今回は狂三回です!
「まったく・・・ギリギリのところでしたわね」
そう言いながら狂三は士道達を見て言った。
「お久しぶりですわね士道さん。いえ、ここでは始めましてと言うべきですわね」
「・・・!狂三、お前は・・・」
笑みを浮かべる狂三に士道は目を見開く。
どうやら今の士道が自分が知る士道ではないと見抜いていたらしい。
驚愕で目を見開く士道に狂三は唇を開く。
「そんなに驚かさないでくださいまし。これでもわたくしは逃げることは得意ですの。あの悪魔達から逃げ切ることも造作・・・ということもありませんが、それでも今の今まで逃げきることは可能ですもの。それに士道さん達に今、あの場所で死なれるのはわたくしも困りますもの」
「そうか・・・でもありがとう。狂三」
そう言って笑う狂三に対し、真那と琴里は険しい表情で狂三を睨みつける。
何故、あの《ナイトメア》が自分達を助けたのか。その理由が分からない。
恩でも売って自分達を体良く利用しようとでも考えているのだろうか?
そう考える真那と琴里に答えるように狂三はカツカツカツッとブーツを鳴らしながら二人を見た。
そしてニィと笑みを浮かべて狂三は言った。
「なにか企みがあるのでは?と言う顔をしていますわね。まあ、何か考えていると言うのは否定しませんわ。元々そのつもりで此方に来たのですもの」
「「「・・・・・ッ!」」」
狂三のその返事に皆は警戒する。
狂三はもともと士道が目当てで此方に接触してきたのだ。今の士道が三日月でない以上、狂三にとって恰好のエサに過ぎない。
全員がピリピリとする雰囲気の中、士道が狂三の前に出た。
「士道さん・・・ッ!?」
「大丈夫」
真那が目を見開いて士道を見る。
だが士道は真那にそう言って、狂三を見た。
「それで、狂三・・・お前の目的はなんなんだ?俺が目当てなんだろう」
「そう・・・といいたいのですけれど、今回の要件はまた別ですの」
「・・・別の要件?それはいったい───」
士道がそう言おうとした瞬間、狂三は士道達を見る。
「要件は二つ。まず一つ目は暫くの間、”わたくしが自分から接触する以外に干渉しないこと”。少々此方にも事情が出来ましたので暫くの間、邪魔をされたくないですの」
「そんなの───」
「分かった。その要件は飲む」
「士道───ッ!」
「本当は見過ごせない。けど、今はそれどころじゃないんだ。頼む・・・琴里」
「・・・・・分かったわ」
士道の言うことも分かる。今は三日月の救出を優先することに集中しないといけないのだ。それに時間もない。
「・・・それで。二つ目は?」
「二つ目は“天宮市の被害を最小限に留めることですわ”」
「はい?」
狂三の二つ目の要件に真那は丸くする。
ナイトメアは元々人間を襲うことがある精霊だ。そんな精霊が天宮市の被害を最小限に留めると言ったことに疑心暗鬼になる。
「ナイトメア。テメーは何を考えてやがりますか?今まで人を襲っていた貴女が天宮市の被害を最小限に抑えるだなんて・・・信じられねーですよ」
疑いを隠さない真那に狂三は指を口もとに持っていきながら笑う。
「わたくしは言いましたわよ?此方にも事情がありますの。それともわたくしを信じられなくて?これでも約束は守る方ですわよ?」
「・・・・・」
確かに狂三は約束は守る。それは美九の時に彼女が約束は守ることを見てきた。
だが、今になってなぜ?
疑いと疑問を隠せない真那に対し、士道は頷いた。
「分かった。それも飲む。元々、二つ目に関しては俺達もそのつもりだ」
「交渉設立・・・ですわね。なら約束を守ってもらう代わりにわたくしも出来る限り三日月さんの救出をお手伝い致しますわ。三日月さんがいないとわたくしもつまらないですもの」
「本当かっ!?」
「ええ。嘘はつきませんわ」
「だがまだ戦力が足りねえ。数もあっちの方が多いがどうする?」
「そうね・・・フラクシナスも使ってもまだ戦力が・・・」
「戦力が足りないのならわたくしが用意しますわ」
「・・・あなたが?」
戦力なら自分が用意すると言った狂三に、怪訝そうな表情を琴里は作る。
「ええ。ただ、時間がかかりますわよ。それにあの巨大な戦艦に行かないといけませんし」
「・・・それはどういう?」
皆が首を傾げる中で、狂三はニィッと笑みを再び作りながら言った。
「三日月さんを起こしますの。士道さんと真那さんで───」
狂三「さあ、作者さん。行きますわよ」
作者「は?行くってどこに・・・」
狂三「勿論、真那さん達のところですわよ」
作者「おいまてや。まさかお前、三日月以外の戦力って・・・」
狂三「もちろん、作者さんですわよ?」
作者「ちょっ!?おまっ!?作品に出る作者ってどうなんだよ!?冗談だよな!?」
狂三「もちろん冗談ですわよ」
作者「そりゃそうだよ!!」