この先の展開を確認してたら三日月VS折紙になるけど、下手すると殺しかねないよ?三日月さん!ヒロイン殺しは止めてよね!面倒くさくなるから!?
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(設定や書くのを自分でやってる作者 談)
俺が前でお前が後ろ。いつもどおりにやれば上手くいく。一緒に帰るんだろ?フウカの元に。
アストン・アルトランド
「さて、今後について言いたい所なんだけど・・・」
五河家のリビングで琴里が士道と真那に視線を向けながら言う。
「なんで貴方が居るのかしら?呼んだ覚えはないのだけれど?」
「私も聞きてー事があると言いませんでした?琴里さん」
真那の言葉に琴里は頭を抑えながら言った。
「あー・・・そういえば言っていたわね。まぁいいわ。先にそっちから終わらせましょう。で?貴方が聞きたいことって何かしら?」
琴里の言葉に真那は口を開く。
「そうですね・・・琴里さんが精霊だという事も、もちろん驚きだったんですが・・・それより聞きたいのは兄様の事です」
「俺?」
士道は真那の突然の指名に顔を向ける。
そんな士道に真那は言った。
「ええ。何故、兄様は自分と合っていないラタトスクという組織にいるのだろうと思いまして。何かしらの理由があると思いますが、それをお聞きさせてもよろしいですか」
「・・・・あー」
士道は真那の質問に頬を掻く。
確かに琴里には言った気はするが、真那には言っていなかった気がする。
士道はじっと目を此方へ向けてくる真那に口を開いた。
「・・・十香達の為だよ」
「十香さん達・・・精霊の為だと、兄様は言うのでやがりますか?」
真那の言葉に士道は頷く。
「俺は俺のやる事はあるけど、十香達を助けた後の事を考えるとASTみたいな敵対してるとこに預けるより、ここの方が良かったってだけ。俺は居心地は良くはないけど、十香達が楽しそうならそれでいいしね」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
真那は士道の言葉に考え込むように黙り込み、琴里に至っては思い当たる節があり過ぎて目を逸らす。
そんな事に数十秒時間を取った後、真那が嘆息の息を吐く。
「・・・まぁ、兄様がそれで構わないと言うのであれば私は何もいいません。・・・ですが!!」
真那は琴里に視線を向け、強い口調で琴里に言った。
「だからと言って、兄様を危険に晒すのはどうかと思われますが!あんな力を持っているとはいえ、兄様は・・・人間なのでしょうか?」
「疑問系で返すんじゃないわよ!?」
真那の突然の疑問に琴里が叫ぶ。
ASTや精霊と殺り合ってる時点で一般人と言っていいのか疑問だが、だからと言って本人の前で言う事ではない。
突然のボケとツッコミに士道は何も言わず、デーツを咀嚼しているだけだった。
「・・・まあいいわ。で、今後の方針なんだけど・・・」
「ん」
「はい」
士道と真那は同時に返事をする。
琴里としては真那はまだASTの人間なのであまり言いたくはないのだが、仕方ないと割り切って言う。
「今、士道の中には私の精霊としての力はないわ。十香の時とは違って士道からほぼ百パーセントの力を引き出しちゃったからね。こうなるともう、自然にはもとに戻らないわ」
「ふーん。その言い方だと琴里は知ってるみたいだけど、どうするの?」
「確かに。それは気になりますね」
士道と真那のその様がよほど可笑しかったのか、琴里は苦笑しながら口を開いた。
「まぁ、再封印するしかないでしょうね」
「再封印・・・・?ってまさか・・・」
真那が何か察した顔をする。
士道に関しては「そう言うことか」と呟いて、琴里に言った。
「つまり、十香達と同じようにやれって事?」
「そう言う事」
「────────」
士道と琴里の言葉に真那が固まった。
そんな真那を放って置いて、士道がふと思い出したように琴里に言う。
「ああ、そうだ琴里」
「ん、何かしら?士道」
琴里が士道に顔を向ける。そんな琴里に士道は言った。
「昨日はごめん。十香に言われてだけど、俺もちょっと言い過ぎた」
「────────────」
琴里は士道の突然の謝罪に言葉が出ずに、真那と同様に固まった。だがすぐに首を振ると、琴里も言う。
「・・・こっちも少し無神経過ぎたわ。ごめんなさい」
「ん。んじゃ俺、何時もの日課やってくるから」
士道はそう言って、リビングから出ていった。
そんな中、琴里は小さく隣で未だに固まっている真那にも聞こえない声で呟く。
「お兄ちゃんの馬鹿。突然言われるこっちの身にもなりなさいよ・・・」
琴里のその呟きは誰の耳にも届く事なく小さく響いた。
◇◇◇◇◇
視界に広がるのは、地獄とも見まごう光景だった。
見慣れた住宅街が、真っ赤な炎に沈んでいる。建ち並んだ家々も、通い慣れた通学路の街路樹も、公園の木々も、可燃物と思しきものには一切の例外なく炎が舌を揺らめかせ、次々とと炭に灰に変えていく。
辺りからは勢い良く燃え盛る炎の音に交じって、逃げ惑う人々の悲鳴や足音が響き、時折、何かが爆発するような凄まじい音が聞こえてくる。
(なに・・・・これ・・・)
そんな、あまりにも現実離れした光景を目の当たりにし、折紙は呆然と声を発する。
意味のない行動。その一言を発する間に足を動かした方が、遥かに賢明だ。だが、それを愚かしいと断ずる者はいないだろう。十と二つ歳を重ねただけの子供が速やかに理解するには、余程の修羅場をくぐり抜けた者だけだろう。
と────そこで、折紙はハッと目を見開いた。
(お父さん、お母さん・・・!)
