デート・ア・オルフェンズ   作:鉄血

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日曜日にランキングを見たら9位まで上がっててビックリした鉄血です。
皆、三日月大好きすぎでしょ・・・
また、只今、皆様、読者のメッセージを見て、三日月が主人公のソード・オラトリア製作中です。
正直にいいます。私、本ではざっとしか見てないし、原作のだんまちはアニメでしかみた事ないので過度な期待はNGです。
メインはこちらを重視していきますので、心配しないでください。
では、どうぞ!


「不可能を可能に出来なきゃ鉄華団は終了だ」

オルガ・イツカ



第四話

四限目の授業の終了のチャイムが校舎中に鳴り響き、昼休みの開始が示される。

それと同時に────

 

「シドー!昼餉だ!」

 

「・・・・・・」

 

士道の机に、左右からがっしゃーん!と机がドッキングされた。

無論、右は十香、左は折紙である。

 

「・・・ぬ、なんだ、貴様。邪魔だぞ」

 

「それはこちらの台詞」

 

士道を挟んで、左右から鋭い視線が放たれる。

 

「いい加減、飯の時ぐらい喧嘩しないでくれる?」

 

士道がキツく言うと、渋々といった様子で、十香と折紙は大人しく席に着いた。

そして二人とも、自分の鞄から弁当を取り出す。

士道はそんな二人に合わせるように自分の弁当を机の上に出すと、二人と一緒に蓋を開ける。

そして───

 

「・・・・・・」

 

折紙が目をほんの少しだけ見開くのを見て、士道は首を傾げる。

士道の弁当は、朝自分で作ってきたものである。もちろん、いつも琴里のものも一緒に作っている。

無論───急遽弁当がもう一人分必要になったとしても、それは士道の仕事だった。

 

「・・・・・」

 

折紙が、冷たい視線を、自分と十香の弁当箱の中身に交互に這わせる。

───まったく同じメニューで揃えられた、二人の弁当に。

 

「何?人の昼飯見て?見てたってやんないよ」

 

士道はそう言って、十香と一緒に怪訝そうな目を向ける。

 

「どういう、こと?」

 

「は?」

 

折紙から問われ、士道は怪訝そうに折紙を見る。

折紙は、十香の弁当箱の蓋を持ち上げて言った。

 

「これは今から一五四日前、あなたが駅前のディスカウントショップにて一五八十円で購入したのち、使用し続けているもの。彼女の物ではない」

 

「なんで、そんなこと知ってんの?」

 

「それは今重要ではない」

 

折紙の言葉に士道はさらに目を細める。

 

(どっかから俺の事を監視してるな。コイツ)

 

士道はそう思いながら、折紙を見る。

何の感情もない能面な顔に士道は警戒を高める。

 

「むう、さっきから二人で何の話をしているのだ!仲間はずれにするな!」

 

横から、不満げに頬を膨らませた十香が声を上げてくる。

と、そのとき。

 

 

 

ウウウウウウウウウウウウ──────

 

 

 

街中に、けたたましい警報が鳴り響く。

瞬間、ざわついていた昼休みの教室が、水を打つように静まりかえった。

────空間震警報。

およそ三十年前より人類を脅かす、最悪の災厄。空間震と称される、災害の予兆である。

 

「・・・・・・」

 

折紙は一瞬俊巡のようなものを見せながらも、即座に席を立ち、素晴らしい速さで教室を出て行ってしまった。

 

「・・・・ッ」

 

士道は警戒しながらも、その背を目で追っていくが、教室を出た後、興味をなくし十香を見る。

と、そこで教室の入り口から、ぼうっとした様子の声が響いてきた。

 

「・・・皆、警報だ。すぐ地下シェルターに避難してくれ」

 

白衣を纏った眼鏡の物理教師───令音が、廊下の方へと指を向ける。

生徒たちはごくりと唾液を飲み下したあと、次々と廊下に出ていった。

 

「ぬ?シドー、一体皆どこへ行くのだ?」

 

十香が、そんなクラスメートたちの様子を見て首を傾げてくる。

 

「シェルターだよ。学校の地下にあるんだ」

 

「シェルター?」

 

「とりあえず説明はあと。俺達も行くよ、十香」

 

「ぬ、ぬう」

 

十香は手を付けていない弁当に名残惜しそうな視線を残しながらも、士道の指示にしたがって立ち上がった。

そして、ともにクラスメートたちの後について廊下に出ようとしたところで。

 

「・・・・シン。君はこっちだ」

 

士道は、令音に首根っこをひっ掴まれた。

 

「・・・なに?何処に行くの?眠そうな人?」

 

