デート・ア・オルフェンズ   作:鉄血

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三日月から精霊の力を取り戻すとどうなるのか?今日はそれを書いてみました。では、どうぞ!!

マクギリスぅぅぅぅぅぅぅ!!

捨て駒にされたガリガリ


第五話

『ねぇ、次はどうすればいい?オルガ』

 

小さな少年の言葉が、琴里の耳に木霊する。

 

「・・・何よ・・・これ・・・」

 

琴里は恐らく夢であろう目の前の光景を見て、そう呟く。

薄汚れたコンクリートでできた路地裏に夕日が差し込んでいる。

その夕日の向かい側には、二人の少年が向かい合うようにいた。

片方の白髪の少年は左腕から血を流しながらも、もう一人の黒髪の少年を険しい顔で見つめている。

そしてもう一人の少年は、左手に銃を持ったまま、血で汚れた顔を白髪の少年に向けてきた。

そして彼等のその先には先程まで生きていたであろう、人間が地面に血溜まりを作りながら死んでいた。

そんな二人の少年をまるで映画を見る観客のように見ることしか出来ない琴里は、ただ、その場で見ていることしか出来なかった。

呆然と見ることしか出来ない琴里をよそに二人の少年は口を開いた。

 

『行くんだよ』

 

『何処に?』

 

『此処じゃないどっか。俺達の本当の居場所に』

 

本当の居場所。それは、士道がよく口にしていた言葉であった。

なぜ、その言葉をこの少年が?と疑問が浮かぶ。

そんな琴里に対し、二人の会話は続いていく。

 

『本当の?』

 

『ん?』

 

『それってどんなとこ?』

 

『えっ・・・んーわかんねぇけど、すげぇ所だよ。飯が一杯あってよ、寝床もちゃんとあってよ、後は・・・えっと後は・・・』

 

白髪の少年はそう言いながら、黒髪の少年に血で濡れた自身の手を伸ばす。

 

『ん?』

 

『行ってみなきゃわっかんねぇ、見てみなきゃわかんねぇよ!』

 

『見てみなきりゃ?』

 

『そうだよ、どうせこっから行くんだからよ』

 

彼の言葉に、黒髪の少年は身体を起こしながらその手を取る。

その約束は琴里からしてみれば、悪魔と契約をしているような光景にも見える。だが、次の言葉に琴里は驚愕する事になった。

 

『そっか。“オルガ“についていたら見たこと無い物いっぱい見れるね』

 

『ああ、だから行くぞ!』

 

オルガ。それは士道が言っていた大切な人の名前。

もしかしてこの黒髪の少年は────

 

「お兄ちゃん・・・なの・・・?」

 

姿も声も、似ても似つかない小さな少年。

だが、その絹を隠さない言葉づかいや仕草は士道と類似している部分が多い。

そんな呆然とする琴里をよそに隣から新たな風景が映し出される。

 

「──────え」

 

『今、ここにアリアンロッド艦隊指令、ラスタル・エリオンの威光の元に悪魔は討ち取られた!』

 

『『『『オオオオオオオオオオオオオオ!!』』』』

 

赤茶色の荒れた大地に佇む巨大な機械の体躯。

そして掲げられる“悪魔の首”。

 

「・・・うそ・・・嘘よ・・・そんな訳・・・」

 

その悪魔の首は琴里がよく知っている“バルバトスの首”。

 

「──────ッ!!」

 

琴里はその光景に視線を逸らす。機械であるのにも関わらず、あまりにも生々しいその光景に一秒でも目を逸したかった。そんな時に、バルバトスルプスレクスの胸元から見える一人の影。

 

「─────────」

 

琴里はそれを見て固まった。

何故、と言われれば何故だろうとしか答える事が出来ない。だが、何故かその光景から目を逸らす事が出来なかった。

まるで、現実から逃げるなとでも言うように。

コックピットから見える人影。

それは、あの黒髪の少年だった。

全身に金属の破片が突き刺さり、身体の彼方此方からはとめどなく血が流れている。

だが、その顔はどこか満足そうで──────

 

「─────────ッ!!」

 

琴里はそこで目が覚めた。

 

「はぁ・・・・はぁ・・・・」

 

息遣いが荒い。身体から冷や汗が止まらない。さっきの夢は一体なんだ?と言う疑問が頭から離れない。

時計を見ると、夜の二時を過ぎている。琴里は無言のまま、ベッドから身体を起こすと、そのまま一階のリビングへと降りていく。異様に汗をかいたせいか喉が乾く。

そのまま階段を降りていくと、リビングに明かりがついているのに琴里は気づいた。

 

「誰よ・・・電気をつけっぱなしじゃない」

 

琴里はそう呟いて、リビングに入ると───

 

「あれ?琴里じゃん。どうしたの?」

 

士道が頭だけを此方へ向けて、琴里にそう言った。

 

「──────ッ!?」

 

琴里は士道に過剰なリアクションをする。

 

「?どうしたの」

 

士道がそう聞いてくる。

 

「・・・なんでもないわ」

 

琴里はそう言って、リビングを通り過ぎて冷蔵庫から飲み物を取り出すと、そのまま一気に飲み干した。

 

「・・・そうよ。あれは夢。・・・夢なんだから」

 

野菜に水を上げている士道を視界に入れながら、誰にも聞こえないように琴里はそう呟いた。




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