かわいいと思ったから
三日月・オーガス
幾度となく聞いた終業チャイムの音が、寝ぼけていた士道の鼓膜を震わせる。
いつものなら家に帰る合図を示すそれは、しかし今の士道にとっては面倒な仕事をしなければならない合図でしかなかった。
「・・・十香、耶俱矢達連れて準備に行くよ。多分ユージンは先に行ってると思うから、早く合流しよう」
「あ、待ってくれ!シドー!!」
鞄を持つ士道に、十香は慌てながら荷物を鞄に片付ける。
そんな二人の様子をすぐ近くで、ジッと折紙は見つめていたが、特に何も言う事はなかった。
士道としてはありがたい話ではあるのだが、よく十香と喧嘩をしているのは度々見られるので、気にしておいて損はしないだろう。
士道は教室の扉の前で待つ中、ふと、後ろから声が投げられる。
「待たせたな士道よ!では、いざ参ろうか!」
「同意。此方はもう準備は出来ています」
「まだ十香の準備が終わってないから、あと少し待って」
士道は二人にそう言ってから十香に目を向けると、もう準備が出来たのだろう。
鞄を持った十香が、慌てた様子で士道達のもとへと走ってくる。
「すまない!待たせたな二人共!」
「そこまで待って居らぬわ。気にするでない」
「同意。急がなくても大丈夫です」
耶俱矢と夕弦は十香にそう言うと、士道はそんな三人を見て口を開く。
「じゃあ、行くよ」
「うむ!そうだな!」
士道の言葉に十香は頷いて、天央祭の会場となる天宮スクエアへと向かった。
◇◇◇◇◇
「ごめん。少し遅れた」
四人で目的地に向かった士道達は、先に準備をしていたユージンに声をかける。
「遅かったじゃねえか、三日月。もう先に準備してるぜ」
「見れば分かる。で、俺達は何やればいい?」
そう言う士道に、ユージンは顎に手をやりながら少しの間、考え込む。
「作戦の事もあっから、なるべく四人で行動させた方が良いよな・・・なら、力仕事を頼めるか?」
「俺は構わないけど、三人はどうする?」
「む?私は構わぬぞ?」
「応!我も構わぬ。この八舞がすぐに終わらせてやろう!」
「呼応。私達にかかれば一瞬です」
「だってさ」
「ったく・・・」
三人の言葉にユージンはそう呟いてから、士道に言う。
「んじゃ、そっちは任せたぜ。俺は他にやる事あっから、終わったら連絡くれ」
「分かった。ユージンも頑張ってね」
「おう」
士道とユージンはそう言ってからお互いに腕を出して、ぶつけ合う。
士道とユージンのやり取りを見ていた十香と耶俱矢、夕弦は士道に言った。
「シドー!!次は私もだ!ユージンばっかりずるいぞ!」
「無論、我らもだ。嫌とは言わせまい」
「憤慨。士道も偶には私達ともしてください」
「まあいいけど」
三人のお願いに、士道は腕を十香達の前に出すと、お互いにぶつけ合う。
「・・・・・・」
そしてその五人の光景を遠目で眺める少女が一人。
誘宵美九は十香達を見て、欲しいと考えていた。
三日月達のイチャイチャを遠目で見ていた美九
美九「ギリィッ!!」
因みに美九が三日月にお願い(天使による洗脳)を使っても、バルバトスが問答無用で弾いてきます
バルバトス「やらせるとでも?」