デート・ア・オルフェンズ   作:鉄血

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今の所、モビルアーマーは合計四機出ていますが、一体何種類のモビルアーマーあるんだよ・・・厄祭戦は・・・


第ニ十話 魔王

時刻は十八時三十分。十一月ともなれば日が落ちるのも早い。街は既に深い夜闇に沈んでいた。

日中の陽気が嘘のように空気が冷たく、息を吐き出せば、うっすらと白い靄が生まれる。

そんな冬の足音が辺りを包む中、士道と折紙は二人、街を一望できる高台の公園に訪れていた。

公園の外縁からは数多の星が煌めき、暗い夜闇を照らす街の光がどこか幻想的でもある。

 

「・・・はぁ」

 

士道の吐いた息が白い靄を作る。

そんな士道に夜景を眺めていた折紙が小さく首を前に倒した。

 

「ちょっと寒いね」

 

「これくらい平気」

 

士道のそっけない返事に折紙は苦笑しながら手と手を擦り合わせる。

昼間こそ色々と暴走した彼女であるが、どうにか此処にくるまで落ち着きを取り戻して・・・はいなかった。

あれ以降もいつの間にか携帯のレンズがこちらに向いていたり、手に何も持っていないのに、士道の飲みかけのコップに何かを注ぐような仕草をしたりしていたのだが、士道自身は鬱陶しがるだけでそれ以上は何もしなかった。

もっとも、士道とした何度か口に出そうとした場面は幾つもあったが。

 

『本当にどうなるかと思ったわ。あの奇行も数々もそうだけど、十香達の暴走もユージンがいなかったらどうなっていたか』

 

真那も色々と面倒臭くなっていたし・・・と、耳元のインカムからそんな琴里の呟きが聞こえてくる。

士道は無言のまま星を眺めていると、ふと隣にいる折紙から声をかけてきた。

 

「ねぇ───五河くん」

 

「ん?」

 

「その・・・聞いて欲しいことがあるの」

 

「聞いてほしいこと・・・?」

 

折紙のその告白に、士道は聞き返す。

すると折紙は数瞬の間、逡巡するように士道から視線を逸らしてから、ゆっくりと唇を動かした。

 

「私がAST───陸自の対精霊部隊にいたことは知っているんだよね」

 

「・・・うん」

 

「でも私、少し前にASTを辞めてるんだ」

 

「・・・ふーん」

 

士道は言葉を濁す。折紙がASTを退職しているということは、既に琴里から聞いている。

 

「なんで辞めたの?」

 

そう言えばコイツが辞めた理由を士道は知らない。

士道が言うと、折紙は、ふっと目を伏せた。

 

「うん・・・いくつかあってね。一つはこの前みたいに貧血で意識が途絶えることが多くなってね。危険な武器を扱う仕事に、その症状は致命的だから。でも───その症状が出てきてからかな。私、よくわからなくなってきちゃって」

 

「わからなくなった?」

 

それはどういうことだろうか?

士道は眉を寄せながら言うと、折紙に気まずげに苦笑した。

 

「・・・空間震の原因である精霊を倒すのがASTの仕事なのに・・・私、それが本当に正しいことなのか、なんて思っちゃって」

 

「・・・・・」

 

折紙のその言葉に士道は少しだけ驚いた表情になった。

それはそうだ。士道が知る鳶一折紙といえば、精霊を憎み、殺すことのみを目的に生きている少女だった。 

やはり親を精霊に殺されたわけでないという要素が大きいのかは分からないが、それでも折紙の口からその言葉を聞くとは思いもしなかった。

しかし折紙は、士道の反応をどう受け取ったのか、申し訳なさそうに眉根を寄せる。

 

「・・・ごめんなさい。本当は精霊は危険な存在なのに」

 

「謝る必要なんてないでしょ」

 

「え・・・・」

 

士道の言葉に折紙は顔を上げる。

士道は自分を見る折紙の目を見ながら言った。

 

