デート・ア・オルフェンズ   作:鉄血

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ゴールデンウィーク前の最後の投稿!!
そして、原作には出てこないあの機体も登場!

では、どうぞ!

俺のアスタロトを舐めるな!!

アルジ・ミラージ



第ニ十四話 エピローグ 二機の悪魔

その日の夜。

士道と琴里と真那は薄暗い部屋にいた。

なんでも、〈ラタトスク〉が所有している施設の地下に当たる場所らしいが、詳しいことはわからない。入口から随分と歩いたことから、ここが住所の上でどの場所にあるのかすら不明瞭だった。

部屋の広さは二十畳ほどだろうか。ところどころに背の高いテーブルが置かれているものの、あとは何もない、ダンスホールのようなスペースである。

本当は〈フラクシナス〉の会議室が使えれば都合がよかったらしいが、容疑者の中に折紙と、力を封印していない精霊・七罪が残っている以上そうもいかなかったそうだ。

と───程なくして、三名の少女と、一人の青年がゆっくりとした足取りで部屋に入ってきた。

 

「くく、なんともお誂え向きではないか。我が、彼の邪王に審判を下すに相応しき舞台よ」

 

一人目は、耶俱矢。

 

「すごーい、なんだか秘密基地みたいですねー」

 

二人目は、美九。

 

「・・・・・」

 

三人目は、折紙。

 

「おう、三日月。あれから何か分かったみてえだな?」

 

そして最後に───ユージン。

もともと部屋にいた士道と琴里、真那を含めて計七人。

現在残っている容疑者全員が今、この部屋に集結した。

皆には既に、〈ラタトスク〉の機関員からことのあらましを説明されているはずである。

幸か不幸か───『精霊』の存在を知る面子だけが残っているからこそ使える手段だった。

 

「よく来てくれたわね、みんな」

 

琴里が言うと、ユージンを除く三人は戸惑う様子を見せながらも、士道達のもとに歩いてきた。

 

「ふん、気にするでない。どちらかと言えば、そのような重大な問題を我らに黙っていたことを謝って欲しいくらいだな」

 

「うーん、あのデートは調査の一環だったってわけですかー。それは少し残念ですねー」

 

「・・・・・」

 

皆がそれぞれに口を開くが、そんな中でユージンは士道に言う。

 

「で?三日月、あの女が誰に化けたのか分かったのかよ?」

 

「うん」

 

ユージンの言葉に士道は頷く。───と、次の瞬間。

 

部屋の中心にあたる空間が一瞬歪んだかと思うと、その場に淡い輝きが溢れ───天使〈贋造魔女〉が、出現した。

 

『な・・・・っ!?』

 

士道を除く、皆の狼狽が、部屋中に響き渡る。

 

『はあい、元気にしていたかしら?』

 

「まだ時間じゃないと思うけど?」

 

殺気立つ士道に、七罪は楽しげに笑いながら続ける。

 

『───うふふ、そう慌てないの。“どうせ当てられないのだから”最後の夜を楽しみましょう?』

 

そう言う七罪に真那が口を開く。

 

「随分と自身があるみてーですね?」

 

『そりゃあもちろん。私の変身は完璧なのよ?前はボロを出しちゃったけど、今回はそうはいかないわ』

 

そう言って、七罪は士道に顔を向ける。

 

『それで・・・士道は私が誰に変身していたのか分かったかしら?三回まで答えをあげる。それで三回とも言い当てる事が出来なかったら、全員、私のものにしてあげるわ』

 

そう言ってクスクスと笑う七罪に、士道は言った。

 

「別に三回も要らない。だってアンタが化けた奴は“よしのん“だって事は分かってる」

 

『・・・・は?』

 

そして、真面目な顔で士道を見つめ返してくる。

 

『・・・よしのん、ね。四糸乃ちゃんの着けてるパペットのことかしら』

 

「そうだよ。お前はこの数日間、よしのんに化けてたんだろ」

 

『・・・理由を聞かせてもらえるかしら』

 

七罪は顎に手で撫でながら問うてくる。が、士道はそのエメラルドのような目を見つめながら言った。

 

「アンタはよしのんに化けた時、俺と銀髪しか知らない事を口にしただろ」

 

それはバルバトスと精霊の力の拒否反応で半分以上が消えた十香達の思い出の中で残っているある時───

 

「アンタ───四糸乃がいなかった時、なんでよしのんが銀髪の家にいたってこと知ってた?」

 

