青くて目立つ機体だ。いい的だな。
これはモンテーロ。舐めているなら、この天才が後悔させてやる
三日月・オーガス
天才・クリム〘ハッシュ〙
ショッピングモールで昼食を済ませた後、士道達が次に向かったのは水族館だった。
そんな中で、狂三は士道に対して申し訳なさそうな表情と声音で士道に言った。
「あの、本当によろしかったのですか?水族館の代金を全て払っていただいて・・・」
そんな狂三に対し、士道は「別に」と答える。
「どうせ金なんて、飯食う時くらいしか殆ど使わないし、これくらい気にしなくていいよ」
ぶっきらぼうに答える士道は足を館内に進める。
夏前ということもあり、冷房が効いた部屋はとても涼しかった。
そんな中で十香が、驚いた様子で前の魚が泳いでいる水槽を見て士道に言った。
「シドー・・・これはなんというか・・・凄いな」
一面ガラス張りの水槽の中に大小無数の魚達が泳ぎ回っている。
始めて見るであろう十香が驚くのも当然といえば当然だった。
「こ、これが全て魚か・・・」
足元をまったく見ずに歩きながら、十香が言う。
「うん、十香はどう思う?」
「う、うむ。とても綺麗だ・・・」
「そっか」
十香はそう言って、大きなガラスの壁にぺたりと両手をつけた。
そんな十香を端で士道が見ている中で、“カシャリ“と音が聞こえた。
「ん?」
士道は音がなった方へ視線を向けると、そこには折紙がスマートフォンのカメラをこちらへ向けて写真を取っているのに気づく。
「・・・なに?」
士道は視線を折紙に向けながら、折紙に言葉を投げる。
それに対し、折紙は言った。
「士道の写真を取ってる」
馬鹿正直にそう言ってカメラのシャッターを押す折紙に士道は短く答えた。
「別に取ってもいいけど、邪魔しないでよ」
「分かってる」
今日はやたら素直な折紙に士道は不気味に思いながらも、足を進める。
水族館には何度か来たことがあるが、あまりいい思い出はない。
水族館の館内に漂う生き物の死んだ臭いが籠もっているのもあってか、好きになれなかった。
コツコツと靴音が館内に響き渡る中、士道は狂三に声をかけられた。
「士道さん。少しだけよろしいです?」
士道は後ろを振り返り、狂三を見る。
「どうしたの?」
士道の言葉に狂三は言った。
「この後、二人きりでお話したいので公園に来ていただいてもよろしいですか?」
「いいよ」
「・・・・!!ありがとうございますわ」
嬉しそうに答える狂三に、士道は口を開く。
「んじゃ、それまで俺は適当にしてるよ」
士道はそう言ってその場から去ろうとした時、狂三に呼び止められる。
「待ってください、士道さん」
「・・・・・?」
首を傾げて振り返る士道に、狂三は答える。
「前に握手をできませんでしたから、よければしませんか?」
そう言う狂三に対し、士道は自身の手を見つめる。
「俺の手。また汚れてるよ」
「構いませんわ」
狂三は士道の言葉にそう答えて、手を士道に差し出す。
そんな狂三に士道は自身の手を握り返す。
狂三は驚いた顔をしながらも、士道の手を握り返した。
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