「・・・決まっているだろう、〈フラクシナス〉だ」

士道が問うと、他の生徒に聞こえないよう声をひそめながら、令音が言ってきた。

 

「・・・昨日の今日だ。今後のことについて、まだ結論は出ていないかもしれない。だが・・・いや、だからこそ、君には見ておいてほしい。精霊と、それを取り巻く現状を」

 

「・・・・わかった。今行く」

 

令音は眠たげな半眼のまま小さく首肯すると、生徒たちが全員列に並ぶのを見てから、昇降口の方に顔を向ける。

 

「・・・さあ、急ごう。空間震まで、もう間もない」

 

「分かってる。───そう言えば、十香は一緒に連れてかなくていいの?」

 

士道は十香の方に目をやりながら、言う。

十香はといえば、廊下にずらりと列を作りながら避難するクラスメートたちに、驚いたような視線を送っていた。

 

「・・・ああ、そのことか。───うむ、十香は皆と一緒にシェルターに避難させてしまおう」

 

「それでいいの?」

 

「・・・ああ。力を封印された状態の十香は人間とそう変わらない。それに、精霊とASTの戦いを見て、自分のときの事を思い出されても困ってしまう。言っただろう?〈ラタトスク〉としては、できるだけ十香のストレスを蓄積させたくないんだ」

 

「ふーん。あっそ」

 

と、士道がそう言った所で、廊下の奥の方から、甲高い声が響いてきた。

 

「ほ、ほらっ、五河くんに夜刀神さん、それに村雨先生までっ!そっ、そこで立ち止まらないでくださいっ!早く避難しないと危険が危ないですよ!」

 

士道の担任の岡峰珠恵教諭・通称タマちゃんが、小さな肩をいからせながら、焦ったような調子で言ってくる。

彼女の言葉の意味が支離滅裂だった。

 

「・・・ん、捕まっても面倒だ。行こうか」

 

令音がちらと目配せし、昇降口の方に足を向ける。

 

「了解」

 

少し気がかりではあるが、仕方ないとすぐに割りきり、十香の手を取ると、その手をタマちゃんに預けた。

 

「タマちゃん。十香をよろしく」

 

「ふぇ?え?あ、は、はい、それはもちろん」

 

急に十香を託されたタマちゃんは、呆気にとられたように目を丸くしながら、「わ、私先生ですもの!」とうなずいた。

 

「シドー・・・・?」

 

十香が、少し不安そうに眉を歪めてくるが、士道は十香を不安にさせないように言った。

 

「十香。タマちゃんと一緒に先にシェルターに避難してて」

 

「シドーは、シドーはどうするのだ?」

 

「・・・他に逃げ遅れた奴がいないか探しにいく。先に行ってて」

 

咄嗟に出てきた言葉を言って士道は彼女に背を向ける。

 

「!あ、し、シドー!」

 

「五河くんに、村雨先生まで!?一体どこへ!?」

 

心配そうな二人の声を背に聞きながら、士道と令音は、校舎の外へと走っていった。

 

 

◇◇◇◇

 

 

「───ああ、来たわね二人とも。もうすぐ精霊が出現するわ。令音は用意をお願い」

 

士道と令音が〈フラクシナス〉艦橋に着くなり、艦長席に座った琴里から、そんな言葉が飛んできた。

 

「・・・ああ」

 

令音が小さくうなずき、白衣の裾を翻して、艦橋下段にあるコンソールの前に座り込む。

 

「───さて」

 

と、士道が無言でいると、琴里は首を傾げるようにしながら言ってきた。

 

「あまり時間をあげられなくて悪いのだけれど。覚悟はもう決まってる?士道」

 

「何回言わせんの。これも仕事なんでしょ?だったらやるだけだよ」

 

士道がそう言い切った瞬間、艦橋内にけたたましいサイレンの音が鳴り響いた。

 

「・・・・なんだ?」

 

「非常に強い霊波反応を確認!来ます!」

 

士道が首を傾げて呟くのと同時に、艦橋下段から男性クルーの叫び声が発せられる。

琴里はそれを聞くと、パチンと指を鳴らした。

 

「オーケイ。メインモニタを、出現予測地点の映像に切り替えてちょうだい」

 

琴里が指示を発すると、メインモニタに、街の映像が写し出される。

いくつもの店が並ぶ見覚えのある大通りである。だが当然の如く人の姿はなく、まるで誰もいない廃墟のようになっていた。

そんな映像の中心が、ぐわんっ、と歪んだ。

 

「・・・・ッ!」

 

一瞬、映像を映し出されている画面に不具合があると思ったが────違う。

この感覚は、"MAが起動した時"にとても似ている。

その時────空間に。

なにもないはずの空間に、水面に石を投げたときのような波紋ができていた。

 

