ひっさし振りの三日月の蹂躙の回。
ではどうぞ!
コイツは死んでいいヤツだから
三日月・オーガス
「逃がすわけないだろ」
「─────────」
士道は視界に捉えた七罪に、超大型メイス不意打ち気味に叩きつけた。
建設途中のビルの屋上からビルの半ばまで、床をぶち破りながら七罪は叩きつけられる。
手応えはあった。だが、まだ“死んでいない“と確認する。
士道はひび割れた床に倒れ伏す七罪目掛けて重力とスラスターの勢い任せで振り下ろした。
「え・・・・っ、え・・・・っ?」
七罪は目を丸くしながら、そんな声を喉から絞り出した。
───今、何が起こったのかがわからない。
逃げようとした時、眼の前に巨大な鉄塊が───
「え、あ・・・・」
今までにない事態に、頭が混乱する。
七罪は霞む目に、腹部に当てていた手をゆっくりと掲げた。─────夥しい量の血がべったりと付着した、手のひらを。
「ひ・・・・ッ」
それを見た瞬間、まだどこか現実感が湧いていなかった強烈な痛みが七罪の全身を駆け抜ける。
───痛い。痛い、痛い、痛い、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い・・・ッ!!
「あ、ああああああああああああああ・・・・ッ!?」
今まで感じたことのない凄まじい痛みに、七罪は悲鳴を上げた。鋭い棘が身体中を刺していくような感覚。朦朧とする意識。霞む視界。だが、それは未だに七罪を襲う激烈な痛みが、気を失うことを許さない。
そんな中で、七罪の真上から巨大な鉄塊が悪魔と共に振り下ろされる。
「ヒッ・・・・!?」
死ぬ。七罪の直感が訴える。
みっともなく転がるように七罪は、ソレから逃げた。
それと同時に、鉄塊が先ほどまで七罪がいた所へと叩きつけられ、床を粉砕した。
叩きつけられた衝撃で床の破片が散弾のように七罪を襲う。
七罪の身体に細かい切り傷が生まれる中、そこに居たのは“悪魔“だった。
七罪も一度だけハッキリと見たことがある。
五河士道の───“霊装”。
「・・・へぇ。まだ生きてる」
低い声と共にその悪魔は七罪を見下ろした。
ライトグリーンの双眼が七罪の姿を映すが、その目からなんの感情も伝わってこない。
「さっさとコイツ殺して帰るか」
士道のその言葉を聞いて、七罪は必死にのどから声を絞り出した。
「・・・ッ、だ、ず・・・げ・・・死に・・・だぐ、な───い・・・」
「・・・・・」
そんな七罪に対し、士道は黙ったまま七罪を踏みつける。
「──────ッ!!」
凄まじい衝撃が七罪の腹部を襲う。
「お・・・ねがい!・・・は、なじを───」
「聞くわけないだろ」
士道は七罪の言葉にそう言って黙らせる。
そして士道は言った。
「殺さないとあんたはまた俺達を邪魔しに来るんだろ」
「もゔ・・・もう、しない!!だから、お願い!」
七罪の必死の懇願も士道は聞く事はなく、士道は最後に七罪に言った。
「それにアンタは───死んでいいヤツだから」
「──────ッ!!」
振り下ろされる大型メイスに七罪は思わず目を閉じる。
いつ潰されるかも知れない衝撃に目を開けることも、指先を動かすことさえできなかった。が───。
「はぁっ!」
「・・・・・!」
微かに驚きに染まった息づかいが聞こえてきて、それと同時に腹部から重みがなくなった。
それが気になり、七罪は恐る恐る瞼を開ける。
「え・・・・?」
そして予想だにしていなかった光景に、呆然と声を発する。
目の前にあったのは、小さな女の子の背中だった。淡く輝く霊装を纏った女の子が、身の丈ほどもありそうな巨大な剣を掲げていた。
もとに戻ったそんな彼女に、士道は口を開く。
「なんで止めるの。十香、それに皆も」
士道の視線の先には十香達が七罪を守るように立ち塞がっていた。
作者「このまま○してもよかったけど、それやると十香達VS三日月になるから辞めた」
狂三「ソレをしたら話がズレますわよね?」
作者「なんなら、タグに原作キャラ死亡つけなくちゃいけないしね!」