「本当に正しいことなんて“自分が決めること”だろ。アンタは自分で考えてASTを辞めた。なら、それでいいじゃん。その考えが悪いだなんて誰が言うの」

 

───自分で決めること。

 

それは前の自分は殆どしてこなかったこと。

自分も鉄華団の皆もクーデリアが来るまではオルガに頼り切りだった。

もしかしたら今も、昔と変わっていないのかも知れない。

今の折紙は自分で精霊を倒すのが正しいのかを考えて、分からないからASTを辞めた。

士道は今の折紙なら大丈夫だと思った。

今の折紙なら十香達と一緒でも大丈夫と。

 

“自分がいなくても”───大丈夫だと

 

「五河くん・・・」

 

士道のその言葉に折紙は震える声で答える。

微かに肩を震わせながら、今にも泣き出しそうな顔だった。

と、その時───

手すりから身を乗り出して空を見上げていた折紙が不意に息を詰まらせたかと思うと、急に士道の左手を握られた。

 

『士道!』

 

警告するかのような琴里の声が、右耳から聞こえてくる。

一瞬士道は首をひねったが───すぐに理解した。

折紙が体重をかけていた部分がメリ、と音を立てて崩落した。

無論、そこから身を乗り出していた折紙の身体も、それに合わせるように、高台の外縁部から放り出された。

 

「きゃあっ!?」

 

「───!!」

 

折紙が甲高い悲鳴を上げる。

士道も一瞬の出来事に動揺したが、力を入れて折紙の身体を引っ張り上げる。その際、壊れた手すりの断面に左腕が擦れたのか鋭い痛みが生まれた。

思いっきり引っ張り上げたせいで折紙の身体が士道にぶつかり、密着する。

 

「・・・平気?」

 

「う、うん・・・ありがとう、五河くん」

 

士道の言葉に、折紙が声を震わせながら返してくる。よほど驚いたのか、押しつけられた胸越しに、彼女の激しい鼓動が伝わってきた。

が───

 

「・・・・?」

 

不意に士道は彼女の様子が可笑しいことに気づいた。

折紙の視線が、士道の顔ではなく、もっと下・・・士道の左腕に向いていたのである。

士道の左腕は、折紙を引っ張り上げる際に生々しい切り傷ができていたのだが・・・その傷を舐めるように、炎が揺らめいていた。

 

『・・・!士道!逃げなさい!』

 

琴里の叫びが鼓膜を震わせると同時───

 

「───精霊・・・」

 

「・・・・・ッ!」

 

士道が動こうとしたその瞬間、折紙の身体の周りに凄まじい霊力が生じ、士道を軽々と吹き飛ばした。

 

「が・・・・っ!?」

 

「な、おい、三日月!?」

 

「兄様!!」

 

「シドーッ!!」

 

「士道・・・さん!」

 

「「士道!!」

 

「三日月さん!!」

 

「士道!」

 

吹き飛ばされた士道に、隠れていた八人が士道のもとへと駆け寄る。

 

「大丈夫、平気」

 

士道はそんな彼女らに身体を起こしてもらいながらも、視線を折紙へと向ける。

折紙を中心として真っ黒い蜘蛛の巣のようなものが放射状に広がり、それが渦巻くように折紙の身体を纏わりついていた。

 

「あれは───」

 

十香が驚いたように折紙を見る。

喪服の如き、漆黒の霊装。

その姿は───紛れもなく。

もとの世界で街を蹂躙し尽くしたあの反転体の姿だった。




作者「狂三、狂三、今日は戦車以外の人が来るから」

狂三「戦車さん以外の?」

作者「そ。前にEXーSガンダムのガンプラ作っただろ?あれ、ソイツに以来されて作ったんだよ」

狂三「そうなんですの?一体誰です?」

作者「エクバにバトオペではEXーS一筋の、この男!」

ネコキング「それがこの俺、ネコキングっだ!!」

狂三「また癖の強い人ですわね!?」
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