ガリガリが味方につくんだ?まあ、誰が味方でも変わらないけど
僚機がガリガリの時の三日月
『───これより、第二十五回、天宮市高等学校合同文化祭、天央祭を開催いたします!』
天井付近に設えたスピーカーから実行委員長の宣言が響くと同時、各展示場が拍手と歓声に包まれた。
九月二十三日、土曜日。天宮市内の高校生が待ちに待った、天央祭の始まりである。
正面入口から近い一号館、二号館には主に飲食関係の模擬店が、奥の三号館、四号館には、様々な研究発表やお化け屋敷などの簡易アトラクションが集められていた。
今士道がいるのは二号館。来禅高校の勝敗を握る重要な拠点である飲食ブースだ。
「・・・・・」
だが、そんな重要拠点にいる士道は今、椅子に腰を下ろしながら怠そうな表情を作っている。
それもその筈、ここの所最近、バンドで使う楽器を一から全部覚えていたのだ。士道にしては珍しく寝るのも惜しんで、だ。
それプラス、慣れない実行委員の仕事、学校の授業(半ば寝ていたが)もあり、いくら長期戦が出来ていても、頭を使う慣れない仕事が積もりに積もってこの有様である。
そして、十香達はというと・・・
「おお!ひらひらだな!」
「くくく・・・どうだ士道?似合うだろう。我が着ればどのような衣装も霞むというもの・・・」
「指摘。耶俱矢、後ろの紐が解けています」
「えっ!?嘘!?ちょ、夕弦直して!」
フリルがいっぱいついたエプロンの裾をつまんでひらひらさせながら笑う十香と服の後ろの紐が外れかけて夕弦に直してもらっている耶俱矢の姿があった。
そんな元気な三人に、士道は座ったまま十香達に言う。
「似合ってるじゃん」
メイド服を着る十香達に士道はそう言って身体を起こす。
そんな士道にユージンが声を上げる。
「三日月!見回りにいくぞ!」
「うん」
ユージンの声に士道はそう言って、腰を上げた。
「それじゃあ皆、頑張ってね。見回り行ってくる」
「うむ!シドーも頑張ってくれ!」
「確認。士道はいつ戻ってきますか?」
そう聞いてする夕弦に、士道は言う。
「まあ、一時間くらいかかるんじゃない?他のところ見に行かないといけないし」
「首肯。分かりました。耶俱矢にも伝えておきます」
「なんかあったら連絡して。すぐに向かうから」
士道はそう言ってユージンのもとへ歩き出す。
「待たせた?」
「待ってねえよ。んじゃ、行くか」
「うん」
ユージンはそう言って、アリーナの中を歩き始めた。
「で?どこ見に行くの」
「そーだな・・・まずは四号館の展示物の確認だな。作品がぶっ壊されてないかの確認と、入場者確認。んで、他の学校の展示物の視察ってとこか」
「わかった」
士道はそう言いながら周りを見渡す。
人混みが賑わう中で、士道とユージンはあちこち周りながら四号館へと足を運ぶ。
そんな中で、士道達の後ろから声が掛けられた。
「・・・シン」
「ん?」
士道とユージンは振り返ると、そこにいたのは令音と四糸乃、そして食べ物を抱えた真那がいた。
「二人も来てたんだ」
そう言う士道に四糸乃は唇を開く。
「あ、あの・・・お疲れさま・・・です」
四糸乃はそう言いながら、左手に装着された『よしのん』が、カラカラと頭を揺らしながら甲高い笑い声を発した。
『やー、お疲れさまー士道くん。実行委員の仕事中?大変だねー』
「別に。やらなきゃいけないし、そこまで忙しい訳じゃないよ」
そう言う士道に、真那がフランクフルトを口に咥えながら、士道に言った。
「にぃひゃまもおふかれさまれす。ほてとたへます?」
「先にそれ食ってから喋れよ・・・つか、思いっきり楽しんでんな。お前・・・」
ユージンは真那の様子を見てそう言うが、真那は気にすることなく、ケチャップとマスタードを口周りにつけながらモグモグと口を動かす。
「・・・十香達は?」
「十香達は今、二号館にいるよ。俺とユージンは視察」
「ん・・・分かった。シンもこの後、頑張ってくれたまえ。今回は十香達をも巻き込んだ攻略だ。気を付けて動いていかないといけない」
「わかってる」
令音に言われ、士道はそう答える。
「三日月、そろそろいくぞ。時間がねえんだから」
「うん。じゃあ、またね」
『バイバーイ!士道君』
「頑張って・・・下さい」
「では、また後で!兄様!」
四糸乃達はそう言いながら、士道達と別れた。
「んじゃ、さっさと回って俺達も手伝いにいこうぜ」
「うん」
士道とユージンはそう言いながら、館内を歩いていった。
真那「楽しんだもの勝ちです」
両手いっぱいに食べ物を抱えながら
耶俱矢「私も士道と夕弦と一緒にたーのーしーみーたーいー!!」
夕弦「首肯。終わったら、士道と一緒に楽しみましょう」
作者「そう言ってるけど二人共、美九に洗脳されたあげく、後半は三日月にボコられるよ?」
後の展開を見ながら
なお、話の都合上ボツになりましたが、三日月の女装メイドの話もあったけど、十香達の目に悪いので無しになりました