デート・ア・オルフェンズ   作:鉄血

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腹減った。なんかある?

三日月・オーガス


第七話

「なんだ?ここ」

 

〈フラクシナス〉から空間震の発生現場に転送された士道は、辺りに広がる光景を見て、そう呟いた。

直径一キロメートルに及ぼうかという広大な範囲が、綺麗に整地されたかのように円状に削り取られている。

だが、今士道が見ていたのは、そんな災害の爪痕ではなかった。

空間震の消失痕の外縁南側。そこに、なんとも異様な建造物が立ち並んでいたなのである。

空中半ばで途切れたジェットコースターのレールや、馬の首がなくなったメリーゴーランド。ひび割れたコーヒーカップに、半壊状態になったミラーハウス。

どれも錆び付き苔生しており、先程の空間震でこうなったとは思えなかった。

士道が転送装着で送られたのは、天宮市の外れに位置する遊園地の跡地だった。

正式な名前は分からない。近隣住民の間でも「おばけランド」としか呼ばれていなかった。三十年前の南関東大空災をぎりぎり免れた施設らしいが、当然ながら災害後は来客数が激減────ほぼ皆無になり、瞬く間に廃園となったという話を耳にしたことがあった。

今回の空間震においても、あくまで被害範囲に遊園地の敷地が重なっていただけで、錆びたアトラクション等はそのまま残っていた。

それが夕暮れ時の時間帯とも相まって、なんとも不気味な光景を作り出している。

 

『出現した精霊は既に空間震発生ポイントから西に移動しているわ。すぐにASTも現場に到着するはず。余計な茶々を入れられる前に接触してちょうだい』

 

「わかった」

 

どうせやることは変わらない。士道は廃墟と化した遊園地に足を踏み入れた。

だが、すぐにその足を止める。

 

「・・・は?」

 

士道はその光景を見て、そう呟いた。

ある一定の地点から、廃墟と化した遊園地が、デフォルメされたゴシック建築や、十字の墓標が並ぶ、なんとも悪趣味な空間が広がっていたのである。

 

「琴里」

 

『────ええ。微弱ながら、周囲に霊波反応があるわ。詳しいことはわからないけれど、恐らく精霊の能力が関係しているんでしょう』

 

その異様な光景を眺めながら士道は足を進めた。

────と。

 

「あらぁん?」

 

士道は声がした方へと、目を向けた。すると目の前に聳えた教会の屋根の上に、変わったシルエットが見受けられた。

オレンジ色の夕日を背にしながら、十字架の上に一人の女性が腰かけている。

逆光のためその表情までは詳しく見えないが────彼女が特徴的な帽子を被っていることははっきり見て取れた。

つばの広い、先端の折れた円錐。

そう。それはまるで────おとぎ話の中に出てくる『魔女』を思わせた。

 

「うふふ、珍しいわね、こちらに“引っ張られたときに、AST以外の人間に会うだなんて」

 

精霊はくすくすと笑い、ぴょんと十字架から飛び降りる。

そしてそのままふわふわと空中を漂いながら、士道の目の前に降り立った。

夕焼けのような橙色と、夜空のような黒で構成された霊装を纏った、長身の女性である。

 

「・・・・?」

 

彼女を目にした瞬間、士道は何か違和感を感じた。

バルバトスは“コイツは違う“と言っている。だが、その違和感の根本が分からないまま彼女を観察していると、精霊は艷やかな長い髪の合間から、エメラルドとも見まごう双眸が、興味深げに士道を見つめていた。

 

「ふぅん・・・?」

 

精霊が、士道を値踏みするように顔を近づけてくる。

 

「なに?」

 

そんな士道の反応に、精霊は再びくすくすと笑った。

 

「ふふっ、そんなに睨まなくても、取って食べたりしないわよ」

 

精霊はそう言って、片手を伸ばし、くいと士道の顎を持ち上げてきた。

 

「へぇ・・・なかなかカワイイじゃない。どうしたの、僕?確か私が現界するときって、こっちの世界には警報が鳴っているんじゃなかったっけ?」

 

その言葉に、士道は言った。

 

「・・・別に、この辺殆ど知らなかったからシェルターに行けなかっただけだよ」

 

そう言う士道に、精霊は目を見開いた。

そしてほんのりと頬を染めながら、ニッと唇の端を上げてくる。

 

「ふぅん・・・そうなの。お名前は?」

 

「士道だよ。五河士道」

 

「士道くんね。うふふ、かわいい名前」

 

士道が言うと精霊はふふっと可愛らしく微笑んでみせた。

 

「私は七罪。まあ────あなたたちには〈ウィッチ〉って呼ばれているみたいだけど」

 

七罪はそう言って、士道に笑みを返した。




耶俱矢「お腹すいた!!このままじゃ餓死するってば!!」

美九「騒ぐともっとおなかが減りますよー・・・」

夕弦「同調。・・・ですが、流石にこれ以上誤魔化すのは無理かと」

耶俱矢「何が誤魔化すのが無理なのよ」

真那「私もお腹が・・・夕弦さんは鉄拳制裁予告しているんじゃないです?」
 
琴里「恐ろしいこと言うわね・・・」

三日月「大丈夫?これ」

耶俱矢「・・・流石にもう限界。食パンあるけど食べる?なんか緑っぽくなってるけど」

ユージン「ばっ・・・耶俱矢!?それはやめとけ!」

三日月「そろそろ皆ヤバいから、メシ作るね」


十香と四糸乃はダウンしてます
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