デート・ア・オルフェンズ   作:鉄血

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投稿!!

ついに、バルバトス本格的に出陣!

「バルバトスルプスレクスだって」

「またなげぇな。レクス?」

「王様だって」


三日月・オーガス

オルガ・イツカ


第十四話

「・・・・・っ!?」

 

目を開けて。四糸乃は、狼狽に身を震わせた。

闇の中で微睡むかのような感覚が掻き消えると同時────ひんやりとした空気が頬を撫で、視界に街の景色が流れ込んできたのである。

 

「ぇ・・・、ぁ・・・っ」

 

四糸乃は辺りを見回す。

どこか知らない、街の真ん中。

四糸乃の周囲だけが、爆発でも起こったかのように消し飛んでいる。

そして空からは、冷たい雨。

幾度も、それこそ飽くほどに経験した、現界の感触。

ただ違いがあるとすれば────その左手に、四糸乃の無二の友だちがいないことだろう。

 

「・・・・・っ!」

 

空からは、聞き覚えのある音が聞こえてくる。

そこには────四糸乃の予想通り、機械の鎧を纏った幾人もの人間が浮遊した。

 

「────目標を確認。総員、攻撃開始」

 

『は』

 

そんな会話のあと、人間達の手足から、幾つもの弾が四糸乃目がけて放たれる。

 

「・・・・・っ!!」

 

四糸乃は息を詰まらせると、地面を蹴って空へ舞った。

そのまま、人間達の攻撃を避けるように、複雑な軌道を描きながら逃げていく。

 

「逃がすんじゃないわよ!」

 

『───了解!』

 

後方からそんな声が響き、さらに何発もの弾丸が射出される。

それぞれ致死の力を持つ、必殺の一撃。霊装がなければ、四糸乃を百回は殺しても、釣りが出るであろう悪意と殺意の化身。

 

「・・・・・!・・・・・!」

 

四糸乃は、錯乱気味に空を舞いながら、声にならない叫びを上げた。

動悸が激しくなって、

お腹が痛くなって、

目がぐるぐると回る。

誰かに悪意を、殺意を向けられていることが、四糸乃には許容しきれなかったのだ。

いつもは─────違う。

いつもなら、四糸乃の左手には『よしのん』がいてくれる。

そして『よしのん』はとても強くて頼りになるから、こんな攻撃はものともしない。だから四糸乃も平気だった。みんなを傷つけずにいられた。

でも、今は─────

どうしようもないくらいの恐怖が、四糸乃の心に広がっていく。

ガチガチと歯が鳴って、

ガタガタと足が震えて、

グラグラと視界がゆれる。

どうしようもないくらいに、頭の中がグシャグシャになる。

 

「ぅ、ぁ、ぁ・・・」

 

─────雨が、強くなる。

 

「───よし、このまま一気に行くわよ!」

 

リーダーカクの女が言うのと同時、人間達の禍々しい武器が、一斉に四糸乃に向けられた。

そして、そこから、今までで一番たくさんの殺意が、形と成って降り注いでくる。

それが着弾する直前。四糸乃は、天高く右手を上げていた。

 

─────そして。

 

「・・・〈氷結傀儡〉・・・ッ!!」

 

厄災の天使の名とともに、それを、振り下ろした。

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

「・・・・・ッ!?」

 

五河家二階奥の部屋で眠っていた十香は、不意に鳴り響いた爆発音にハッと顔を上げた。

 

「な───なんだっ・・・!?」

 

急なことに驚いて身を起こし、ガラガラッ、と音を立てて窓を開ける。

そこで、十香は思わず身を震わせた。

何かに途方もない恐怖を感じたというよりは、窓から入り込んできた風の、予想外の冷たさに身体が震えたのである。

異常なほどに、気温が下がっている。十香は怪訝そうに眉をひそめながら外を見渡した。

 

「こ、これは・・・」

 

視界一面に雨が降り注ぎ、しかも、地面に触れた雨粒が、一瞬のうちに凍りついている。

 

