ではどうぞ!
「始まったか」
遠方で轟音が響き渡り、無人の戦場となった天宮市でマクギリスは目の前のキマリスヴィダールに視線を逸らすことなくそう呟く。
精霊と悪魔・・・どちらが勝つかと言われたらそれは悪魔の方だろう。何故なら彼女達はまだあの悪魔を倒すだけの実力がない。
ウヴァルやフラウロスと言った支援型に近いタイプのガンダムには勝てる要素はあるが、それでもと言った所。
セブンスターズのガンダムにはどう足掻いても勝てはしないのだから。
それでも。彼女達ならば“彼”を三日月・オーガスを取り戻せるのではないか?と言う期待はある。
だからこそ私はこのバエルと共に道を切り開いてみせよう。
だがまずはその前に───
「“お前との決着が先だな“。ガエリオ───いや、今はただの亡霊とでも言おうか」
目の前に立つキマリスを見て、マクギリスは二振りの剣を構える。
過去の因縁をここで断ち切らせてもらう!
「お前とは別の形で決着をつけたかったものだが・・・私はまだここで退場する訳にはいかんのでね。此処で因縁を断ち切らせてもらおうか。───亡霊」
『──────ッ!』
親友と親友が互いの得物を持ち───激突した。
◇◇◇◇◇
「はああああああッ!」
十香が《鏖殺公》を悪魔目掛けて全力で振りかぶる。
近接質量武器に弱いナノラミネートアーマーを突破することの出来る数少ない武器を持つ十香はガンダムにとっては天敵だ。いくら遠距離攻撃に対して無敵に近いナノラミネートアーマーでも十香の攻撃を一撃でもくらえば大ダメージを与えることだろう。
その相手が”ガンダム・グレモリー”でなければだが。
ガキン!と甲高い不協和音と共に十香の鏖殺公とガンダム・グレモリーの装甲が激突し、火花を散らす。
「───なッ!?」
十香が目の前で起こった光景に目を見開いた。
十香の渾身の一撃が”跳弾するように弾き返された”。
ビリビリと硬いもの殴った感触が腕に伝わる。顔を歪め、十香が晒した一瞬の隙をグレモリーは逃すわけもなく、手にした片折れのバトルアンカーでお返しとばかりに振り回した。
「───くッ!!」
カウンターを受ける訳にはいかないと十香は全力で身体をひねり、グレモリーのカウンターを回避する。
そして一気にグレモリーから距離を取った。
「なんだ?あの硬さは・・・」
ガンダム・グレモリーの異常な装甲の固さに十香は眉を顰める。
これは十香達はしらないことだが、ガンダム・グレモリーにはナノラミネートコートという特殊な装甲が採用されている。
本来、ナノラミネートアーマーとはエイハブ粒子に反応した金属塗料が硬化することによってビーム及び、衝撃に強くなるという装甲だ。
だがナノラミネートコートの性能はその更に上をいく。
本来、ナノラミネートアーマーは近接武器による大質量兵器には弱い。それは大質量兵器から放たれる衝撃をナノラミネートアーマーが受け止めきれないからだ。
だがガンダム・グレモリーのナノラミネートコートはそのナノラミネートアーマーを何重にも重ねた塗りした結果、弱点だった近接質量兵器による衝撃すら受け流す耐ショック性能を得たのだ。
だからこそ、十香とガンダム・グレモリーとの相性は最悪と言ってもいい。
だが、それでも十香は諦めない。
此処で諦めたら”必ず後悔”するから。
「〈鏖殺公〉───【最後の剣】!!」
十香のその叫びと同時、足元に顕現していた玉座に亀裂が走り、バラバラに砕け散りながら十香が握っている剣へと集約していき、そのシルエットをさらに大きなモノへと変換していく。
全長十メートル以上はある巨大な大剣。
それを十香は目の前に立つグレモリーに向かって振り下ろした。
『──────』
今の十香が出せる最大出力の攻撃。
その一撃は大地を縦に両腕しながら直線上にいるグレモリーへと向かって突き進む。
そして次の瞬間、凄まじい爆発がグレモリーを襲った。
「・・・・・」
直撃した手応えはある。
だが、十香の野生的な直感が”倒しきれていない”と訴えていた。砂煙が舞う中で、グレモリーのツインアイが十香を睨みつける。
そして砂煙の中から現れたガンダム・グレモリーは───
「───な」
十香が砂煙の中、再び現れたグレモリーを見て驚愕した。
”無傷”。
【最後の剣】が直撃した上半身を覆う黒い装甲に傷らしい傷が見当たらない。
驚愕で目を見開らく十香に対し、グレモリーはなんともない動作でバトルアンカーを肩に担ぐと、そのまま十香に目掛けて突撃した。
十香が挑むのは最硬度を誇る要塞にして天使狩りの死神。
剣と錨が火花を散らした。
作者「ガンダム・グレモリー硬いよねー。あの装甲はやっぱり反則でしょ」
狂三「他のガンダム・フレームなら倒せたのではないですの?あの一撃で」
作者「”直撃”すれば倒せるよ?相手がグレモリーだと受け止められるけど」
狂三「ダインスレイヴを持ってきてくださいまし。グレモリーに撃ち込みますわ」
作者「多分、耐えると思うよ・・・あの装甲なら」