デート・ア・オルフェンズ   作:鉄血

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ダンタリオン編終了です!


第十九話 【天を駆ける者】

「それで───奴には弱点はあるのか?」

 

十香が起き上がってくるダンタリオンを見てそう声を漏らすと、真那は首を横に振る。 

 

「・・・いえ、まだ探している最中です。それに装甲が分厚くてあの装甲を突破するには耶俱矢さん達の《颶風騎士》でないと突破出来ないとマクギリスさんが・・・」

 

「そうか・・・」

 

苦々しく言う真那に、十香は少し考えるような仕草を取った後、耶俱矢達に視線を向けた。

 

「耶俱矢、夕弦。〈ラファエル〉を最速だとどれくらい時間がかかるのだ?」

 

十香のその問いに夕弦が答えた。

 

「返答。およそ三十秒あればあの装甲を突破出来るだけの出力を出せます。ただ・・・」

 

「私達が素振りを見せると、アイツ真那達を無視して私達を攻撃してくるのよ」

 

そう吐き捨てる耶俱矢に十香は頷いた。

 

「“三十秒だな”。なら、それまでは“私達が”時間を稼ぐ」

 

「・・・私達?」

 

耶俱矢が首を傾げると、十香の遥か後ろから光線がダンタリオンが起き上がろうとした場所へと降り注いだ。

 

「あの光・・・まさかッ!?」

 

見覚えのある光線に真那が目を見開いて光線の放たれた場所に目をやると、そこにたのは霊装を纏った折紙が宙を浮いていた。

 

「折紙さん!!」

 

『折紙ちゃんだけじゃあないよー』

 

「そうですよー。私達も忘れないでくださいー」

 

「四糸乃さんに美九さんまで!!」

 

真那のその声に答えるように四糸乃や美九達も姿を現すと、真那は驚いたように表情を緩ませる。

 

「よお、待たせたな・・・!連れてきたぜ!」

 

「ユージンさん・・・ありがとうございます!」

 

真那は笑顔でユージンに礼をした後、横にいた士道を見て表情を強張らせ、小さく呟いた。

 

「・・・兄、様」

 

真那のその反応に士道は少しだけ寂しそうな笑みを浮かべたが、すぐに真剣な表情に戻り、立ち尽くした真那の肩に手を置いて言った。

 

「三日月を助けるんだろ?だったら、今はそれに集中してくれれば構わないよ」

 

「・・・・はい」

 

二人の間が気まずい雰囲気になるが、士道のその言葉に真那は前を見て、十香達に叫んだ。

 

「勝負の決め手は耶俱矢さん達になります!なので全力で耶俱矢さん達をアイツから守ってください!」

 

「ああ!分かった!」

 

十香はそう応えると、《鏖殺公》を柄を握りしめダンタリオンに剣先を向ける。同時に周りの皆も天使を顕現させてそれぞれ己の武器を振りかざす。

 

「──コイツを倒して、三日月さんを助けましょう!!」

 

真那のその声に───

 

 

「「「おう(はい)!!」」」

 

という勇ましい雷声が応えた。それに反応したかのように、ダンタリオンがズシンと右足を前に踏み出した。

そんなダンタリオンに対し、耶俱矢が叫ぶ。

 

「ラファエル《颶風騎士》───【穿つ者】!!」

 

耶俱矢のその声と共に、彼女の身の丈を超える巨大な槍が風を纏い始め、それと全く同時に、夕弦も自身の天使に再び風を纏せ始める。

 

「呼応。ラファエル《颶風騎士》───【縛める者】」

 

それを見たダンタリオンは右手に握られた滑腔砲を耶俱矢達へと標準を合わせると、そのまま引き金を引く。

“ズドン”!!と、撃ち出される巨大な弾丸を四糸乃と七罪、そして美九が全力で防ぎにいく。

 

「ガブリエル《破軍歌姫》!───【輪舞曲】!」

 

美九は自分の周りに展開していた光の鍵盤に指を滑らせ、流麗な曲調を奏で始めると、それに合わせてダンタリオンが放った弾丸が動きを止めた。

その弾丸の様子を見たダンタリオンは自身の巨大な右腕を大きく振りかぶると、そのまま耶俱矢達目掛けて突き出した。

 

「───ザドキエル《氷結傀儡》!」

 

四糸乃の声と共に巨大ウサギ型の天使が口を開け、辺りに冷気を充満させて耶俱矢達の前に巨大な壁を作り上げ、その拳を止めようとするがビシビシッ!と音を立てながら氷の壁は罅割れていく。

その様子に慌てることなく七罪が叫んだ。

 

「ハニエル《贋造魔女》!───【千変万化鏡】!!」

 