よしのんは四糸乃が居なけりゃただの人形・・・パペットだ。そう。よしのんは知るはずがない。どこで自分が保護されたかなんて。

 

「アンタは余裕ぶってたんだろうけど、他にもバルバトスが四糸乃からアンタの気配を感じとってたから、どっちかだって分かってた」

 

言って、もう一度、〈贋造魔女〉を見る。

 

「で?どうなの、アンタ。アンタが化けてたのは、よしのんじゃないの?」

 

『・・・・それは───』

 

〈贋造魔女〉に映った七罪が、頬に汗を垂らして言い淀む。

───瞬間。

〈贋造魔女〉が、蠢動した。

次いでらその振動が次第に激しくなっていくとともに、〈贋造魔女〉の先端部の鏡に、ヒビが入る。

そして、鏡は今までとは違う、強烈な輝きを発した。

 

「おわッ!?」

 

「な、何よ、これ・・・・!」

 

「きゃぁっ!」

 

「ちっ・・・!」

 

それぞれ様々な反応をしめしながらも、しばらくて輝きが収まり、目がようやく明るさに慣れていく。

そして、部屋の中に、一瞬前まではいなかった幾人もの人間が横たわっていることに、皆は気づいた。

それらは皆───〈贋造魔女〉によって消し去られてしまった仲間たちだった。

 

「! 皆さん!」

 

真那はそれにいち早く気づき、声を上げる。すると十香と四糸乃が頭を押さえながらむくりと身を起こす。

 

「こ、ここは・・・一体・・・」

 

「・・・真那・・・さん?」

 

と、耶俱矢はすぐさま辺りを見回して、ぐったりとした夕弦のもとへ駆けていった。

 

「夕弦! 夕弦!」

 

耶俱矢が夕弦の身体を揺する。すると、数瞬の間のあと、夕弦が小さく咳き込んだ。

 

「朦朧。耶俱・・・矢。相変わらず・・・騒々しいです」

 

「! 夕弦・・・・っ!」

 

耶俱矢が顔を涙でぐちゃぐちゃにしながら、夕弦に抱きつく。夕弦はしばしきょとんとしていたが、すぐに耶俱矢を優しく抱き返した。

だが、士道はそんな二人の感動的再会や十香達を見ていなかった。

士道は大きな帽子のつばに覆い隠された七罪の姿を見る。

 

「・・・それが“アンタ“の本当の姿か」

 

「・・・・・な───」

 

「おいおい・・・マジかよ」

 

琴里とユージンの視線の先にはへたり込んでいる少女の姿があった。だが、その少女の姿は記憶にある七罪とはまるで違っていた。

小柄で細身な体躯。如何にも不健康そうな生白い肌に、小さな身長がさらに小さく見えるような猫背。眉は卑屈そうに、その両目は憂鬱そうに歪んでおり、自信にあふれていたあの表情など見る影もなかった。

そんな少女は士道の言葉にハッとした様子でペタペタと自分の顔を触り、愕然とした表情をつくった。

 

「あ、あ、あああ・・・・ッ!?」

 

そして絶望に満ちた声を上げ、帽子のつばを握り、自分の姿を隠すように背中を丸める。

そして帽子で自分の姿を隠したまま、右手を高く上げる。

 

「〈贋造魔女〉・・・・っ!」

 

七罪の声に呼応し、円卓の中央に浮遊していた〈贋造魔女〉が、手に収まる。その際、割れていた鏡の部分が、自動的に修復していった。

そして次の瞬間、七罪の身体が発光したかと思うと、その姿が、以前士道が目にした大人の姿に変貌していた。

七罪は憎々しげな目で士道を、そして周囲の皆を睨みつけると、重苦しい声を喉から発した。

 

「知った・・・な。知ったな知ったな知ったな知ったな知ったな知ったな知ったな知ったな知ったな知ったな知ったな知ったな知ったな知ったなァァァァァァ───ッ!」

 

そして、怒り狂うように身体を捩りながら、続ける。

 

「一度ならず二度までも・・・私の秘密を見たな・・・ッ!ゆ、ゆゆ許さない。絶対に許さない。全員、全員タダじゃ済まさないィィィィィッ!!」

 

だが───。

 

「ガフッ!?」

 

絶叫する七罪の横腹に大型メイスが突き刺さり、七罪を勢いよく壁に叩きつけられる。

 

「士道!?」

 

琴里が叫ぶと、士道はボソリと呟く。

 

「ゴチャゴチャ五月蝿いよ。そんなに見られるのが嫌ならここで死ねばいいじゃん」

 

