デート・ア・オルフェンズ   作:鉄血

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やっちまえミカー!!

オルガ・イツカ


第十四話

真那の様子がおかしい。

昼食を終え、十香達は再度プールで遊ぶ中、士道は琴里の様子を見にいった後の真那を見てそう思っていた。

行く前は普通に返事を返していたのにも関わらず、帰ってきた時は何かを隠すような表情や声音で「何でもなかった」と答えているのだ。

一体何を見たのか知らないが、おそらく自分には知られたくないような件なのだろう。

琴里についても、今朝から様子がおかしいのは分かっている。だが、本人は「大丈夫」と答えるだけで他に答えようとしない事から、真那が見た一件と何かしら関わっていると士道は勘づいていた。

 

(俺が行けば良かったな)

 

だが二人がこうして何も話さない以上、士道としてはどうしようもない。

話題も特に思いつかなかった士道は、少し辺りを見回すと琴里に言った。

 

「琴里」

 

「なによ?」

 

士道の言葉に琴里が振り返る。

そんな琴里に士道は言った。

 

「辛くなったらいつでも言ってね」

 

「な、何よ・・・いきなり」

 

「別に。思った事を口にしただけだよ」

 

士道はそう答えて足を進める。と、士道は唐突に琴里が精霊になったと言う話を思い出す。

 

「そうだ、琴里」

 

「今度は何?」

 

ジト目で此方に視線を向ける琴里に士道は口を開く。

 

「あのさ、琴里は五年前────」

 

────と言いかけた瞬間。士道は周りの音が、少しだけ遠くなるのを感じた。

一瞬のあと、すぐに気付く。自分の周りに、目に見えない壁か膜のようなものが張られている事に。

 

「士道?」

 

不審に思った琴里が振り返る。

そして次の瞬間、上方から目の前───琴里のいる場所に、何かが落ちてくるのが見えた。

凄まじい爆発音が響き渡り、視界に広がっていた景色が炎に包まれる。

 

「琴里!」

 

“此処で士道はオルガやアトラ達以外で初めて焦った様な声“を出した。

 

「────!!」

 

士道はすぐに顔を上げ───そこにいた人物を見て口を開いた。

 

「またお前か」

 

そう。士道と琴里のいた場所を睥睨するように、空には、ワイヤリングスーツに、CR-ユニットを纏った鳶一折紙が浮遊していたのである。

 

「────士道。ここは危険。離れていて」

 

「どの口が言っている」

 

士道はそう答えると同時に、周囲の客達もその異常事態に気づいたらしい。辺りから甲高い悲鳴が幾つも響き、客達がバタバタと逃げ去っていく。

それはそうだろう。平和だった遊園地に、ミサイルを放って辺り一帯を焦土と化したのだ。逃げるのは当然だった。

二人が睨みあっている中、煙の中から声が耳に届く。

 

「やってくれるわね。鳶一折紙。あなたはもう少し賢明な人かと思っていたのだけど」

 

燻っていた煙が、風に巻かれるように霧散する。───その中心には、焔の壁に守られた琴里の姿があった。

 

「・・・私の事を知っているの?」

 

「警報も鳴っていない、避難もできていない中でミサイルをぶっ放すようなクレイジーな女なんて知らないわ」

 

「・・・・・・」

 

折紙は無言で、キッと視線を鋭くする。

そしてそれと同時に士道は吹き飛ばされた。

 

「チッ」

 

弾丸のように吹き飛ばされる自身に士道は舌打ちをしながらバルバトスをすくざま呼び出す。

バルバトスから発せられるエイハブウェーブが折紙が形成するテリトリーをかき消して士道は落下する。

着地体制をとった士道はプールのタイルを踏み砕いて着地すると同時、スラスターを全開に吹かせようとしたその時だった。

 

「“三日月!!”」

 

「────────」

 

誰か聞き覚えのある声が士道の背に投げられ耳に届く。

士道は振り向くとそこにいたのは────

 

「ユージン?」

 

かつて、一緒に戦った仲間にして家族であったユージンの姿がそこにあった。




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