瞬間、七罪が掲げた箒型の天使が柔らかな粘土のようにぐにゃりと歪み、銀筒と鍵盤を形作る。

 

「えっ!?それは・・・!」

 

鍵盤を叩いていた美九が、驚愕の表情を作る。それはそうだ。七罪が顕現させたのは、美九の《破軍歌姫》とまったく同じ形をした天使だったのだから。

 

「ちょっと借りるわよ!実は前に見たときから、一回『真似』してみたかったのよね!」

 

 

言って、七罪は両手を使い、力強く鍵盤を叩いていく。

 

「【行進曲】!」

 

奏でられる勇猛なその調べに四糸乃達の身体に、気力が漲ってくるのがわかった。

 

「───ザドキエル《氷結傀儡》!」

 

四糸乃が溢れ出るその気力に任せるようにダンタリオンに砕かれそうになった氷の壁を更に分厚くする。

 

「あーん!七罪ちゃんたら真似っ子ですー!」

 

「いいじゃない。これも士道の為なんだから」

 

攻守の《破軍歌姫》が存在するのは、真那達にとって非常に大きな力となった。動きを止めたダンタリオンに真那達が追撃する。

 

「私達も攻めますよ!」

 

「うむッ!」

 

十香に合図し、真那は空を翔ける。大木のように太い左腕による薙ぎ払いを掻い潜りながら、真那と十香は一瞬でダンタリオンの頭部へと辿り着くとそのまま剣を叩き込む。

 

「はああああああッ!」

 

「ふ───ッ!」

 

十香のサンダルフォン《鏖殺公》と真那の《ヴォルフテイル》がダンタリオンの頭部を捕らえると、その衝撃でダンタリオンの頭部の装甲にビシッ!と、罅が入った。

 

「───ッ!十香さん!」

 

「分かった!」

 

真那の叫びと同時に、十香は《鏖殺公》を罅割れた頭部へ向けて今出せる全力の力を叩き込むとバキッ!!と、ダンタリオンの頭部の装甲が砕け、剥がれ落ちた。だが、剥がれ落ちたその装甲の下にあったのはガンダムダンタリオン本来の骸骨じみた顔だった。

本当の姿を表したダンタリオンは真那と十香の姿をそのツインアイに捉えると、そのまま左手を十香達目掛けて平手で腕を振り下ろす。

 

「当たらねーです!」

 

「当たるものか!!」

 

大ぶりに振りかぶられるその腕を二人は最低限の動きで回避をし、真那は耶俱矢と夕弦に向けて大きな声を上げて叫ぶ。

 

「耶俱矢さん!!夕弦さん!!今です!最後は派手に決めてください!!」

 

そう言われては、出し惜しみは出来ない。

 

「行くよ!!夕弦!!」

 

「首肯。最大出力でいきます」

 

二人の片翼の羽が合わさって弓のような形状を作り、夕弦のペンデュラムが羽と羽の先端同士を結び───耶俱矢の槍が、巨大な矢となってそれに番えられる。

二人は互いの右手と左手でその矢を引き絞ると、ダンタリオンにその先端を向けた。

ダンタリオンの振り抜かれる巨大な右腕が二人の目の前に迫る。黄色い両目が、空中で浮遊する二人にピントを合わせていた。

 

『──────!!』

 

まるで咆哮するようにツインアイを更に輝かせるダンタリオンに、その圧力を突き破るべく耶俱矢と夕弦も叫んだ。

 

『ラファエル《颶風騎士》───【天を駆ける者】!!』

 

二人が、まったく同時に手を離し、その巨大な矢をダンタリオンに撃ち放つ。

 

「これで・・・・・ッ!!」

 

「終わりだあああああああ─────ッ!!」

 

この一撃の進行を止められるものなど存在しない。

絶対にして無敵の一点集中攻撃。

その最強の矢とダンタリオンの拳がぶつかり合い───一瞬のせめぎ合いの後、その拳は《颶風騎士》の矢に貫かれ、そしてそれとせめぎ合ったダンタリオンを貫いた。

そして七十一番目の悪魔───ガンダムダンタリオンは、その巨体もろとも地へと倒れ伏していった。




作者「ダンタリオン編しゅーりょー!!かと思ったか!!まだ終わるかよ!」

狂三「はい!?終わったんじゃありませんの!?」

作者「狂三ぃ・・・何か忘れてないかい?」

狂三「な、なんですの?」

作者「ガンダムフレームといえば、ボロボロになってから本番よ」

狂三「ま、まさか!?」

作者「皆が喜ぶ中でのリミ解じゃあ!!」

狂三「やってくれましたわね!?」
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