デート・ア・オルフェンズ   作:鉄血

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ああ、分かったよ!連れてってやるよ!どうせ後戻りは出来ねぇんだ!連れてきゃいいんだろ!途中どんな地獄が待っていようと、お前を、お前らを俺が連れてってやるよ!

オルガ・イツカ

あと何人殺せばいい?(何人だって殺ってやるよ)

三日月・オーガス

あと何人殺せばいい?(もう殺したくない)

ヒイロ・ユイ

日本語って難しい・・・


第十一話

「少し、よろしいですか?士道さん」

 

帰りのホームルームが終わり、士道は鞄を持ち、畑に向かおうとした時、後ろから狂三に声をかけられた。

 

「・・・なに?」

 

士道は鞄を手にしたまま、狂三に視線を向ける。

その際に十香はどこかもじもじした視線を、折紙は絶対零度のような冷たい視線を向けてくるが、士道はそれを無視して狂三を見る。

 

「ちょっとここでは話づらいので良ければここから離れませんか?」

 

狂三はそう言ってから、廊下へ視線を向ける。

 

「・・・分かった。なら、さっさといこう」

 

士道は狂三の提案に気にすることなく、鞄を手に持って狂三の後ろを歩いていく。

ひとけのない場所まで歩きながら、士道は狂三に言った。

 

「それで、用ってなに?」

 

士道の言葉に狂三は口を開く。

 

「ええ・・・実は、突然で申し訳ありませんが、明日お暇でして?」

 

「・・・え?あー、まあ」

 

「その、もしよかったらですけれど、この街の案内をお願いいただけますか?まだ、詳しく知らない所などがありますので・・・」

 

「いいよ」

 

狂三の言葉に士道は答える。どうせ、遅かれ早かれ彼女を誘う必要があったのだ。彼女から言ってくるのなら話が早い。

士道の返答に、狂三は顔をパァッと明るくする。

 

「本当ですの!?」

 

「別に予定なんて特にないから気にしなくていいよ」

 

士道はそう言うと、狂三は満面の笑みで言ってくる。

 

「では、明日の十時半に、天宮駅の改札前で待ちあわせでよろしいでしょうか?」

 

「分かった」

 

士道は狂三に短く返事を返し、「また明日」と言って踵を返す。

 

「あっ、ちょっと待ってくださいまし。士道さん」

 

「なに?」

 

狂三の呼び止めに士道は振り返る。振り返った士道に狂三は言った。

 

「一応ですが、連絡先を交換しませんか?何かあれば連絡出来ますし」

 

「・・・いいよ」

 

士道は携帯を取り出して、狂三と連絡先を交換する。

 

「それじゃあ、またね」

 

「ええ、また明日」

 

士道は狂三にそう言って廊下を歩いていく。

と、少し歩いた所で折紙が立っていた。

 

「・・・ん?」

 

「────彼女と何を話していたの」

 

折紙は怜悧な瞳で士道を見つめ、静かで抑揚のない声を響かせてくる。

そんな折紙に士道は言った。

 

「別に。トッキーに街の案内を頼まれただけだよ」

 

「・・・・・・」

 

士道の言葉に折紙はその瞳をさらに鋭くする。

そして少しした後、折紙は士道に言った。

 

「・・・そう。なら、私も同行させてもらう」

 

「は?」

 

折紙の言葉に士道は何言ってんだコイツみたいな反応をする。

 

「別にいいけど、なんでアンタも来るの?」

 

「彼女は危険な存在。士道を守る為に私も同行させてもらう」

 

士道と折紙の会話が微妙に噛み合っていない。

だが、士道はそれに気づくことなく、折紙に言った。

 

「・・・好きにしたら?」

 

コイツは表情に考えている事が出ないから面倒くさい。

士道はそう思いながら十香に声をかける。

 

「十香、帰るよ」

 

「ぬ、う、うむ!」

 

士道に声をかけられた十香はハッと反応し、士道の後についてくる。

 

「十香、野菜に水あげてから帰るけど手伝ってくれる?」

 

「ん、うむ・・・」

 

十香が、どこか歯切れ悪くうなずく。

普段とは違う十香の反応に不思議に思わなくもないが、別に追及するほどのことではないだろう。

士道達は廊下を進むと、昇降口で靴を履き替え、畑の野菜に水をやり終えると学校の敷地を出て行った。

と、その道中。

 

「あ、あああああああのだなシドー・・・!」

 

珍しく何も喋らずにいた十香が、妙に落ち着つかない様子で声をかけてきた。

 