「一体、何が起こっているというのだ・・・」

 

と、そこで、ふと先程のことを思い出す。

昼寝をしていた際、何やら警報のような音が鳴っていた気がする。

夢か何かかと思っていたが、あれは・・・

 

「警報・・・というやつだったのか・・・!?ならばこれが・・・空間震?」

 

タマちゃん教諭に聞いていた爆発云々とは随分イメージが異なっていたが、見るからに異常な事態である。早くシェルターとやらに避難せねばなるまい。

と─────十香が部屋から出ようとしたその時。

 

「・・・・・っ!?」

 

窓の外を奇妙なモノが凄まじいスピードで通り過ぎていった。

ずんぐりしたフォルムの、全長三メートルはあろうかという人形である。しかもその背に、緑色のコートを着た少女を乗せていた。

 

「あれは・・・あのときの」

 

そう、あれは、士道と会っていた少女だった。

それを認識すると同時、十香は、心臓がどくんと震えるのを感じた。何の根拠もない。だけれど、なぜだろうか───あの少女のもとに、士道がいる気がしてならなかった。

 

「・・・・・っ」

 

十香は唇を噛むと、部屋の外に飛び出していった。

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

「へぇ・・・こんな事も出来るんだ」

 

パペットを手して、マンションの外に出た士道は、目の前に、広がる光景を目に素直な感想を送る。

何しろ、見慣れた町並みが一面銀世界になっていたからだ。

それも、雪が積もったというよりかは、純粋に街が凍りついているのだ。

 

『───警報が聞こえなかった?四糸乃よ』

 

今まで沈黙を保っていたインカムから、琴里の声が聞こえてくる。

 

「あ、やっと繋がった」

 

やっと繋がったインカムに士道はそう言って、琴里に耳を傾ける。

 

『それより、精霊が出現するまで何をしていたの?野外に出るまで随分時間が書かっていたようだけれど』

 

「セントリー・ガンの相手をしてた」

 

士道は何でもないようにそう言っているが、琴里は顔を引き攣らせながら、士道の言葉を聞いていた。

生身、拳銃一つで、セントリー・ガンの相手をしていたとか、人外じみた事をした兄に、琴里はドン引きしていた。

 

「・・・・で、状況は?」

 

士道は短く、そして今必要情報を得るべく、琴里に聞いた。

 

『四糸乃は今、ASTと交戦中。今、士道が見ている景色も四糸乃の天使の影響と見て間違いないわ』

 

「了解、四糸乃の場所は?分かる?」

 

『マンションを出て右手に真っ直ぐ、大通りが出るまで走りなさい。四糸乃の進行方向と、速度から見て、およそ五分後、そこに到達するわ』

 

「ありがとう」

 

『さっさと、好感度上げてキスしちゃいなさい』

 

琴里の指示を簡潔に聞いた士道は琴里に礼を入れて、先程セントリー・ガンを相手にした時、出来たバルバトスの別の姿を試す。

 

(感覚は、“乗る“感じじゃなくて、“着る”感じ。俺が“バルバトスになるような“感じでいい)

 

士道がそう頭で認識すると、士道の姿が変わっていく。

 

『ちょっ!?士道!?』

 

琴里は士道の変化に叫び声を上げるが、士道はそれに気にすることなく、集中する。

そして士道が目を見開くと、自分の視界がクリアになっていた。

両腕は巨大化しており、分厚い装甲と金属質のフレームが見えている。そして右手には自身の身体よりも巨大な大型のメイスが握られていた。

そして背中には、巨大なブレードが獲物を待つように伸びている。

そして士道は自身の相棒に向けて言った。

 

「行くぞ。バルバトス」

 

士道がそう言った瞬間。

狼王は、士道の“三日月“に応えるように咆哮を上げ、戦場へ疾走した。




俺がバルバトスになるような感じでいい。

三日月・オーガス




刹○・F・セイ○イ

ガタッ!!






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