デート・ア・オルフェンズ   作:鉄血

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三日月プッツンの話になります!

逃がすわけないだろ

アストンを殺され、ブチギレる三日月


第十七話

美九のその言葉と共に、足元の空間から放射状の波紋が広がっていった。

そして波紋の中心部から、何か巨大な金属塊のようなものがステージ上にせり上がってくる。

 

「・・・・!」

 

士道は少しだけ目を見開けて驚いたような顔をするが、すぐに懐から銃を取り出し、美九の眉間目掛けて銃弾を叩き込む。パンッパン!と乾いた銃声が館内に響き渡る。

が─────

美九を中心に見えない壁が張られているかのように弾丸が地に落ちた。

そして美九は呼び出された天使から広がる光の鍵盤に両手の指を叩きつけた。

 

───ヴォオオオオオオオオオオオオ──────ッ!!

 

瞬間、美九の後方に聳え立っていた巨大な天使が、凄まじい音を発し始めた。

規則的に連なった銀色の円筒の中を音が幾重にも反響し、周囲に撒き散らされる。会場の空気がビリビリと震え、身体中に震動が伝わってきた。

 

「が・・・・ッ!?」

 

その爆音に、流石の士道も耳を押さえる。

士道はその音を耐えるようにしながらバルバトスを展開する。もう、周囲に気を使う余裕はない。

十数秒後。嵐のように駆け巡った〈破軍歌姫〉の音は徐々に小さくなっていき、やがて、完全に消え去った。

 

「・・・ユージン。無事?」

 

騒音が収まった後、士道は近くにいたユージンに声をかける。耳がきぃんと鳴る中、自身の身体の異常を軽く、感覚で確認するが特に変化はない。

あとは皆の無事を確認するだけと思い、士道は周りを見渡した。

 

「─────」

 

だが士道はその周りの異常な光景に思わず動きを止める。

会場には未だ、何千人という数の観客がいる。

だというのに、それらの観客が、一人の例外もなく皆一様に直立姿勢をとり、無表情のまま身じろぎ一つせず、ステージの上に視線を送ってきていたのだ。

 

「・・・なにこれ」

 

気味の悪いその光景に士道は思わずそう呟く。

すると美九の方から笑い声が聞こえてきた。

 

「ふ・・・ふふ・・・ふ、仲間、家族・・・でしたよねぇ?美しいですねぇ、素晴らしいですねぇ」

 

美九は壊れた人形のようにカラカラと笑った。

 

「────こんなに、壊れやすいなんて」

 

「─────────ッ!!」

 

美九の言葉を聞いた瞬間、士道はバルバトスと共にステージを蹴破り、疾走した。

そして巨大メイスを大振りに美九の頭上へと振りかぶる。

だが─────

ガァァァンッ!!

金属同時がぶつかりあい、火花を散らす。

士道の攻撃を逸したその人物は、“耶俱矢だった”。

 

「ッ!!」

 

士道はすぐに追撃をかける事なく、その場なら離脱する。

そして先ほどまで士道がいたその場に、ペンデュラムが流れるように着弾した。

 

「・・・チッ」

 

士道は舌うちをしながら距離をとろうとすると、後ろから隔てるように氷の壁が出現し、士道の進路を阻んできたのである。

そして、後方から聞き慣れた声が聞こえてきた。

 

『んー、ふふー。駄目だよ逃げちゃあ。そんなことさせないよー?』

 

「お・・・お姉様は、私が・・・守り、ます」

 

四糸乃の言葉を聞き、士道は美九を見て言う。

 

「お前────」

 

そう呟く士道に、突如暴風が吹き荒れる。

それと同時に、上方から不敵な笑い声が響いてくる。

 

「くく・・・愚かな。我らが姉上様に盾突こうとは、総身に知恵が回りかねておると見える」

 

「肯定。短慮かつ無謀な行動です。お姉様には指一本触れさせません」

 

言いながら、耶俱矢と夕弦が軽やかに空を舞い、美九の上空に静止した。

双方、限定的に顕現した霊装の拘束具に締め付けられており、耶俱矢は巨大な槍を、夕弦はペンデュラムのような武器をそれぞれ携えていた。

 

「さあ・・・こうなったら、あなたに用はなくなっちゃいました。さっさと始末して、精霊さんたちと遊ぶことにします。───さあ、やっちゃってください!」

 

美九が光の鍵盤を一層強く叩く。すると四糸乃と耶俱矢、夕弦が、士道に敵意に満ちた眼差しを向けて此方へと向かってきたその時────

 

「“お前───皆に何をした”」

 

バルバトスが一瞬で、美九の“目の前に現れる“。

 

「─────ひっ」

 

美九は小さく悲鳴を上げるが、士道はそのままレクスネイルがついた手で美九の首を絞め上げた。

 

「がっ!?─────あッ!!」

 

「姉上様!!」

 

耶俱矢が此方へと向かってくるが、士道は絞め上げている美九を盾にして耶俱矢へに牽制する。

 

「なっ!?卑怯な手を使いおる!!」

 

「卑怯も関係無いだろ」

 

士道はそう言って更に美九の首に力を込める。

レクスネイルが美九の首筋の肌を食い破り、そこから血が垂れ落ちていく。

苦しいそうにもがく美九に、このままとどめを刺そうと力を込めたその瞬間だった。

 

「─────十香さん!!」

 

「─────ッ!」

 

真那の悲痛な声が士道の耳に入る。

士道はその声が示した十香に目を向けるとそこには───

 

「最優先目標である〈プリンセス〉の回収は完了。後は貴方だけですよ〈デーモン〉」

 

気を失い、ぐったりとした十香を抱いて空を飛んでいる、エレン・メイザースがそこにいたのだから。




Q.なんで真那は無事だったの?

A.美九の事が他の人より大嫌いだったから、『お願い』が効かなかった。

次の次あたりから新章かな?
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