「二人乗りか。ユージンが見たらきっと羨ましいがるだろうな」
三日月・オーガス
「ふ─────ッ」
折紙が短く息を吐くと同時に、折紙が背負っていたコンテナ状のユニットが、一斉にその口を開ける。そして、先ほどまでとは比べ物にならない量のミサイルが、煙で軌跡を描きながら地上の琴里に迫っていく。
凄まじい爆音と爆風、そして振動と衝撃波が、辺りに撒き散らされた。
地上の物を破壊し尽くす絶対的な意思で固められたミサイル群は、一瞬のうちに、遊園地の一角を壊滅させた。
「ふん・・・随分と行儀の悪い武器を使うわね」
折紙は声が聞こえる方へ顔を向ける。そこには傷一つない琴里が悠然と浮遊していた。
「く─────」
折紙が苦しげに顔を歪め、そちらに向き直る。そして再び声を上げると、それに合わせて、先ほどと同じように夥しい数のミサイルが琴里へと向かっていった。
しかも、今度はそれだけでない。
「─────施行性随意領域・展開!座標固定(ニニ三・四三九・三六)・・・ッ!」
折紙がその文言を唱えると同時、琴里の周囲に球状の結界が形作られる。
琴里が眉をひそめると同時に、ミサイル群は琴里へと襲いかかるその時だった。
青いスラスターの光が不規則な軌道をえがきながらバルバトスが両腕の砲身から弾丸を連続して吐き出す。
その弾丸は琴里に襲いかかろうとしていたミサイル郡を迎撃した。一部のミサイルに弾丸が直撃し、爆発する。そしてその爆発に巻き込まれるように次々と周りのミサイルは爆発していった。
「なッ─────」
折紙は驚きの声を上げる。
それは危険だと引き離した士道がもう戻ってきたのだ。
「士道、もう戻ってきたの?あいにくだけど────」
琴里が士道に言うのと同時に、士道は琴里を手を取る。
「へっ?」
「琴里。駐車場で待ってて。すぐに迎えが来るから」
唐突な士道の行動に琴里は間の抜けた声を上げる。
そして──────
「ふッ──────」
士道は全力でそんな琴里を駐車場目掛けて投擲した。
「ちょ────士道なにすんのよぉぉぉ!!」
投擲された琴里は叫ぶが、士道はそれを聞き流す。
士道は折紙に視線を向けると同時に、巨大メイスを折紙目掛けて投擲した。
「ッ─────」
折紙はその投擲された巨大メイスを回避すると同時に士道に問いを投げる。
「どうして邪魔をするの」
折紙のその言葉に対し、士道は言う。
「そんなの決まってるじゃん」
士道はツインメイスを握るのと同時に、折紙に言った。
「家族だから守る。それだけだ」
そう言って、士道は折紙へと向かっていった。
◇◇◇◇◇
「全く兄様は人の話を聞かないんですからぁ!!」
真那がそう叫びながら十香達と一緒にパークの駐車場へと走る。
「シドーのもとへ向かわなくていいのか!?真那!!」
十香のその声に真那が言い返す。
「行きてーのは分かりますが、今は堪らえてください!!兄様にも何かしらの考えがあるようでしたし、変に動いたら此方が危なくなるだけです!」
とりあえずは士道の言うとおりに動いた方がいいと叫ぶ真那によしのんが口をパクパクと開く。
『でもでもー、そのユージンって人とよしのん達が合流しても大丈夫なのかなー。いくら士道くんが言ってもちょっと心配だよー』
「それは私も心配です!!」
そう返事を返す真那。
そのユージンという人がどういった人なのか分からないが、彼女達にとっても心配なのは分かる。
そんな中で、エントランスの目の前に一台のワゴン車が止まっているのが見えた。
そして運転席の窓を開けて金髪の髪の男性が十香達に叫ぶ。
「お前等が十香達だな!?早く乗れ!!三日月の・・・じゃなかった、士道のもとに行くぞ!!」
そう叫ぶ男性に真那は走りながら叫ぶ。
「貴方がユージンさんですか!!」
「おう!!説明は車の中で話す!!だからお前等早く乗れ!」
ユージンはそう叫びながらワゴン車の後部座席の扉を開けた。
そして十香達はワゴン車の中に入り込む。ユージンはワゴン車の扉を閉めると同時に、真那達に言った。
「んじゃ今からアイツの妹も回収しにいくから気ぃつけろよ!!」
ユージンはそう言うのと同時にアクセルを全開に吹かせ、ワゴン車を急発進させた。
「ちょ────説明何も聞かされていねーですけどおぉぉぉ!!」
「・・・・・・・・・ッ!!」
「待っていてくれッ。シドー!!」
「喋るなよ!!舌噛むぞ!!」
ユージンはワゴン車を運転しながら三人にそう言って、琴里のもとへと走っていった。
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