デート・ア・オルフェンズ   作:鉄血

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投稿!!

今回は最後、若干ギャグより。

頼むぜ!!三日月!!

ユージン・セブンスターク


第三話

すっかり日も落ちた十九時三十分。士道とユージンは学校の校門を出て、二人で薄暗い道を歩いていた。

 

「・・・疲れた」

 

「・・・ああ、身体がだりぃ・・・」

 

士道は事務仕事に全くと言っていいほどしていなかったせいか、実行委員の仕事を一から覚える羽目になり、ユージンに至っては、士道のフォローから予算分配等の各種伝達事項その他諸々の情報を捌いていたため、士道よりも頭と精神の疲弊が深刻だった。

 

「・・・オルガもこんな感じだったのかな」

 

「・・・いや、オルガの奴はもっと上手くやってた。俺だってよ、事務仕事で三十六時間の勤務は無かったぜ?アイツの方がもっとすげえよ」

 

通学鞄を右肩に下げながら、士道はユージンに言った。

 

「飯どうする?家で食ってく?」

 

「あー・・・そーだな。どうせ、俺の親父らは今日は帰って来ねえし、邪魔するわ」

 

「分かった」

 

士道はそう言いながら歩いていると、ふと足を止めた。

 

「・・・ん?」

 

「どーした?三日月」

 

ユージンが振り返りながらそう言うと、士道は口を開く。

 

「いや、あれ」

 

「ん?」

 

ユージンも士道の視線の先に目を向けると、前方────街灯に照らされた道の上に、小さな人影が見えた。

つばの広い麦わら帽子を被り、淡い色のワンピースを纏った小柄な少女である。

そして左手に着けられたウサギのパペットを見て、士道は前方にいる少女が誰なのかすぐに分かった。

 

「四糸乃。こんな時間に一人は危ないよ」

 

「・・・・・!」

 

名を呼ぶと、四糸乃はぴくりと肩を揺らして士道の方に視線を向けてきた。

 

「あ・・・士道、さん」

 

『おー、見ぃーつーけたー』

 

四糸乃が小さな声を発し、次いで左手のパペット『よしのん』が甲高い声を上げる。

 

「どうしたの、こんなところで?もう時間も遅いでしょ」

 

「あ、あの・・・私、士道さんのおうちに、お邪魔していたんです、けど・・・士道さんの帰りが遅くて、琴里さんが心配してたから・・・それで・・・」

 

そう言う四糸乃に対して、隣にいたユージンは言う。

 

「でもよ、一人で来るのはあんまり良くねえぞ。来るなら誰かと一緒じゃねえと」

 

そう四糸乃に言うユージンに、『よしのん』が口をパクパクと動かす。

 

『いやー、最初は真那ちゃんと一緒にいたのよ?けど、四糸乃が慌てちゃったせいで置いて来ちゃってさー』

 

「真那も?」

 

士道がそう言うと、その更に前方から小柄な少女が走って来るのが見えた。

 

「やーっと追いつきましたよ!一人だと危ねーって言ってますのに・・・」

 

真那はそう言って荒い呼吸を落ち着かせながら、士道に言う。

 

「すみません兄様!!私が居ながら、四糸乃さんを一人にしてしまって!」

 

「別に真那は悪くないでしょ。ほら、早く帰るよ」

 

「は、はい・・・!」

 

「はい!」 

 

二人はそう返事を返しながら、士道達と一緒に家へと向かう。そんな中で、真那が唐突に士道達に聞いてきた。

 

「ところなんですが、兄様」

 

「なに?」

 

「今日はどうしてこんなに遅かったのでいやがりますか?普段なら一言二言、連絡してきますのに?」

 

「ああ、これをユージンとやってた」

 

「これは・・・・?」

 

士道の指差す方、ポスターが貼られている壁に真那と四糸乃は目を向ける。

 

「天央祭・・・ですか?」

 

「うん。ユージンと一緒に実行委員ってやつの仕事」

 

「それで遅かった訳ですか」

 

真那はそう返事を返しながら納得する中で、四糸乃は興味深そうにうなる。

 

「どうした?」

 

うなる四糸乃にユージンがそう言うと、『よしのん』が答える。

 

『いやー、楽しそうだねーって思っただけだよー』

 

「まあな。結構楽しいぞ。良かったらお前等も来いよ」

 

ユージンがそう言うと、四糸乃と真那は驚いたように目を丸くした。

 

「!い、いいん・・・ですか・・・?」

 

「おう。俺等の学校でも色々出展する予定だから、遊んでいってくれよ」

 

『あっらー、よかったねー、四ー糸乃』

 

「う、うん・・・・!」

 

士道も四糸乃達に喜んでもらえると悪い気はしない。士道はそう思いながら、真那達と一緒に家に向かっていった。

 

「────ただいま」

 

「うーす、お邪魔しまーす」

 

両手が塞がっているため、四糸乃に扉を開けてもらいつつ、廊下の奥に向かって声を出す。

それから玄関に荷物を置き、靴を脱ぐと同時に、バターン!とリビングの扉が開け放たれ、長い髪を黒いリボンで二つに括った少女が飛び出してきた。そして─────

 

「遅ぉぉぉいッ!」

 

そんな叫び声を上げると同時、士道の鳩尾目掛けて跳び膝蹴りを放ってくるが─────  

 

「よっと」

 

士道は身体をずらす事によってそれを躱し、代わりに後ろにいたユージンの腹に目掛けて突き刺った。

 

「がべらてとらっ!?」

 

「「「「・・・あ・・・」」」」

 

四人は呆然とその様子を見つめる中、当の本人は謎の奇声を上げながら、ユージンの意識はブラックアウトした。




オルガ 「そうか?家族の為だ。それくらい頑張るさ」
         ↑ 
    三十六時間勤務した男

最後のユージンの悲鳴、なんかのモビルスーツが隠れてます!なんでしょうか!!
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