デート・ア・オルフェンズ   作:鉄血

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投稿!エピローグは次かな!


なあ、次は何をすればいい?

そんなの決まってるでしょ

ああ、そうだな

オルガ・イツカ

三日月・オーガス




第ニ十三話 

「───行くぞ。バルバトス」

 

士道のその言葉と同時、バルバトスの背部や脚部のスラスターから蒼白い光が爆発するように放出される。

 

「────えっ?」

 

赤く輝くツインアイの残光が一瞬にして、折紙の真後ろへと移動していた。

 

振り返ろうとした折紙よりも早く、士道は折紙を包み込む霊力の球体へと腕を突きたてる。

だがその腕が折紙に届くよりも先に士道は吹き飛ばれるが、士道は吹き飛ばされた態勢をすぐさま立て直すと、ソードメイスを手に再び突貫する。

 

「一人でやろうってのか!?」

 

「なにっ!?」

 

「すぐに士道を───」

 

耶俱矢と夕弦がすぐに士道の元へと駆けつけようとしたとき、士道が耶俱矢達に言った。

 

「いらない。───邪魔」

 

「・・・し、どう?」

 

夕弦がバルバトスから聞こえてきた声に困惑した声音で呟きを漏らす。

だが、それは十香達も同様だった。

 

「・・・士道さん、声が・・・」

 

「いつもの三日月さんの声じゃなかった・・・ですよね?」

 

「一体、なんなのよ・・・何が起こってるのよ・・・」

 

四糸乃、美九、七罪が変わった士道の声に困惑する。

そんな彼女等に対し、士道は折紙目掛けてソードメイスを勢いよく振り下ろした。

だが、ソードメイスでは折紙を包む球体を作る『羽』を破壊することは出来ず、士道の手に硬い手応えを残して跳ねかえる。

周囲に浮かぶ複数の羽が士道目掛けて、漆黒の光線を放つが士道はそれを器用に身体を捻らせ、最低限の被弾で折紙に向けて一気に加速した。

そして瞬時に球体へと距離を詰めた士道はバルバトスの腕を伸ばし、折紙を球体の中から引き摺り出そうと、折紙の手を掴む。

 

「さっさと出てこいッ!」

 

霊力に耐性があるにも関わらず『羽』が作る球体に突っ込んだ腕に激痛が走る。が、士道はそれに構わず一気に折紙を引っ張ると、折紙がその球体の中から現れた。

周囲に浮かぶ羽が士道とバルバトスを主人から離そうと攻撃しかけてくるが、士道はその攻撃を防ぐことをせず、ナノラミネートアーマーで無理矢理受け止める。

ラミネートアーマーが剥がれたところにビシリと亀裂が入る。

 

「俺の全部をやるからもっと寄越せよ。───こんなもんじゃなかっただろ!お前の力は!!」

 

士道のその声に答えるようにバルバトスの出力が更に上がり、近くを浮遊していた『羽』を掴むとそのまま一気にその『羽』を握り潰した。

赤いツインアイを輝かせ、折紙の天使を握り潰すその姿はまさに悪魔というに相応しい。

 

「──────ッ」

 

この世界で始めて声を荒らげたであろう、士道にこの場にいる全員が気圧される。

彼女達のいや、彼女達が操る“天使達”がチカチカと光を点滅しているのにも誰も気付くことがないくらいには───

虚ろな目で反応も何も返さない折紙に、士道は始めて彼女の名前を呼ぶ。

 

「おい───折紙」

 

だが、折紙は、ぴくりとも反応を示そうとしない。

そんな折紙に士道は───

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

折紙の頭の中で、二つの記憶が混じり合う。

自分の中にもう一人の自分がいるのを、二方向から同時に見ているかのような奇妙な感覚。

その二つの記憶を同時に持ったことで、折紙は全てを理解した。

今日、士道と始めてデートをしたとき。その時に生まれた奇妙な違和感。自分の身体が自分とは別の意思によって動くような感覚は、折紙の身体が、潜在意識が、士道の存在に反応して起こったものだったのだ。

この世界の折紙ともとの世界の折紙。本来、交わることなどないこの現象は士道という存在が折紙の二つの記憶が接触するというイレギュラーを引き起こしてしまったのだ。

 

(私は五年前、お父さんと、お母さんを───)

 

(───この世界では、そんなことは起きていない!お父さんとお母さんは五年前にあの人が───!)