そう。家には、父と母が残っていた筈なのである。
それを思い出した瞬間、折紙は手に提げていた鞄をその場に放り、駆け出していた。
子供が一人駆けつけたところで何ができるわけでもないし、もしかしたら既に避難を終えているかもしれない。だが、混乱する折紙にそんな判断が出来るはずもなかった。
そして数分後、なんとか自宅へと辿り着いた折紙は、顔を絶望に染める。折紙の家も他の家屋と同じように真っ赤な炎に包まれ、黒い影しか見えなくなっていたからだ。
(そん、な・・・)
予想できていなかったわけではない。だがそれでも、実際目にするまでは一縷とはいえ希望があったのだ。だが、これでは────
(─────っ!?)
と、折紙は肩を揺らす。自宅の扉が、内側から蹴破られたのである。
そしてその中から、額に汗を浮かばせた父が、母の肩を抱くようにしながら歩みでてくる。
(お父さん!お母さん!)
折紙は精一杯喉を絞り、大きな声で二人を呼ぶ。
(っ、戻っていたの、折紙!?)
(怪我はないか?ここは危ない。すぐに逃げるぞ!)
そう言いながら、父が折紙に手を伸ばして歩みを進めてくる。
折紙は二人が生きていてくれた事が嬉しくて、目に涙を浮かべながら何度もうなずいた。父の手を取ろうと手を伸ばし───
(─────え?)
一瞬、何が起こったのかわからず、折紙はそんな声を発していた。
折紙が手を伸ばした瞬間、空から目の前に光のようなものが降り注いだのである。
そしてすぐに、凄まじい衝撃波が発され、折紙の身体は軽々と吹き飛ばされてしまった。
(きゃ・・・・・・!)
数メートル離れたコンクリート塀に打ち付けられ、数度咳き込む。
痛くて痛くて泣いてしまいそうになる。けれど、今はそんなことよりも両親の安否が気にかかった。なんとかそれに耐え、視線をもといた場所へと向ける。
─────だが、そこにはもう、誰もいなかった。折紙の両親がいた場所は地面ごと抉られ、まるで小さなクレーターのようになっていたのである。
這うようにしながら、そこへと進んでいく。
(あ、あ・・・あ・・・ああああああ───)
抉り取られた地面に父と母であったものを見つけ、折紙は歯をガチガチと鳴らした。
強い目眩。世界が歪むかのような感覚。真っ赤だった視界が、灰色と黒で塗りつぶされるような絶望感が折紙の意識を侵食していく。
何故。どうして。詮無い問いが頭を巡り、解が得られないままぐるぐると渦巻く。
(─────っ)
折紙は顔を上げる。今し方折紙の父母を焼いた光。その根源を確かめるように。
そして・・・またも、身体が動かなくなった。
(てん───し・・・)
呆然と、呟く。そこには────天使がいた。
無論、そんなものがこの世に存在するはずがないのは分かっている。だけれど今折紙の視線の先にいる存在を表すのに、他に適当な言葉が思い浮かばないのもまた、事実だった。
痛みに視界が霞み、細部まで見取ることは叶わなかったが、空に立った“それ”が人の形をしている事が分かった。
燃え盛る街を睥睨するように宙に浮いた、華奢なシルエット。────恐らく、年若い少女。
その影が手を頭に触れさせ、身体を微細に震わせる。
それは嘆いているようでもあり───嗤っているようにも見えた。
(お、まえ、が・・・)
────お父さんと、お母さんを。
言葉の後半は、声になっていなかった。ただ血が出んばかりに拳を握りしめ、歯を噛み締めて、火の海を舞う天使の姿を睨み付け、呪いと怨嗟に満ちた叫びを上げる。
(許、さない・・・!殺す・・・殺してやる・・・ッ!私が───必ず・・・っ!)
そこで、鳶一折紙は意識を取り戻し、カッと目を見開いた。
「・・・・っ、・・・・っ」
今の今まで眠っていたというのに、呼吸が荒い。
折紙は身体を起こすと、動悸を抑えるように大きく深呼吸をする。呼吸を整えた折紙は、ゆっくりと首を回し、周囲の様子を確かめる。
白い天井に、白い壁。視界の端に見えるのは、点滴を吊り下げておくスタンドだろう。
すぐに、自分が何度も世話になっている自衛隊病院の部屋と気付く。しかも、ご丁寧に個室である。
「・・・・・」
昨日の事を思い出す。
教室で皆が倒れた後、《ナイトメア》が現れ、交戦したのを覚えている。
そして倒した後は此方も疲弊によって気を失ってしまったのだ。
そして、今の夢を見たのは恐らくだが、この病院に運ばれる前に耳にした五年前、南甲町に大火を呼んだ炎の精霊。
────折紙の目の前で、両親を殺した精霊。
「見つけた。ついに・・・」
五年間、探して、探して、探し続けた仇敵。命を賭してでも殺すと決めた復讐の標的。
一瞬見えた映像にその姿を映していたその顔を今もはっきりと覚えている。
だが・・・なぜか、不思議な違和感があった。炎の精霊───〈イフリート〉の顔を、五年前のあのときは別に、見た事がある気がしたのである。
一体どこだっただろうか。思案を巡らせるも、出てこない。
折紙は数分間考え込んだあと、ベッドに身体を預けて目を閉じる。
今は身体を休ませるのが先だ。万全な状態であの炎の精霊を殺す事を考えよう。
折紙はそう思いながら目を瞑った。
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ちなみにもうちょい先だけどもユ○○ンが登場しますよ?