士道はそう言って顕現させたバルバトスの肩に大型メイスを担ぐと、七罪に向けて歩いていく。

 

「・・・・!カマエッ!」

 

琴里は自身の天使を顕現させようとしたその瞬間、視界が暗くなった。

 

「なに───」

 

琴里はそう呟くと同時に、“地面へと叩きつけられ固定“される。

 

「琴里さん!?」

 

真那が叫ぶと同時に、ユージンは目を見開けていた。

 

「嘘・・・だろ・・・なんでコイツが・・・」

 

ユージン達の視界に映っていた“ソレ“はユージンにとって見慣れた機体だった。

焦茶色の装甲にモスグリーンのツインアイ。そして特徴的なバックパックと両手に握られている“ペンチ状の可変リアアーマー”。

 

ASWーGー11 “ガンダムグシオンリベイクフルシティ“

 

かつての家族の機体がそこにいた。

 

「・・・・ッ!!」

 

真那は抑えられた琴里を助けるべく、《ヴァナルガンド》を展開させ、銃口をグシオンに向けた瞬間───

 

ガッ!!

 

「ぁ───ぇ・・・?」

 

首元に強い衝撃が真那を襲い、真那は気を失った。

 

「何だよ・・・あの機体!?」

 

ユージンは真那を一撃で気絶させた“ソレ“に目を見開ける。

 

グレー色の装甲に所々に蛍光グリーンに近い色の装甲と腕にトンファーが装備された謎のガンダム・フレーム。

ユージンや士道は知らないが、その機体はかつて厄祭戦に消失したとされる機体。バルバトスの最後の記録によって顕現したガンダム・フレーム。

 

ASWーGー32“ガンダムアスモデウス“

 

そんなアスモデウスはユージンに一瞬でユージンに近づくと、一瞬で首元にグラン・トンファーで衝撃を加えた。

 

「ガッ!?」

 

倒れ伏すユージン。だが、士道はそんな事を気にせずに七罪の目の前に立つと、大型メイスを振り上げる。

 

「ヒッ・・・!?」

 

壁に背を預ける七罪は後ろへ下がろうとするが、下がる事ができない。

そして振り降ろされるその瞬間。

 

「──────シドー!!」

 

十香が士道の名を叫んだ。その声が、士道の耳に届く。

 

「─────────」

 

士道は十香の声に動きを止め、顔を十香へと向ける。

十香が士道に向けていたその表情はどこか悲しそうな表情だった。かつて、アトラやクーデリア達が自分に向けた悲しそうな表情。

 

「〈贋造魔女〉───!!」

 

そんな士道の隙をついてか、七罪が叫ぶと同時に部屋の中を目映い光で埋め尽くしていった。

 

「チッ!!」

 

士道はその光に顔を腕で守る。

とはいえ、その光は数秒程度で収まった。だが。

 

「シドー! シドー!」

 

いつもより甲高い十香の声が部屋の中を響く。

士道はそちらへ目をやり───目を丸くした。

 

「シドー、なんだこれは。身体が思うように動かんぞ・・・!?」

 

言いながら、だぼたぼのパジャマを引きずって、小学三年生くらいの外見になった十香が、手足をバタつかせる。

だが、異常はそれだけではなかった。

辺りにいた皆を見回すと、意識のない者を除いた全員が、十香と同じように、幼くなっていたのである。

 

「なんだこれ」

 

「ふふ、ふふふふふふふ・・・・っ」

 

士道が眉をひそめていると、部屋の中央で〈贋造魔女〉を掲げた七罪が、暗い笑い声を発した。

 

「いいザマだわ・・・・っ!あんたたちはみぃーんな、ずっとちびすけのままでいればいいのよ・・・っ!」

 

七罪は高らかに笑うと、〈贋造魔女〉に跨り、部屋の天井に穴をあけ、空に飛んでいった。

 

「チッ!!」

 

士道が舌打ちをすると、グシオンとアスモデウスが七罪を追おうとする。だが、士道はすぐにバルバトスを消すと、その二機は粒子となって消えていった。

そして、一人残された士道は空を見上げながらもう一度目を細めると、十香達のもとへと足を運んでいった。




おまけ 

狂三「で?なんでわたくしもこうして手伝っておりますの?」

作者「しゃーねーじゃん。この機体パーツ多すぎなんだよ」

狂三「だからと言って手伝わせますか!?普通!?」

作者「じゃあ、あれ作る?」

狂三「はい?」


ネオ・ジオングの巨大箱
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