 

折紙の言葉と同時に、ふと疑問が浮かび上がる。

 

あの人って───誰?

 

二人を自分の両親を光線から救ってくれた少年の姿が浮かび上がる。

光が灯っていない右目に、ギプス固定のように固定された右腕。嗚呼、思えばそれは───士道自身だ。

そしてあの時の彼の言葉が頭に残る。

 

偶然助かったみたいだけど、“次”はもうないから

 

ああ。そうだ。

本当だったら五年前のあの時、“偶然”士道に助けられて、本当だったら自分の両親はあの時に死んでいる筈で───

 

(う、ぁ・・・、あ・・・)

 

辺りの景色が燃え上がる。炎に揺らめく街の光景が浮かび上がる。

道に刻まれたクレーターに、散らばる人間の破片。そして空を見上げる幼い折紙。

地獄のような記憶。士道に助けられるという“偶然”が起こらなかった記憶に、折紙な強烈な目眩と嘔吐感を覚えた。

 

(どうすれば・・・私は、どうすれば良かったの・・・)

 

五年前の出来事を『なかったこと』にしなければ良かったのか?あのとき、両親が眼の前で殺されるのを受け入れていれば良かったのか?

だが、それはもう過ぎてしまったこと。どのみち、ここで折紙が全てを受け入れて諦めてしまったなら、まだ何も起きていないこの世界で、折紙はもとの世界と同じことをしてしまうことになる。

きっと幾つもの街が滅びるだろう。何人もの人が死ぬだろう。

この世界の折紙だけでは、もとの世界の折紙を救えない。目を開かせることがせいぜいだ。

そう───折紙には、折紙の背中を押すことしかできない。

外から誰かが、その手を取って引っ張り上げてくれなければ、彼女は前へと進めない。

だが、反転し、世界に厄災を振り撒く折紙に、手を伸ばしてくれる人間など───

 

 

「───折紙」

 

 

(・・・・えっ?)

 

不意に響いた声に。

折紙は、顔を上げた。

そう。何もない筈の世界に響く声は全く知らない声。

だが、その声音がその中にある意思は───覚えがあった。

 

(士、道・・・?)

 

ぴしり、と音がして、真っ白い空間に亀裂が走る。

 

(どう、して───)

 

折紙の声は、きっと彼に届いていない。

だが、彼の声は折紙に呼びかけるように響く。

 

「俺がアンタや皆の前を進み続けるから、生きることを諦めるな」

 

士道の言葉が胸に残る。

 

「お前の居場所はここじゃないだろ。俺が道を切り開くから後は自分で決めろ」

 

まるで士道は折紙を引っ張り上げるように───

 

「──────」

 

その言葉を聞いた瞬間───

 

折紙は、自分の身体が自分とは別の意思で動くのを感じた。

もとの世界の折紙の記憶ではない。この世界の折紙の記憶が、折紙の手を士道に───“黒髪の少年”に向かって手を伸ばさせたように思えた。

まるで──生きてと言っているかのように。

折紙は手を伸ばす。

───何も存在していなかった空間が、音を立てて砕け散った。

 

 

 

それと同時に───

 

 

 

三日月・オーガスの意識は途絶えた。

三日月の朧気な意識が途絶える寸前、自分を呼び止めるような声が聞こえたような気がした。

 

 

 

───ミカ!!と───




作者「イーワックジェガン・・・」

狂三「ど、どういたしましたの?」

作者「いやね、リサチケ後二枚で交換できたはずなのに最後の最後でシスクードが出たせいで交換出来なかったんだよ・・・」

狂三「そ、それはなんとも言えませんわよ・・・」
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