「・・・来る」

 

士道がそう呟くのとほぼ同時、空間の歪みがさらに大きくなり───

爆音とともに、画面が真っ白になった。

その爆音があった数秒の後の映像には、まったく違う風景が映し出されていた。

街に穴があいている。

そうとしか表現のしようがなかった。

いくつもの店が並んでいた通りの一部が、浅いすり鉢状に削り取られている。

そこにあった筈の街灯や電柱、さらには道路の舗装に至るまで、全てがなくなっていた。

そして爆発の余波の為か、その周囲もまるで砲撃でも撃たれたかのような有り様になっている。

その様は、ひと月前の十香と初めてあった場所に酷似していた。

 

「さっきのが、空間震ってやつか」

 

士道は何の感情も抱かないような声で言うと、琴里は「ええ」と首肯した。

 

「──精霊がこちらの世界に現界する際の空間の歪み。それが引き起こす突発性災害よ」

 

「ふーん」

 

廃墟を見たことや、至近距離で体験したことはあるが、爆発が起こる瞬間を目撃したのは初めてだった。

 

「ま、でも今回の爆発は小規模ね」

 

「そのようですね」

 

と、琴里と、その後ろに控えていた男───副司令・神無月恭平が言う。

 

「良かった───と言いたい所ですが、〈ハーミット〉ならこんなものでしょう」

 

「まあ、そうね。精霊の中でも気性の大人しいタイプだし」

 

「今の爆発で小規模なんだ」

 

士道は空間震の爆発を見てそう呟くと、ふと二人の会話に気になる点があったので、聞く事にした。

 

「・・・ねぇ、琴里。〈ハーミット〉ってなに?精霊の名前?」

 

「ああ、今現れた精霊のコードネームよ。ちょっと待ってて。───画面拡大できる?」

 

琴里が、艦橋下段のクルーに指示を出す。

するとすぐに、映像がズームして、街の真ん中に出来たクレーターに寄っていった。

と、それに合わせて、画面内に変化が訪れる。

 

「・・・雨?」

 

士道は小さく呟いた。

先ほどまで、快晴だった空が急に暗くなったかと思うと、ポツ、ポツと雨が降り始めたからだ。

だが──そんな変化は特に気にする事なく、クレーターの地面の中心に、小さな少女の姿が確認できたからだ。

 

「・・・・あれ?コイツ・・・前に」

 

拡大された画面の中心に佇む、一人の少女の姿。それに士道は見覚えがあったからだ。

ウサギの耳のような飾りがついたフードを被った、青い髪の少女だ。

歳はライドたちと同じか少し上。大きめのレインコートに、その左手にある変なウサギの人形を見て士道はすぐに思いだす。

あれは、昨日の帰り道の途中で盛大に転けた女の子だった。

 

「・・・・?どうしたのよ、士道」

 

士道の様子を不審がってか、琴里は怪訝そうは声を響かせてくる。

士道は琴里に彼女の事を言った。

 

「アイツに会った事があるって思っただけ」

 

「なんですって?一体いつの話よ」

 

「昨日。学校から帰る時に雨が降ってきたから、その時に転けたのを目の前で見た」

 

士道は、昨日の出来事を簡単に話した。

ひとしきり士道の話を聞いた琴里は、艦橋のクルーに指示を飛ばした。

 

「昨日の十六時から十七時までの霊波数値を私の端末に送って。大至急!」

 

そうしてから手元の画面に視線を落とし、苛立たしげに頭をがりがりとかく。

 

「・・・主だった数値の乱れは認められないわね。十香のときのケースと同じか。・・・士道、なんで昨日のうちに言わなかったの?」

 

「それっぽい感じはしたけど、確信出来なかった」

 

と、士道が言うと同時にに、〈フラクシナス〉艦橋に備えられていたスピーカーから、けたたましい音がまた響く。

 

「・・・今度はなんだ?」

 

「───精霊が現れたんだもの。仕事を始めるのは私たちだけじゃあないでしょうね」

 

「ああ、メカメカ団か」

 

「め、メカメカ団?」

 

「前に十香が言ってた」

 

「・・・ああ、そういう・・・・」

 

士道の言葉に琴里は困惑するも、他人の影響を受けやすい事を思い出した琴里は納得するように言った。

士道はこれから起こるであろう、ASTと〈ハーミット〉と呼ばれた少女の戦闘をただ画面から見続けていた。

 




感想、誤字報告よろしくです。
あと、良かった活動報告でだんまちの事を教えていただけるとありがたいです。
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