撃っちゃうんだなぁー!これが!!
ユージンに似た誰か
「・・・・ッ!!」
真那は相手が狂三だと分かった瞬間、〈ヴァナルガンド〉の砲身を開けさせ、狂三へと向ける。
「君は・・・そうか。〈ナイトメア〉か」
マクギリスはそう言って狂三を観察するように見つめる。
「・・・アンタか」
士道はその少女の名を呼んだ。狂三。士道の元クラスメイトにして────『最悪の精霊』
狂三はそんな士道の言葉に、ぴくりと眉を揺らしてから肩をすくめてきた。
「あら、違いましたかしら。────四糸乃さんと八舞姉妹を精霊に奪われ、十香さんをDEM社に拐かされ・・・途方に暮れているように見えたのですけれど」
「別に途方に暮れてないよ」
士道はそう言った後、更に言葉を続ける。
「・・・で?なにしにきたの。また殺されたいわけ?」
前に狂三が十香達にした事を士道はまだ忘れていない。
そう言って狂三を見る士道に、愉快そうに唇を歪めた。
「ふふ、落ち着いてくださいまし。────少なくとも今わたくしに、士道さんをどうこうしようというつもりはございませんわ」
「信じられると思う?」
「わたくしが今、嘘をつく理由がございまして?」
「・・・・・・」
そう言う狂三に士道は口を閉じる。
確かにその通りである。狂三にその気があるのなら、士道が一人でいるところを襲っていることだろう。
「で?話ってなに」
怪訝そうに言う士道に、狂三はトントンとリズミカルに靴底を叩きながら、士道に近寄ってくる。
「─────」
真那は警戒したように銃口を狂三に向けたまま、視線を鋭くした。
「わたくしも士道さんのお手伝いをしにきましたの」
「・・・へぇ」
「・・・ほぅ」
狂三の言葉に士道とマクギリスは同時に呟いた。
「ご安心くださいまし。戯言を吐いてはいませんわ。───まあもちろん、それでも信じていただけないのであれば、無理にとは申しませんけれど」
そう言う狂三に士道は少し黙った後、口を開く。
「・・・分かった。今回はアンタを信用する。手伝ってもらうよ。トッキー」
「兄様・・・!」
「別に何かしようとしたら、前みたいに叩き潰せばいいだけだし」
コイツは増えるから盾にも使えるし。そんな事を考えて、士道達は美九に手を打つ為の作戦を錬る。
「夜刀神十香の救出の前に、誘宵美九に手を打っておかなければならないな。理由はどうであれ、彼女は三日月・オーガスと高宮真那を血眼になって追いかけている。何万という人間と、精霊三人を従えて。・・・間違いはないな?」
「それで間違いはねーと思いますよ」
「ふむ・・・それではやはり、そちらから片付けてしまいましょう。彼女は着々と支配領域を広げていますわ。そうなると、少々困りますし」
「事実、彼女は実戦向きの能力を持ち合わせてはいないようだからな」
そう言うマクギリスに真那が言った。
「そうは言っても、人を操る声は厄介ですけど?」
「問題ありませんわ。この場にいる私達はあのような演奏に心揺らされるほど、純真ではございませんでしょう?」
「まあ、そうですね・・・私、あの人嫌いですし」
「俺も別に」
「私のバエルに対する愛を越えるものなどありはせんよ」
「「「・・・・・・・・・」」」
マクギリスの“アレ“な発言に、三人は沈黙する。
「・・・まあ取り敢えず、士道さんを美九さんとどうにか二人きりにする事が目的になりますわね」
「いや、相当難しいと思いますけれど・・・まともに話が通じる相手じゃねーですし」
と、真那の言葉に狂三はぴくりと眉を動かした。
「どうかしたの?」
「・・・それは、どうですかしらねぇ」
「?」
顎に指を触れさせながら言う狂三の言葉に首を捻る。すると狂三は、半眼を作りながら答えてきた。
「上手く説明できませんけれど、本当にあの方の価値観は、先天的なものなのでしょうか」
「どういうことです?」
「いえ、なんと言いましょうか。あの方、少しばかり妙な感じが・・・」
そう言う狂三に、マクギリスは言った。
「つまりは後天的。なにかの理由があり、ああなったと言う訳か」
そう言うマクギリスに狂三は頷く。
そして数秒後、何かを思いついたように顔を上げた。
「士道さん。何か美九さんの持ち物が手に入りませんこと?」
「は?そんなのあるわけないだろ」
「彼女の私物?なぜ、そんなものを」
マクギリスの問いに狂三は唇を開く。
「わたくしの予想が正しければ、彼女の泣き所を押さえられるかもしれませんわ」
「・・・なに?」
マクギリスはそう言って、眉をひそめる。
とはいえ、彼女は精霊。彼女のものをそう簡単に手には入るものなど────
「・・・あ」
士道が顔を上げる。
「どうかいたしました?」
覗き込む狂三に、士道は言った。
「確か、前に琴里にアイツの家の場所が書いた紙もらったの忘れてた。多分アイツの家ならあるんじゃない?」
狂三「やっぱりこの人、病気ではありませんの?」
マクギリスを見て
真那「貴女と同じ考えだなんて嫌なんですけど、まぁ、同意です」