デート・ア・オルフェンズ   作:鉄血

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投稿!戦闘はまだ先だけど、レンチメイスって対人武器にして良いと思う?では、どうぞ!

「イオク様は白いのでも撃っていてください」

「援護してやっているんだぞ!」

「要りません」

蝶を食べた金髪サルと、オジャン公


第十話

「・・・で、どうする?このまま接触する?」

 

士道の言葉に琴里は言った。

 

『このまま彼女を放っておくこともできないわ。とりあえず接触してみましょ』

 

「・・・・了解」

 

士道は短くそう言って『よしのん』の方に歩いていった。

『よしのん』は未だに士道に気付く様子もなく、必死に地面に視線を放っている。

 

「声かけるよ」

 

『ええ。───っと、ちょっと待ちなさい』

 

「なに?」

 

琴里が士道を静止させる声に足を止める。

士道が精霊に接触しようとしたところで、艦橋のモニターにウィンドウが表示される。が───。

 

「・・・何でまともなやつがないのよ・・・」

 

精霊を刺激しないための方法を検索したが、碌なものが一つもなく、琴里は目を手で覆った。

選択肢というものが無いのかと言わんばかりのモノばかりだったので琴里は待機している士道に言った。

 

『士道、選択は貴方に任せるわ』

 

「・・・?分かった」

 

妙な間に士道は不思議に思ったが、すぐに切り替える。

そして士道は『よしのん』に声をかけた。

 

「ねぇ」

 

士道がそう言った瞬間、『よしのん』が、ハッとした様子で振り向いてくる。

顔を蒼白にして歯をカチカチと鳴らし、全身を小刻みに震わせ始める。

 

「・・・ひっ、ぃ・・・・・っ」

 

そして、もう今にも泣き出してしまいそうな顔を作り、右手をバッと高く掲げる。

あの動作には覚えがあった。昨日『よしのん』が“アレ“を顕現させた際の行動だ。

 

「マズいな」

 

その行動を見て、士道は傘をそのまま捨てて両手を上げる。

 

「俺は何にもしないよ。それに何にも持ってない」

 

士道がそう言った瞬間、手を振り降ろしかけていた『よしのん』が、呆気にとられたような顔を作る。

そして、恐る恐るといった調子で右手を元の位置に戻し、士道の様子を窺い始める。

 

「大丈夫。俺はアンタに何もしないから」

 

士道は彼女をなだめるように言って声をかける。だが、『よしのん』は警戒したまま睨みつけてくるだけ。

そんな彼女に対して士道は息を吐くと、パペットを無くした彼女に言った。

 

「手につけてたヤツでも無くしたの?」

 

「・・・・・!」

 

士道が言った瞬間、『よしのん』がカッと目を見開く。そして士道の元にパタパタと走り寄ってきたかと思うと、服を掴み、問い詰めるように揺さぶってくる。

 

「・・・・っ!・・・・っ!?」

 

「分かったからやめて、服が伸びる」

 

士道がそう言うと、『よしのん』がハッとしたように士道の服から手を離した。

士道はそんな彼女の様子を見て、もう一度聞いて見る。

 

「やっぱり、あれを探してんの?」

 

『よしのん』が、何度も力強く頷き、それから不安そうな瞳を士道に向けてくる。まるで、パペットのある場所を聞いてくるかのように。

 

「悪いけど、俺もどこにあるかは知らないよ」

 

士道がそう言うと、『よしのん』はこの世の終わりを告げられたかのような顔をして、その場にへたり込んだ。

そしてそのまま顔をうつむかせ、嗚咽を漏らし始める。

 

「・・・・・ねぇ」

 

そんな彼女に士道は声をかけると、『よしのん』はまたもビクッと身体を震わせて、こちらを見上げてくる。

そしてそのまま、『よしのん』に言った。

 

「俺の仲間がアンタに迷惑かけたから、俺がソレを探すの手伝うよ」

 

「・・・・・!」

 

士道が言うと、『よしのん』が驚いたように目を見開いた。

そしてそのあと、初めて顔を明るくし、うんうんと力強く首を縦に振ってくる。

そして士道はそんな彼女に対して、何処で無くしたのか聞いてみた。

 

「じゃあ聞くけど、手につけてたヤツ、何処でなくしたか覚えてる?」

 

問うと、『よしのん』は逡巡するように視線を泳がせてから、口を開いた。

 

「・・・き、のぅ・・・」

 

そして、ウサギの耳付きフードを握って顔をうつむけ、目元を隠すようにしながらたどたどしく言ってくる。

 

「こわい・・・人たち、攻撃・・・され・・・気づいたら・・・、ぃなく、なっ・・・」

 

「昨日、アイツらに襲われて落としたのか」

 

士道が言うと、『よしのん』はこくんと首を縦に振った。

 

「なら、あの後か」

 

そう言いながら、首を左右に回して辺りの様子を見る。崩落した建物や、ヒビの入った道路が、視界いっぱいに広がっている。と、それに合わせるようにして、右耳に〈フラクシナス〉からの音声が届く。

 

『───こっちからもカメラをあるだけ送るわ。できるだけ彼女とコミュニケーションを取りながら捜索してちょうだい』

 

「了解」

 

士道は短くそう答え、『よしのん』を見る。

 

「じゃあ、探そうか。えっと・・・名前なんだっけ」

 

「・・・・・!」

 

『よしのん』が首肯し───しばし口をモゴモゴさせてから、声を発してくる。

 

「わ、たし・・・は、」

 

「うん」

 

「私・・・は、四糸乃。・・・です」

 

「そっか。じゃあ探そう、四糸乃」

 

士道はそう答え、傘を拾って四糸乃にソレを渡す。

 

「それ。使えば?雨で濡れて探すよりマシだろ」

 

「?」

 

不思議そうに首を傾げる四糸乃に士道は手に傘を握らせ、差し出す。すると、雨粒が自分の身体に触れなくなったことに驚いたのか、四糸乃は目を丸くして頭上を見る。

 

「・・・・!・・・・!」

 

透明なビニール傘に雨粒が弾け、光りながら落ちていくのを、四糸乃は興奮気味に、傘を持っていない方の手をパタパタと動かした。

 

「ソレ、持ってて。俺はあっち探すから」

 

士道はそう言って瓦礫の中を探し始める。と・・・不意に雨が当たらなくなった。

 

「ん?」

 

顔を上げると、四糸乃が自分に傘に入るように手を伸ばし、そこに立っていた。

 

「なに?」

 

四糸乃の行動に訳が分からず、彼女を見つめる士道に四糸乃が小さく言った。

 

「・・・お、礼・・・」

 

「・・・そっか、でもいいよ。俺の事は気にしなくても。だから使って」

 

士道の言葉に四糸乃は傘と士道を交互に見たのち、

 

「ぁ・・・り、が・・・ぅ・・・」

 

ペコリとお辞儀をしてから、パペットの捜索に戻っていった。

 

『格好いいことしちゃって』

 

からかうような琴里の声が聞こえてくるが、士道はそれに対し、

 

「普通でしょ」

 

そう答えて、パペット探しに戻った。




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