狂三は目の前にいる少年を見て、困惑の表情を浮かべた。
先程まで自分は“五河士道”と話していた筈だ。
だが、先程まで五河士道がいた場所に別の少年が居た。身長は五河士道より小さく、狂三よりは少し大きい。
髪は黒髪だが、かなりボサボサな髪で整えた形跡はない。
そして青空のように澄んだ目には力強い意志が感じられた。
「本当に・・・貴方は士道さん───ですの?」
目の前にいる少年に狂三はそう言うと、少年は答えた。
「そうだけど、“今は違う”」
“今は違う”。その言葉で狂三は察した。狂三の目の前にいる少年・・・彼は五河士道なのだ。
狂三は信じがたいその状況を一度受け止める。これでも馬鹿げたこの状況を受け入れている訳ではない。あくまで一時的の話だ。
「それで士道さん・・・その姿は一体なんですの?詳しく聞かせてくださいまし」
五河士道の今の姿に、狂三は疑問を抱く。
一体どういう理由でそのような姿になったのか。
そんな狂三の疑問に対し、三日月は答えた。
「“俺にはもう時間がないから”」
「・・・どういうことですの?」
狂三は三日月のその言葉に眉を顰める。
何故、それが士道の姿が変わるのと意味があるのだろうか?
そんな狂三の返事に、三日月は話を続ける。
「多分、バルバトスが俺を此方に居させることが出来なくなっているんだと思う。俺は、ユージンやチョコの人と違うみたいだし」
「ちょっと待ってくださいまし。居ることが出来ない?ユージンさんとは違う?それはどういう───」
狂三は瞬きをした瞬間、士道の姿は元に戻っていた。
もとに戻ったのに気がついたのか、士道は「戻った」と気が抜ける声を出し、狂三に背を向ける。
「ちょっと士道さん?何処へ行くつもりですの?」
呼び止める狂三の声に、士道は言った。
「帰る。何か今日凄い疲れた。それに帰るのが遅くなると琴里もうるさいから」
「なっ・・・士道さん!待って下さ───っ!?」
そう言って帰り道へと歩き始める士道に狂三は呼び止めようと、足を踏み出した瞬間、士道の影の中から“複数の赤い目”がジッと此方を見ていた。
士道は一度振り返ると、狂三に言った。
「十香達には秘密にしといてよ。多分知ったら、皆絶対に止めにくるから」
もし、自分も十香達と同じ立場になったらきっと同じ事をする。
たとえ、身体の半分が使えなくなってもきっと十香達を───家族を助けにいくだろう。
だからこそ信用が出来ない口約束だけとはいえ、しておいて損はない。
昔の自分ならきっとこんなことはしなかった。───けど、この世界に、自分の居場所はない。皆の笑顔を見て、改めて戦うことしか出来ない自分にとって場違いな所だと実感した。オルガと目指した本当の居場所。鉄華団が自分の帰る居場所なのだから。
作者「さてさて、ミカ編をどうしようかな?物理的にミカを消すか、それとも元の士道君出して、ミカをいなくするか・・・どっちがいい?」
狂三「どちらも嫌と答えたら貴方はどうするつもりですの?」
作者「どちらもノーって答えるって言ったら?」
狂三「十香さん達を呼んで来ますわよ?」
作者「それはシャレにならん!!」