いやあ、狂三ね、口調が難しい!!
では、どうぞ!
オルガの最後を再現
だからよ・・・止まるんじゃねぇぞ・・・
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鉄華団団長 オルガ・イツカ
黒板の上に設えられた時計は、もう三時を回っている。
士道の視界の中では、見慣れた帰りのホームルームが展開されていた。チャイムに入ってきたタマちゃん教諭が教卓に出席簿を開き、連絡事項を伝えている。
何の変哲もない光景。士道は聞き流すように手を頬につけながらタマちゃんの話を聞く。
「連絡事項はこんなところですかね。────あ、それと、最近この近辺で、失踪事件が頻発しているそうです。皆さん、できるだけ複数人で、暗くなる前におうちに帰るようにしてくださいね」
「・・・へぇ」
タマちゃんの言葉に士道はそう呟く。
そういえば、朝のニュースでそんな事を言っていた気がする。
だがすぐに、士道は関係ないかとすぐに忘れると、起立の号令が響いた。それに従って椅子から立ち、礼をする。タマちゃん教諭は「はい、ではさようなら」と言って教室から出て行った。
周りから、席を立つガタガタという音と、生徒たちの談笑が周りから聞こえてくる。
士道は、野菜に水をあげて帰るかと思いながら、席を立ち上がったその時。
「士道さん」
「・・・ん?」
士道は後ろから声をかけられ、首をそちらへ向ける。
そこにいたのは確か、転校生の・・・誰だったか。昼休みに殿町がなんか言っていた気がするが、どうでも良かったので聞き流した覚えがある。
「・・・アンタは?」
士道はそう彼女に言うと、狂三は答えた。
「時崎狂三と申しますわ。士道さん」
「ふーん・・・俺になんかよう?」
士道は狂三にそう聞き返すと、狂三が指を一本立ててあごに当てた。
「わたくし、転校してきたばかりでこの学校の事をよくわかりませんの。案内をお願いできませんこと?士道さん」
狂三はそう言って士道に案内をしてもらえるように求める。士道はそんな彼女の顔をひと目見て、目を閉じると身を翻す。
「・・・んじゃ、こっち。えーと・・・トッキー」
士道は狂三にそう言って鞄を持ち、歩き始める。
「ト、トッキー!?・・・あ、待ってくださいまし!士道さん!」
叫ぶ狂三を放っておいて歩き始める士道に、狂三はすぐに士道のあとを追い始める。
士道と狂三が最初に向かったのは食堂だった。
「ここが食堂。まあ、飯食う所って言えばいいか。で、その隣が購買。いろんなものが売ってる」
士道はそう言いながら足を進めると、狂三は士道に訪ねてくる。
「士道さんは、此処を使いますの?」
「まあ、飯が足りない時とかにたまに買いに来る」
士道はそう言って廊下を歩いていく。
「んで、ここが学校のシェルター。ウチの学校には自前のシェルターがあって空間震が起こった時は皆がここに避難してる」
軽く説明しながら歩いていく士道に、狂三も頷きながら士道の後ろについてくる。
そしてあちこち学校の中を歩きながら、士道は狂三を案内していく。
そして色々と周り終えたあとを、最後に残った屋上に案内する。
「ここが学校の屋上。鍵を借りればいつでも来れるから、晴れの日は誰かしらここにいる」
士道はそう言い終わると、狂三に視線を向ける。
「これであらかた案内したけど分かった?」
「ええ、とても」
「そっか」
狂三の言葉を聞いて士道は短く返事を返す。と、狂三は手を自身に差し出してきた。
「ん?」
それを見た士道はなにをするかと思ったが、その疑問を口にする前に狂三が言う。
「お友達になりましょう士道さん。その握手ですの」
握手。狂三が求めてきたのは士道に対する握手だった。
「あー・・・」
士道はそう呟きながら自身の手を見る。その手は学校のあちこちを触ったり、畑の土を触ったため手が汚れていた。
「どうかなさいました?」
狂三が士道にそう聞いてくる。そんな狂三に士道は言った。
「手が汚れてたから遠慮しただけなんだけど」
そう言って左手の平を見せる士道に顔を恥ずかしそうに伏せる狂三。だが、そんな狂三に士道は言った。
「でもそれってさ、“汚れた手の俺“とじゃ握手したくないってことだよね」
「・・・・・っ!!」
士道の言葉に狂三は伏せた顔の下に見える目を見開く。
そんな狂三の反応を見ても、気にしていない士道は身を翻して言った。
「んじゃ、俺明日の準備あるから帰るね」
士道は狂三にそう言ったあと、カツカツと靴音を鳴らしながら屋上から出ていった。
「汚れた手ですか────」
士道と別れて、一人夕日の道を歩きながら、狂三はそんな声を発する。
自分に言い聞かせるように呟き、彼女は道を歩いていく。
と────その瞬間。
「・・・あら?」
狂三は、不意に全身を襲った感覚に、眉をぴくりと動かした。
全身を無遠慮に撫で回されるかのような感触。
この感覚は初めてではなかった。
現代の魔術師が顕現装置とかいう機械を使って作り出した結界・テリトリー。
その中でも特別なもの。そう、間違いなく────あの女。
「やっと見つけましたよ〈ナイトメア〉」
狂三の思考を裏付けるように、狂三の目の前に、一人の少女が姿を現した。
髪を一つに括った、中学生くらいの女の子である。
装いはパステルカラーのパーカーにキュロットスカートというラフなものだったが、その身に纏う空気は、獲物を見つけた猛禽さながらに剣呑だった。
「あらあら、あなたは・・・祟宮真那さん、でしたかしら?」
狂三が小さく首を傾げながら言うと、真那はフンと不機嫌そうに鼻を鳴らす。
「私の名を覚えてやがったことは褒めてやりますが、気安く呼ばれるのは反吐が出やがります」
「あら、これは失礼しましたわ」
狂三はペコリと頭を下げ、素直に謝った。
「でも、“お名前”は大事でしてよ。わたくしも〈ナイトメア〉なんて呼ばれるのは悲しいですわ。時崎狂三と呼んでくださいませんこと?」
狂三が言うと、真那は一層気分悪そうに眉を歪めた。
「大事だから、貴様には呼んで欲しくねーんです。大事だから、貴様は呼んでやんねーんです」
「難しいお方」
「黙れよ、精霊」
真那が視線を鋭くする。
狂三は、肌の表面がちりつくのを感じた。
感想、評価、誤字報告よろしくです!
書いてて狂三のあだ名・・・マッキーとほぼ一緒じゃねえか!と思った作者。