デート・ア・オルフェンズ   作:鉄血

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次はオラトリアの方も投稿していきます!

なあ、あの鳥は愉しかったな。お前、さっさと本気を出さなくて手こずったけど、殺しきれた時ゾクゾクしただろお前。
お前はMA(アレ)を殺るために生まれてきたんだからうれしいに決まってる。 よかったな。

三日月・オーガス


第ニ十三話 狼王 エピローグ

「・・・くっ!」

 

狂三は襲いかかってくる士道から逃げまわる。

“狂三の本体“を追いかける士道は、周りにいる狂三達に対し、ボソリと呟く。

 

「・・・死なないって言ってたのはコイツらがいるからか」

 

数え切れない程の狂三を見てうんざりしながらも、士道は腕部にある砲身の装甲をスライドさせ、そこから顔を覗かせる銃口から魔力で出来た弾を狂三の本体へと撃つ。

砲声を辺りに響かせながら、その弾丸は狂三へと襲いかかる。

 

「危ないですわねっ!?」

 

狂三はそう叫びながらも、その弾丸を躱し続ける。

士道は当たらない狂三に苛立ちを覚えながらも、士道はバルバトスのスラスターを吹かせて加速する。

 

「いかせませんわ!」

 

狂三の分身体がそう言って士道の進む進路を阻んでくるが、そんな狂三の分身体に対し、士道は巨大メイスを馬上槍のように前に突き出しながら、そのまま突進した。

 

「・・・ゴフッ!?」

 

巨大メイスの尖端が狂三の分身体の身体に突き刺さる。

そしてそのままメイスを振りまわし、突き刺さった狂三の分身体を投げ捨てた。

地面に叩きつけられ、コンクリートの地面に血の海を形成されるが、士道はそれに目を向ける事なく、そのまま狂三の本体に再び疾走する。

 

「・・・っ!わたくし達!!」

 

狂三が叫ぶ。

周りから分身体が集まってくるが、士道はその分身体達にテイルブレードを射出した。

 

“キュルルル“と、テイルブレードが不気味な音をたてながら一人の分身体の胴体に突き刺さると、そのまま周りの分身体を巻き込みながら鞭のようにしなる。

 

「なっ!?」

 

一人、二人、三人目まで巻き込んだ後、テイルブレードの剣先は士道の元へと戻っていく。

だが、その剣先の返しに引っかかったまま抜けていない狂三の死体を見て、士道はテイルブレードの先端をグラウンドに低空させてそのまま勢いよく引き摺り回した。

 

ガリガリガリガリッ!!

 

生理的に受けつけない音が、狂三の分身体から鳴り響く。

引き摺り回された場所から赤い血を引き伸ばし、十五メートル近く引き摺った後、分身体の身体からテイルブレードが引き抜けた。

そしてそのままバルバトスの背中にワイヤーが収まると、更に士道は加速する。

急速接近してくるバルバトスのその顔を見て、狂三は驚愕と恐怖が混じった表情を浮かべながらも逃げまわった。

途中、何度も分身体が士道に影の弾丸を放ったり、襲いかかったりしてはくるが、士道は持ち替えたツインメイスで殴り、両腕部の砲身が火を吹きながら次々と片付けていき、近づいてくる分身体達を片っ端から殺していった。

最初はかなりの数がいた分身体も、今となっては半分近くにまで減っていっている。

 

「このままだとマズイですわね・・・」

 

狂三は苦虫を噛み潰した表情を作りながら、その光景を見つめる。

だが、逸時も休める時間などない。

と───。

 

「・・・・っ!!」

 

遠方から複数の人影が見える。武装している人間を見て、狂三は察する。ASTだ。

霊力の反応を嗅ぎつけてすぐに駆けつけたのだろう。

 

「・・・引き時ですか」

 

狂三は目を細めながらそう呟くと、同時にテイルブレードが頬をかする。

 

「・・・・・っ」

 

狂三は顔を引き攣らせながら距離を取る。

テイルブレードはそのままバルバトスの所へ帰っていくが、あれが直撃したらと思うと想像にしたくはない。

狂三はそう思いながら、士道に言う。

 

「士道さん。折角ですけれど、わたくしは此処で引かせてもらいますわ。これ以上長引くと、彼等も参戦しそうですので」

 

狂三の視線の先にいるASTを士道は確認しながら狂三に言う。

 

「逃がすと思ってんの?」

 

ドスの効いた声で士道は答えるが、狂三は肩をすくめて言った。

 

「ええもちろん。ですが此処はわたくしの勝ちです」

 

狂三はそう言った後、士道の足元の影から手が伸びる。

 

「!!」

 

士道は足元を狂三の分身体に掴まれるが、その分身体に足裏のヒールバンカーを射出する。

胸元を貫かれた分身体は影に飲まれるが、その一瞬で狂三は消え去っていた。

 

「チッ。逃した」

 

士道は軽く舌打ちをした後、その場から引こうとしたその時だった。

 

「待ちなさい士道」

 

「少し待ってもらっていいです?兄様」

 

「・・・あ?」

 

後ろからかけられた聞き覚えのある声に士道は振り向く。

そこにいたのは──────

“見たことのない霊装を纏った琴里“とワイヤリングスーツを纏った真那がそこにいた。

その二人に士道は言う。

 

「──────ここじゃ駄目だ。家でやろう。でないと彼奴等が来る」

 

士道がそう言うと、琴里達も頷く。

 

「・・・分かったわ。なら、家でちゃんと聞くから覚悟しなさい」

 

「私も後で合流するんで待っててくださいよ?私も色々と聞きてー事があるんで」

 

真那はそう言って、先に部隊の元へと帰っていった。

士道は軽く空を見上げた後、グラウンドへと着地し、バルバトスを消す。

そして──────

 

「・・・・アイツ。殺しきれなかったな」

 

士道はそう呟いて歩いて十香の元へと向かっていった。




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