デート・ア・オルフェンズ   作:鉄血

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クリスマスも近いので投稿!!

実はボツネタを引っ張ってきたこの作品。

youtubeで、鉄血コンサートの表紙のピアノを弾く三日月とそれを見守るユージンとクーデリア、そしてオルガ達をみて、書いた作品です。 


幸せに本物と偽物があるのか?

本物の幸せを知らなかった一人の男


三日月・コンサート

「あ・・・」

 

「ん?どうしたの、真那」

 

「あ、いえ・・・ただ、あれが気になったので」

 

真那が指差す先にあるのはデパートの広場にあるピアノだった。

黒色の光沢を輝かせ、広場の真ん中に置かれているピアノをユージンは見て士道に言った。

 

「弾いてやりゃいいじゃねえか」

 

「勝手に使っちゃ駄目でしょ。あれ」

 

そう言う士道に対し、琴里は言う。

 

「そうでもないわよ?あれ、前にも弾く人はいたから。というか、士道はピアノを弾けたの?」

 

そう答える琴里に対し、ユージンは士道の肩を叩きながら笑う。

 

「おう。昔、お嬢にピアノを教えてもらってた事があったんだよ。手先が器用だからってな」

 

「別にそこまで上手くないよ」

 

そう答える士道に十香は目を輝かせながら言った。

 

「シドーはピアノを弾けるのか!聴いてみたいぞ!」

 

そう言う十香に賛同するように四糸乃やよしのん、耶俱矢、夕弦も頷く。

 

「あの、私もちょっとだけ兄様がどうやって弾くのか気になります」

 

「・・・・・・」

 

皆の聴いてみたいと頷くお願いに士道は息を吐く。

 

「・・・わかった」

 

あまり乗り気ではない士道にユージンは言う。

 

「後で飯、奢ってやるから頑張ってこいよ」

 

「んじゃ、やってくる」

 

士道はそう言ってピアノの元へ歩いていき、一緒に置かれている椅子へ座った。

そしてピアノの鍵盤へと指を置いて────

 

『────────────────────』

 

ピアノを弾き始める。

 

「わぁ・・・・」

 

士道が弾き始めたと同時に、周りの人達もその音楽につられて足を止める。

士道としては右腕が使えなくなるまでの短い期間に教えてもらった曲の一つ。

鉄華団らしさを表した曲だそうで、士道は忘れてしまったがその曲の題名は────

 

────iron-blooded orphans────

 

曲の盛り上がりであるサビに入ると同時に、周りの人達もどんどん足を止めて増えていく。

真那も士道が弾くその曲を聞いて、高揚感と共になんとも言えない悲しさが曲から伝わってくる。

ユージンもその曲を聴いて懐かしさと同時に、三日月がクーデリアが横についてピアノを練習していた時の事を思い出していた。

あの時は三日月もまだ不器用ながらに弾いていた頃で、オルガ達が部屋の外からその光景を眺めていた時の事を思い出す。

そんな中、曲も終わりを迎えようとしていた。

 

『────────────』

 

曲が終わる。

少しの間、デパートの広場が静かになり、そして──── 

 

パチパチパチ、と周りから拍手が送られた。

 

「おう、お疲れ。前より良くなってるじゃねえか」

 

「ん、ちゃんと飯奢ってよね」

 

そう言う二人に十香達がそれぞれに口を開く。

 

「凄いぞ!シドー!こんな事も出来たのだな!」

 

『やー、凄いね士道くん。よしのん感動しちゃったよー』

 

「その・・・凄かったです」

 

「士道、貴方こんな事もできたなんてね。思っても見なかったわ」

 

「まさか士道もこのような隠し芸を持っていたとはな。我も思わず聞き惚れてしまったわ」

 

「感想。とても素晴らしいものでした」

 

皆がそう答える中、士道は真那が口を開いていない事に気付き、顔を真那に向けると────

 

「・・・真那?どこか痛い所でもあるの?」

 

「・・・へっ?痛いところなんてねーですよ?」

 

士道の問いに真那は思わずそう返事を返すと、士道は再び口を開く。

 

「じゃあ聞くけど、なんで泣いてるの」

 

「・・・えっ?」

 

真那は士道にそう言われ、自身の頬に手を当てると確かに濡れていた。

こころなしか視界も霞んでいる。

 

「あれ?・・・なんでですかね?・・・悲しくもなんともねーですのに」

 

そう言って真那は目を擦るが、涙が止まらない。

 

「ちょっと・・・席外しますね。すぐに戻りますので・・・」

 

真那はそう言って走っていった。

 

「ちょっと!?真那!!」

 

琴里達はそう言いながら真那の後を追っていく。

広場に残された士道とユージンは二人して真那達の後ろ姿を見て、呟いた。

 

「なんか思うところあったんだろうな」

 

「そう言うけど、ユージンもそうなんでしょ」

 

「まぁ、な」

 

ユージンはそう言って近くの椅子へと座ると、士道に言った。

 

「どうせしばらく帰ってこなさそうだし、ちょっと休憩しようぜ」

 

「うん」

 

士道も頷いてユージンの隣に座ると、ユージンが何か思い出したかのように顔を上げた。

 

「そういやよ、三日月」

 

「ん?なに」

 

首を向ける士道に、ユージンは疑問をぶつけた。

 

「お前確か、“自分の名前“の曲も弾けるよな?なんで弾かなかったんだ?」

 

ユージンの問いに士道は“あー“と言ってから口を開いた。

 

「俺はあの曲、“好きじゃないから“」

 

「?なんだそりゃ」

 

士道はそう言って買ってきた缶ジュースをカシャと開けながら口の中に入れた。




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