デート・ア・オルフェンズ   作:鉄血

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身構えている時には死神は来ないものだ。ハサウェイ

アムロ・レイ


第十七話

「・・・・・」

 

「・・・・・」

 

琴里とのデートを終え、学校をサボっていた亜衣、麻衣、美依にばったり出くわし、軽く話しながらバルバトスの反応を確かめた後、次の現場に居たのは耶俱矢だった。

今朝の件もあり、二人は無言のまま駅の前で立ち尽くしている。

 

「・・・ねぇ、士道」

 

「・・・なに」

 

耶俱矢は暗い顔のまま、震える声を発した。

 

「・・・夕弦、見つかってないんでしょ」

 

「・・・うん」

 

耶俱矢には令音が検査だと言って誤魔化したそうだが、どうやら気づいていたらしい。

 

「・・・私は、それを知らない方がいいんでしょ」

 

「・・・・・・」

 

耶俱矢は何も言わない士道にそう呟く。

 

「なら、“お願い“。夕弦を・・・夕弦、を────」

 

今にも泣きそうな顔と声の耶俱矢に士道は左手を耶俱矢の頭の上に置いて口を開く。

 

「分かってる。夕弦は絶対に助けるよ」

 

そう言ってくしゃりと耶俱矢の髪をグシャグシャにした。

士道だって、夕弦に手を出されて苛立っているし、耶俱矢の気持ちも分かる。

そうして数分が経ったころ、耶俱矢は言った。

 

「ねえ、士道。私と勝負するのはどうだ?」

 

「勝負?」

 

いつもの調子で言う耶俱矢に士道は首を傾げる。

 

「そうだ。勝負に負けた方は、勝ったほうの言うことをなんでも一つ聞く、ってのはどうだ?」

 

「別にいいよ」 

 

士道はそう言って、周りを見渡す。

 

「で、何で勝負する?」

 

「ふふん。あれだ」

 

そう言って指先をビッとある建物へと向ける。

 

「・・・カラオケ?」

 

確か歌を歌う所の店だったか。何度かユージン達に連れられて行ったことがある。

 

「そうだ。どうした?今になって急に怖くなったか?」

 

「別に」

 

士道はそう言って、歩み始める。

 

「なら、俺も本気でやらせてもらうから」

 

士道が言うと、耶俱矢は嬉しそうにニィと唇の端を上げた。

 

「かかか!面白くなってきおったわ!よかろう、御主の本気とやら、見せて見るがよい!我が軽くねじ伏せてくれる!」

 

耶俱矢はそう言って、士道の先を歩きながらカラオケの店へと歩いていった。

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

────およそ二時間。士道は、完膚無きまでに敗北した。

もとから歌わないこともあってか、音程が取れず、どれもが耶俱矢の叩き出す点数を越えることはなかった。

 

「くく、我の勝ちのようだな!まぁ、よく戦ったと褒めてつかわそう!」

 

「あっそ」

 

士道はそう言って公園のベンチに座る。

そんな士道に耶俱矢は不敵に笑って腕組みをした。

 

「さぁて、忘れてはおらぬだろうな。我らが聖戦の前に交わした契約を!」

 

「覚えてる。・・・で?一体何するの?」

 

すると耶俱矢は、何も言わず士道の隣に座ると、先ほどとは打って変わって真面目な顔をして、静かに唇を動かしてきた。

 

「・・・では、御主に命ずるぞ。心して聞くがよい」

 

「・・・・?」

 

目を向ける士道に、耶俱矢は、士道の目をジッと見つめながら続けてきた。

 

「────今から十分間、我が何をしても決して驚かない、一切拒まないと誓え。そして、その間起きたことを、決して誰にも口外さぬと誓え」

 

「ん。分かった」

 

「よし」

 

耶俱矢は小さく首肯すると、しばらくの間何も喋らず────

不意に横に上体を倒し、士道の頭の上に頭を載せてきた。

そして、ゴロンと身体の向きをうつ伏せに変えると、両手を士道に回してぎゅうと力を込めてくる。

そして、耶俱矢はしばしの間、その姿勢のまま動かなくなった。

 

「耶俱矢?」

 

どれくらい時間がかかる経った頃だろうか。士道は時間になっても顔を上げない耶俱矢に声をかける。

 

「・・・っぅ、ぅぁ・・・っ」

 

耶俱矢が、小さな啜り泣きを漏らし始めたのを耳にして、士道は口を閉じた。

 

「・・・っく、ぅ、ぅ、・・・っ・・・・夕弦・・・、ゆづる・・・っ」

 

「・・・・・」

 

そして。耶俱矢の嗚咽に混じって聞こえてくる夕弦の名前を聞き、士道は左手を耶俱矢の頭の上に優しく置いた。

耶俱矢達は士道やユージンみたいに大切な家族が居なくなって、すぐに向き合えるほど強くない。

自分とて、オルガの死をハッシュから聞いた時は少なからず動揺したし、向き合うのも少しだけ時間がかかった。

そんな体験を、まだ死んでいないとはいえ、耶俱矢は一時的に一番大切な夕弦がいなくなるという事を体験しているのだ。

つい先程まで強がっていてもボロが出ていたのは士道も気づいていた。

ただ、黙って聞いている士道に耶俱矢は顔を埋めたまま言った。

 

「・・・士道。私は士道を信じる。あのとき、私と夕弦に三つ目の選択肢をくれたのは士道だから・・・」

 

耶俱矢はそう言って、ぎゅうと、士道に抱きつきながら涙が止まるのを待つのだった。




ppppp・・・


作者「ん?」

狂三「どうかいたしましたの?」

作者「いやね?さっきミノフスキー・フライトの音が聞こえたような気が・・・」

狂三「ミノフスキー・フライトとはなんですの?」

作者「ペーネロペーやΞガンダムとかに装備されてるまあ、プカプカ空に浮かぶ為の装備でね」

狂三「ふむふむ」

作者「ペーネロペーのは不完全だから音が鳴るのよ」

狂三「それの何が問題ですの?」

作者「さっき聞こえたってことはペーネロペーが近くいるってことで・・・」

pppppp・・・

バシュン!!

ジュワァッ!!

「「・・・・・・・」」

狂三「溶けましたわよ?扉が」

作者「ビーム兵器持ってるからね。仕方ないネ」

────To Be continved
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