阿頼耶識リミッター解除発動!!
なお、ほぼ戦闘はない模様。
なぜかって?十香相手だから
あれはお前の獲物だろ?余計な鎖は外してやるから見せてみろよ。お前の力
ハシュマル相手の時の三日月
「ぁ────」
少しの間休ませたことで幾分か喉が回復したのか、微かな声が漏れる。
しかし、美九はそれよりも先に。一番大切な声のことよりも先に、目の前の出来事に意識を奪われていた。
粉塵を巻き上げながらバルバトスが十香と美九の間に立ちはだかり、〈暴虐公〉の一撃を防いだのである。
────右手に握られた〈鏖殺公〉によって。
「・・・生きてる?」
軽い調子で言って、士道が美九の方を一瞥する。
「ぁにを、やっぇ────」
未だ上手く声が出ない状態で美九が言う。すると、〈暴虐公〉の一撃を凌いだ士道は、十香に視線を戻しながら口を開いた。
「────アンタは、十香を助けるのを手伝ってくれただろ。なら、見殺しはしない。それに────」
士道は口を一度紡いでから、もう一度口を開いた。
「アンタの本当の歌。聞いてみたくなった」
「────────」
美九は口元に手を当てると、全身を小刻みに震わせる。
見開かれた目から、ポロポロと涙が零れていく。
「ぁ、ぁ・・・・」
美九は涙を零しながら小さく嗚咽を漏らす。
そんな美九を後に、士道は十香の異常に目をつける。
今し方斬撃を放った十香が、左手で額を押さえ、苦しげにうめいていたのである。
「う、ぅ・・・シドー・・・シドー・・・」
「・・・?」
十香のうめくように言うのを聞いて、士道は眉をひそめる。
「あと少しか」
今十香は確かに自分の名前を呼んだ。なら、もう少し揺さぶりをかければもとに戻るかもしれない。
しかし。
「う、あ、ああああああッ!」
十香は叫ぶと、右手に握った〈暴虐公〉を地面に突き立て、その刃に向かって自分の左腕を振った。
「あぐ・・・っ!」
霊装ごと左手に大きな傷が刻まれ、盛大に血が流れ落ちる。そして、落ち着きを取り戻した十香は、自らの血に濡れた〈暴虐公〉を引き抜いた。
「面妖な手を・・・!私を惑わすか、人間!」
言って、十香は床を蹴り、再び空へと舞い上がると、巨大な剣を高く振り上げる。
「ならば一撃にて塵も残さず粉砕してくれる!」
すると虚空に不思議な波紋が現れ、そこからは、十香の身の丈の倍はあろうかという巨大な玉座が姿を現した。
そしてその玉座が空中でバラバラに分解し、十香の掲げ────た剣にまとわりついていく。
「────我が【終焉の剣】で・・・ッ!!」
十香の吠えるような宣言とともに。
〈暴虐公〉は、その真の姿を現した。
「ミッチーは離れて」
「・・・・!・・・・!」
士道の言葉に、美九は声を上げようとするが声はまだ出ない。
そんな美九に士道は言った。
「大丈夫」
その言葉と共に、士道は言葉を続ける。
「俺も───“バルバトスの余計な鎖を外す“」
余計な鎖。美九は何のことかはわからないが、最後の切り札というものなのだろう。
士道は美九の手を払い、そして十香に近づいていく。
「────十香」
「・・・・・ッ!」
士道が名を呼ぶと、十香が怯えるように肩を揺らした。
だが、十香はそれを振り払うようにかぶりを振ると、絶叫じみた声を上げて巨大な剣を振り下ろした。
「〈暴虐公〉────【終焉の剣】!!」
バルバトスに、何もかも呑み込む闇の奔流が迫ってくる。
「兄様・・・ッ!!」
「士道さん・・・!」
「「士道!!」」
真那、四糸乃、耶俱矢、夕弦が今のまさに破壊の奔流に呑み込まれようとしている士道を見て叫ぶ。
それと同時に────
「十香達を助けるから目でも、腕でも好きなだけ持っていけ。だから────お前の力を寄越せバルバトス」
士道その言葉と同時にバルバトスのそのツインアイは赤く染まり、そして、士道の視界は闇に染まった。
なんでモビルアーマーでもないのに赤くなったの?
A.三日月の手に握っているものと十香の手に握ってるものがもろに関係してます