デート・ア・オルフェンズ   作:鉄血

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明日、四月十一日は確か、オルガの命日だったはずなので投稿!!

「モビルアーマーの最も厄介な所はプルーマと言われる子機達です。攻撃の他に重要な機能がもう一つ・・・・」

「なんかちょっとかわいいがあります」

「かわ・・・いい?」


石動・カミーチェ

オルガ・イツカ




第十八話

「──シドー!!」

 

後方から聞こえてくる十香の声に士道は不思議そうに言った。

 

「あれ?十香?何で此処にいんの?それにそれ・・・」

 

十香の声がした方へ振り向いた士道は、見慣れない十香の姿に若干困惑した。

十香はいつも通り来禅高校の制服を着ていたのだが───胸元やスカートなど、身体の要所に、美しい光の膜が揺れているのが分かる。

 

「十香、それなに?」

 

「ぬ?」

 

士道が言うと、十香は目をぱちくりさせて自分の身体に視線を落とした。

 

「おお!?なんだこれは!霊装か!?」

 

指摘されて初めて自分の様子に気がついたらしい。十香は驚きの声を上げる。

そしてしばしの間、ペタペタと光の膜を触ったあと、ハッと顔を上げ、士道の方へ視線を戻す。

 

「そんなことより───シドー、無事か?怪我はないか?」

 

「俺は大丈夫だよ。十香は?怪我とかない?」

 

すると士道の言葉に対し、十香はばつが悪そうに目を泳がせ、少し震えた声であとを続けてきた。

 

「・・・私は無事だ。その・・・なんだ、わ、悪かった・・・いろいろと」

 

「え?」

 

士道は見に覚えのない十香の謝罪に対し、キョトンとしながら言葉を返すと、十香は「むむう」とうなりを上げる。

 

「だから・・・!私が、よくわからないことで苛ついてしまって・・・その、シドーに礼も言えず・・・迷惑をかけた、から──ずっと、謝りたかったのだ・・・」

 

「別に気にしてないよ」

 

十香の言葉に士道は短く答える。そしてその言葉の続きを士道は言った。

 

「俺だって十香にちゃんと説明してなかったんだし、悪いのは俺だって同じだよ。だから十香はそんなに気にしなくてもいいよ」

 

「・・・だがっ!」

 

それでも食い下がってくる十香に士道は言った。

 

「そんなに気にするんなら、俺の頼みを聞いてくれる?時間もそんなにないし」

 

「ぬ・・・?なんだ、改まって」

 

十香が不思議そうに首をひねってくる。

 

「四糸乃を助けるから手伝ってくれない?」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

十香はしばしの無言のあと、小さな声を響かせてきた。

 

「四糸乃というのは────あの娘のことか?」

 

「うん」

 

「・・・・・っ」

 

息を詰まらせてから、十香は言葉を続ける。どこか───悲しそうに。

 

「・・・そうか。やはり、あの娘が大事なのだな。───私、より」

 

「そんなこと、俺は思ってないよ」

 

十香の言葉に士道はバルバトスを解除して十香を抱きしめた。

 

「え・・・・・?」

 

「十香は俺達の“仲間“だ。俺は戦う事しか出来ないから十香を色々不安にさせるかもしれないけど、俺は十香を仲間を守る為にオルガの命令を守る為に今を生きてるんだ。・・・四糸乃だって、十香と同じだ」

 

「同じ・・・・・?」

 

「うん。四糸乃は、十香と同じ────精霊ってやつなんだ」

 

「・・・・・っ!?あの娘が?」

 

十香が、眉をひそめて怪訝そうな声を発する。

 

「────うん。それだけじゃない。四糸乃だって、前の十香と同じように、ずっと戦ってたんだ」

 

「・・・・・・・・」

 

「それに、俺は四糸乃と約束したからね。俺が四糸乃を守ってあげるって」

 

俺に出来る事はそれだけだから。鉄華団を家族を、アトラを、クーデリアを、オルガを守る為に俺はずっと戦っていた。

失くしたものは二度と元に戻らない。

だから俺に出来ることは今、生きている奴を死なせないように全力で守るだけだ。

オルガが十香達を俺達の家族と言った。だから俺の“命”というチップを賭ける理由がここにある。

 

「・・・・・」

 

沈黙が、流れる。

だが────それは長くは続かなかった。

すぅー・・・はぁぁぁぁ、と深呼吸のような音が聞こえてきたあと。

 

「・・・・・っ、はは」

 

小さな、笑いにも聞こえる声が響いた。

 

「・・・?」

 

士道は突如、額に手を当てた十香を不思議そうに見つめる。

そして、十香の口元が小さく動いた。

 

「・・・ああ、そうか。そうだった。なぜ忘れていたんだろう。────私を救ってくれたのは、“こういう男”だった」

 

「十香?」

 

士道は訝しげに聞き返すが、十香は答えず、バッと身を翻した。

 

「────あの娘を、助ける手伝いをすればいいのだな?」

 

「うん。それで十分だよ」

 

士道はバルバトスを再度展開し、四糸乃が作り上げた氷結の結界を見上げる。

 

「・・・それで?あれはどうなってんの?」

 

『・・・四糸乃が構築した結界だね。ふむ、よくできている』

 

士道が言った瞬間、令音が冷気のドームの解析結果を簡潔に説明してくる。

魔力────つまりは、ASTがCR−ユニットで出力した攻撃に反応してオートで迎撃を仕掛けてくる氷の鶏でだという。

 

『困ったことになったわね。あれじゃあ、誰も四糸乃に近づけないわ』

 

普通に考えれば確かにそうだ。だが、“バルバトスは違う“。

 

「なら、俺がバルバトスを“モビルスーツにしてあの中に乗り込むよ”」

 

「なっ!?」

 

士道の言葉に十香は驚愕し、琴里は叫ぶ。

 

『バルバトスだって例外じゃないのよ!!あの吹雪が吹き荒れる中、散弾銃に撃たれながら入るなんて正気じゃないわ!しかも、霊力を感知されたら、十香の〈鏖殺公〉みたいに凍り付かされるわよ!!』

 

「モビルスーツの時のバルバトスなら大丈夫だよ。“霊力に反応しない“しね」

 

士道はそう言って、バルバトスを再度展開し直す。

士道を中心に段々とバルバトスは巨大化していく。

 

『士道────!士道!止まりなさい!』

 

「────シドーッ!」

 

琴里が、いつになく必死な様子で叫んでくる。十香も士道を止めようと手を伸ばすが────

 

「行ってくるね」

 

『────止まって・・・ッ、おにーちゃ────」

 

そんな琴里の声を最後に、士道の耳に凄まじい雑音が入る。

エイハブウェーブにより、街中の電子機器が、交通機器が、全てシャットアウトする。

そしてバルバトスのコックピットの中で、士道は言った。

 

「・・・オルガ。俺は止まらないよ。これまでも、これからも。お前だって、まだ止まりたくないもんな。バルバトス」

 

“三日月“の声に答えるようにバルバトスはライトグリーンのツインアイを輝かせた。

 




感想、評価、誤字報告よろしくです!!

ちなみに吹雪による散弾の雨?嵐?

ナノラミネートアーマーの効果、お忘れかな?琴里ちゃん?
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