「どうしたの?十香」

 

「っ、あ、ああ。その・・・だな」

 

そこで十香は鞄の中を探る仕草を見せたが────なぜかきょろきょろと辺りの様子を窺うと、顔を赤くしてうつむいてしまった。

 

「十香?」

 

士道が心配するように聞いてくるが、十香は目を泳がせながら叫んだ。

 

「な、なんでもない・・・!早く家に戻るぞ!」

 

十香はそう言って、士道を先導するようにのしのしと歩いていった。

 

「・・・どうしたんだろ?十香」

 

十香の妙な様子に首をひねりながらも、そのあとについて行くような格好で帰路に就く。

なぜかわからないが下校中、十香はあまり顔を見せようとしなかった。

ほどなくして、五河家と、その隣に聳えた精霊用特設マンションにたどり着く。

 

「んじゃ十香。また飯の時ね」

 

と、士道がいつも通りの挨拶をしながらそうと言って鍵を取り出す。と、後ろから気配を感じ振り向くと、十香がマンションに行かず、家の方に足を向けていたからだ。

 

「十香?着替えてこないの?」

 

「!い、いいから、早く鍵を開けろ!」

 

「う、うん」

 

普段とは違う十香に士道は戸惑いながらも、扉を開ける。

 

「ただいま」

 

鍵がかかっているということは、琴里はまだ帰っていないのだろう。士道はそのままリビングに直行し、ソファに鞄を置いて首を回す。

 

「・・・つかれた」

 

と、そこでガチャリと音がする。

どうやら士道のあとから家に入ってきた十香が、玄関の鍵を閉め直したらしい。そのまま、顔をうつむかせてリビングに入ってくる。

 

「あれ、十香?別に扉閉めたの?琴里が帰ってくるから別に閉めなくてもいいのに」

 

「・・・・・・」

 

しかし十香は答えず、その場に鞄を落とすと、その中に手を突っ込み、何やらチケットらしきものを二枚、取り出した。

 

「し、シドー、もしよかったら・・・なのだが」

 

そしてそこで、何かを思い出したかのようにハッと顔を上げる。

 

「そ、そうだ、ちゃんとやらなくては・・・」

 

「ちゃんと・・・?何を?」

 

士道は首を傾げと、十香は何やら慌ただしくリビングの窓に向けて走っていくと、厚手のカーテンをピシャッと閉めてしまった。

 

「・・・何やってんの?」

 

「ちょっと待っていろ!じゅ、準備する!」

 

「準備?・・・何の?」

 

だが、やはり十香は答えない。

今度は鞄からルーズリーフを一枚取り出し、テーブルの上に置いた。そして、それを難しげな顔で見ながら腰元に手をやると、スカートの上部をくるくると巻き込んでいった。

 

「十香?何やってんの?」

 

十香の行動に意図が分からず、士道は眉を顰める。

次いで十香は制服のリボンを緩めると、ブラウスのボタンを上から順番に外していった。

第二・・・第三・・・そして第四まで。ブラウスの隙間から十香の白い胸元が覗き、士道は思わず言った。

 

「・・・何やってんの」

 

士道は呆れながらそう言って、十香にソファに置いてあった毛布を十香に渡す。

 

「シドー・・・これは・・・そ、そのだな」

 

言いよどむ十香に士道は口を開く。

 

「そんなことしなくても、ちゃんと話聞くから。ほら、ちゃんと服を着て」

 

士道の言葉に十香は頷いて制服を着直す。

制服を着直した十香に士道は言った。

 

「それで十香。どうしたの?急に」

 

「あ、明日・・・デェトに行かない・・・か?」

 

「・・・デート?」

 

「う、うむ・・・!」

 

十香は大仰にうなずき、手に持っていたチケットを士道に渡してくる。

 

「・・・ん?」

 

士道は十香からチケットを受け取ると、そのチケットを見る。

水族館のチケットを見て、士道は目を細める。

 

「その・・・士道が魚が苦手なのは知っているが、良ければ一緒に・・・」

 

十香の小さな声に士道は「はあ」と息を吐いて言った。

 

「・・・分かった。ちょっと考えるから着替えて待ってて」

 

「う、うむ!」

 

十香は士道の言葉に頷いてリビングから出ていく。

そして一人になった士道は、ポケットから携帯を取り出すと、先程交換したばかりの番号に電話をかける。

 

『もしもし?士道さん、どうかなさいましたか?』

 

「うん、ちょっと明日の予定で話をね」

 

士道はそう言って話を進めた。

 




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