・・・・」

 

好き放題言われているが、十香にも同じようなことをされた事があるのでなんとなく士道は二人が拗ねている理由が分かった。

十香ばかりズルいと。自分達にもかまえと。彼女達は言っているのだろう。

 

「後で二人にもやってあげるから今は我慢しといて」

 

「お?言ったわね。その言葉、覚えとくわよ」

 

「同調。約束ですよ」

 

そう言う二人に士道は十香をベッドに寝かせて立ち上がると、耶俱矢がなにか思い出したかのように士道に言った。

 

「と、忘れる所だった。・・・士道」

 

「ん?」

 

「まぁ、なんというか、ありがとうね。いろいろと」

 

「多謝。士道のおかげで、耶俱矢と争わずに済みました」

 

耶俱矢の言葉に士道は振りかえると、今度は夕弦が言う。 

 

「だからまぁ、つまんないもんだけど、お礼にと思って」

 

「請願。目を閉じていてください」

 

「目?いいけど」

 

士道はキョトンとした顔を作りながらも、大人しく指示に従った。

そして─────

 

「────────」

 

右と、左。

唇の右と左から柔かい感触が生まれた。

そして─────

 

「な・・・・」

 

「驚愕。これは─────」

 

耶俱矢と夕弦はのどから狼狽に満ちた声を発した。だがそれも無理はあるまい。何しろ、彼女達が着ていた霊力で作った制服が光の粒子となって消えてしまったのだから。

 

「う、うきゃぁぁぁッ!?」

 

「狼狽。えっちです」

 

「これ、俺のせいになるの?」

 

「ぬぅ・・・うるさいぞ・・・」

 

二人揃って胸元を覆い隠し、その場にうずくまる。

士道はこれは自分のせいになるのかと呟く一方で、ベッドで寝ていた十香が寝ぼけ眼で目を覚ました。

そして耶俱矢と夕弦の姿を見て、十香は状況を理解したのだろう。顔を真っ赤に染めて、士道に言った。

 

「し、シドー!?な、ななな何をしているのだ!?」

 

「え!前に十香や四糸乃にもやったやつ」

 

「士道にいきなり服を剥ぎ取られたー・・・」

 

「落涙。もうお嫁にいけません」

 

士道はそう言うが、背後から耶俱矢と夕弦が十香に向けて援護射撃が入る。十香はさらに頬を赤くすると、士道をギロリと睨みつけてきた。

 

「シドーォォォ!」

 

「これ・・・俺が悪いの?」

 

その状況のやり取りを扉の向こう側で聞いていた令音はボソリと呟く。

 

「やれやれ。これは、大変そうだ」

 

そう呟き、令音は医務室へと入っていった。




ゴメンね、三日月さん。
君のせいじゃないよ?ただタイミングが悪かっただけで君が悪い訳じゃないよ。
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