デート・ア・オルフェンズ   作:鉄血

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「ねぇ、次はどうすればいい?オルガ?」

三日月・オーガス


十香デッドエンド
プロローグ


(俺達の本当の居場所・・・だろ・・・オルガ)

 

(ああ、そうだなミカ・・・。)

 

バルバトスの首が剣によって貫かれた。

その衝撃で、三日月は自身の左手につけていたアトラのお守りが血で汚れる。

それを見て、意識が無くなりつつある三日月は思う。

 

(ああ、また汚れた・・・アトラに怒られる・・・クーデリア・・・一緒に謝ってくれるかな・・・)

 

『今、ここにアリアンロッド艦隊指令、ラスタル・エリオンの威光の元に悪魔は討ち取られた!』

 

機械的な音声と共に周りからは歓声が上がる。

だが、三日月には聞こえていなかった。

 

 

◇◇◇◇

 

 

パン!パン!

 

拳銃の発砲する音が聞こえる。

 

「・・・ってぇ・・・・」

 

「ふぃー・・・」

 

「ねぇ、次はどうすればいい?オルガ?」

 

「行くんだよ」

 

「何処に?」

 

「此処じゃないどっか。俺達の本当の居場所に」

 

俺の問いにオルガは答える。

だけどその頃の俺はオルガが言う本当の居場所の意味が分からなくて・・・。

 

「本当の?」

 

「ん?」

 

「それってどんなとこ?」

 

「えっ・・・んーわかんねぇけど、すげぇ所だよ。飯が一杯あってよ、寝床もちゃんとあってよ、後は・・・えっと後は・・・」

 

オルガがそう言って俺に血で汚れた手を出してくる。

 

「ん?」

 

分からなそうにみる俺をオルガは笑って言う。

 

「行ってみなきゃわっかんねぇ、見てみなきゃわかんねぇよ!」

 

「見てみなきりゃ?」

 

「そうだよ、どうせこっから行くんだからよ」

 

俺はその時に自分の生きる意味を見つけたんだ。

 

「そっか。オルガについていたら見たこと無い物いっぱい見れるね」

 

「ああ、だから行くぞ!」

 

その瞬間に俺は、自分は生まれたんだ。

 

 

◇◇◇◇

 

 

目の前に手を伸ばしながら、目を覚ます。

 

「なつかしい夢を見たな・・・」

 

五河士道は伸ばしていた手を頭に持っていき、髪をかく。

目元まで延びていた髪はボサボサになるが、そんな事は気にすることなく、時計を見る。

もうすぐアラームがなる時間だと思い、アラームを切ると慣れないフカフカなベッドから起き上がり、窓の前へと立つ。

そして、手を滑らせるように服の中に入れて、背中を沿うようにしながら撫でるとコツンと硬い感触が伝わった。

硬い感触の先には明らかに異物である三つの突起物があった。

物覚えが分かる前から存在するそれにはもう長い付き合いだった。これについて知っているのは自身の他に両親しかいない。

 

毎朝の確認を終えると、その瞬間に扉が開かれた。

 

「おにーちゃん!おっはよー!」

 

自身の背中についているコレを知らないであろう妹が彼の部屋の扉を勢いよく開けて入ってきた。

 

「琴里、うるさいよ」

 

朝からうるさい妹に言うが、彼女は反省していないような返事で答える。

 

「はーい!でもおにーちゃん、おとーさんとおかーさんが居ないから起こしてって言ったのはおにーちゃんだよ?」

 

ああ、確かそんな事を言った気がする。

士道はそう思いながらも、琴里に言う。

 

「今から着替えるから、先に下で待ってて」

 

「はーい!」

 

そう言って琴里は下へと降りていく。

毎週起こる嵐が過ぎさった後、自分以外誰も居ない部屋で此処にはいない人へ言った。

 

「ねぇ、次はどうすればいい?オルガ?」

 

彼のその問いに答える人はいない。

だが、彼は・・・

 

「うん、わかってる。立ち止まってなんていられない。だろ?オルガ」

 

彼は記憶の中に存在する男に向かって笑った。

その男も、そんな彼に笑い返したような気がした。




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